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2018年5月25日 (金)

今日の毎日新聞からーいっしょにおいでよ

  ー 毎日新聞掲載からー
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「いっしょにおいでよ」
ホリー・M・マギー文
パスカル・ルメートル絵
なかがわちひろ訳
廣済堂あかつき刊 1500円

テロや憎しみに溢れたニュースが毎日マスメディアで送られてきます。子どもたちにどうしたら良いの?と聞かれたらあなたはどう答えますか?
女の子はテレビのニュースを見て「こんなのいやだ!」。お父さんに聞きました。お父さんは「いっしょにおいで」と言いました。知らない人がいっぱいの駅、お父さんはヒジャブを被った女の人と目が合うと帽子をあげて挨拶をしました。女の子もまねをしてみました。
お母さんにも聞きます。「いっしょにおいで」と言ってお母さんは女の子をマーケットに連れて行きました。そこではいろいろな人たちの好きな食べ物がたくさんならんでいました。世界には女の子が食べたことのないものがたくさんあるとのことです。女の子は家に帰ってお母さんの料理のお手伝いをしました。少し心が楽しくなりました。
食事の後、女の子は一人で犬を散歩につれていきたいと言います。お父さんもお母さんも女の子を一人で外に行かせるのは初めてなので不安になります。
でも、女の子の気持ちをだいじにすることにします。女の子は隣の男の子も「いっしょにおいでよ」と誘って散歩に行きます。なんといっても友だちといっしょは元気がでます。
この絵本では小さな女の子が自分の力で少しずつ不安を乗り越えていくことが描かれています。それには家族が信頼しあっていること(話し合う両親、お父さんは白人でお母さんはちがうようです)、小さなことでも行動すること、その積み重ねが不安を乗り越えていく力になることを伝えています。
シンプルな柔らかい訳文、子どもたちと一緒に読みあいたい絵本です。
 3月のブログに一度紹介しています。このような絵本が日本にはほとんどないので、ぜひ広く紹介したいと私は思いました。
flag6月15日(金)7時からの「絵本の会6月定例会」に、この絵本を編集されたほそえさちよさんを囲んでこの絵本ができるまでのお話をお聞きします。会員以外の方の参加もどうぞ!会費1000円、定員15名です。お申し込みは会留府まで。


2018年5月24日 (木)

黄金りゅうと天女

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「黄金りゅうと天女」
代田昇 文
赤羽末吉 絵
BL出版 本体1400円

沖縄の昔話です。那覇の町にさむらい出身の男と百姓の女がいた。若い二人は知り合って夫婦になりたいとおもったけれど身分の違いでゆるされなかった。二人揃って不思議な夢をみた。その夢に背中をおされるように泊まりの浜に舟があるから、その舟に乗って慶良間に渡り暮らす様にというものだった。天女はそう告げるとぱぁーと消えてしまったという。二人は夢で告げられた様に落ち合って浜で待っていた舟にのった。ゆらりゆられて着いたのは慶良間のはずれの慶留間、そこで二人は懸命に働いた。島の人たちもこの気だての良い夫婦を大切に思い、力をかしてくれた。やがて女の子が生まれ可愛(かなー)と名づけて育てた。この女の子はどこにでもあるお話のように神童、いつものように拝所におまいりしているとどこからか声がして、女の子は天の神子だから大切に育てる様にと告げられる。そして、ある日可愛は私は天にいかなければならないと言い、オタキ山から天に向かって手をひろげると、一頭のりゅうが天からおりてきて、その背に乗った可愛は天に登ってしまった。それからしばらくたって海賊が押し寄せて来た時、りゅうに乗った天女が海賊をおいはらい島を救ったという。けれどやはり可愛=天女は戻ってくることはなく、りゅうがさした青竹のもとにかぐわしいおおゆりがたくさん咲き、時にはそのゆりのなかに天女がみえるという。
 画家の描く黄金りゅうは金色や赤色を押さえ、筆書きのようだ。けれど黄金りゅうの迫力は十分だ。本を広げてみると良い、表と裏表紙一杯に描かれているりゅう、その背に乗っている凛々しい天女、下にはこれもいっぱいに海、そのなかに浮かんでいる島々、ひゅうひゅうとした風の音が聞こえるようだ。ここは日本なのだろうか。いや、琉球王国なのだろう。中国やモンゴルで暮し、戦火のなかの庶民の生活を見て来た画家はどんなおもいでこのお話に絵を描いたのだろうか。この絵本は1974年に出版、しばらく手に入らなかったのだけれど、出版社が変わって復刊した。


