2008年7月 5日 (土)

どうするどうする あなのなか

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「どうするどうする あなのなか」
きむらゆういち・文
高畠純・絵
福音館書店 本体1300円

絵本は横版とは限らない。話によっては縦版に使った方が良いこともある。この絵本は穴の中へ落ちたねずみとヤマネコの夫婦がどうやったら穴からでられるか話し合う?というふうになっている。だから絵本は穴の深さだけ縦につかわれていて、下から上にページを開くようになっている。しかけ絵本を多くてがけている作者らしい展開の仕方だ。そして、このばかばかしい話にふさわしく、ヤマネコの夫婦も3匹のきようだいねずみもあほらしく、コミカルな表情いっぱいで、おもわず笑ってしまう。つまり物語は”えぇーバカバカしいおはなしを一席”という落語のような話だからだ。しのごの言っているうちに雨が降ってとうに穴から出られたのに、まだ、どうやったら穴から出られるかと言いあっている。
 でも、これって現実にもありうる。このばかばかしさ高じて戦争になったりして・・・。
高畠純の絵はいつもはちょっとアニメーション的でかわいいのだけれど、この絵本の絵はあほらしさが良く描かれている。中学生位に感想を聞いてみたい。

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2008年7月 3日 (木)

かにこちゃん

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「かにこちゃん」
きしだえりこ・さく
ほりうちせいいち・え
くもん出版 本体800円

幼い子どものすぐれた絵本としての条件をあげるなら、絵の色の美しさと造形のシンプルさ、そして、言葉のリズムをあげたいと思う。ブルーナーの絵本がなぜ好ましいかを書いたけれど、この絵本もその条件のどれも兼ね備えている。絵を描いている堀内誠一は本職がグラフィックデザィナーだったので、(絵本はそれに関係はないかもしれないが)とても色がきれいだ。特に赤色のつかい方がいい。この絵本の主人公のシオマネキという片方のつめが大きい、それを振り上げたクリクリ目玉のほっぺにまるがかいてある、ちいさなカニの子<かにこちゃん>はとてもかわいい。それと、夕日が沈む赤い海。赤い色の本としてだされたとのことで、見返しからシンプルなシャベルや長靴、バケツが赤く並んで描かれている。岸田衿子の文もリズムがあって”すこ すこ すこ すこ”なんて楽しい。色の本なんて出版されたのはお勉強ぽくきゅうくつでつまらない。
 1967年に世界出版社(現在なし)でだされた絵本とのこと、手に包んで子どもに読んで欲しい。

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2008年7月 2日 (水)

「うさこちゃん」の新刊

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「うさこちゃんとたれみみくん」
ディック・ブルーナぶん・え
松岡享子・訳
福音館書店 本体600円



「うさこちゃん」といえばブルーナのあのうさこちゃんの代名詞、このことについては以前図書館の人と話したことがある。「うさこちゃんの本ありますか」と聞かれるとき、この人は石井桃子さんのうさこちゃんを読んだ事があるのだな、「ミッフィの本ありますか」といわれたとき、この人はテレビ世代のひとだな、と思う、と。この違いはテレビでミッフィと名ずけられてからの現象だからだ。
 そのうさこちゃんの本が久しぶりに出版された。だんだん大きくなってきたうさこちゃん。一体いくつくらいになったのかと想像するのも楽しい。「たれみみくん」と仲良しになるうさこちゃん、あいかわらずうさこちゃんもまわりのものたちもやさしい。子どもの手にのるちいさくてかわいい絵本、ブルーナの本は色といい、デザインといい、シンプルでモダン、都会の匂いがする。

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今回「うさこちゃんのてんと」と「うさこちゃんびじゅつかんへいく」の2冊も一緒に出版された。あれ!?と思った人がいるかもしれない。この2冊はすでに<かどのえいこ・やく 講談社>から出版されているからだ。もちろん「うさこちゃん」でなく「ミッフィー」。くらべてみると絵は福音館版の方が線がいくぶんほそくて「うさこちゃん」のふわふわ感が良くでている。字体も講談社判はゴシック体で太く大きい。訳は石井訳、松岡訳はいつもそうなのだけれど文章体になっている。『誰がどこでなにをした』だ。そして、「うさこちゃん」のイメージとして書いたように、絵から感じとれる都会のおりこうさん(でも、元気がよいけれど)のこどもが、読者の子どもに語りかけてくる。福音館と講談社の間で版権問題などどう折り合いがついたかは知らないが(子どもにとって関係ない)統一されるのは嬉しいことだ。「うさこちゃん」についての?!は
福音館書店のにんきものサイトをのぞいてみるとおもしろい。

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2008年7月 1日 (火)

