これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山   
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社会

2017年2月21日 (火)

みどりの町をつくろう

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「みどりの町をつくろう」
アランドラモンド・さく
まつむらゆりこ やく
福音館書店 本体1400円


アメリカ・カンザス州のグリーンズバーグに巨大な竜巻がおそいました。2007年5月4日のことです。その頃のグリーズバークには1400人くらいの人が住んでいました。(作者のことばより)カンザス州というと私はあの「オズの魔法使い」の物語を思い出します。あの物語も竜巻でオズは一瞬のうちにとばされてしまいます。住民の数は800人ほど、あたらしい街をめざして人びとは活動します。その新しい街、人びとは自然の恵を生かす街にしようと計画します。グリーンズバーグのグリーンというのはなんだろうと人びとは考えます。世界中から再建のためのものが集められます。物だけではありません。たくさんのボランティアの人びともかけつけました。ウォラックさんがみどりというのは自然のめぐみを活かして暮らす事だといいます。街をみどりにしよう!人びとは取り組みます。話し合いを持ちます。みどりの家、みどりの街ってどんなところでしょうか。
 わたしたちの日本も災害がいろいろのところでおこります。水害・火山・地震・・・今年の冬は北海道の方では寒波と大雪がありました。津波や地震などの自然災害ばかりではありません。なんといっても福島の原発事故がありました。この絵本では街の人びとが力をあわせて復興というか、グリーンバークの名前のような街をつくろうとします。この絵本はその実話にもとずいて描かれています。残念ながら福島の原発事故はこのようにはいっていません。事故をどう収集していったら良いかはまだわからず、混迷を深めています。それなのに経済を中心にして政府は今なお原発を再稼働しようとしています。自然と共生していくのではなく、自然のなかにはないものを人類はつくってしまいました。自然を征服するものとして捕えています。自然と共生をめざして、科学の力を使い豊かにするのにはどうしたらよいのか、この絵本はそれをわかりやすく具体的に描いています。

2017年1月28日 (土)

塩田の運動会

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「塩田の運動会」
那須正幹 作
田頭よしたか 画
福音館書店 本体1500円

この絵本の語りの子ども田所正一、山口県防府市立中関小学校4年生です。防府市は昔塩田で栄えていた街で1997年4月塩の専売制が廃止されるまで100年の歴史をもっています。その後自由経済のもと専売制がなくなり、塩はどこでも買えるようになりました。それにともないかっての塩田は再開発で住宅や工業団地に姿をかえていきました。正一が出かけようとしている所もそのひとつ中関の塩田のあとの広い空地です。そこでこの街の人たちが町内大運動会を開こうとしています。
 塩は生きていくのに欠かせないものです。外国のように岩塩などがとれない日本では海の水から塩をとってきました。有名な話に武田信玄と上杉謙信の話があります。私が塩に興味をもったのは千葉市にある加曽利貝塚に行ったときの事です。地層におびただしい貝が埋まっています。それも小さい貝殻です。おそらく昔は小さな人がいたのだと言った私の言葉は皆に笑い飛ばされてしまいましたが、今は地形もかわってわからないけれどとった貝を川沿いに運び、それを煮詰めて塩をとったのではないか、その貝が捨てられていて貝塚の地層から見えているのだという説でした。なるほど、それにしてもそんなに大量の塩はどうしたのか、塩の採れない長野の地へ運んで替わりに鉄平石を持って来て矢じりなどにつかった、この説は私には驚きでした。はるか昔縄文時代?に交易があったという事実です。
 塩の製法と歴史が描かれています。そしてその間に50年前の最後の町内大運動会の様子が描かれています。歴史は淡々と語られていて、そのページの間に描かれている、おとなもこどもも夢中になった運動会の熱気が迫って来ます。残念なことにその熱気は戦争と近代工業化でなにもかも失ってしまい、いま、またそれを語りつぐ人も歳をとってきました。この本の文を書いた(正一かもしれません)作者は1942年生まれ、原爆2世です。絵を描いている画家は1950年生まれ、そして、この絵本を編集したMさんはこの絵本が最後の仕事、これで退職とのことです。
 高度成長という時があって、どこの仕事場でも次の橋渡しがうまくできない、50代がうすく、経験が継承されていってるとはいえません。すごいスピードで生活が変わっていきます。かって山口の中関に塩田があった。(そして、もうひとつ日本人にはきってもきれない米がある。)人の営みや生活は積み重ねと継承です。そのなかで時々若い世代が飛躍的にすすむ、その勢いで新しいものが生まれていく、残念ながらそれがうまくいっているとはかぎらない、Mさんから送られて来たこの本に添えられた手紙に「多くの若いひとたちにこの本を手にしてもらえるよう、お力添えを・・・」とありましたが、本を世におくるということはこういうことなのだと思いました。

2016年10月28日 (金)

いのる

Jpg
「いのる」
長倉洋海
アリス館 本体1400円


久しぶりに長倉さんの写真をみた。「いのり」この写真集のなかにはたくさんの人の「いのり」の写真がおさめられている。ひとりもあれば集団だったり、部族の人たちがたくさん集まって祈りの儀式をあげている写真もある。長倉さんは世界の紛争地帯の庶民の人たちを写真に収めて私たちに見せてくれた。日常的に戦争がうずまいているなかで暮らしている人々、特に子どもたちの様子を知らせてくれた。決して悲惨なことばかりではない、死と隣り合わせのなかで子どもたちは精一杯毎日を過ごしている。
 この写真集のなかにいる人たちも「いのり」という形はとっているがそこには死と隣り合わせの生のなかの人たちだ。どのページのなかにも長い戦いのなかで傷ついた人々の「いのり」がある。ある人は子どもが争いにまきこまれないようにと、ある人は亡くなった人がいいところにいくようにと、ある人たちは平和のため、自分をみつめ心に平安をたもつため、忘れないで欲しい、昔の人とも未来とも「いのり」でつながっていたい、人々はいのり続け、たくさんの「いのり」が繋がったとき、希望をすてないかぎり、人々の「いのり」は繋がっていく。
 なにをいのっているのだろうか。少女の目から静かに涙がこぼれていく。たくさんの「いのり」が灯された河原、森では小さな祈りの炎がゆれている。

