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2018年3月31日 (土)

ヒットラーと暮らした少年

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「ヒトラーと暮らした少年」
ジョン・ボイン
原田勝 訳
あすなろ書房 本体 1500円


主人公の少年ピエロの父親はドイツ人、母親はフランス人です。父親は家を出て行方不明、事故で亡くなっています。真相はわかりません。母親も死んでしまい、ピエロはベルクホークで家政婦をしている叔母さんに引き取られます。それまでに会ったこともないような叔母さんに対して心配がありましたが、叔母さんに大切に迎えられます。ピエロは聾の少年ユダヤ人のアンシェルと仲良しでしたが、手紙を書きあうという約束をして別れます。ピエロの新しい住まいはヒットラーが休暇を過ごしたり、執筆をしたりして過ごす山荘でした。ピエロはヒットラーのことも良く知らない、可愛がられるままにヒットラーの信奉者になっていきます。ただ、死んだドイツ人だった父親を誇りに思う気持ちから、強いリーダーシップを持つヒットラーを信奉する、それは父親を求める子どもの心理です。そして、みるまにピエロは憧れになったナチスの行動にそまっていき、迫害する側になり、抵抗する人たちを告げ口をしたりして死に追いやったりします。知らなかったといえばそうなのでしょうが、子どもだったといえば許されることなのか、原罪なのでしょうか。
 最後にやっと死を免れたかっての親友をたずねあて、今は小説家になったアンシェルに自分のした罪を語るので、書き留めて欲しいといいます。真実を記録に残すこと、それはふたたび生きてするべきこととピエロは決心します。
 この物語は映画にもなった「縞模様のパジャマの少年」の姉妹編です。その作品はやはり純粋な少年が戦争に巻き込まれ、純粋で無垢な少年であったためにみずから鉄条網を越えて、友だちになったユダヤの少年といっしょにガス室に送られていくという悲劇を描いています。
 ところで、日本の作家、児童文学者のなかに、このような加害者でもある立場から戦争に巻き込まれていく子どもたちのことを書いた作品はどのくらいあるのでしょうか。被害者の本はあります。でも、日本人は加害者でもあったこと、というより戦争とは殺し殺されることなのだときちんと若い人たちにつげる作家はどれだけいるでしょうか。作家のみならず、私たちひとりひとり胸のなかからひっぱりだして、何をしようと思っているのか確認しなければならないのだということを、そこからはじめなければならない。記録されてきた(たとえ小説でも)本を読むよう勧めなければならないと思います。私自身戦争をしらない世代ですが、知ること、伝えることをおこたらないようにと切に思っています。


2018年3月30日 (金)

今月の絵本 毎日新聞千葉版「まる さんかく しかく」

       あかちゃんにも本を

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「かたちのえほん まる さんかく しかく」
大塚いちお さく
福音館書店 本体各900円


 あかちゃんが生まれて本を贈りたいと相談を受けることが多くなった。身体も心も健やかに大きくなってほしい、誰もが望む。どうやら本が少しでもその役割を持つということに気がついている人が増えてきているように感じる。でもあかちゃんにどんな本が良いのか。本屋へいけばいろいろのしかけがあるものから、トイレのしつけなどの絵本、そして、極め付きなのは頭の良くなるというふれこみの絵本があふれている。
 わたしたちはほとんど自分自身あかちゃんだったときの記憶がない。笑ったとか、じっと見ていたとか、でもそれらの行為がどういう意味があるのかわからない。少し大きくなれば体験としておいしいものというような認識ができるかもしれない。ただ解ることは、そばにいるおとなからあかちゃんはしっかり学んでいることだ。絵本を読む人がおいしそうに読んでいることで、それはおいしいものだという認識ができてくる。楽しそうに読んでいれば楽しいという気持ちの快いことがあるのだということを感じとる。うれしい、悲しい、怖い、物としてそこになくとも、伝えてくれる人をとおしてたくさんの言葉以前のものも含めて、あかちゃんは自分のものにしていく。イメージをつくる、人間だけができることだ。
 この絵本を見て最初に感じたのは色のすばらしさと造形的な美しさだった。声をだして読んでみると擬音がつかわれているからリズムもいい。あかちゃんの絵本にはこの三拍子がそろっているのがすばらしい。「朝ご飯のなかの四角いパン・並んだ赤いボタン・三角みつけた猫の耳」、日本の風土の中の色、こんな絵本をゆっくりとあかちゃんと楽しみたい。

