自然

2017年10月 5日 (木)

地球を旅する水のはなし

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「地球を旅する水のはなし」
大西健夫・瀧澤彩 文
曽我市太郎 絵
福音館書店 本体1400円


前回水の旅の本を紹介しました。ただ私たちが日常接している水、上水道と下水道のことが中心でした。この絵本はもう少し広く水のことを書いています。水は旅をしている、しかも形をかえて世界をめぐり、世界をつないでいる。それは時間と同じように思う。形もかわり、水そのものは捕まえることができない。時もそのものではつかむことも見ることもできない。形をつくってやる。水と同じように旅をしている。私は今ここの時間を私のからだと記憶のなかにとじこめて使う。水も外から形をつくってやらないと掴むこができない。(たとえば三陸の大災害、津波は海にすべてをさらっていった。残念ながら水に(津波に)さらわれた命は戻ってこない。海流にのって一年半かけて地球をまわり、一部は戻ってくるとまことしやかにつぶやかれた。まっている人がいる。後ろの解説にかいてあるように「水はどこからきて、どこにいくのか」「その水を動かす重力の話」「水はエネルギーの運び屋さん」「太陽からのエネルギーをもたらすのに一役かっている」「水ってなにからできているか」などとても解りやすく描かれている。
<水のドラマー大気中の水は風に運ばれながら、透明な気体としての水蒸気、目に見える液体としての雲や雨、個体ととしての雪や氷というように三つの姿に絶えず入れ替わってことによって様々なドラマを演じています。ー「風と光と水の言葉、倉嶋厚・文 細川剛・写真より」ー

2017年9月16日 (土)

海のかたち

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「海のかたち」
ぼくの見たプランクトン
たくさんのふしぎ10月号
吉野雄輔 文・写真
福音館書店 本体667円


台風がくるという。明日あたり東の方へもむかってくるという。台風が去った後秋が訪れるのだろう。台風そのものは目に見えない。風の強さとか雨の降り方とか、現象として認識される。それは海にも言えそうだ
とくに海の中、人の目では見えないものがたくさん蠢いている。陽のあたりかたとか、光の反射とか、風が動かす波、でも海の中にもたくさんのものたちが生きている。そのなかでとても不思議な形をしているけれど、人の目ではみえないもの、プランクトンのことが写真をとおして描かれている。プランクトン、この本のぺージをめくっていろいろなプランクトンの写真を見ると、ほんとに不思議なものたちだ。プランクトンは自分で泳ぐことができない。漂っている、だから浮遊生物、ギリシャ語では放浪者という。(18Pから)貝殻のように身体を覆っている物がない透明だ。海の中というか底というか、いることが多い。イカとかヒラメとかヒトデとかカニ、エビ、タコなど、かれらはみんな水に抵抗がない丸い身体をもっていて、そういえばみんな小さな丸い目をもっている。プランクトンもその幼魚も透明な身体を持っているものが多い。
 台風がきた時、海の中はどうなっているのでろうか。この透明な生き物たちはじっとしているのだろうか。自分の方から動くことはなくいつも漂っているという浮浪者たち、こんな生き方もよいかもしれないなぁ。

2017年7月13日 (木)

動物たちが教えてくれる海の中のくらしかた

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「動物たちが教えてくれる 海の中のくらし」
たくさんのふしぎ 8月号
佐藤克文 文
木内達朗 絵
福音館書店 本体667円


この本の表紙にはくじらが描かれています。海の中のようです。ところが裏表紙電車の中から外を見ている主人公でも外の景色はタワーがたっていて家も川原の緑もみえるのに左側には氷山らしきもの、空にはペンギンや魚が翔んでいて、なんといってもアザラシがたっています。なにかいいたそうです。なんだかおかしな絵です。内容は海のなかで動物はどうやって暮らしているかと、主に南極海でのウェッデルアザラシと亜南極のクロゼ諸島で繁殖しているキングペンギンから解ったことが描かれています。当然海の深いところでの様子が描かれていますが、写真をとることが非常に難しいので実際水中観察管から見たことなどなどを絵に描いています。ウェッデアアザラシの子育てから餌をとるために水中に潜ること、そして、水上に浮き上がってくる様子、これはほかの動物たちのことも描いてあるのですが、科学の発達はたくさんの力のある機器を発明して、人が行くことができない深海での動物たちの様子が調べることができるようになりました。
動物たちと海、水、そして空気の関係など、生物は環境によって生存し、環境によって進化していることがよくわかります。たくさんの生き物たちに計器を取り付け調査、データーを記録しています。
 裏表紙で主人公とアザラシがあいさつしているように感じます。”やぁ、また来たからよろしくね!