小さなかわいい絵本

続けて小さなかわいい絵本が出版された。
まず、この絵本から。Htbookcoverimage


「3びきのこいぬ」
マーガレット・G・オットーさく
バーバラ・クーニーえ
あんどうのりこやく
長崎出版 本体1200円



 原題は「Three Little Dachshunds」だから茶色を基調の色にした、ちいさなかわいい絵本です。
3匹の子犬が散歩にでかけ、二人の子どもたちと仲良しになります。ある日、走りまわっているうちに森に入って迷子になってしまいます。でも、子どもたちが呼んでくれた声をたよりに家に帰ってきます。特別のお話があるわけでなく、子犬たちにつられてページをめくっていく、しかも、とっても地味な絵本です。子どもたちはお礼にプレゼントをもらいます。子犬もよろこんでいます。
 クーニーの絵も他の絵本とかわりません。嬉しい喜びがこれもまた、淡々と描かれています。原書はいつ描かれた本でしようか。(どうしたことかどんなに探してもいつかわかりません。)
幼い子どもを抱っこして読んでやりたい絵本です。

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2008年6月21日 (土)

家が歌っている

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「青い大きな家」
さく/ケイト・バンクス
え/G・ハレンスレーベン
やく/いまえよしとも
BL出版 本体1500円

夏の間、この青い大きな家ではにぎやかな音が絶えません。にぎやかといっても、この大きな青い家は都会に建っているのではないので、人工的な音ではなくて、生活の音です。やがて、夏が過ぎたいまは、自然の音だけが、静かにちょっとだけしています。だから耳を澄まさないと聞こえません。ねずみやねこ、鳥たちの小さな動物たちだけが、この大きな青い家にいるのです。
 でも、ある日子どもたちの声と音が聞こえてきました。また、夏がやってきて、青い大きな家は楽しくなりました。すこし、離してこの絵本をみると、とてもこの青い家の存在感が感じられます。(訳文はもう少し短く表現できたら、家の内外の音が良く伝わってくるように思います。)


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家の本というと、このバートン作(岩波書店刊)の「ちいさなおうち」をおもいだします。この絵本は家をとりまくもの(時間もふくめて)生活と自然、とくに子どもたちのようすがたんねんに描かれています。
 「青い大きな家」や「ちいさなおうち」は、陽の光や雨、吹き抜ける風、そして、子どもたちの声が聞こえると歌いだします。”あした、またね”今日は明日に続いているのです。

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2008年6月18日 (水)

「かさ」の絵本

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「かさどろぼう」
シビル・ウェツタシンハ作
猪熊葉子・訳
徳間書店 本体1400円

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「おじさんのかさ」
佐野洋子・作
講談社 本体1400円



 井上陽水のうた”かさがない”をよく聞いた頃があります。窓の外の雨をながめているとちょっと感傷的になります。かさはいつ頃発明されたのでしょうか?もちろん昔は大きな葉っぱ、編み笠、日本がさ、洋傘などいろいろ種類もあったでしようが、こんなに手軽にビニールがさを使うようになると、昔、かさのの骨接ぎをして直して使っていた頃があったことなどを思い出します。この間新聞であのビニールかさをすばらしい発明だと言っていた人の話を読んで「かさどろぼう」の絵本を子どもたちに読んでみました。かさどろぼうはだれだ?すてきなかさは「おじさんのかさ」ではないけれど開くのがなにかもったいなくなります。(ちなみにビニールかさのすばらしいところは前がみえることだそうです。)コレクションをしたくなります。
「おじさんのかさ」は、やさしいくせにちょっぴりへそまがりのおじさんの表情がおかしくて、いるいる、こういう人と思ったり、身におぼえのあることなので、ちょっと苦笑いをしてしまったり。きっとかさについての思い出を集めたらたくさんあることでしょう。それこそ、かさの数ほど!
 梅雨の中休みも今日で終わりのようです。あじさいが色とりどりに咲いています。まるでたくさんのかさが開いているようにも思われます。

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2008年6月17日 (火)

パパ、おはなしして

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「パパ、おはなしして」
モイラ・ケンプさく
たなかまや やく
評論社 本体1300円


日本のお父さんはとても忙しい。おまけに遠距離通勤なので、帰って来た時はもう子どもはねむっています。たまにの休みは疲れて、せいぜい家族で買い物に行き、車の運転手になるのが精一杯です。
 でも、せめてお休みの日くらい子どもに本を読んでやりませんか?いいえ、読んでやるというとなかなか気が重い、このさい本をネタにして遊んでみませんか?
「パパ、ご本読んで!」「パパ、おはなしして」ちいさなロージーが言います。パパはちいさなおひめさまの話をします。お城でお茶を飲んでいるちいさなおひめさまのところへドラゴンのあかちゃんがやってきます。そして、おとなのドラゴン、小さなドラゴンのパパとママがやってきたのです。さあ!たいへん。でも、王子様が助けにきます。・・・こうやって、パパとちいさなロージーのお話はすすんでいきます。
 やっと、ロージーはいつのまにかスヤスヤ。ちいさなおひめさまロージーには怖いものはなにもありません。小さなドラゴンも楽しそうです。

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2008年6月15日 (日)

この木はなに?