ー毎日新聞千葉版3月30日掲載「阿部裕子の絵本だいすき」ー月一回最後の金曜日に本の紹介をしています。ただカラーで画像がでないのでちょっと残念です。今年度も続けることになりました。ご感想お寄せください。

2018年3月28日 (水)

グドーさんのおさんぽびより

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「グドーさんのおさんぽびより」
たかどのほうこ
え・佐々木マキ
福音館書店 本体1800円


グドーさんとイカサワさんは仲良しです。この本に登場する人はこのグドーさんとイカサワさんと仲良しのもうひとりキーコちゃんがいます。キーコちゃんは9歳、グドーさんとイカサワさんはおじさん?なので、ちょっと変わったお友だち3人組です。年こそちがいますが、グドーさんもイカサワさんもキーコちゃんにも共通するところがあります。じつは3人ともボーと空をながめたりするのが大好き、ただボーとするのですよ、うらやましいです。それでせめてこの本をボーとしながら読んで、ちょっと春いっぱいの花の下に出かけていくことにしました。
春、この本も春からはじまり、一年また、春が巡ってきます。いま、ソメイヨシノが満開です。だから桜のしたではボーとしていられません。なんとなくザワザワとした雰囲気です。それで思い切って朝早く起きて散歩にいくことにしました。暖かくなったので早起きもあまり苦になりません。そう!グドーさんとイカサワさんとキーコちゃん、そして、あなた、今朝はお散歩日和です。


2018年3月26日 (月)

むしがこんなことしていたよ

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「むしがこんなことしていたよ」
ちいさなかがくのとも4月号
越智智子ぶん
サイトウマサミツえ
福音館書店 389円


落ち葉をめくって何かないかな?あっ!だんごむし、だんごむしって触るとくるっと丸くなるんだ。どのだんごむしでも、手にのっけるとくるっとまるまるよ。そうだ、ぼくもやってみよう!くるっ!さくらの木の葉に長い虫がついていた。動くのにいっしょになってそれからのびて前へすすむんだ。しゃくとりむしというのだとおかあさんが教えてくれた。ぼくも手と足をいっしょにしてのびてちぢんでから手を前にのばしてみた、ちょっとつかれるなぁ。歩いた方がはやいや。虫たちはどうしてあんなに上手にできるのだろう。
 幼い子どもはすぐにまねをします。出来ないことが多い、そうやって自分にはできることとできないことがあるのがわかります。よく見て、触ってみてちょつとまねをして。大きくなると強いて虫になったり、いろいろのもの、他者になったように思ったり、まねをしたりします。身体表現ともいいます。他者になることによって自分がわかる、時々やってみると良い。さぁ、春になりました。時には自分探しをしてみましょう。幼い子どもがしたように、あなたの好きなものになってみましょう。

2018年3月25日 (日)

 ふたばからのおたより  -3月―

       
             3月に想う
 
月並みな言い方だが、今年もまた巣立ちの季節がやってきた。
外で話す機会がある度に伝えるのだが、昔と違って、今児童養護施設や里親家庭で暮らす子ども達のほとんどに親がいる。親の抱える様々な事情で、親から離れて暮らさざるを得ない子ども達である。
小さい頃から他の兄弟を世話するのが当たり前だったり、どこか親を庇っていたり、背伸びして生きてきた子どもたちが施設の生活の中で、当たり前の「子どもの時間」を取り返していく。施設の役割はそこにあるのかな、と思ってしまう時もある。そして子ども達が施設で暮らしている間に、職員や児童相談所は親たちに働きかけ、親子の交流を続け、できるだけ早く実の家庭に帰っていけるよう努力する。それが今の施設の大きな仕事になってきている。
そういうわけで、この春も、新しい学年を迎える前にたくさんの子ども達が家庭に帰っていくことになった。家庭復帰を前にした子どもたちは、ちょっと不安定になる。そりゃあ、早く家族とおうちで暮らしたい。でも別々に暮らした空白の時間が埋められるだろうか。また家族になれるかな。施設での暮らしは、それなりに楽しかった。兄弟みたいな仲間がいた。毎日の食事と自分の部屋と話を聞いてくれる大人と、安心に包まれていた。おうちに帰ってやっていけるかな、新しい学校で友達できるかな・・・。期待と不安でもみくちゃになりながら、でも、そんな気持ちをじっと押し隠す。それは、家に帰ることのできない他の仲間たちへの遠慮でもある。
先日も小学生の男の子がお母さんと暮らすために施設を退所していった。退所時の恒例で、施設中の子どもや大人が玄関前に集まって見送った。同じ学年のやんちゃな男の子が下を向いて泣いた。この子も3月末には退所して親族と暮らす。2歳3歳から共に暮らしてきた仲だ。時に取っ組み合いの喧嘩をしてきた仲だ。泣きながら、いつ書いたのか手紙をそっと渡す。その子を乗せた車が動き出すと、若い職員が「行くぞ」と声をかける。それを合図に、幼児も小学生も、車を追って一斉に走り出す。角を曲がって見えなくなるまで走り続け、退所していく子は窓から身を乗り出して手を振ったりする。
毎年3月に繰り返される光景である。

