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2018年12月 9日 (日)

かんけり

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「かんけり」
石川えりこ
アリス館 本体1500円

この遊び方は私は良く知りません。昔?はあったのかしら。店のお客様たちに聞いてみると私より少し下の年齢の人は知っているよと言う。
鬼は隠れた人を見つけると名前を呼びかんを踏む。まだつかまっていない人は鬼より先にかんをけると皆を助けることができるといいます。
 仲良しのりえちゃんに誘われて私は仲間に入ります。みんなで7人、さあ!はじまり。りえちゃんが私の手をひっぱって物置小屋に隠れました。息を殺していると次々につかまって、りえちゃんは”助けに行く!つかまったらみんなを助けにきて”といってかけだします。私はかんを蹴るのがこわくていままで一度もみんなを助けたことがありません。
 ちょっと内気な、自分のほうから積極的に動けない女の子がはじめて自分からとびだして、かんをける、
その心の動きが良く描かれています。絵も動きがあり、よけいな筆遣いはない。そして、言葉も非常にシンプルです。
 9月に出版されていたのに気がつかななかった作品です。ゴテゴテと書き込まれた絵本が多い中、絵本の力を教えてくれる作品です。あらためて絵と言葉の良いコラボを感じ、子どもの心理が良く伝わってきます。

2018年12月 7日 (金)

みえるとか みえないとか

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「みえるとか みえないとか」
-ちがいをかんがえるえほん-
ヨシタケシンスケ
伊藤亜紗
アリス館 本体1400円

宇宙飛行士のぼくはいろいろなほしの調査をするのが仕事だ。ある日この星に降り立つと、向こうから来る人がいた。この星の人は前にも後ろにも目があるようだ。当然回れ右をしなくともいちどに後ろがみえる。後ろが見えないと知ると”かわいそう”と言われた。見える見えないはある人によって各々が違う。それは見える見えないだけでなく、ありとあらゆることに言えることだ。目が見える人のものの見方と見えない人の見方はちがう。見える人は実在で見えると思うし、見えない人は感覚で見える。それはどちらが良いとか悪いとかの問題ではない。たまたま今私が住んでいる所は見えると思っている人が多い、それで「見える」ということが成り立っていて、見えない人を障碍者として区分けをする。ほんとうは一番だいじなことは「どうみえるか」ということなのだ。そして、その一方的な数の多さだけで見える人は健常者=正しく、見えない少数の人は障碍者=正しくない困った存在だと決めつけてしまうことが問題なのだ。見える人と見えない人はものの見方が全然違う。お互いにおもしろがることからはじまるし、それが良いのではないか。
 作者のヨシタケシンスケと伊藤亜紗ががいうのは、おたがいの違いを素直に認めあうこと、そしておもしろがることが大切という。伊藤亜紗は著書「目の見えない人は世界をどう見ているのか 光文社新書」のなかで障碍者の人を例にこう書いている。見えない人は「陶器だと言われた瞬時にそれは陶器になる」という発言から、見えない人は断片を積み上げているイメージから見ているしそれが見えることなのだ。
 当たり前のことなのかもしれないのに、私たちはひどく偏見に満ち満ちていることに気がつく。とくに今の私たちのまわりにはあまりにも見えることが多すぎる。自ら自分でイメージしていくことが大切、「目をこらして見る」という言葉を思い出した。

2018年12月 3日 (月)

まめつぶこぞうパトゥフェ

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「まめつぶこぞうパトゥフェ」
スペイン・カタルーニャのむかしばなし
宇野和美・文
ささめやゆき・絵

