文化・芸術

2017年6月11日 (日)

これが好きなのよ

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「これが好きなのよ」
長新太マンガ集
長新太
亜紀書房 本体2800円


この本はお客様に教えていただいた。長新太のファンとしてはあやうく出版されているのを見逃すところだった。読みたい本をどうやって探すか?私自身の仕事に関係がある児童書に関してはなるべくアンテナを高くたてておく。また、出版社の人と知り合いになると、新刊のご案内を送ってもらうようにお願いする。
 でも、個人の本はどうやって探すというと、私の場合はほとんどが新聞、後ちょっとラジオ(テレビはない)からが多い。でも忙しかったりするとあまり新聞を丹念に読まなかったりして、つい見逃してしまうことも多い。あっ!本屋へよって見つける人も多いかもしれないが、現在の本屋はなかなか探せないとお客様の話もうなずける。通勤に歩くだけの私はほとんどない。図書館はどうなのだろうか?
 その話はまたにして、ともかくファンとしては早速買って読んでみた。長新太さんには2度会ったことがある。会ったというか、小さな講演会で話を聞いた。ちょっと長い顔、ちょっと長い鼻(失礼!)長新太さんの本に出てくる人にそっくりな?人がいた。それもとても真面目な顔、作品を語るというようなことだったのだけれど、ニコリともしないで話す人、かえってそのことがおもしろくますますファンになった。トンカチおじさん、怪人ジャガイモ男、ヘンテコおじさん、怪人タマネギ男、どろにんげん、ありとあらゆるヘンテコ人間がでてくる。糸井重里が帯に「きげんのいい時間をすごしたいなら。」と書いているけれど、どうですか、おすすめです!

2017年1月 2日 (月)

ラスコーの洞窟について

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「ラスコーの洞窟」
ぼくらの秘密の宝もの
エミリー・アーノルド・マッカリー絵と文
青山 南・訳
小峰書店 本体1500円


ジャック・マルセンの先生レオン・ラバル先生は旧石器時代の骨,石やそれでできている道具のようなものを集めています。それはジャックたちが住んでいたフランスのモンティニャックという街で見つけられたものです。1940年ジャックは14才になっていました。第2次世界大戦がはじまっていて、ドイツ軍はパリを占領しフランス政府はドイツ軍に降伏していましたが、ジャックの街ではまだドイツ軍ははいっていませんでした。ジャックの仲の良い友だちジョルジュ・アニェルは街に住んでいるおばあさんの所に訪ねてきていて、もう一人はバリからきていたシモン・コアンカスというユダヤの子どもでした。いつものように3人で遊んでいると年上のマルセル・ラビダが深い穴の中に犬が落ちてそれを助けた時に伯爵のトンネルの入り口を見つけたと言います。黄金が埋まっている穴の伝説があるので4人はその穴に入っていったのです。黄金は見つかりませんでしたがかわりにトンネルに描かれているたくさんの動物等の絵を見つけたのです。ラスコーの洞窟壁画です。少年達はこの洞窟を探検し、ラバル先生に報告しますが始めは相手にもされませんが、先生は見に行って驚きます。そして、美術にくわしいアボット・アンリ・ブルーユがパリから逃れて来ているので見てもらう事にします。これがラスコーの洞窟の壁画が見つけられたいきさつです。少年達はその後管理をまかされます。その事はこの本のあとがきにくわしく書かれています。
 上野の山は人でいっぱいでしたが(やっぱり動物園が人気)この展覧会はまずまずの人だったので、行列をつくることもなくしっかり見る事ができました。
国立科学博物館で2月19日まで展示されています。もちろん壁画をはいでもってくるわけにはいかないのですべてつくられたものですが、第一会場7章、第二会場では日本との関係が本を見るように展示されています。絵そのものと制作につかわれた道具や顔料やどうやって描かれたかという事、それになんといってもその時のクロマニヨン人の出現と現代との関係、そしてその頃の日本列島、後期旧石器時代の日本列島に渡来したホモ・サピエンスのことなどが展示されています。(たくさんの黒曜石が展示されています)クイズがあったり、そばに添えられた機器をつかえたことなど、自由度が高かったのと子どもたちも楽しめるように工夫されていたので小学生位の子どもたちがおとなにまじって良く見ていました。(少しの部分をのぞいて写真がOKでした)
 久しぶりの科学博物館、来て良かった!人はどこから来てどこに行くのでしょうか。それと動物の絵は良しとして、「井戸の場面」からでてきたトリ人間って?それと植物はなかったのかしら?と、私の疑問です。

