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2017年8月25日 (金)

アリになった数学者

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「アリになった数学者」
たくさんのふしぎ9月号
森田真生・文
脇坂克二・絵
福音館書店 本体667円


作者はある日突然アリになった。アリはどんなふうに感じ、どんなことを思うのだろうか。そのままアリになってそれらのことを体験するなかで書かれたのがこの本だ。「たくさんのふしぎ」らしい本だ。「たくさんのふしぎ」は小学校高学年向けに出版されている科学絵本だ。けれどもいつのまにかおとなのファンが増えて、今では子どもが楽しんで読んでいるとはあまり聞かないし、買いにくるのはおとなの人だ。人気で月刊誌のなかでは毎号かなりの数が売れる。思ったより女の人が多い(若い人はそうでもないけれど、)中年から上の男の人はすこしずつ増えてきているけれど、まだ子どもが生まれて絵本を手にすることが多い。どうしてかなと思うけれど、ちょっと子どもには内容が難しいのかもしれない。科学というと実際的のことのように思うけれど、じつはとても哲学的なのだ。時間がかかる、だからスピードを競う現代社会のなかで今を生きている子どもは、実際的な算数はできるけれど、数学は難しいのかもしれない。
 じつをいうと私は算数が苦手だった。子どもの時「0」という概念がどうしても理解できなくて、それはその頃の私には(小学生)「0」というのは「ない」ということと思い込んでいたから、どうして「ない」ものからひいたり「ない」ものにたしたりできるのかわからなかった。「0」は「ない」ということではなく「0」があるのだ。そのことに気がついたのはずっと後になって、とても尊敬していた先輩が亡くなった事件があった時だった。
 数学はとても哲学的な学問だ。学問というか考え方なのだ。そんなことをこの絵本を読みながら思った。その時ちょっぴりこの作者のように私もアリになったのかもしれない。

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