2017年6月 1日 (木)

みずのつぶがあつまると

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「みずのつぶがあつまると」
ーかがくのとも7月号ー
太田大輔さく・え
福音館書店 本体389円


まずちいさな水のつぶ、雨がそうです。雨にもいろいろあります。ちょうど日本では梅雨になりますが、その雨は「こぬか雨」、糠といっても子どもたちはよくわからないかも。糠漬けも?糠漬けといえば東京では夏にするのにはじめは驚きました。糠漬けは良くかき混ぜて空気をいれないと酸っぱくなったり、ひどい話は虫がわきます。私が育ったところでは夏は糠漬けをしません。塩漬けです。たとえば「ナス漬け」大好きです。糠は粉のように細かい粒です。梅雨の雨は丁度そんな雨、濡れると体に悪いと祖母にしかられました。普通の雨はもっと雨粒が大きい、豪雨のときの雨は頭から水をかぶったような状態です。

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ブログ5月9日「しずく」ーちいさなかがくのとも6月号ー(越智典子ぶん・野口満一月え)で紹介したように雨や水が葉や草からこぼれ落ちます。丸い小さな水玉、そういえば「しずく」といいませんが涙も。これは朝寝坊の私は心して早起きしないと見ることができません。水はだんだん大きく集まってついに川や海になります。地球は水の天体、だから私たちは生きていかれるのですね。
 ここ近年海にいっていませんが、今年は行ってみたい。なんとか乗り物に酔わなければ沖縄の海に行ってみたいと思っています。


2017年5月16日 (火)

たけのこ

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「たけのこ ぐんぐん」
ちいさなかがくのとも5月号
福知伸夫 さく
福音館書店 本体389円

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「たけ」
ーもうそうだけのおやこー
甲斐信枝 作
福音館書店 本体900円
(限定出版)

今年は春の初めの雨不足で市場にでまわるのが遅いので価格も高めでした。今は一年中ボイルされたのが売っていて、時々料理に使います。幼い時育ったところで「たけのこ」というと山に育つ「ヒメタケ」のことで5月の連休に子供会で遠足にいって肉を入れたみそ仕立ての汁を皆でワイワイとおにぎりといっしょに食べるのが楽しかった思い出があります。関東にきて「たけのこ」は「もうそうだけ」になり、汁より煮物や中華風に料理をします。こりこりとした食感で、灰汁抜きがめんどうだけれど待ちどうしい食べ物のひとつです。
 「たけのこ」はとても成長が早くて一日に1mは成長するそうです。竹林の地面から頭がちょっとでていて、でもみるまに大きくなって、すぐに背を越えてしまう驚きが子どもの視点で描かれています。
 甲斐信枝さんの本はNHKのテレビで取り上げられた番組が大変好評で限定出版されたものです。テレビのない我が家は見ていませんが、ずいぶんとお客様からの問い合わせがありました。
 
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「牧野富太郎 なぜ花は匂うか」
牧野富太郎 著
平凡社 1400円


この本は出版されていたのを横目で見ていながら買いそびれていた本です。先日ある本屋で見つけて買いました。(私は本屋なので自分の本もお金をだして店から買うのが普通ですが、時々衝動買いをします)きれいな装丁の本です。「たけ」は節があるのに中が空洞で筒になっているので風に抵抗してとても強く容易に折れない。その姿が反骨精神につうじていると書かれています。時代が時代なので著者の考え方はいまでは少し古風ですが、自分のことを<植物と心中する男>と意味付けているだけあってなかなかおもしろいです。それに自筆の絵はただ見ているだけでも楽しい。ちょっと疲れていたのでその夜はゆっくりめくりながら読みました。
 たけのこが成長する一方竹の葉が風に舞っています。この時期竹は秋、落葉します。竹林で風に葉が時々サラサラと音をたてています。

2017年5月15日 (月)

働きものたち

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「アリのかぞく」
かがくのとも4月号
島田拓ぶん
大島加奈子え
福音館書店 本体389円

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「はなむぐり」
かがくのとも6月号
長谷川哲雄さく
福音館書店 本体389円


暖かいというより暑いくらいの日になるかと思うと、今日は肌寒い、梅雨のようなお天気です。鳥たちの声がにぎやかになりました。それに明らかに幼鳥が餌を探している姿をみます。今年は黒アゲハも、あまり見られなくなったモンシロチョウが翔んでいるのも見て春をしっかり感じました。空き地に置きっぱなしの箱のなかからカナヘビが慌てて飛び出すのも見て気持ちがうれしい、次々といろいろな花が咲くのも楽しいけれど、その間を虫やミミズが動き回っているのを見つけるとおもわず心がほころびます。
 「ありのかぞく」はアリがどうやって自分の家族をもって増えていくか、集団で力を合わせていくようすが丹念に描かれています。一方「はなむぐり」は単独で生きていく昆虫のようすが描かれています。先日新聞で虫は花粉を媒介する、一つの花の中で雄しべと雌しべがあるのだから簡単に自分で受粉するようなものだけどそうはしない、それは近親相姦になるので、虫や風によって違う花から運ばれてきた花粉を受粉するのだということを読みました。この2冊の絵本もそのことが絵でしっかり描かれています。自然の働きは大きい、どちらの本の絵も丹念に細密に描かれています。
 暖かい日に外へ出ていろいろの虫や生きものを観察してみましょう。