2018年5月23日 (水)

やまのかいしゃ

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「やまのかいしゃ」
スズキコージさく
かたやまけん・え
福音館書店 本体1500円

この本が母の友に書かれていたのは知らないけれど、最初架空社からでた時はもっと世の中がのんびりしていたように思う。今の出版はほんとにタイムリーなので、ちょっぴり複雑だ。過労死とか非常勤職員とか非正規雇用とか高プロ問題だとか、それらはみんなそこでつながっている。なんだか忙しく、また、忙しくしていないと怠け者になってるような気分、実際どうしてこんなに働いているのに生活がきびしいのか、と思う。ほげたくんとほいさくくんのようにもう地上は見切りをつけてやまに会社をつくれば良いのだ。でもほげたさん、ほいさくくん山で暮らすのはなかなか大変なのだよ。まず水、それになにもかも自分でつくらなくてはだめ。そして、何よりも健康でなければならない。もう私は失格だなぁ!せめて気分だけでも、山の会社につとめて?山の暮しを堪能しよう。それにしてもこのコンビは最高!

2018年5月22日 (火)

ちょうちょのためにドアをあけよう

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「ちょうちょのためにドアをあけよう」
ルース・クラウス文
モーリス・センダック絵
木坂涼 訳
岩波書店 本体1000円

この絵本に副題をつけるとなると、以前出版されていた「あなはほるものおっつちるとこ」という絵本
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ーちいちゃいこどもたちの せつめい(クラウス文 センダック絵 わたなべしげお訳)ーのPART2になるかもしれない。こどもたちの言葉がいきいきと描かれている。センダックの絵がついてたくさんの子どもたちが描かれている。子どもたちの胸のなかには言葉がいっぱいつまっている。<おおごえで うたう うたを ひとつくらい おぼえておくと いいよ ぎゃーって さけびたくなる ひの ために>そうだ!これを私はおとなだけれど憶えておこう!<おやの かおが みてみたいってこと あるよね>あんまりこれは言ってはいけない!<そんなに つかれたって いうなら つかれを ポイって すてちゃえば いいのよ>そうそうそのとおり!こんなふうに子どもの言葉とセンダックの楽しい絵がいっぱい描かれている。センダックの描く子どもたちは表情豊かに踊ったり、うたったり。おもわず笑ってしまう。やっぱり絵本はいいなぁ!楽しい!

2018年5月21日 (月)

もりのたんじょうびパーティ/サーカスくまさん

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「もりのたんじょうびパーティ」
「サーカスくまさん」
エリザベス・イワノフスキー作
ふしみみさを 訳
岩波書店 本体各1000円

前に紹介した本の後2冊が入ってきました。森で小さな生き物が遊んだり、お祝いのパーティーのようす、小さなかわいい絵本です。2冊のうち私は「もりのたんじょうびパーティ」の方が写真やさんになったり、いろいろな楽しんでいる生き物が登場。音楽も聞こえてきそうです。
細い筆で描かれているのでしょうか。その細い線書きがこの絵本を楽しくしてくれます。小さな小さな絵本です。

2018年5月17日 (木)

へんてこロボ

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「へんてこロボ」
ミシェル・ロビンソン文
セルジオ・ルッツィア絵
福本友美子 訳
光村教育図書 本体1300円

いたずらキツネが箱を運んで来た。箱をパカッと開けるとロボットがブー!とでてきた。そっとのぞいていたものしりビーバーがレバーをグィッとひくとバーン、次にでてきたのはちびっこまじょスイッチをカチット、バーン!次々と動物たちがロボットをいじって直そうとする。でも、直らないよ。どうしたっかって。さぁ!わたしの出番だよ。言う通りにみんなでいじってみると、みごとロボットは直った。それだけの話。ロボットはおれいをいって元気に行ってしまったとさ。動物たちが次々と直そうとする、そのときの続く音がおもしろい。本の上のほうに手をだした動物たちが表情豊かに描かれています。

