チャンプ 風になって走れ!
「チャンプ 風になって走れ!」
マーシャ・ソーントン・ジョーンズ作
もきかずこ訳
鴨下潤・絵
あかね書房 本体1400円
ラリーはどんなにがんばってもスポーツがにがてです。それなのにかってダベンポート高校の三年生の時、アメリカン・フットボールの選手で勝利のタッチダウンを決めた選手だった父親はラリーに期待、いえ期待以上のものを求めています。それに答えられないラリーは毎日が苦痛です。ある日今は亡くなっているが父親の親友の子どもケイトと練習をしていてボールをとりそこない、それをよけた車が事故をおこしてしまう。運転者はお金持ちでショードッグのために犬舎を持っている人で運んでいた犬はケガをして手術の結果3本足になってしまいます。そして、その運転者のラーナー夫人がもうショードッグとしてやくにたたないからと犬を処分すると知って、ラリーはおもわず自分がひきうけてしまいます。
なにごとにも自信がなく、父親との確執が強いラリーがショードッグのチャンピオン犬「チャンプ」を引き取って暮らすなかで支えてくれる友だちや、はじめは理解できなかった隣人のダグラスさんとの交流を深めていく様子、そして、自分でラリーの必要なものをつくっていくなかで、途中でなげださない力をつちかっていく、父親ともちゃんと向き合っていく様子がたんねんに書かれています。
もちろん、犬好きな子どもたちにもとても楽しい読物です。こういう本を読むと動物は話ができないけれど、人を成長させてくれるものだということが良くわかります。(おとな的にいうと子どもはおとなに生きていくことのエネルギーになる存在だということが良くわかります。)一番にならなくても良い、挑戦することに意味があるという、最後のアジリティー(障害物の競技大会)の様子にハラハラしますが、父親の格好良さに素直に拍手です。
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