絵本

2017年12月10日 (日)

こめだしだいこく

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「こめだしだいこく」
こどものとも1月号
ー愛媛の昔話ー
大黒みほ再話
斎藤隆夫絵
心優しいじいさまに泥の中から見つけられた大黒様はこれもまた優しい婆様にきれいにあらわれます。でも、大黒様は息が苦しいというのでばあさまが鼻の穴にどろがつまっているのを見つけ掃除をします。かき出された泥、そして、そのかわりになんと鼻の穴からこぼれ落ちてきたのはお米でした。お米はどんどんでてきます。それを知った欲張りじいさまとばあさまが欲しいといって家に持って帰ります。お話は昔話の典型です。だからもちろん欲張りじいさまとばあさまはこらしめられます。
 だいこくさまの表情が場面場面でかわります。しっかり、線で細密に描かれた独特の画風、店のお客様のファンが多い画家斎藤さんの絵本、早くハード版になるといいなぁ!
 語り口調は解りやすい方言ですが、いざ読もうとするとちょっと難しいかもしれませんので自分の語り口調に直しても良いかもしれません。もちろん愛媛の言葉で語ることができればなお良いのですが。ただこのままの口調で読んでもらってもわりあい解りやすいのではないかとおもいます。(でも大黒様の絵がないと現代は大黒様なとどといってもわからない子どもが多いかもしれませんね)


2017年12月 9日 (土)

みんなみんな いただきます

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「みんな見んないただきます」
パット・ジトロー・ミラーさく
ジル・マケルマリーえ
アーサー・ビナードやく
BL出版 本体1500円


「サンクスギビング・デー」感謝祭、日本ではまだあまり知られていません。この日はみんなで集まって家族や友情を確かめる日です。1960年イギリスから今のマサチューセッツ州に渡って来た開拓者たちは大変な不作にあいます。けれどネイティブ・アメリカンの力を借りて乗り越えます。それを記念して開拓者たちは初めての収穫を神に感謝しました。それを記念してアメリカては11月の第4木曜日、カナダでは10月第2月曜日に行われるお祭りです。クリスマスについでの行事で家族や友人との絆をふかめます。
 この絵本は男の子をめぐって感謝祭に向かっての朝から夜までの一家が描かれている絵本です。父親母親子どもたち、あかちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんとおじさんやおばさんさん、ネコやイヌまでみんなで感謝祭のごちそうをつくるようすが丹念に描かれています。皆が協力してつくっていく、さあ!いただきます。最後の場面はみんなで手をつないで神に感謝の祈りを捧げます。”みんな みんな いただきます”

2017年12月 7日 (木)

つめたいあさのおくりもの

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「つめたいあさのおくりもの」
ちいさなかがくのとも 1月号
片山令子ぶん
片山健 え
福音館書店 本体389円


あぁ!私も歳をとったなぁと思うことが多くなりました。いままで簡単にできていたことがちょっとできなくなったと思う時に感じますが、それ以上に絵本を見ていて昔のことを思い出すことが多くなりました。とくに福音館の月刊誌の「ちいさなかがくのとも」のなかに幼い私を見つけることが多い、今月の絵本もそうです。幾度と書いていますが私は雪国の出身です。冬はこの本のように冷たい朝のおくりものは時には一晩中降り積もった雪でした。たくさん降る時は音も無く、しんしんと降り積もります。朝、外をみると一晩で銀世界です。この絵本の情景はその少し前のこと、水というみずたまりに氷が張って、コッコさん(これはかってにつけた名前、作者の本コッコさんが好きなので)のようにそっと氷を持ち上げます。”パリッという音まで思い出します。雪とちがったおもしろさがあります。つめたくとも無心になって不思議がったり楽しんだ幼い私がいます。
 これはおとなになってから読んだ本、川が凍ってスケートで下るシーン、あぁ!あの本ねと気がつく方も多いとおもいますが「トムは真夜中の庭」です。となりの県長野では川が凍ります。やっぱりちょっと思い出すことがあります。こんなふうにいろいろなことを思うことができる本はやっぱりいいですね。

2017年12月 6日 (水)

おもち

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「おもち」
こどものとも年少版1月号
彦坂有紀 
もりといずみ さく
福音館書店 本体389円