2018年5月14日 (月)

マラカスでなかよし

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「しんやくんのマラカス」
こどものとも年中版
石川えりこ さく
福音館書店 本体389円

しんやくんがお母さんに報告、何をうれしそうに話したかったというとね。お友だちができた!しんやくんはちょっぴりおとなしい、お花が大好き。藤の花の下で花の匂いをかいでいたら向こう側に自分と同じような女の子を見つけた。お友だちになりたかったのだけれどどうしたらいいのかなぁ。それでゼリーのカップをもっていってそれに砂をつめてマラカスをつくってシャカシャカ、その女の子なおちゃんって名前なんだって。ぼくお友だちができたんだよ!しんやくんのうれしい気持ちがマラカスのシャカシャカといっしょにこの本を読んでいる人に伝わってきます。いい音といい花の匂いが透明感のある絵で伝わってきます。
もう一冊私の好きなマラカスの絵本があります。

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「きょうはマラカスのひ」
樋勝朋己 文・絵
福音館書店 本体1400円
クネクネさんはなかよしの友だちのパーマさんとフワフワさんとマラカスの発表会を計画します。ちょっとおしゃれをしてクネクネさんの家に集まりました。クネクネさんはおおはりきり、難しいマラカスに挑戦します。お昼にみんなで食べるパンも焼きました。はじまり、はじまり。最初はパーマさんチャッ!チャッ!迫力いっぱいのリズムでした。次はフワフワさん。フワフワさんはとてもはずかしがりや、リズムを聞いているとやさしい気持ちになります。ちょっと一休みしてお昼ご飯を食べたのがいけなかったのでしょうか。クネクネさんの時には二人とも寝てしまいました。それにクネクネさんは足がもつれてしりもちをついてしまいました。クネクネさんはがっかりして、部屋にとじこもって泣いています。でも、クネクネさんはふたりになぐさめられて再挑戦します。三人の友情がとても穏やかに流れている絵本です。こんな友だちがいるとうれしいですね。
ところでヤクルトの空きカップに砂をいれてシャカシャカ、ちょうど手になじむ大きさで楽しめます。みんなでシャカ、シャカ、シャカ!notesともだちっていいな!シャカ、シャカ、シャカ!

2018年5月12日 (土)

どれもこれもたまごの絵本

 たまごは手軽で栄養価もありとても日常的な食べ物だ。私は「たまごかけごはん」大好き!
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「たまごとにわとり」
かがくのとも6月号
棚橋亜左子 さく
福音館書店 本体389円

たまごでもいろいろある。この絵本はたまごというよりニワトリの一日の様子が描かれている。朝の農場ニワトリの一日がはじまる。ここに描かれているニワトリはいわゆる平 飼いのニワトリだ。ゲージで飼われているのでなくニワトリたちは自由に走り回ったり、地面をほじくったりしている。普通はニワトリ小屋で飼っているのは猫や他の生きものなどに襲われない様にということで、この絵本のニワトリたちも鳥小屋で、でもこの鳥小屋は運動場つき、そして、庭にだしてもらうこともある。それと対照的に同じ鳥小屋でもいわゆるゲージで飼われているのは、電気で光や温度の調節がされて、餌や水もオートメ、効率よくたくさん卵を産ませるようになっている。この絵本のニワトリは平飼いの鳥らしい、リアルな絵がすごく良い。雌の役割雄の役割などもしっかり描かれている。


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「たまごとひよこ」
ミリセント・E・セルサム ぶん
竹山博 え
松田道郎 やく
福音館書店 本体1100円