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写真手前は、思いがけず芽を出し花をつけたチューリップ。昨年秋は忙しくて忙しくて、何の球根も植えられぬまま春が来てしまったなと思っていたところ、あれ、去年掘り起こし残してしまったらしいチューリップが小さな赤い花をつけていたのです。なんだか、ひどくいじらしかった・・。明日の休みに花壇をいじるつもりです。 
                 (の)
                                  


2018年3月24日 (土)

ようこそロイドホテルへ

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「ようこそロイドホテルへ」
野坂悦子 作
牡丹靖佳 画
玉川大学出版部 本体1600円


この絵本は100年をこえて生きたハツカネズミのビープの物語です。世界の海をめぐって旅をしてきたピーブが船をおりてオランダのアムステルダムで自分の家を見つけました。その建物はロイドホテルといいます。いろいろのものを集めて住みごこちの良い部屋をつくりました。そこではピーブは一人きりだと思っていたのですが、ある日マトリョーシカを抱いた女のネズミが訪ねて来てその子もひとりぼっちとのこと、やがてビープはその子と結婚します。子どもが生まれます。ところが、ホテルにはだんだん人がいなくなります。ビープはネズミなのでどうしてなのかわかりません。
 この物語はハツカネズミのビープ一家のものがたりと同時にビープたちが暮らしたロイドホテルの物語でもあります。それはビープたちが生きてきた時代の物語でもあります。人間がいなくなったり、かとおもうとたくさんの人間が集められたり、刑務所になったり、少年院になって絵が描かれたり、画家たちのアトリエから文化財になり、世界の文化の交流場所になります。ビープはそれらの時代のなかで生き、人びとの生を見つめます。この時代背景は作者があとがきで書いていますが、1939年2月オランダのユダヤ人難民施設になったホテル、1940年5月オランダがナチの侵攻を受け、ここにいたユダヤ人は全員各地の強制収容所に移されホテルはまた空になります。その頃のホテルであばれまわったのはドブネズミ、それが何を意味するのかはこの絵本の絵をしっかり見て欲しいと願います。ビープ夫婦は船に乗ります。でも、いつかかならずもどってくると描かれています。作者の願いが絵本という形をとって、絵で充分に表現されています。


2018年3月23日 (金)

はるは

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「はるは」
さく ジャニーナ・ドマンスカ
やく 谷川俊太郎
童話館出版 本体1300円


千葉では春がきた、という感じです。まだ、ソメイヨシノは満開ではないのですが、南の場所ではしっかり咲いています。昨日用事があって千葉市役所の近くに行きました。向かいの大きな公園では休みになった子どもたちの元気な声、とても久しぶりに聞きました。そこの桜はまだ静かでしたが、大きな柳の木が風にゆれていました。新緑でとてもきれいでした。
 この絵本ははるからはじまります。ダックスフンドとかたつむりと鳥が春ー夏ー秋ー冬と風にのってでかけます。はるは春雨が降って花盛り、なつは波乗り、秋は鳥も帰って木の葉が一面に舞い、やがて冬がきました。冬にはうさぎたちと雪まみれになって遊びます。そして、季節はめぐります。細い線書きなのですっきりと無駄がありません。訳もよけいな言葉はありません。でも、絵本をめくっていると、まるであなたもイヌやカタツムリや鳥になったような気分!1976年に出た本なのですがけして古さは感じられません。