2017年5月 9日 (火)

しずく

          しずくころころ

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「しずく」
ちいさなかがくのとも6月号
越智典子 ぶん
野口満一月 え
福音館書店 本体389円


毎日暑い日が続く。もう初夏のような陽気だ。夏になると朝早い時間木の葉や少し広めの葉にはまあ〜るいしずくがのっかっている。朝日の光の中に夜露がまとまってしずくが小さな水玉になっている。
 今日の夕方学校の最後の挨拶回り、これからの作業の連絡が終わって外にでたら、雨のにおいがした。しばらく続いた良いお天気の毎日、明日は雨とのこと。もう空では雨降りぼうやが雨を準備しているにちがいない。雨粒はしずくになって葉や草を飾る。ころころ、きらきら、しずくのぼうけんがはじまる。

2017年5月 5日 (金)

いろいろいっぱい

      人間だけが生きているわけではない

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「いろいろ いっぱい」
ニコラ・デイビス文
エミリー・サットン絵
越智智子 訳
ゴブリン書房 本体1600円

Q 地球には何種類の生きものがいる?
A いろいろいっぱい 大きいものから小さいものまで 微生物も
Q 生きものはどこに住んでいる?
A どこでも 海でも砂漠にも
Q 生きものの種は?
A それもはっきりわからない 100万種を見つけているけれどわからない
 食べものー住まいー子孫を増すー空も海も森もすべての生きものは繋がっている。人間だけが自分のことしか考えずにずたずたにしてしまいます。リポーターがにんげんはひとつになったら生きていけないとメッセージをおくっています。
 いろいろのところの生きものが一緒に描かれている。これは手描きでしかできない。暖かさが伝わってくる美しい科学絵本です。

2017年3月 4日 (土)

宮沢賢治の鳥

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「宮沢賢治の鳥」
国松俊英 文
舘野鴻 画
岩崎書店 本体1700円

宮沢賢治の作品にはとてもたくさんの鳥が登場する。なんでも70種類以上の鳥たち、それに鳥の種類だけでなくいろいろな場所や季節に登場する鳥、鳥の状態、鳥のおもいまで、それらはあたかも宮沢賢治の心象が鳥に表現されているようだ。
フクロウ、そしてミミズクは一番多く登場するのではないだろうか。今は勝手に飼えなくなったが、昔は北海道から九州まで山林や平地の林の良く見られた鳥だ。賢治自身がフクロウと思っていた様な気がする。自然の守り神、自然と神と人間の間を橋渡しする役目がフクロウ=己とおもっていたのではないだろうか。
 この絵本では賢治の作品にでてくる鳥たち「フクロウ」「かわせみ」はちどり」「よだか」「おおじしき」「かっこう」「とき」「からす」「もず」「はくちょう」それらの鳥がでてくる作品10場面の絵が描かれているページが交互になっている。文は鳥の事について、自然のことについての作品がたくさんある作家、そして、なによりも画家の力が充分に見開きで描かれている細密で華麗な鳥たち、また1冊宮沢賢治の世界を表している絵本が出版された。
 もう少しすると冬鳥が帰っていく。

2017年2月21日 (火)

みどりの町をつくろう

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「みどりの町をつくろう」
アランドラモンド・さく
まつむらゆりこ やく
福音館書店 本体1400円


アメリカ・カンザス州のグリーンズバーグに巨大な竜巻がおそいました。2007年5月4日のことです。その頃のグリーズバークには1400人くらいの人が住んでいました。(作者のことばより)カンザス州というと私はあの「オズの魔法使い」の物語を思い出します。あの物語も竜巻でオズは一瞬のうちにとばされてしまいます。住民の数は800人ほど、あたらしい街をめざして人びとは活動します。その新しい街、人びとは自然の恵を生かす街にしようと計画します。グリーンズバーグのグリーンというのはなんだろうと人びとは考えます。世界中から再建のためのものが集められます。物だけではありません。たくさんのボランティアの人びともかけつけました。ウォラックさんがみどりというのは自然のめぐみを活かして暮らす事だといいます。街をみどりにしよう!人びとは取り組みます。話し合いを持ちます。みどりの家、みどりの街ってどんなところでしょうか。
 わたしたちの日本も災害がいろいろのところでおこります。水害・火山・地震・・・今年の冬は北海道の方では寒波と大雪がありました。津波や地震などの自然災害ばかりではありません。なんといっても福島の原発事故がありました。この絵本では街の人びとが力をあわせて復興というか、グリーンバークの名前のような街をつくろうとします。この絵本はその実話にもとずいて描かれています。残念ながら福島の原発事故はこのようにはいっていません。事故をどう収集していったら良いかはまだわからず、混迷を深めています。それなのに経済を中心にして政府は今なお原発を再稼働しようとしています。自然と共生していくのではなく、自然のなかにはないものを人類はつくってしまいました。自然を征服するものとして捕えています。自然と共生をめざして、科学の力を使い豊かにするのにはどうしたらよいのか、この絵本はそれをわかりやすく具体的に描いています。

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