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「きがきじゃない」
アントワネット・ポーティス作
中川ひろたか訳
光村教育図書 本体1400円



「はこ」についで今度は「き」です。ぼくは「き」をもっているよ。でもこれほんとに「き」?やっぱり「き」でなくて釣り竿だよ。こんどはその「き」をもってどこへいくの?いったいどれが「き」?
 どんどんイメージはふくらんできます。シンプルな一本の「き」にちょっとくふうして、ちょっといろいろ書き加える。シンプルな一本の「き」は何にでもなります。
 こどもの想像にはマイナス思考はない、いつも加える思考です。この「き」はなんなの?ぼくのおきにいり・・・ぼくは恐竜をつかまえた勇者なのです。

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2008年6月14日 (土)

ながいながい旅

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「ながいながい旅」
エストニアからのがれた少女
絵 イロン・ヴィークランド
文 ローセ・ラーゲルクランツ
訳 石井登志子
岩波書店 本体1900円


 リンドグレーンのファンならこの作者の名前はとても馴染みだとおもいます。大きな鞄を側に犬の引き綱をしっかり握ってひとりぽっちで立っている少女、この絵本の絵を描いているヴィークランドその人、この絵本は戦争からのがれるために家族と別れた少女が、安住の場所にたどり着くまでの長い旅の話です。ヴィークランドは1930年生まれ、エストニアで少女時代を過ごし、14歳の時スウェーデンに亡命します。女の子の両親は離婚していておばあちゃんと暮らしていました。ところが戦争がはじまり父方のおばあちゃんがすんでいる田舎へ行く事になりました。駅についてもおばあちゃんは迎えに来ていませんでした。戦争のせいで手紙が届いていなかったのです。でも、女の子は犬と一緒におばあちゃんの家を探しあてる事ができました。この街はとてもきれいでした。ところが、ある日いつも一緒だった犬が兵隊たちに銃殺され死んでしまいました。でも、少女には友だちがいて、一日中遊ぶ事ができましたし、学校では本を読む事も大好きな絵を描く事できました。やがて、ちがう国の兵隊が攻めてきて、少女は違う街へ逃れなければなりませんでした。犬はいません。独りぼっちです。
 戦争に翻弄され、独りぼっちになったヴィークランドの、小さな少女の悲しみを見て胸いっぱいになります。そして、避難民のなかで病気になってしまったヴィークランド。でも、おばさんが見つかってヴィークランドは絵を描き始めます。小犬ももらいました。もうひとりぼっちではありません。その喜びあふれた少女が小犬にケーキを分けている場面、小犬はうれしくて尾を振っています。(私にはそんなようにみえます。)
 文を書いているラーゲルクランツの両親も過酷な体験をしているとあとがきに記されています。自然のなかで遊んでいる子どもたちの歓声、この喜びを取り上げてしまう権利は何者にもあるはずがありません。
 静かに心に訴えかけるとても美しい伝記絵本です。


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2008年6月12日 (木)

自然はみんなつながっている

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「山に木を植えました」
スギヤマカナヨ・作
畠山重篤・監修
講談社 本体1300円


毎日良いお天気ばかりが続くと、植物の成長がすっかり止まってしまいます。梅雨を鬱陶しいばかりと言っていると、つい、雨のありがたさを忘れてしまいますが、人間も体から生気がなくなってきます。水だけでなく、空気も大地も、そして、たくさんの生き物は日常変わりがないと、存在はつい忘れてしまうもの、地震などバランスが崩れてあわてふためいてしまいます。生き物すべて、なんらかの役割があり、循環してバランスを保ってきました。いま、私たちが生きている地球でも数えきれないほどの昔から、みんな繋がって生きてきました。
 この本の監修者は宮城県で牡蠣や帆立の養殖をしている漁師さんです。1989年から「森は海の恋人」の合い言葉で植林をしてきているとのことです。(あとがきによる)どうして海が森の恋人なのかが解りやすく描かれています。くわえて、著者は写実的に絵を描いているわけではありませんが、言おうとする事を的確にデザイン化して描いているので、自然のつながりがよくわかります。はじめのページで男の子が木を植えている事からはじまり、最後のページでもみんなで木を植えている。そう、あなたもそのサイクルのひとつなのです。難しい事をいわずに、命の大切さを描いています。見返しにはフルボさんすごろく(フルボさんてなに?)があり、遊び心もいっぱいの絵本です。
 「魚が切り身で泳いでいる」と思う子どもがいると聞いたのはいつのことだっでしょうか。秋葉原の事件はおこるべくしておこったことのようにこの絵本をみながら思いました。

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2008年6月11日 (水)

あなたのかさ

 自分自身のかさを持ったのはいつ頃からでしょうか?いまとちがって、なかなか手に入れるのが難しい時代もあったのですが、自分のかさを持つという事は幼い子どもにとってとても嬉しい事です。

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「かさかしてあげる」
こいでやすこ
福音館書店 本体743円