2018年3月22日 (木)

たんぽぽ

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「たんぽぽ」
甲斐信枝 作・絵
金の星社
本体 1300円


関東でも山地では雪が降ったとか、しばらく暖かかったのですっかり春!という気持ちだった。いつもの店にいく途中、桜が咲き始め、ウグイスの鳴き声(ちゃんと鳴いていた)も聞いたので気分は春になっていた。千葉では雪こそ降らなかったけれど冷たい雨が降った。まだ暖房は入れている。
 桜といえば春の代名詞それに劣らないないのがたんぽぽだ。たんぽぽはどこにでも見ることができる。平地の人の生活圏のなかに咲き続けるおなじみの花だ。でも、私が子どもの頃に無造作に摘んだり、遊びのなかに使ったのは「にほんたんぽぽ」いま、私たちが良く見かけるのは外来種であるたんぽぽだ。日本種のたんぽぽはすでにほとんどみかけなくなってしまったとか。
 この絵本のすばらしいところは、単に精密に描かれているだけでなく、見ていてもたんぽぽだけでなく、土の匂いや風の音まで感ずることができることだ。お陽さまが好きで茎をのばして陽にさわろうとするたんぽぽの花、土の中にしっかり根付いて大きくなっていくたんぽぽ、風にのっていっせいに新しい世界をめざしてとびたっていくたんぽぽの子どもたちのわたげ、その様子は圧巻だ。
 この画家は自分の手で土にふれ、自分の目でしっかり見て、まるでたんぽぽになったように、新しい読み手の子どもたちに手渡そうとする。「わたげはとんでいってしまった。なんびゃく なんぜんのこどもたちを、こころを こめて みおくった。しごとを おわった くきはかれて しずかに たおれて かれていく。しばらくすると、たんぽぽは あたらしい しごとに とりかかる。P33から」こんなふうに私も自然と共生していきたい。

2018年3月20日 (火)

熊谷守一と「はじまるよ」

 東京へ用事があって、ちょっとした時間ができたので「熊谷守一の展覧会」によってきた。前に小さい展覧会で見た絵はあるけれど、膨大な画をまとまって見たのははじめてだ。後半に展示されて、良く見ることがある猫、小さな虫、花などの自然のスケッチ以外の、有名な「轢死」についていろいろな角度から見ることができたのもはじめてだ。「轢死」は1908年明治36年の作品だ。作品は<闇と光>。ずっと作品が描かれた年代をおっていくと<闇>の意味するもの<光>の描くものについて多く感じられた。画家は父より一世代年上、近代日本の歴史の中に生きてきた。画家の<闇>は日本が国家として駆け足をしていた中の闇ではないのだろうか。では<光>は?1947年の「海」1951年「朝日」つまり第二次大戦後あたり、そして、花や小さな生きものが描かれるようになる。後年の画家の姿だ。
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この作品のなかの「日輪」が絵本になっていて、えるふ通信2009年10月10日私はこんなふうにに紹介している。
 ーえぇ!熊谷守一ってあの「くまがいもりかず」、たしか100歳近くで亡くなったはず、確かにそうでした。一体だれがあかちゃん向けの月刊絵本に、この有名な画家の絵を使おうとおもったのでしょうか。この画家の絵はとても斬新です。折り込み付録によるとおかざき乾じろうさんのレイアウトとのことです。文をつけたのは活躍中の詩人ぱくさん。日本語以上の日本語、小さな生きものたちの鳴き声、擬音、擬態が的確に短くつけられています。おなじみのねこは「ねむたいねこ」”そっとしとこ”だって。空気はあくまで澄んで明るい!ー
 青がきれい、そして「闇と光」をくぎるものの赤が強い。
 展覧会は国立近代美術館で。今日21日までです。

2018年3月18日 (日)

だんごむしのおうち

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「だんごむしのおうち」
澤口たまみ ぶん
たしろちさと え
福音館書店 本体900円