2016年10月28日 (金)

いのる

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「いのる」
長倉洋海
アリス館 本体1400円


久しぶりに長倉さんの写真をみた。「いのり」この写真集のなかにはたくさんの人の「いのり」の写真がおさめられている。ひとりもあれば集団だったり、部族の人たちがたくさん集まって祈りの儀式をあげている写真もある。長倉さんは世界の紛争地帯の庶民の人たちを写真に収めて私たちに見せてくれた。日常的に戦争がうずまいているなかで暮らしている人々、特に子どもたちの様子を知らせてくれた。決して悲惨なことばかりではない、死と隣り合わせのなかで子どもたちは精一杯毎日を過ごしている。
 この写真集のなかにいる人たちも「いのり」という形はとっているがそこには死と隣り合わせの生のなかの人たちだ。どのページのなかにも長い戦いのなかで傷ついた人々の「いのり」がある。ある人は子どもが争いにまきこまれないようにと、ある人は亡くなった人がいいところにいくようにと、ある人たちは平和のため、自分をみつめ心に平安をたもつため、忘れないで欲しい、昔の人とも未来とも「いのり」でつながっていたい、人々はいのり続け、たくさんの「いのり」が繋がったとき、希望をすてないかぎり、人々の「いのり」は繋がっていく。
 なにをいのっているのだろうか。少女の目から静かに涙がこぼれていく。たくさんの「いのり」が灯された河原、森では小さな祈りの炎がゆれている。

2016年9月 4日 (日)

アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ

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「アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ」
ジェニー・ブルーム 著
ケイティ・スコット 絵
日本語監修 今泉忠明
汐文社 本体3200円


みごととしかいえない本です。何がみごとかというとまず描かれている絵が細密でわかりやすい。文も総ルビがふってあるのでゆっくり興味にまかせて読む事ができます。表題「アニマリウム」とはAnimal(動物)+rium(場所を表す接尾語)を組み合わせた造語とのことです。ここでは「動物の博物館」の意味でつかわれていると中の袖に説明されています。そして監修者が説明しているところによると<今、地球上には、およそ190万種の生き物がいます。それは、私たちが存在に気づき、ひとつひとつに名前をつけたものです。P3より>人類はそれらを分類学という方法で理解しようとしました。ところがその方法では大航海時代のヨーロッパにはたくさんの動物がもちこまれて難しくなり、スェーデンのリンネが新しい分類法を考え出しその標本は博物館に保存されるようになりました。
 この本は分類された動物が進化していく過程が描かれています。種が何百万年かけてどのように進化していったかがわかります。8〜9Pにわたって見開きいっぱいに「動物界の生命の樹」が描かれていて、ダーウィンが「種の起源」に説明している「生命の樹」のこと、まず第1展示室は<無脊椎動物-海綿動物・軟体動物・刺胞動物・節足動物そしてそれらさまざまな無脊椎動物がすんでいる礒や浜>とすすんでいきます。第2展示室は<魚類>第3展示室は<両生類>第4展示室は<爬虫類>第5展示室は<鳥類>第6展示室は<哺乳類>もちろん各々が住んでいるいる所の背景や様子なども描かれています。
 大型のしっかりした図鑑なので家庭で購入するのはいろいろの面で難しいとおとなは言います。それに、万人向けの本ではないかもしれませんが、ぜひ図書館や学校では購入して子どもたちに見せてほしい、私たちの地球は決して人間だけが、私だけが生きているわけではない、共生の意味がすこしでも理解できるように願います。とても美しい本です。

2016年6月 7日 (火)

四万年の絵

表紙の絵、手をレントゲンで表したような、これは左手でしょうか不思議な絵です。
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四万年の絵
ーたくさんのふしぎ7月号ー
山田英春 文・写真
福音館書店 本体667円