2016年6月13日 (月)

とびきりおいしいデザート

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「とびきりおいしいデザート」
300年まえから伝わる
エミリー・ジェンキンス文
ソフィー・ブラッコール絵
あすなろ書房 本体1600円

ブラックベリー・フールをめぐっての4つの時代、4つの家族の物語です。あとがきによるとフルーツ・フールは16世紀ころからある西欧文明の最古のデザートといわれているとのことです。300年位前、イギリスのライムで母子がブルーベリーを摘んでフールをつくりました。ベリーを摘んで潰し、手で搾乳した牛の乳を小枝でつくった泡立て器でシャカシャカとクリームを泡立てつくります。冷やすのは岡にある穴蔵、一家の夕食のようすがわかります。それから100年位あと、舞台はアメリカのサウスカロライナにあるチャールストン、母子は庭の家庭菜園でつくられたブラックベリーをつかいました。泡立て器はブリキでできていて、冷やすのは地下室です。デザートを食べているのは農場主一家です。そうですこの母子は黒人の奴隷です。それからまた、100年位たちました。アメリカのマサチューセッツ州のボストンで母子はブラックベリーを買いました。生クリームは配達されます。泡立て器は鉄のハンドルをまわすもので冷やすのは木でできた冷蔵庫、氷が毎日配達されます。食卓に配るのは母親と女の子の役目です。そして、現代アメリカのカルフォルニア州サンディゴでは男の子と父親が作ります。インターネットでつくりかたを調べて、泡立て器は電動式です。みんながあつまってきました。いろいろな人たちです。父親と母親と子ども、かならずしもそんなペアだけではなさそうです。
 後片付けの前にいつの時代でも子どもはボウルやスプーンについたブラックベリー・フールをなめてもしかられません。とってもおいしい!!裏表紙にはボールをもった子どもが歩いていきます。未来はどんなようになるでしょうか。少なくとも1810年の奴隷が領主につかえることはなくなりましたが、そのかわり貧富の差がでてきます。でも、すこしずつ未来にむかって進んでいって、それを担うのは子どもたちだということ、この絵本の”あぁ!おいしい”読者にもうれしさ、おいしさが伝わってきます。


2016年6月11日 (土)

夜間中学へようこそ

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「夜間中学へどうぞ」
山本悦子
岩崎書店 本体1500円


優菜は両親とおばあちゃんと暮らしています。春から中学生、ほとんどの子がそのまま近くの中学校へ進学するのでそんなに大きく変わってしまうとはおもわないけれど、今までの仲良し友だちと一緒というわけではないので、友だち関係がうまくいくかちょっと心配、それから中くらいの成績の優菜はどんな順位がつくのか落ちこぼれはしないかも少し心配だ。お母さんは美容師なので、入学前に髪をきってちゃんとしようと言っていたら、そばからおばあちゃんも髪を切って整えようといい、私も学校へ行くからと言い出します。学校というのは中学校、夜間中学のことでした。そして、夜間中学校へ通い出したおばあちゃんが足を捻挫したために、サポートしなければならなくなって、優菜もいっしょに夜間中学校へ通います。
 この物語は先日紹介した「七十二歳の卒業制作」とおなじように子どもの時教育をうけられなくて成人してから、というよりずっと高齢になってから学校へ通い出した人の話です。どちらもおばあさん、子どもの時家庭が貧困だったために義務教育すら受けられなかった人の話です。ただこの「夜間中学へどうぞ」は入学したおばあちゃん、沢田幸さんの話なのだけれど、孫の優菜が主人公で優菜が夜間中学をとおして、いろいろの人の人生があり、ほとんどが貧困などで学校へ行く事ができなかったのだけれど学びたいと思っている、そして、その人たちの手助けをする先生たちや、はげましあう友だちがいることを知っていくことが書かれています。それは学ぶということはどういうことなのか、なぜ学ぶ場所と仲間が必要なのか、それは学校のもつ意味を物語のなかで優菜をとおして読者に考えてもらうことになります。家が貧しくて子どものときから一家の働き手として生きてきて学校へ行く事ができなかったおばあちゃんや高齢の松本さんのほかに、学校でいじめにあって、夜間中学にきている和真のような存在、そして、日本にいるけれどさまざまな外国人たちのなかで一緒に勉強する人たち、優菜はいま自分がしようとおもっていること、したいと思っていることをみつけていこうとします。まず、友だちに夜間中学のこと、おばあちゃんが字が読めない人だったことを卑屈にならないで話そうとします。
 おばあちゃんはケガが治ってまた、ひとりで中学へいきます。自分なりに選択していこうと決心します。さあ!スタートです。
 母親が字が読めなかったのが知られるとこまるという気持ちで、夜間中学へ行って欲しくないという父親と、嫁の立場だけれどおばあちゃんが学校へいくことに大賛成の優菜の母親の考え方がもう少し掘り下げて書かれていたら、まとまりと深みがでたのに思われます。これは決して遠い昔のことでもなく、特別な人の話でもなく、日本の歴史としての面ととらえても大切なことだと思われます。

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連休の会留府

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