なっちゃんが遊んでいると”あっ、あめ!”かさがなくてこまっていると、ありがかさを貸してくれました。でも、残念ながら小さいの。かえるもうさぎも、次から次へと動物たちがかさを貸してくれますが、残念、なっちゃんには合いません。でも、犬のジョンがなっちゃんのかさを持ってきてくれました。みんなでぎょうれつ、かさのないこはいませんか?”あっ、いたよ”
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「あまがさ」
やしまたろう
福音館書店 本体1200円

モモはニューヨークに住んでいます。3歳の誕生日にかさをもらいました。はやく雨がふらないかなぁ!いくにちも待ってやっと雨が降りました。うれしくて、うれしくて。モモはかさをさして歩くとちょっとおとなの女の人になったような気がします。かさの上では雨が歌をうたっています。
 幼い時のうれしかった気持ちがよく描かれています。そして、最後のぺージ、もう幼い時のことを憶えていないけれど、この日がモモにとって生まれてはじめて親と手をつながないで、一人で歩いた日だった、「あまがさ」はたんなる雨除けでなく、一人で歩き出した証でした。中学生位の子どもたちと読みあいたい絵本です。

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2008年6月10日 (火)

地球をみると

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「うえにはなあに したにはなあに」
ローラM.シェーファーさく
バーバラバッシュえ
木坂涼 やく
福音館書店 本体1400円


あなたがもしモグラだったら上にはなにがある?そう、土があり、その上には植物の根があり、植物の葉があり・・・と、どんどん上に、そのまた上にあるものを追っていきます。そして、月に。(ここまでページをめくっていくと、今度は本をひっくりかえす)月の下にはなにがある?どんどん下に、雲があって海があって、海の中でもどんどん下にいくと・・・。
ページをめくることでおもしろい展開があります。そして、地球!そうです、私たちの地球は上と下でみると。大地と海で見える地球を描いています。科学の絵本になるのでしようか。
 上へ上へ、下へ下へとなっているためかもしれませんが、絵に動きがあります。(ちょっと残念なのは、ちょうど画面の真ん中に描かれている場面の月の半分にページの糸がはいってしまうことです)
 子どもたちと読みあい、話し合うのにはとても良い絵本です。

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2008年6月 9日 (月)

蛍のはなし

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「ほたるさわ」
こどものとも年中版・7月号
菊地日出夫・作
福音館書店 本体390円

 天徳寺の近くでげんじ蛍が見られるというので、でかけてみようかと予定を組んだのだが、どうしても外す事のできない用事ができ、長野に行く事になり計画は中止になり残念だった。
 この本は月刊誌で「のらっこの絵本シリーズ」8作目だ。舞台は長野県佐久地方、私と同時代の子どもの頃のはなしがシリーズになっている。一年間のひでちゃんと友だちの子どもたちの季節の詩だ。地方によっては全然違うこともあるけれど、描かれている子どもたちもそれを取り巻くおとなの生活も自然も、体のどこかがうなずいて共感してしまう。この本の蛍の話もそうだ。もう、いまは観光蛍しか見る事が出来にくくなっているけれど、私の子どもの頃は身の回りにいたものだった。庭で捕まえてきて、蚊帳の中に放してながめた。そして、いつのまにか蛍がこなくなると本格的な夏が来た。そして、夏は蝉でありオニヤンマであり、夕暮れにはコウモリが学校の校庭をとんでいた。
 まだ、記憶をもっているおとなはたくさんいるはず、子どもたちに話してほしい。学校はビオトープなどを作ることができるし、自然に触れるのに良い場所になる。(いまや、トンボの幼虫ヤゴは学校のプールで育つ)おとうさん、おじいちゃん出番ですよ。

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2008年6月 5日 (木)

雨降りの日は好き

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「雨、あめ」
ピーター・スピア/作
評論社 本体1400円

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「あめ あめ ふれ ふれ もっとふれ」
シャーリー・モーガン文
エドワード・アーディゾーニ絵
中川千尋/訳
のら書店 本体1100円



今日は予報どおり午前中曇っていた空も、お昼ちかくには雨が降り始めました。今年のお天気はひどく暑いかとおもうと、まだ毛糸を手放せないくらいに寒かったり、とても不安定なお天気で、梅雨も早くから入っていたような気分です。しかも、雨はあまり情緒的でなく、すごい勢いの雨風横なぐリで降ります。今日は時々シャーと降り、すこしたつと止んでしまったりの雨降りでした。
 子どもの時、どうしてあんなに雨降りの中を喜々として遊んだのでしょうか。遊ぶといっても何かプレーするわけではありません。葉っぱの陰や下をのぞいてみたり、下水の中を長靴でビチャビチャと歩いたり(昔は道の両側に下水が流れていました。玄関先では蓋がしてありましたが。下水はいつもきれいに掃除がされていて、イトミミズがあったり、それをとって金魚の餌にしました。)雨降りはなんとなくウキウキとしていました。
 この2冊の絵本もそんな子どもの様子が描かれています。2冊とも幼い姉、弟・・・幼い男の子と女の子です。スピアの絵本には文がありません。雨降りの一日です。アーディゾーニの絵本は3日間も家に閉じ込められて、外で遊びたくてたまらない子どもたちの話です。
 この絵本を読んたらもう止めてもダメです。梅雨の小糠雨は体に良くないといわれていますが、冷たい雨ではないので、思い切ってビチャビャと遊んだ後は少し熱めのシャワーをあびたら平気!体が濡れるのを嫌がるのはネコくらい、思い切って雨の中歩いてみましょう。