昨日わたしはウグイスの初鳴きを耳にしました。今日私はソメイヨシノが咲き始めたのを見ました。暖かい日が少し続きましたが明日からはまた、雨降りとのことです。そうやって春はめぐってきます。
今年はまだダンゴムシは見つけていません。というのも外で植木鉢をひっくりかえしたりしていないからです。ダンゴムシはどこにでも見られて、幼い子どもには友だちみたいなものです。もっとも現代はきれいずきが講じて虫はなんとなく嫌われています。おかあさんとは限らずおとなは直結触ったりすることも嫌がります。でも、そのなかで比較的ダンゴムシはこわいものももっていないし、臭くもないし、小さくてあつかいやすいのであまり悪者にはなりません。(昔、ポケットにいっぱいダンゴムシをいれて母に嫌がられましたが)石の下にいるダンゴムシを見つけました。ダンゴムシといってもこんなにいろいろのがいたっけ?まるまらないダンゴムシもいた?(これはダンゴムシでなくワラジムシと最後にコメントがついています)そして、下のほうのおなかから白いちいさなあかちゃんがでてくるのを見つけました。こんなふうに手に乗せたりして観察してみると良いです。もっと観察すると脱皮のしかたなどでびっくりするようなことを目にします。
 春になります。自然のなかのおもしろいことをいっぱい観察できようになります。

2018年3月17日 (土)

おとうさんとあいうえお

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「おとうさんとあいうえお」
東 君平 さく・え
あかつき 本体1300円

東君平ことばのひろば3冊目ことばあそびのショートストリー「あいうえお」からはじまって12編の短いお話がはいっています。いま、子どもたちはともすると4歳位からひらがなを読むことができます。保育園や幼稚園でおそわるというより、読むことのできる友だちにつられて読むようになります。そして、「うちの子・・うちの孫は字が読めます」と絵本を薦めるとそう叱られる?ことがあります。子どもも確かに嬉々として読んでくれます。ただ、記号として読んでいることが多いので、字を読めればいろいろの続きがわかるようになるということはあまり感じていないようです。だから本を読むことが嫌いの子どもが学校へいくようになると増えてきます。
 この本は短いお話仕立てになっています。楽しんで読んくれるといいのですが、ちょと私はどうしたものかと思っています。というのは主人公ととしちゃんとおとうさんのお話だからです。「おとうさん」今お父さんと暮らしていない子どもはどれくらいいるでしょうか。幼児虐待は別として、親の離婚、シングルを選ぶ、それはそれでいいのですが、この本のように父親との交歓がとても良く描かれていると、やっぱり不特定対象の子どもに読んでやることはちょっとひいてしまいます。東君平の本の醸し出す雰囲気が好きな私はちょっとまごまごとしています。それでおとうさんをおじいちゃんにおきかえて読んでみました。おじいちゃんはかならずしもいるわけではないので良いかな?ゆっくりと穏やかな楽しい雰囲気が伝わりました。

2018年3月16日 (金)

わたしのおひっこし

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「わたしのおひっこし」
文 イヴ・バンティング
絵 ローレン・カスティーヨ
訳 さくまゆみこ
光村教育図書 本体1400円


表紙の中央にきれいな家、パパとママと女の子が空を見上げています。看板が出ていて「セール!〜います」と描かれています。良く読めません。ガレージセールでしょうか?ページを開くと「セール!売っています」そして、並んでいるものは家のほとんどのもの、ひっこしセールとの文です。家の前では玄関の階段で女の子が座りこんでいます。なんだか困ったような様子です。女の子の気持ちが描かれていて、次のページでは引っ越し先の部屋の様子。でも、女の子は嬉しがっていない、パパは無理をして女の子の気持ちを引こうとしています。
なにが原因かわかりませんが今までの家よりは小さく、あまり嬉しい引っ越しではなさそうです。仲良しの友だちが来てくれました。そうだ、友だちとも別れなければならないのです。そして、次々といままで使っていた、大切にしていたものが売られていきます。
 心ないおとなの言葉、「かわいい おじょうちゃん、あなたもうりものかしら」そういうばかなおとながいます。じつは私も引っ越し、転校をしたとき担任の教師の言葉にひどく傷つけられた経験があります。けれど、女の子の不安とそれをちゃんと受け止めてくれるパパとママ、素朴な絵の中にしっかり描かれています。転校も引っ越しも昔とくらべるととても多くなりました。家族と別れてしまう子どもたちも多くなりました。さりげなくこんな絵本が図書室などにおいてあったらいいですね。


2018年3月13日 (火)