南半球にある日本の20倍以上もある大陸オーストラリア、近年観光に訪れる人も多くなりましたが、とぼしい私の知識ではともかく大きな島?それにカンガルーとかコアラだとかを思い浮かべます。それとこれもまたまた乏しい知識ですがダーウィンのこと、この国の先住民アボリジニのこと、250年位前ヨーロッパとくにオランダからの移住民との悲しい歴史のことだけです。少し知っているのはそれらは児童文学のなかにあって読んだことがあるからです。特にこの本の後半に描かれている精霊のことなどにはとても興味があります。
 たくさんの絵、「岩絵」と呼ばれているものですが一体何のために描かれたのでしょうか。特別の知識の裏付けがあるわけではないのですが、私は精霊と関係があるのではないかとおもっています。人はアボリジニ自身のことかもしれません。とても背が高くて手、足が長い人たち、そしてその廻りのものたち。それは生き物であり自然であり、太陽や月や宇宙的空間のことだとおもわれます。いつの時代にも願われたこと、命を生き継いでいくということに対しての願いと祈りだとおもいます。人々を繋ぐものに音(音楽)と絵、そして、踊りのような身体表現、何年もの重ねて描かれた「岩絵」のなかに見る事ができます。いまは岩に描かれることではなくなったけれど木の皮やキャンバスに描かれる民族独特の表現は、民族はちがっているけれどはるか昔に繋がっていた記憶を私たちの声を呼び覚まします。

2016年2月13日 (土)

家をせおって歩く

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「家をせおって歩く」
ーたくさんのふしぎ3月号ー
村上慧・作
福音館書店 本体667円


”わぁ おもしろそう!”表紙のイラストだってまるで家に足がはえて歩いているよう、シュールな絵を見ているようです。何が動機でこのようなことをはじめたのかは書かれていません。少し昔?坂口恭平が0円ハウスを発表した時のように好奇心がわいてきます。アメリカの児童文学のなかでトレーラーハウスで暮らしていることがよく書かれていますが、あれはキャンプ場などで設置された場所でのこと、この本は作者が自ら担いで日本のいろいろなところへ移動して暮らした様子が写真になっています。まず、家のつくりかた、そして、おく場所の決め方(それは寝るためでもありますが)そして、実際に2014年4月7日から2015年3月9日までの作者の家を置いた180カ所の様子が写真入りではいっています。もちろん家がどんなものでどうやって作ったか、出来た家をかついでまわったところの記事、どうやって生活したかが書かれています。所持品もイラストでしっかり描かれています。ハプニングなども描かれていますが、留守にした時(例えばトイレにお風呂に行く時)など誰かが来たり傷をつけたりおそわれたりしたことがなかったのは運がいいと思います。意外と家があるために規制がある(だいいちどこでもおいて良いものではない。土地の所有者の許可がいる)ただそのサイクルはみじかい、子孫代々家を守ってというような考えは通用しません。ただ奇抜だけに常に人の目にさらされてしまう、そのようなことは精神的にはどう影響するのだろうか?夜の空の美しさ、静けさが伝わってきます。家の型紙付録付。

2016年1月 6日 (水)

へんてこ絵日記

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「へんてこ絵日記」
たくさんのふしぎ2016年2月号
U・G・サトー 文と絵
福音館書店 本体667円


また、どんなにおもしろいかとちょっとワクワクして本を開きます。というのは画家の前の作品がとてもおもしろかったからです。
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「富士山うたごよみ」(俵万智文・福音館書店刊)店の新年のデスプレーにこの本がつかわれています。短歌に富士山の絵が、というよりいろいろの富士山に短歌が書かれているといった方が良いようです。それくらいおもしろい「富士山」が描かれています。すっかりこのおもしろさにびっくり、ファンになってしまいました。このへんてこな絵日記たとえば最初の1月10日は凧揚げ大会に行ってきたと書いてあります。奴凧がふたっつ。凧は空に上がるものなのにこの2つの凧は下駄をはいて地面をけって走っているのです。次の2月12日の絵日記は北海道から絵はがきが届いたと書いてあります。絵はたくさんの雪うさぎが杭の上に、となりにはソフトクリーム?おまけに雪うさぎは”なにかおもしろいことないかなぁ”との表情。私にもこんな絵日記を描けたら・・・描くのは難しそうなので読むだけでも楽しい!