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2008年5月28日 (水)

アイヌの神話

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「トーキナ・ト」
アイヌの神話
ふくろうのかみの いもうとのおはなし
津島佑子=文
宇梶静江=刺繍
杉浦康平=構成
福音館書店 本体1600円

 刺繍と布絵によるアイヌのお話も3作目です。この絵本もアイヌのカムイ・ユカラ(神謡)で、人間の世界を守っているふくろうのかみさま、兄と妹の話です。かみさまのほんとうの姿はにんげんと同じ。ある日妹がひょろひょろぼうずにさらわれ、船に乗せられ魔物の世界、洞穴へ運ばれて行ってしまいます。魔王のところへつれてこられたのですが、あぁうれしい、アイヌラックルが助けにきてくれました。アイヌラックルは半分人間で半分神さま、おにいさまの嘆きと助けの声を聞いて来てくれたのです。そして、お祝いの宴、おにいさまの願いでわたしはアイヌラックルと結婚しました。
 大型の画面いっぱいに描かれた布絵にほどこされた刺繍は立体的なので迫力があります。そして、言葉、神謡なのできっと舞いながら謡われるものでしょう。「トーキナ・ト」の言葉の意味はないとのこと、リズムと一種の呪術的な唱えごとなのでしょうか。ぜひ、いつかもとの布絵と実際の言葉を聞いてみたいとおもいます。文を書いている作者津島さんの小説に心魅かれるところがあって、ほとんど全部読んでいるファンのひとりとして、この絵本も読む事ができ、私にはこれも嬉しいことでした。

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2008年5月26日 (月)

かぞえうた「いっちゃんいちにち」

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「1ちゃんいちにち」
へんてこかぞえうた
高木あきこ うた
さいとうしのぶ え
リーブル 本体1000円

ここ近年ことばあそびの本、絵本の出版が多くなりました。この絵本もことばあそびの絵本です。サブタイトルにあるようにことばあそびのなかのかぞえうた絵本の1冊です。表紙の絵でも描かれているように1〜10の数字たちが元気に遊びまわっています。まず、〜「1ちゃん」はなしは3じゅうさんこのあめをなめて歯がいたくなり、おまけにとんできた10人の歯医者さんにしかられた〜。ページどおりにここに書いてしまうとちょっといけないので、こんな書き方になりましたが、ページの実際はリズムにのったことばあそびです。2、3・・・とすすんでいくにしたがって文はすくなくなり〜「10ちゃん」ジュージューじゅうにんぶん〜となっていき、最後は〜みんなでわになっておどろう〜。
もうひとつのこの絵本のおもしろいところは絵にもとてもリズムが生かされている事です。1から10まで、数字に顔があり、そのかおが表情豊かで絵をみながら声をだして読んでいると、読み手の声もうきうき、リズムにのってきます。
 最後の裏の見返しにはおまけ、数のいろいろなかぞえかたがでています。

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2008年5月20日 (火)

アルマジロの晴れ着

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「アルマジロの晴れ着」
ボリビヤ・アンデスの昔話」
ぶん かわだあゆこ
え  よねもとくみこ
アスラン書房 本体1300円



むかし、アンデスのティティカカ湖のほとりでは一年一度にぎわうお祭りがありました。そのお祭りを楽しみにして、動物たちは準備をします。アルマジロもいつもは地味な格好をしているので、はなやかなマントを着る事にしました。ようやく半分くらい織るときつねがやってきて、お祭りは明日だといいます。さあ、焦ったのはアルマジロ、しかたがないのでちょっとぞんざいになりましたがおおいそぎで完成、でも、見上げた空のお月様は丸くありません。お祭りは満月の夜なのです。きつねにだまされ、からかわれた事を知って、これから織っても間に合わないので、ふち飾りをつけて工夫してみることにしました。
最後の場面、おめかしをしたアルマジロに誘いをかけているのはあのきつねです。でも楽しそうに踊っています。
 どこからかアンデスの音楽が聞こえてきそうな絵本、でも、アンデスの伝統いっぱいに描かれた絵は私にはやはり日本の伝統的な絵になっているように思います。でも、それはそれで良いとおもいました。それはこの物語が私たちのまわりのお話になっても不思議にはおもわれないからです。(もっともアルマジロは身じかにいる動物ではありませんが)民族的な柄を額縁のようにつかって、絵を引き立たせ、お話を引き立たせています。

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2008年5月18日 (日)

天使のえんぴつ

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「天使のえんぴつ」
クェンティン・ブレイク作
柳瀬尚紀 訳
評論社 本体1300円