スペイン・カタルーニャのお百姓夫婦の間に小さな息子がいました。名前はパトゥフェ、豆粒ほどしかありませんがとても元気な男の子です。なんでもやりたがりやで、どこへでもいきます。ある日おかみさんが料理をしていてサフランがないことに気がつきました。パトゥフェは自分がお使いに行くといいます。でも、こんなに小さくては踏まれてしまいます。でもパトゥフェは大きな声で歌をうたいながら行くから大丈夫といいます。あんまり大丈夫というのでお金を渡しお使いにいかせることにしました。パトゥフェはこんなように大声でうたいます。
パタン パティン パトン
さあさあ みんな よけとくれ
パタン パティン パトン
ふむなよ ふむなよ
パトゥフェがいくよ 
(文中から)
パトゥフェはサフランをちゃんと買って帰って来れたでしょうか?大丈夫!こんどは父親のお百姓さんの所におべんとうを届けることにしました。やっぱり大きな声で歌をうたいながら行きます。リズムカルな文、昔話らしく難関が3回、勇気と機知で乗り越えていきます。
 独特な画家の絵は今まで線が細く、情緒的に感じられることが多かったのですが、この絵本でははっきりした線で描かれていて、斜めから描かれている人や動物たちの表情がユーモラスで、ハチャメチャな小さなパトゥフェがいきいきと描かれています。楽しい昔話絵本です。
 

2018年11月30日 (金)

雪の花

   雪のなかのおくりもの


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ロシアのお話「雪のはな」
セルゲイ・コズロフ*原作
オリガ・ファジェーエヴァ*絵
田中友子*文
偕成社 本体1800円

ある年のおおみそか、動物たちは新年の飾り付けで大忙しです。でも、ろうそくを用意するクマくんの姿が見えません。ウサギがクマくんの家に行ってみると大熱をだして寝ているクマくん、呼ばれたお医者さんキツツキ先生はこの熱を下げないとクマくんの命が危ないといいます。熱を下げるのには「雪の花」が必要だと言いますか「雪の花」って?!それをきいたハリネズミは一人で雪の花を探しにいきます。けれどポプラの木もトネリコの木もマツの木も良くわからないと言いながらも智恵を授けてくれます。「雪の花」ってなんでしょうか?どこにあるのでしょうか?大好きなクマくんの命を救うため、ハリネズミは難問をくぐりぬけていきます。
 昔話風のロシアのおはなし、元のお話は脚本とのこと、それを日本人が文におこしていますが、絵はロシア人なので、すっかりロシアの絵本になっています。雪はともかく極寒の地ロシアらしく粉雪です。その幻想的なかを必死になって「雪の花」を探すハリネズミの願いが伝わってきます。「雪の花」とはどんなものだったのでしょうか。最後にその種明かしがされるのですが、ハリネズミの勇気あるやさしい心が降り積もった雪のなかに描かれている美しい絵本です。
 クリスマスのようなシーンで終わっていますが、ロシア正教ではクリスマスはあまり盛んでないとのこと、でも新年にモミの木に飾りをつけてお祝いするそうです。クリスマスや新しい年のお祝いに、プレゼントにぜひ!
今日11月30日の毎日新聞の本の紹介にこの本を取り上げました。新聞の本がカラーでないのが残念です。


2018年11月10日 (土)

かぜのひ

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「かぜのひ」
サム・アッシャー作・絵
吉上恭太 訳
徳間書店 本体1600円

以前同画家による「あめのひ」が出版された。これはその姉妹編、やはりおじいちゃんと男の子の風の日の話だ。男の子が朝目をさますと外は嵐、何もかもひっくり返るような風が吹いている。男の子はおじいちゃんに言う。”おじいちゃん外に遊びにいこうよ””凧あげにはもってこいの風だ。ところで凧はどこにしまったかな?”おじいちゃんと家の中を探しまくるけど凧はみつからない。ー外はかぜがビュービューとふいている。ー(このページをめくるたびにくりかえされる言葉はこの物語のおもしろさを強める)やっとみつかって凧あげのワクワクした気持ちが倍にふくらむ。でも強い風がふいて凧もろとも上に上に。
 おじいちゃんとのちょっとした冒険話、”また、いこうね。おじいちゃん”おじいちゃんの孫にひかれてのなつかしい冒険話。孫との冒険のひととき。落ち葉のあざやかな赤がとてもきれいだ。
 私にも祖父がいた。いっしょに暮らしたのは5年くらいだったけれど、無口で不器用な祖父が時々なつかしくおもいだされる。凧揚げはしなかったけれど釣りに連れて行ってもらったり、でもその時はほとんど祖父とおしゃべりもしないで、夕方までだまって並んでいた。学校が嫌いになって、行きたくなかった頃の話だ。


