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2017年6月14日 (水)

よるのおと

Photo
「よるのおと」
たむらしげる
偕成社 本体1400円



池の側に一軒の家があります。おじいさんが本を読んでいます。もうすっかり夕闇がおりて、蛍がとんでいます。ちょうど今のような夜のこと、おじいさんは犬と一緒に一人で住んでいるようです。車が一台、池、でも大きな池?魚は鯉でしょうか?ハスの上にはカエルがいて、少し遠くからシカの姿が見えます。家のそばには大きな木が1本、やはり遠くに木々がそして、山も見えます。表紙を開くと一面にそれだけが描かれていますが、描き方が細かく描かれているわけでなく、むしろすっきりと形だけがはっきりと見えます。この絵本の主人公は「音」なのでそれも「夜の音」なので、それ以上ごちゃごちゃ描かれていてはつまらないからです。
男の子の足音が聞こえます。懐中電灯の光の中に夜の虫が”りりりり りりりり りー””ああ、やっとついたよ。おじいちゃんのいえ”男の子がつぶやきます。遠くから汽車の音”ポーツ”さっきのシカが水を飲んでいます。おじいちゃんの家には犬だけではありませんでした。猫が屋根裏からでてきます。おじいちゃんは自転車にも乗るみたい、大きな木にはフクロウがいて、でも虫の音だけが聞こえます。月の光が池に映って、汽車の光も木の間を照らし、なんといっても空にはたくさんの星、もちろん蛍もとんでいます。そして、青色のとてもきれいな色がでていて黄色の光が夜の静けさの中で描かれています。
 男の子がおじいちゃんの家につくまでのわずかな時間に池にも木々にも翔んでいる蛍にもドラマがあるのですが、虫の音と蛙の音、池の音、汽車の音で綴られています。そっと耳を澄ましてみましょう。一冊の絵本のなかに小さな宇宙がひろがっています。それは大きな宇宙につながっている。そして、あなたの宇宙にもつながっているのです。

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