 シド・バンキンは路上芸術家、つまり路上絵かきです。つまり売れない絵かきです。コンクールに応募しても入賞したことがありません。路上絵かきだからです。ある日二人の女の子クルッピーとウカレッピーに出会ったのが幸運のはじまりでした。クルッピーとウカレッピーにもらった特別のえんぴつで絵を描くと、なんと絵は動き出し、空に浮かび、宙に浮いて行きます。クルッピーとウカレッピーは天使なのです。
 クェンティン・ブレイクの絵はいっけん子どものいたずら書きのようです。ナンセンスな内容が多いので、楽しくノビノビとしています。
 この絵本の路上絵かきシド・バンキンはあまりお金持ちになりません。なぜかというと絵はみんな飛んでいってしまってお金にならないからです。でも、このうれしそうな表情。人生の幸せはこんなところにあるのかもしれません。

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2008年5月15日 (木)

しずかに!・・・

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「しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです」
ドン・フリーマン作
なかがわちひろ 訳
BL出版 本体1400円


 カリーナはいつも土曜日に図書館に行きます。図書館が大好きなのです。本を読むのも好きだけれど動物も好きで、その日は動物のたくさんでてくる本を読んでいました。そして、”もしかしたら動物も本が読みたいかもしれない”とおもいました。「今日はどうぶつたちの図書館です」。カリーナがカウンターにすわっていると、カナリアが来ました。次にはライオンです。”ライオンさんここはとしょかんなのでほえてはいけませんよ。”次はくま、ぞう、くじゃく、かめ、きりんにやまあらし、さる、うまもうしも、みんなしずかに本を読んでいます。ところがねずみが入ってきてちょろちょろしたのでビックリして皆大騒ぎになってしまいました。おもわず”しずかに!””え!だれもうるさくしていないよ”
 カリーナの愉快な想像におもわず笑ってしまいます。こんな思い違いは楽しい。ちょっとの間動物たちの図書館の人になったカリーナは、家でもう一度ゆっくり読むためこの本を借りていくことにしました。
ドン・フリーマンの初期の作品との事、「くまのコールテンくん」や「ターちゃんとペリカン」などと同じように地味ですが、穏やかな心が暖かくなる作風は子どもたちに人気があります。

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2008年5月14日 (水)

インドのむかしばなし絵本

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「にげろ!にげろ?」
インドのむかしばなし
ジャン・ソーンヒル再話・絵
青山南 訳
光村教育図書 本体1500円

この絵本のお話はインドのジャータカ物語から再話されています。ジャータカ物語ではお釈迦様が動物の姿になっていろいろの徳を説いています。
 ある日一ぴきの気の小さい心配症のノウサギがマンゴーが落ちた音に驚いて、世界が壊れ始めたと思い、パニックになって走ります。別のノウサギも聞いて確かめずに走ります。うわさは広がり確かめもせず、1000匹もののウサギが走り、イノシシが走り、ヌマジカが走り、ベンガルトラ、インドサイと何千匹の動物たちがパニック状態です。でも、インドライオンが大きな声で吠えたので、みんなブレーキをかけて止まりました。ライオンに”誰が言ったのか?”と聞かれ、最初のウサギの震えた小さな声、ライオンはこのウサギを背中に乗せて確かめにいきました。真相がわかってみんな解散、帰路につきました。
 良くある話です。特に社会が不安定な時は流言飛語が飛び交い、それがまた、不安をかき立て不幸なことをうむことは、歴史上たくさんあり、現に今でもあります。ネット社会は特に大きな問題をうみます。それに、それを悪く利用する者もいます。ライオンのように冷静になれるのは誰でしようか。
 たくさん描き込まれた動物たちの動き、それに各々の動物たちのパニック状態になったときの表情、ライオンに聞きただされて答えられずに困った動物たちの動作、ライオンの威厳のある落ちついた表情など、良く描かれています。作者はカナダ人なのですが、インドの雰囲気も良くでています。

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2008年5月11日 (日)

絵本のおもしろさ「みつばちみつひめ」

 前作ですっかりファンになった秋山あゆ子の新作が出版されました。
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「みつばちみつひめ」
てんやわんやおてつだいの巻
秋山あゆ子
ブロンズ新社 本体1300円

今日はひどく寒い日曜日になりました。暖かければ外を少し歩こうと思っていたのに、これでは外に行く気になりません。しかたなく、たまった仕事に手をつけたのですが、すぐに嫌になって本に手をだしてしまいました。そして、この絵本がおもしろくてしばらくページをめくりました。おはなしもおもしろい、おてんばな何も知らない蜂のお姫様が外にでかけたのはいいけれどお腹がすいてフラフラと、親切なおだんごやさんに助けられおだんごを食べさせてもらったお礼にお手伝い、でも、失敗続きというお話ですが、本の隅々を楽しむことのできるのがこの絵本のおもしろさです。この作者は昆虫が好きなのでしょうか。今回はミツバチが主人公です。この前はクモでした。