この絵本はたまごが孵ってひよこになるまでの生物学的視点で描かれている。それはたんなるニワトリのことだけでなく、たまごからひよこに孵る課程の中は人や他の生き物の誕生と同じような課程をたどる。人も同じようにたまごから成長する。もちろんたまごそのままではなく、まず精子と卵子の結合、そして、成長して生きものになる。ニワトリの雌のなかにあるたまごの成長とどうやってたまごがひよこになっていくのかが丁寧に描かれている。(店で売っているたまごにはふつう精子がはいっていない、つまりそのたまごからひよこをかえすことはできない、)食料としてのみのたまご。もちろん平飼いのたまごとのちがいがわかる。

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「あれこれたまご」
とりやまみゆき文
中の滋 え
福音館書店 本体900円

この絵本は関西弁で書かれているので、子どもたちに読んでやるとユーモアいっぱいで笑いがひろがる。この絵本は生まれた後のたまご、つまり私たちのもとにどうやってくるか、どう売られているかの流通のこと、つまり生活のなかのたまご、マーケットから家にきて、料理されあなたの身体のなかに。いろいろな料理もでてくる。
 わたしが子どもだった頃は貴重な栄養のもとでした。病気見舞いには藁づつにはいったたまごをもっていたものです。(そういえはあんまりたまごアレルギーなんて聞かなかったなぁ。)
 いろいろの視点からのいろいろなたまごのお話です。

2018年5月11日 (金)

ねられんねられんかぼちゃのこ

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「ねられんねられんかぼちゃのこ」
こどものとも年少版 6月号
やぎゅうげんいちろう さく
福音館書店 本体389えん

「ねられんねられん」と言っているのはかぼちゃのこです。おつきさまに「もう ねなさい!」と言われていいます。いろいろとねられない言い訳をしているかぼちゃのこ、頭にかえるがのっているからとかせなかにいもむしがくっついているとか。「どいてもらいなさーい」あっ!いなくなった。どこへいったか、どこだろう?最後にはカナブンのあさちゃんがまだくっついています。あら?みんないなくなってしまったら困るからカナブンのあさちゃんは「いいの!いいの!」
 一筆書きのような絵、のんびりとおつきさまとかぼちゃのことの会話。毎日バタバタとしているあなたへ
かぼちゃのこになったように「ねられんねられん」といってみたら。しばらくしたらなんか安心して「おやすみなさーい」ということになります。
 次はおとな読み、「わからん わからーん」とみんなでいってみましょうか。ニコニコと政権に言ってみましょうか。子どもたちのこれからが「わからーん わからーん」とみんなでいってみましょうか。

2018年5月 6日 (日)

いっしょにおいでよ

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「いっしょにおいでよ」
ホリー・M・マギー文
パスカル・ルメートル絵
なかがわちひろ 訳
Kあかつき 本体1500円

女の子はテレビを見て不安になりました。たくさんの人がにらみあって争っています。”こんなのいやだ”こわくなった女の子はおとうさんのところにいきました。おとうさんは女の子に”いっしょにおいで”とでかけます。プラットホームではみんな怖い顔をしています。お父さんはビジャブをかぶった女の人と目があうと帽子を上げて挨拶をします。女の子も同じことをしてみました。電車に乗ったのですが混んでいてみんな怖い顔をしています。女の子だけでなく実をいうとお父さんにとってもはじめての経験です。ここにはくわしく描かれていませんが、女の子の家庭はお父さんは白人ですが、お母さんは違うようです。肌の色の違う人が仲良くなるのはなかなか大変です。異文化を受け入れるのもなかなかやさしいことではありません。お母さんは女の子の不安を日常の生活のなかから女の子に教えます。お店に行く、いろいろな人がいるだけでなくいろいろな食べものが並んでいます。女の子は家に帰って手伝いをしながら、少しずつ不安が消えていきます。これもテキストには描かれていませんが、両親との食事のようすは女の子が両親に愛されていることがわかります。女の子の不安を静かにさせる方法、家族が信頼しあっていること、ちいさなことでも、行動すること。その積み重ねが世の中を変えていく、おとなの私たちはその人間性を信じてすすむことだと、作者たちは9.11やテロを経験しているだけにしっかりと伝えています。
 色も装丁も地味ですがすっきりときれいです。落ちついた紫の見返しの色、光のあたり方で輝きます。中川さんの訳文も柔らかくシンプルで、絵と良くあっています。

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