2015年10月 1日 (木)

稲と日本人

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「稲と日本人」
甲斐信枝 さく
佐藤洋一郎 監修
福音館書店 本体2000円


あなたはご飯を良く食べますか?現代の日本人はお米をあまり食べなくなったといわれています。確かにそうかもしれません。その理由のひとつはあまり肉体労働をしなくなったからかもしれません。ご飯を焚いて食事をすることにくらべればパンは手軽に食べられます。また、豊かになるにつれて、お米と漬け物という長い食生活が健康にマイナスになることがよくいわれます。落語ではないですが梅干しをみて、それだけでご飯が結構食べられてしまう、栄養のバランスや塩分の撮り過ぎなどがいわれます。私は朝にはかならずご飯を食べます。しかもおかずもたくさんしっかり食事をしないと一日仕事に力が入りません。
 この絵本は稲と日本人のかかわり、日本の稲をとおしての生活、歴史、文化が描かれています。もちろん稲という植物の面もありますが、もっとひろい日本人の精神史を読む事ができます。まず、絵のみごとなこと。手にしたらゆっくりページ全体の絵をみてください。現代のまったくコンクリートの建物で育っている子どもたちはどう感ずるかわかりませんが、日本は狭いのでちょっと歩くと田や畑があります。ところで田のことを知っていますか?稲がどう育ってお米ができるか知っていますか?私は子どもの時新潟で育ちましたが、家が農家ではなく、親戚もなかったので正直のところお米がどう育つのかは知識のうえでしか知りませんでした。だから田んぼには底があること、土手の話、田んぼが生物の共生になることなど、治水の役割もあることなど、おとなになって知った事でした。でも、この絵本のような田んぼのありさまは私の意識の中に根付いていて、良くも悪くも緩やかな意識、日本的共同体が自分のなかにしっかりとあることを感じます。10代20代のときはそこからなんとか脱したいと、欧米とくにヨーロッパにたいする憧れと劣等感のようなものがありました。簡単に崩れる事のない石造りの建物、乾いた風土、なぜかそこには自由と希望があるようにおもったものです。残念ながらひどい乗り物酔いと、病気がちだったために、なおのこと日本の自然も土地も湿度いっぱいにそこに縛り付けられるようにおもったからです。
 この絵本は日本の国を稲をとおして多面的に描いています。農家育ちではないけれど、私自身の心のなかにこの絵本の風景があります。田も稲も働いている人々も、そして、幾たびかの飢饉を経験して、飢えないで生きていく、人々の忍耐と努力と働くこと、時代はかわってもかわらず必要なことだと思います。なんといっても生きていくことは未来につながるという当たり前のことをこの絵本を見ながら考えました。
 新米をいただきました。何物にも代え難くおいしくいただきました。

2015年4月23日 (木)

海からのおたより2015年4月 

      「世界の遺跡から出土した貝」展

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千葉県立中央博物館で開催中の展覧会からいくつかおもしろい展示をご紹介したいと思います。

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 「貝の道」会場の真ん中のケースにゴホウラという沖縄で採れる貝で作った貝輪(ブレスレット)が8種類ほど展示されています。弥生時代、琉球列島から島伝いで南九州に陸揚げされ、さらに有明海や西九州の海を通って北部九州に運ばれました。北部九州で貝は加工されましたが、遺跡ごとに違った貝輪が(時代による流行のようなもの?)作られたようです。こちらの展示の貝は機械で穴をあけてもらったそうですが、電気ドリルのない時代に厚く硬い貝にどうやって細工したのでしょうか。「これだけの種類の貝輪を一度に見比べられることはまずない」(黒住先生曰く)とのことです。

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中国・殷墟の王妃のお墓から出土したタカラガイ。ものの本には「殷の時代にお金として使われていた」と必ずといっていいほど書かれていますが、実は巷には貨幣としてどうも流通していなかったようです。殷の遺跡の多くは盗掘されているそうですが「婦好墓」(王妃)の墓は無事で博物館になっています。そこでは副葬品としてキイロダカラのみが背中を割って糸でつながれた状態で多数見つかりました。高貴な人のみが持つ特別な貝だったことがわかりました。キイロダカラは南房総でもときどき見つかりますが、沖縄ではどこの海岸でも見つかるふつうの貝です。「宮古島から中国にキイロダカラが渡ったのではないか・・・」というのが柳田國男先生の「海上の道」の説です。しかし、琉球列島と大陸の交易の痕跡がないこと、貝の形が違っていることなどから今回の展示では柳田説は否定されています。キイロダカラが大量に生息する中国大陸の南(雲南省あたり)のものと推測されています。タカラガイは同じ種類でも産地によって少し形や大きさが違うので考古学上非常に参考になるのです。
そのほか「ナスカの地上絵」の上に撒かれていた貝のかけら(儀式につかったものか?)の現生標本(実物は持ち帰れないため)など興味深〜〜い標本が多数展示されています。世界中の貝が展示されており、内容も深いのですぐには理解できないかもしれません。わたしも3回見て、2回説明を聞いてようやくこれだけ書いている状態です。今回の展覧会は写真撮影できますのでぜひ興味を持たれましたら残しておかれることをおすすめします。