へそとりごろべえ

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「へそとりごろべえ」
赤羽末吉
童心社 本体1400円


今年はいつになく雪が深い北の国に雷は鳴ったでしょうか。雪が降るとき雪下ろしの雷が鳴ります。そして、春、やはり雷がなります。春雷といいます。すると”春はもうすぐそこに!
 この絵本はかみなりのごろべいの話です。かみなりのごろべえは春を呼ぶかみなりではありません。ごろべえはおへそが大好き、どこでも、だれのでもおへそとあれば駆けつけcloudごーろごろーのぴーかぴか、そしてすきをねらって”くりんくりん”とおへそをとってしまいます。けもののおうさまらいおんどころか、ももたろうまで”くりりんぶすんのボー”ユーモアいっぱい、豪快なかみなりごろべえのお話です。
 この絵本は1978年にだされた画家の復刻版です。色がとってもきれい、久しぶりに楽しく絵本にひたりました。


2018年3月11日 (日)

7年目の3/11ールソンバンの大奇術

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「ルソンバンの大奇術」
牡丹靖佳
福音館書店 本体1500円
実際は決して似ているわけではないけれどこの本を読んだ時なぜか夫を思い出した。彼はそれまでの私の親族には決して見られないタイプだった。あまり自分のことは話したがらない人だったが、時々言動のはしばしからかなり貧乏な生活を送っていたようだ。その下で大きくなった彼はどこかひょうひょうとした風貌のままあっというまでもなく事故で逝ってしまった。
 作者の描く人物は一生懸命なのだけれどあまり報われることがない。お供がゆっくり眠れる様にと引っ越しをくりかえす王様、でもますますふえてしまったものをみんなにわけてちょうどよくなったともとに戻って来た王様。大魔術師のルソンバンは最後には大失敗していまうマジシャンだ。どこともなく去っていった大魔術師ルソンバンはうすよごれたモップのようなイヌを助けるため、小さな男の子の願いをかなえるため一生一代のマジックをつかったけれどルソンバンのそのマジックは大失敗に終わってしまう。でも、だれにも悲しい思いはさせなかった。自分の失敗をはじて消えてしまったルソンバン。
 ていねいに描かれた絵は読んだ人のなかに残る小さな星のようなかけらだ。時々その星は心のなかでちいさくまたたく。
 今日は3・11、洪水にのまれ、放射能が降り注いだあの日から7年たった。

2018年3月 7日 (水)

さあ あてて ぼくはだれでしょう

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「さあ あててぼくはだれでしょう」
こどものとも年中向き4月号
小野寺悦子 文
和歌山静子 絵
福音館書店 本体389円
ことばあそびの詩と元気なねこの絵、気のあったコンビの絵本です。ねこがいっぴきいます。このねこはなんといってもおりこうなねこ「となりのおりこうねこ」です。{となりのおりこうねこ」にどんどんいろいろのものが付け加わります。わらべうたでいうとつみあげうた「となりのおりこうねこ」はたくさんのものをもってどこへいくのでしょう。「となりのおりこうねこ」は影絵のようで、さっと、ひらくとなにを持っていくか、加わってくるものが1ページひらくたびにわかります。「となりのおりこうねこ」というフレーズがくりかえされて、どんどんリズムにのって進んでいきます。あら、「となりのおりこうねこくん」ねちゃったよ!


2018年3月 5日 (月)

森の舞台うら

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「森の舞台うら」
たくさんのふしぎ 4月号
松浦陽次郎 文
山村浩二  絵
福音館書店 本体667円


ここ2、3日春の大風です。気温は暖かい、陽が輝いて陽気に誘われてカワズザクラは満開、気が早いのはハラハラと花びらを散らします。こぶしの花も白色がまぶしい、忘れずに今年も春がやってきた。茨木のり子の詩にうたわれているように見えない配達夫が律儀にくばってあるいているのでしょうか。7年たって春がこないところもある、でもそこにも配達夫が一生懸命におろかな人間の代わりに歩いているに違いありません。
 この科学絵本もそんな森の舞台裏でせっせと働いているものがいる、土の中にも気がつかないとそのまま見過ごしてしまうものたちが働いていてその様子が描かれています。この絵本のおもしろいのはそのみえないものたちがたくさん描かれていて、それらには目が描かれているものだから、とっても楽しい。9ページまで木がはえている森の主役、植物のことが普通に描かれています。それがページをめくると10ページ、時は秋です、たくさんの落ち葉と木の実があって、それらは目が描かれているものだから生き生きとしていて、ユーモア一杯、もちろん植物だけでなく小さな生き物が土をつくって森を支えていることが良く描かれています。裏表紙では舞台のカーテンがひかれて、登場人物?そろっておしまい!新年度スタートです。
 