わぁ!おいしそう。この作者たちの本は「パンどうぞ」を見た時にびっくりした。ともかくおいしそう。しかもそれが木版画で描かれているとか、木版は日本の湿度の高い日本にあっているとかと書かれていた。このおもちもまずおいしそう。ふっくらと焼けた状態が良く描かれている。
 今日仕事帰りにはやくも玄関に新年のお飾りがあった家をみた。この本のようにおもちは日本の生活、というか日常的にはいってきていて別にお正月でなくとも食べることもあるようになったけれど、お正月のお雑煮は新年のはじめの食べ物だ。ところでこの本の最後に描かれているように”どうやって食べるのが好き?”私はつきたてのおもちを熱いお番茶にいれて食べるのが大好きです。


2017年12月 5日 (火)

わたしとわたし

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「わたしとわたし」
かがくのとも1月号
五味太郎
福音館書店 本体389円
画家の作品はいつも”あはは!”と言いながらどっきりすることが多い。この絵本も主人公は子どもになっているけれど、ほとんどが今の私に通じている。子どもの時のほうがもっとつきつめて考えたことが多かったけれど、だんだんずるく?なってたり、ちょっとごまかして逃げてしまうことが多くなった。人はそれを「おとなになったのだ」「まるくなった」という。たしかに良くいうといろいろの立場があるのだからとは言ってはみるけれど、正直なところ正面から見ることをしなくなっただけかもしれない。
 いつもとかわらず五味太郎の作品は笑いながらもどきっとさせられる。もっと人を信頼しなければ!


2017年12月 2日 (土)

言葉について

   いつもいわれることだけれど
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「あからん」西村繁男


この絵本が出たとき紹介にも書いておいたけれど「あからん」ってなんのこと?でもゆっくり読んでみると
「あから んまで」ということがわかって大笑いをした。これが声にだしてゆっくり読んだら「あ〜うん」と読むことができる。まして、側に誰かがいて声をだしあって読んでみると、それは単に字を読むだけでは発見できないことがある。お話をする人は良くわかることのひとつに全体の意味、個々のことがらの意味、そして間をとること、文脈が続けてわかってくる。
 近年テレビなどの影響で言葉全体が遊びのような様子になってきている。説明もなく会話がぽっ、ぽっとでるような絵本の文が多い。文脈がないから言葉からイメージがわかない。すべて短文で、いつでもどこでも同じ。実際はたくさんのものがあって、そのものには名前があって、それをつかう!そして、言葉には吐く息の勢いから、匂いまで、言葉はすべて使って豊かになる。
「あ」のつくのはなあーに?「あ」の絵解きからはじまって「ん」まで。うんと子どもたちの間で声をだして読む。本だけでなく現実にももっと「言葉あそび」で楽しんで良い。


2017年11月26日 (日)

スープになりました

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「スープになりました」
彦坂有紀・もりといずみ
講談社 本体1200円



カバーのそでのところに「浮世絵」の手法で摺られた木版画絵本となっている。「パン どうぞ」から「ケーキやけました」「コロッケできました」そして4冊目だ。はじめ見た時にこの絵本は木版画と聞いてびっくりした。木版画は日本の湿気の多い風土にしっかりあっているとか。ともかく食べものの表現にあっている。パンの時は食材の風合いもしっかりでていた、固形でなくこの絵本のように流動的なスープも、それがはいっているカップの堅さまでが良く描かれている。おいしそうな息まで描かれている。文も会話なのが良い。図鑑などはどうしても説明調の言葉になるけれど、おもわず”あぁ!おいしい”といいたくなる。
幼い子どもを抱っこして読みたくなる絵本だ。

2017年11月24日 (金)

テオのふしぎなクリスマス

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「テオのふしぎなクリスマス」
キャサリン・ランデル文
エミリー・サットン絵
越智典子 訳
ゴブリン書房 本体1500円