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「くものすおやぶんとりものちょう」(福音館書店 刊)を見た時にクモを主人公にした時代物=捕物帳のお話がおもしろかつたのですが、それ以上に絵にひかれました。それはこの絵本でも同じなのですが、絵が江戸時代の装束と建物をしっかり描いているからです。それだけでなく道具もきちんと描かれているので、おはなしが解りやすいだけでなく引き立ちます。着物もお姫様の着る振りそでをはじめとして、お局さん、腰元や家来、そして職人の着ているものなどしっかり描き分けられています。最後のお風呂の場面も碁打ちまである大浴場、蜂ならずも楽しそうで入りたくなります。作者は昆虫と古い民家が好きとのことで、なるほどと納得しました。年齢を越えて楽しめる絵本です。

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2008年4月30日 (水)

つみきのえほん

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つみきのえほん
「ぼうしころころ」
「あかくんとまっかちゃん」
長谷川摂子 文
田宮俊和 構成
福音館書店 本体各1300円

積み木が主人公?いいえ、ページのなかにこどもは出てこないけれど、こどものイメージそのものの絵本といったら良いかと思います。
 4色のカラフルな(とても色がきれいです)積み木がいろいろのことをします。絵本は絵が中心、その絵を文=言葉が動きを与え、イメージを広げていきます。この絵本の場合、積み木がまるで人のように遊びまわります。しかも絵本という平面的な画面の中に、積み木という立体的なものが動き回る、それがすこしも不思議なことではないのです。たとえば、ぼうし(もちろん積み木です)をとるのに届かない、それで下に一列になって押すと上の帽子が”ぐらり”、落ちてくる一瞬をページの中に描く、実際はこれはほんとに瞬きひとつの時間なので、ありえないといっても良いわけです。
 こどもはこんな事をして、こんな想像をして遊んでいるのでしょう。それは、おとなになると形になるものを作りたがり、結果を気にするのですが、こどもはその作る過程を楽しむからなのでしょう。しかも、文も絵もシンプルでそれがこの絵本を楽しくしています。文と絵のみごとなハーモニーです。

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2008年4月29日 (火)

やかましい!っ?

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「やかましい!」
シムズ・タバック絵
アン・マクガバン文
木坂涼 訳
フレーベル館 本体1400円

むかしむかしのおはなしです。あるところにおじいさんがいました。おじいさんは古い家に住んでいたので、他所の音が良く聞こえます。うるさくて眠れないので、ものしり博士のところへどうしたら良いか聞きにいきました。博士は牛といっしょに暮らす事をすすめました。でも、静かになるどころか牛の鳴き声がいっしょになってもっとうるさくなりました。そこでまた、博士のところへ行きました。博士は今度はロバがいいと言うので、ロバも飼いましたが、ますますうるさくなるばかりです。
 お話はこんな風にくりかえされていきます。そして、おじいさんは動物たちをみんなてばなして、また、もとの生活に。ベットや床のきしむ音も、風の音も、やかんの音ももとのままですが、なんと静かだとおじいさんは大満足です。
 おさえた色に網をかけた描き方は昔話のように素朴で愉快な様子をよく描いています。おじいさんのなんともおかしな表情もいかされています。
 絵本でもおもしろいのですが、お話で語っても充分楽しい。

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2008年4月27日 (日)

あまがえる先生 野いちご教室

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 朝方降っていた雨も午前中であがって陽があたってきました。わが家の庭(ほんとうは空き地をちょっとつかっているだけですが)はクサイチゴが盛りです。白い花が風に揺れてきれいです。でも、もうすこしたつとあっというまに広がって薮になります。父の庭から持ってきたものですが、元気に増えました。花の中では、はやくもアリがせっせと働いています。今年は雨が多くて、蝶もちょっとみかけたのですが、今はあまり見かけません。でも、草は伸び、春たけなわです。

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「あまがえる先生 みつけてたべよう!」
  野いちご教室
さく 松岡達英
旺文社 1238円



 あまがえる先生の教室も3冊目になりました。あまがえるの里であまがえる先生とネズミの親子が野いちごつみにでかけました。野イチゴといったっていろいろあります。食べられないものもありますが、ネズミたちはおいしいイチゴをみつけました。”先生、このイチゴはなんという名前ですか?”
”うむぅ、クサイチゴだね”
 人間界でもイチゴはさかりです。一番売れるのは12月だそうですが。私にとってのイチゴは庭のイチゴなので5月というか6月ののものでした。千葉では暖かなので庭の少しのイチゴに実がなっています。
赤くなるのが待ちどうしい思いです。クサイチゴは小さな赤い実がなります。トゲトゲは痛いけれど、小さなきれいな実を家の中に飾ります。
 あまがえる先生とネズミの一家は摘んできたイチゴでパーティーをしました。もちろん、イチゴジュースもケーキも手作りです。この絵本にはそのレシピが描かれています。6月3日の「どうぶつしんぶん」にも載りましたよ。見てくださいね。

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2008年4月24日 (木)

ニューヨークのタカ

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「ペールメール」
ニューヨークのタカ
ほんとうにあったおはなし
ジャネット・ウインター作
福本友美子 訳
小学館 本体1500円