会留府今週のイベント

cherryblossom今週のイベントY・Aの本を読む会  
         3月8日(木)7:00〜 読書会「車夫」いとういくみ著
         どなたでも参加できます。参加費200円
    

2018年3月 3日 (土)

会留府3月のイベント

 cherryblossom  2日(金)7:00〜よいこ連盟(おはなし会)
 cherryblossom  8日(木)7:00〜Y・Aの本を読む会(いとうみく作「車夫」)
 cherryblossom 12日(月)10:00〜グループ語ろう学ぼう(アイちゃんのいる教室・共生とは)
 cherryblossom 14日(水)7:00〜グループ放課後ー図書館司書他ー
                    (はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ1」)
 cherryblossom 15日(木)10:30〜羊毛チクチクの会
 cherryblossom 16日(金)7:00〜好学社 山口さんのお話(絵本コウテイペンギンを中心に)
 cherryblossom 19日(月)10:00〜ボランティア講座 お話や絵本を読む 非公開
 cherryblossom 27日(火)7:00〜憲法カフェ 千葉県若手弁護士の会 藤岡弁護士の話
                          「子どもの貧困から見えるもの・憲法と」

 会場はすべて子どもの本の広場 会留府 どなたでも参加できます。連絡ください。

2018年3月 2日 (金)

ひよこは にげます

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「ひよこは にげます」
こどものとも年少版4月号
五味太郎 福音館書店 本体389円


子どもたちの大好きな「きんぎょがにげた」この絵本ではにげるのはひよこたち。3羽のひよこが家からにげていきます。パパ鳥もママ鳥も知りません。パパ鳥はソファーで寝ているし、ママ鳥は本を読んでいます。元気なひよこが先頭をきって2羽は後から、みんなで元気に、陽が照っていても雨が降っても休んだり、また、元気に。そして、くるってまわって”ただいま!”パパ鳥やママ鳥から離れて、たった1羽いっしょ、気がつきましたか。子どもたちは読んでもらいながらいっしょに<にげます≥

3月は光の月

 3月になりました。「春一番」のような強風でした。でも、そうではなかったとニュースでいっています。北はまだ雪が吹き荒ぶお天気とのこと、旭川で高校受験の子がいます。どうしているかなとちょっと息をつめています。夜空には大きな月が私を見下ろしています。つらいことが続いたけれど、静かに春を迎えたいと思います。「3月は光の月」といったのは倉嶋厚さんです。また、3月11日がやってきます。甲状腺癌が再発した子どもがいると、これもニュースが流れています。

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    <時々募集!自主講座のグループ もありますが、くわしくは会留府にお問い合わせ下さい、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   12月の予定(講座はお休みです) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・*学ぼう語ろうの会 19日1:30〜 読書会「考える子ども」安野光雅・著 誰でも自由に参加できます。お茶を飲みながら。参加費200円  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     *ボランティア講座 10:00〜 子どもたちに本を読むボランティアに参加している人 今月のテーマは「いのちについて」絵本を読む+本の紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・*Y・Aの本を読む会 8日(木)7:00〜読書会「パンツプロジェクト/K・クラーク著」参加自由  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・  *グループ放課後 21日(水)7:00〜 図書館司書 読書会「アップルソング小手鞠るい・著  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・*絵本の会 16日(金)7:00〜絵本を持ち寄って。「テーマ冬がくる!絵本」誰でも参加  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     *憲法カフェ また・また 27日(火)7:00〜 今までをもとにあたらしくスタートです。「憲法草案について」ゲスト千葉県若手弁護士会・稲富弁護士 会費1000円 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    *羊毛ちくちくの会 15日(木)10:30〜 ウリボウをつくります。参加はだれでも、材料費代有り     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                                                                                                                 

12月の営業とお休み

  • 12月のお休みと営業時間
    12月30日までお休みはありません。 時々用事で空けることがあるかもしれませんが お休みではありません。 お電話メールで確認歓迎します *営業時間10:30〜6:00 日1:30〜6:00

これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山