2018年11月 7日 (水)

リズムがみえる

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「リズムがみえる」
絵 ミシェルウッド
文 トヨミ アイガス
訳 金原瑞人
監修 ピーターバラカン
サウザンブックス社 本体3000円

自分のほうから注文ださないと本は店に入ってこない。だから、この本も新刊案内や新聞や雑誌での案内を見ないままにいると、どんな本が出ているか?は解らない。この本もそうだ。この本はクラウドファンデイングで出版された、気がつかなかった。クラウドファンデイングというのは一口でいうと主旨に賛成した人が設定された人がお金を出し合って希望を企画することだ。お金が期間内に集まらない時はその企画は中止になる。現代らしいひとつの方法だ。もちろん参加はwebをつかう。
「リズムがみえる」この本はアフリカ系アメリカ人の音楽の歴史が見開き1ページで描かれている。まずはじまり1500年代初め、宗教や民族の伝統から生まれる。奴隷商人に買われてアメリカへー奴隷の歌(プランテイションのリズム・1776年アメリカ合衆国誕生)ーブルーズの誕生(リズム・寂しさ・希望・誕生・奴隷の歌と黒人霊歌)ーラグタイム(やっと手に入れた自由1890年)ージャズの誕生(1900年代大衆音楽)ースウィング(ビッグバンドジャズのリズム1920年〜1930年代)ー女性ジャズシンガーのリズム(ママやパパがお金持ちでも自力で生きる子こそ強いのさ 自力で生きる子・・・)ービバップ(聞くための音楽1940年のはじめ)ークールジャズ(若いミュージシャン、表現の自由)ーゴスペル(アーメン)ーリズム&ブルーズ/ソウル(WVONニグロの声1960年代)ーブラック ロック(たちあがれ!なにがあっても、おまえはおまえなんだ公民権を、世界に平和を)ファンク(強烈なシンコペイションのリズム)ーヒップ/ヒップホップ(わたしのなかのアフリカ、自由)。
 左ヘージに絵、油絵で描かれた力強い絵、そして右ページにかかれている言葉、詩、祈りが続く。
良い本にめぐりあえた。ラジオではアメリカの中間選挙のニュースが流れている。そして、沖縄の人びとを思いだした。音楽は、詩は、言葉は、そして絵、私たちの生きる力になるのだとおもう。

2018年11月 2日 (金)

せん

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「せん」
スージー・りー作
岩波書店 本体1800円

少女が白いスケートリングを走っている。スケートの後は1本のせん。せんは決して真っ直ぐではない。軽やかに少女の心のように。せんは丸くリングを描いたり、羽ばたく鳥のように、かろやかに。ジャンプだ。さあ!3回転ジャンプ、あっ!成功しなかった。絶望、くしゃくしゃに丸められた紙くずのように少女が呆然とした時、男の子が、女の子がすべりこんできた。犬までも。スケート場いっぱいに少年も少女も、さっきの犬まで。大丈夫もう一度すべろうよ。たくさんの子どもたちが遊ぶ。輪になって遊ぶ。
 1本の鉛筆から生まれたドラマがこの絵本だ。


2018年10月27日 (土)