 高い崖や木の上に巣を作るタカのことだから高層ビルに巣が作られたとしても、特別おかしい事でないのかもしれません。このお話は北アメリカにいるタカの種類、アカオノスリという2羽のタカがニューヨークの12階建てのアパートの一番高いところに巣を造り、子育てをしたお話です。その最初のタカは尾羽の色が薄かったのでペールメールと呼ばれ、メスと一緒に1993年に巣を構え雛を産み育てました。住まいを構えたのでニューヨークの鳥の愛好家に喜こばれ、たくさんのファンがつきました。
でも世の中はみんな鳥が好きとはかぎりません。フンや食べかすを落とすので不衛生だという声があがり、なんと2004年巣や柵を撤去したとのこと、でも愛鳥家の反対署名や抗議行動がみのり、柵は撤去され、ペールメールとメスのタカ、ローラは2006年戻ってきて巣をつくりました。今もそこにいるそうです。
 この絵本の文も絵もとてもシンプルです。文では良いとか悪いとか、かわいそうとか全然書かれていません。でも、タカの目つきは鋭く、人びとが巣が撤去された事を怒って抗議している絵、タカの雛たちが次々と成長していく絵など訴えかけるものが良く伝わってきます。
 そういえば、そろそろツバメの季節です。近年ツバメは交通量の多いところ(信号機のそば)とか巣を作る事が多くなったと新聞かなにかで読んだ事があります。でも、まだツバメの鳴き声は聞いていません。

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2008年4月21日 (月)

てんぐのくれためんこ

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「てんぐのくれためんこ」
安房直子 作
早川純子 絵
偕成社 本体1400円




 この絵本には今時めずらしいことがあります。ひとつは内容=めんこです。昔は良くめんこで遊びました。男の子のほうが多かったけれど、女の子たちでもやったことを覚えています。
 めんこがへたで負けてばかりいるたけし、今日も負けてみんな取られてしまいました。悔しがって歩いていると現れたてんぐ、どんなめんこにも勝つという魔法のめんこをくれます。それは風のめんこ、森のなかでこぎつねたちが遊んでいるのを見て、仲間に入れてもらいます。たしかに風のめんこは強くて、こぎつねたちをみんな負かしてしまいます。そして、気がつくとたけしはおとなのきつねにとりかこまれて、勝負を挑まれます。あたりは暗くなり、おとなのきつねが細工をしたらしく、こんどは勝つことができません。とうとう、引き分け。どこからかてんぐが歌っている声がきこえます。そのうたのとおり、家に帰って見たら、きつねにもらっためんこはいつのまにか木の葉になっていました。
 作者の物語は不思議なことがおこります。このお話のように動物、きつねも良く登場します。日本の作家ではめずらしい雰囲気があるので、亡くなった時はがっかりしました。
 この絵本の絵はその不思議な世界、魔法というよりもっと日本の土くさいお話を充分に描いています。文が多いためかもしれませんが、文は縦書きです。いまは、横書きの分かち書きがあたりまえになっているので、かえって日本語のレイアウトが新鮮です。ちょっと怖くて、迫力のある世界に引き込まれ、読者を不思議な世界に連れて行ってくれます。でも、ちゃんと戻れるからご安心を!

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2008年4月17日 (木)

詩の絵本

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「フィリッパ・ラズベリーのうた」
エヴァ・ビロウさく・え
石津ちひろ ぶん
フレーベル館 本体1300円




エヴァ・ビロウの作品はこれで三作目、内容に会いそうな色を表紙に使っています。
1作目は「ハリネズミかあさんのふゆじたく」でブルー、2作目は「のいちごそうはどこにある」でグリーン、そして、この3作目はラズベリーだから赤どれも鮮やかな色の表紙がよくあっています。この絵本のなかには詩のようなちいさなお話が23編入っています。なかでもこの絵本の表題になっている物語は比較的長く、見開きに描かれています。フィリッパ・ラズベリーはおちびちゃんでエルフとは親戚とても仲良しです。住んでいるところはラズベリーの近くです。ある日買い物にでかけ、出会ったかぜおとこに吹き飛ばされ、気がついたところは知らないところ、かたつむりが助けてくれて、背中に乗ったまでは良かったのに一月たってもうちにたどりつけなかったとさ!
 このページは朱に近い赤一色、この絵本は丁度今の季節に相応しい色です。そして、野原のみんなを細密画面いっぱいに描き込んでいます。
 いま、イチゴが最盛期です。イチゴを横にこの絵本の詩を声をだして読みました。楽しい春の絵本です。

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2008年4月10日 (木)

白い牛を追いかけて

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「白い牛をおいかけて」
トレイス・シーモア文
ウェンディ・アンダスン・ハルパリン絵
三原泉 訳
ゴブリン書房 本体1700円


 表紙の少女の明るい笑い顔、それになんといってもその少女がたずなを取っている牛のやさしいのどかな表情にひきつけられた。下にはニワトリをはさん