4月25日・26日には無料の講演会がひらかれます。考古学と貝類学が織りなす旅はいままでのイメージとは違った世界が広がることでしょう。会場でお待ちしています。
 
            どんぐりつうしん変集長  谷口優子

2015年1月29日 (木)

ラオス 山の村に図書館ができた

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「ラオス 山の村に図書館ができた」
安井清子・著
福音館書店 本体1500円



最近地図を見る事が多くなりました。極東の小さな島日本、そこから見ると世界にはほんとに知らないたくさんの国があります。子どものとき学校で学んだ地理、川の名前や山の名前やら、それらはいろいろと覚えたけれど、そこで暮らしている人々のことはほとんど学ぶことがありませんでした。近年インターネットでたくさんの国とは早くつながるようにはなりましたが、事件がおきてメディアをとおして知る、ほんとに知る、それも一方的に知るということです。この本のようにラオスで図書館づくりをした記録のような本はほとんどないと思います。私が知っているのはさくまゆみこさんが亡くなったさわだとしきさんたちとアフリカのケニアで図書館をつくったことだけです。
 この本は著者がラオスのゲオバトゥ村に図書館をつくった実践記録です。どうして図書館づくりをすることになったかはエピローグと第1章に書かれています。「おはなしきゃらばん」で人形劇などを持って活動していて、タイ・カンボジアの難民キャンプを訪れているうちに子どもたちの目の輝きが忘れられなくなって、再度難民キャンプに行きたいという願いから、NGOの「SVAーシャンティ国際ボランティア会」がラオスの難民キャンプに子ども図書館を立ち上げるのに、「おはなしきゃらばん」が協力することになり参加したことです。1975年にタイ側にできたラオス難民キャンプ地バンビナイキャンプが著者の活動場です。著者が行ったのは1985年夏とのことだけれど、ベトナム戦争後たくさんのモン族がメコン川を渡って逃げたところにできた難民キャンプです。そこでの子どもたちとの交歓、そして1992年キャンプ地の人たちがラオスに帰ることができキャンプは閉鎖され著者も日本に帰ります。けれどモン族の人たちが忘れられなくて、モン族の民話を記録録音するという研究機関をつくって再びラオスに行きます。人の出会いは不思議です。その時いっしょに調査した武内太郎さんが後の仕事で事故死してしまうのですが、お母さんである武内桂子さんと会い、お母さんが図書館の仕事をしていた関係から「たろうの図書館」をつくることを決心します。
 この長い記録的な物語は4章にわかれていて、図書館をつくることになったいきさつから、開館のこと、続けていっていること、これからの課題まで、そして、戦争などのことが317Pにまとめられています。それだけでなく私はモン族の人たちの生活考え方をとても興味深く読みました。モン族は文字をもたなかった民族です。そのなかでの子どもたちの育ち方、女の人たちの処遇の仕方、過酷な生活のなかで子どもたちの目がどうして輝いていたのか、著者をひきつけたのか、本を読むお話を聞くことがどうして生きていくことに力を与えるのか、たくさんの子どもたちの写真をみながら納得、では私たちがやっている図書館づくりや子どもたちにお話をしたり読書をすすめたりすることと、どこが同じでちがうのか、なんどでも立ち返って考えなければならないと思っています。
 写真がたくさん入っています。子どもたちはもちろんのこと、動物たちや古老の顔などユーモアが感じられます。豊かな自然の背景にはここがケシの産地(麻薬です)で、戦場になった理由の一つも書かれています。少し昔の日本の田舎によくある集落の風景です。

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10月の営業とお休み

  • 10月のお休み
    *お休み 2日(月)・9日(月)・16日(月)23日(月)30日(月) *営業時間 10:30〜6:00 日曜日は1:30〜6:00

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これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山