くろいの

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「くろいの」
田中清代 さく
偕成社 本体1400円

一人でいつもの帰り道、塀の上に「くろいの」がいた。次の日はバス停のべんちに、次の日は花やさんに、ただ黙って「くろいの」は座っている。それに「くろいの」は私にしかみえないみたい。おもいきって声をかけると「くろいの」は黙ってとことこと歩き出した。あわててついていくと塀のやぶれ穴からなかに、ついて入って行くとお庭に。縁側の戸開けて「くろいのは」入っていった。「くろいのは」お茶までだしてくれた。そしていすから押し入れの中に入るとそこにはびっくりするものがあった。
 言葉の描かれていないモノクロの画面、細かくかきこまれた絵の背景や家のなかは少し昔のたたずまい。「くろいの」ってなんだろうか。押し入れから通じている天上うら、そこで女の子が遊ぶ。一瞬センダックの「かいじゅうたちのいるところ」をおもいだしたが、センダックの作品には押さえられた不満とエネルギーが満ちあふれていて、いかにも外国の本らしい、いやセンダックの絵本より、長谷川摂子の「めっきら もっきら どおんどん」のひとりぼっちの子どもが木のウロから異次元にいって、昔のものたちと遊ぶという絵本にちかいのかもしれない。この絵本は同じ様内容だけれど、何かのエネルギーを解放させるような絵本ではなく、むしろ共有していくようなおもいがある。それは悲しいとか寂しいとかの感情と「くろいの」と遊ぶことで折り合いをつけていく、あくまで描かれているのは女の子とひとり?の「くろいの」。
 作者はトマトさんなどの強烈なエネルギーあふれた絵本を描いているので、ちょっと感覚が柔らかく驚いた。小学校3年くらいの時の私自身を発見した。あの頃わたしにも「くろいの」はいたのだ。


2018年10月16日 (火)

のってみたいな

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「のってみたいな」
こどものとも年少版11月号
たむらしげる


さあ!どうぞ。これからおでかけしましょう。なにに乗ってでかけましょうか。なんでもあります。その前にどこへいくのか伺わないといけませんね。ごいっしょするのはいつものメンバー博士とロボットくんです。海でくじら船が待っていました。それから空を飛びます。紙飛行機に乗ってついたところ、なんとパンでできた自動車に乗ります。やきたてのホワホワとしたいいにおいがします。あれ車の上でちゃっかり鳥がパンを突っついています。そんな調子で乗ってみたい乗り物といってよいのかしら?うん!乗り物だよね。屋根のないものもあるし、エンジンがみんなあるわけでもないけれど、博士とロボットくんはちゃんとみんな上手に運転をしています。もちろんともだちもたくさん乗ってくる。ちょっと怖いおばけなんかもいて乗りながらみんなで遊んだよ。最後はすっかりくたびれて月の船にのって夢の国へ。
 作者の絵本はどれも夢の世界に遊ぶことが多い。いっしょするのはロボットだったり、だからちょっと非現実の不思議な世界がでてくる。なんていうのかなぁ。SF絵本判といったら良いような絵本になっている さあ、あなたは今日はどれに乗る?

2018年10月10日 (水)

ねこぶたニッキのおつかい

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「ねこぶたニッキのおつかい」
こどものとも11月号
 福音館書店 本体389円
 
ねこぶた、表紙の絵、この絵本の主人公が空をとんでいます。空をとんでおつかいにいくのでしょうか。ドローンみたい。(もっとも私はドローンのことはあまり知らないけれど)やっぱりドローンではない。プロペラのかわりに風船?このねこのような身体つきで顔はブタ、楽しそうに空を飛んでいます。ニッキはおつかいの途中です。ニッキは仙人になるために修行をしています。仙人の師匠、すごくわがままで、人使いが荒くて、ニッキに雲のようにフンワリしていて口の中でポヨヨーンととろけるホッペフワリンポヨヨんパンを食べたいといいます。パン屋さんは遠くてグルグルの森には怪物がいるそうな。お師匠さんの命令となればいかなければなりません。ニッキはでかけます。はたしてパンを手に入れてくるでしょうか。
 とてもユニークな絵、マンガのようなコミカルな絵です。物語は古くからある名前あての物語です。3回怪物がでてくるのも以外と古風な昔話ふうなのですがともかく絵に救われ、何倍ものおもしろさが感じられます。
 絵本とマンガの接点に感じられるようなおもしろい本です。子どもがどんなことに感心を示すか、子どもといっしょになって読んでどうおもしろがるか!それもちょっと楽しみです。


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