クリスマスイブなのにテオはひとりぼっちです。テオのおとうさんとおかあさんは仕事でとても忙しく、ベビーシッターにテオの面倒をみてもらってまだ帰ってきません。そして、そのベビーシッターは台所でいねむりをしています。クリスマスの飾りもまだ、テオは去年のかざりを箱からだしました。ほとんどの玉飾りは割れたりかけたりしていました。底の方に木馬とコマドリと太鼓をもったブリキの兵隊、そして天使がでてきました。木馬は足台のところがところどころ虫に食われたあとがあり、コマドリははげちょろ、ブリキの兵隊は錆びだらけ、天使の羽は抜け落ちていて、なんだか惨めな飾りです。それでもテオはもみの木に飾ってみましたが、とても寂しくなって窓の外の夜空を見上げました。前におとうさんが言っていた「願い事をするときは心臓のありったけで願わなくてはいけないよ」と言っていたことを思い出して、ありったけの力をこめて「ひとりぼっちでないのがいいです。だれかいっしょにいてください」と願いました。すると不思議なことがおこりました。飾った木馬もコマドリもブリキの兵隊も天使も降りてきたり、針金を外してほしいといいました。テオはびっくりすると「あなたといっしょにいるためにわたしたちは目覚めた」といいます。木馬はおなかがすいている、コマドリは忘れてしまった歌を歌いたい、兵隊はブリキの太鼓をたたきたい、天使は空をとびたい、とテオに頼みました。そして、どうしたら良いか考えます。テオとクリスマスのお人形たちの冒険がはじまります。そして、テオにもすてきなクリスマスがやってきます。物語が少し長いのですが、子どもたちの共感を呼ぶ楽しい物語です。
 この本はただそれだけの本でなく、表紙は華やかな金があしらわれていてとても美しい装丁です。各ページ一杯に描かれている絵は派手でなく押さえた色、精密に描かれている背景などクリスマスのできごとらしく最後の両親との場面も暖かさと喜びが充分に描かれています。
 もうひとつ私が感じたのは両親にかまわれなかったテオは、でも最後にはハッピーエンド、これだけだと良くある話なのですが、この物語のテオは他者に贈り物をする、たとえば、天使の羽になる森のなかに鳥の羽を探しにいって、のりがないのでガムを使って鳥の羽をくっつける、おかげて天使は羽ができて空を飛ぶことが出来るようになります。他者に工夫して贈り物をつくる、テオは単なるかわいそうな少年ではないこの考え方は現代の日本人が忘れがちのことで、それがただ美しいというだけでなく絵本のなかにきちんと描かれている、こどもたちだけでなく、おとなにこそ渡したい絵本の1冊です。(今年の会留府のサイン本の1冊です)


2017年11月20日 (月)

わたしたちのたねまき

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「わたしたちのたねまき」
ーたねをめぐる いのちたちのおはなしー
キャスリン・O・ガルブレイス作
ウェンディ・アンダスン・ハルパリン絵
梨木香歩 訳
のら書店刊 本体1600円


この絵本も命のつながりを描いています。そのつながりは「たね」です。「たね」というものをつかって植物はくりかえしくりかえし繋がっています。ただまっていても「たね」は自分で動くことができないので運び手をじょうずにつかいます。運び手は風や水、土などがあります。動物にくっついて運ばれていき、そこで芽をだしていくこともありますが、くっつくことや流されことだけでなく、動物(たとえばリスは木の実を埋める)によって埋められることもありますし、(もちろん人間の種蒔きだって土に埋めていきます)いろいろな動物たちが自分たちの方法をもっています。
 ところがいま、私たちのまわりでは遺伝子工学の方法でつないで行く方法があります。病気などに強い種類のものが作れる、自然にとらわれないで収穫ができる、新しい色などをつくりだす、など期待も大きく一瞬良い方法のような気がしますが、どんどんコピーをつくれたり、また病気などに強くなるのは良いのですが人工でつくりだしたものなので、古来からもっている知恵(植物も生き物すべてそれは知恵と私はおもっていますが)が失われてしまい、いくつく果ては似ても似つかないものなってしまう、そして、強いものが勝っていく、人間を例にするとそれは恐ろしいことに思われます。
 柔らかい色をつかった大型な科学絵本です。私はこの絵を描いている画家の「白い牛をおいかけて」が大好きです。

2017年11月13日 (月)

ずんずんばたばたおるすばん

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「ずんずんばたばたおるすばん」
ーこどものとも年少版 12月号ー
ねじめ正一 文
降矢なな 絵
福音館書店 本体389円


「今日もまたおかあさんが かいものにでかけたとたん てんじょうからこざるがつぎからつぎから おりてくる」ということは前にもあったということ?さるからペンギンからぞう、くじらまでたくさんの動物があらわれてお手伝い?おおさわぎ!おるすばんに一人で残って寂しいというような話はたくさんあるけれど、これはそれどころか元気に騒ぎまわるのだから。お留守番はこうでなくちゃ。それにみんな一人でできちゃうのだ。縦開きのページは絵をワイドに動きがあっておもしろい。
 リズムのある文とこれも動きのある絵がぴったりです。

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12月の営業とお休み

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    *お休み 28日午後から1月4日まで *営業時間 10:30〜6:00 日曜日は1:30〜6:00

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    赤ちゃんからお年寄りまで、絵本を読んだりお話を聞いたり、さあ!はじまり・・・はじまり
  • 12月の定例会
    すべての集まりの定例会はお休みです
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