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2017年6月29日 (木)

青空のかけら

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「青空のかけら」
S・E・デュラント作
杉田七重 訳
すずき出版 本体1600円


カバーにもカバーをはずした表紙にも青空の中を2羽のツバメがとんでいます。2羽のつばめはこの本の主人公姉弟かもしれません。物語の舞台は1980年代のイギリスのスキリー・ハウスです。スキリー・ハウスは日本でいうと養護施設にあたります。私のブログで毎月1回コラムを書いている(の)さんはその児童養護施設の職員です。いま、(の)さんは里親キャンペーンに力をいれています。この物語の姉はミラ、弟はザックといい両親のことは何一つ知りません。いくつかのところを転々としてきました。前に引き受けてくれた人が年をとり、突然このスキリー・ハウスにやってきました。とても古めかしい建物、階段を上って行くと天国にいけるのだと想像力豊かなミラは思います。ザックは元気というか他の思惑なんかすこしも考えなく、とんでもないことなどをしてしまうこともあります。ミラは自分が守ってやらなければならないと必死のおもいです。近いうちに自分たちを引き取ってくれる人が見つからないと、明日はないと思うくらいあせっています。(スキリーハウスにいる子どもは同じように思っています。)二人いっしょに引き取ってくれる人などいるのでしょうか。
ある日ミラは自分たちに割り当てられた部屋のベットの脇の床下から手紙をみつけます。グレンダと署名された手紙、1947年に書かれた手紙です。グレンダはスキリーハウスに暮らしている女の子で、もちろん昔の話なので、いまグレンダってだれ?ミラはグレンダに返事を書きます。
 この物語には魅力的な女の人がでてきます。とくにスキリーハウスの経営者ミセス・クランクスと一時ミラとザックを受け入れてくれた画家のマーサは二人の、とくにミラにとってはつらい状況のなかで見つけた青空をもっているおとなです。二人もこの姉弟をかわいそうという気持ちだけではありません。各々のつらい中でも自立してきた女性です。だからこそミラの気持ちもザックの行動にも寄り添えるおとななのです。
 もうひとつこの物語にはスキリーハウスの自然がすばらしく描かれています。そして、マーサの家に行った時の自然も。冬の景色そのなかでマーサの犬と遊ぶようすや新年を迎える人びとや施設の子どもたちの声が本のなかから聞こえてきそうです。
 家族とはなんだろうか。自分の意志ではなく運命にもみくちゃにされながら、必死で自分の居場所を探すこどもたち。いまでもその物語は物語だけでなく続いています。

2017年6月27日 (火)

    ふたばからのおたより -6月―

     
            山谷のコーヒー店のこと

 昔、山谷のあるコーヒー店で待ち合わせたことがある。何で読んだのだったか、山谷に暮らす人たちに、本物のコーヒーの味を知ってもらいたいという志で本格的なコーヒー店を開店させた人がいる・・・そんな記事だった。
 たまたま同じ仕事仲間の女性ばかり4、5人集まる機会があったので、わざわざその店で待ち合わせた。店に来る途中の橋のあたりで、男の人たちが喧嘩していた。「わあ、怖かったー」と飛び込んできた友人もいれば、ニコニコと歩いてきた友人もいた。コーヒーを1杯ずつ飲んで、それからどこに行ったのだっけ、覚えてない。調べてみると、その『バッハ』という店は、まだ山谷にあるらしい。
なぜ急に思い出したかというと、先日、野本三吉さんという方のお話を、たまたまある研修で聞いた。野本三吉さんの本は、一時期何冊か続けて図書館から借りて読んだ記憶がある。
横浜寿町の生活館相談員から横浜児童相談所の児童福祉司、後に沖縄に移住された方だが、私が読んだのは児童相談所時代の本が中心だったと思う。お話を伺いながら、何となく山谷で飲んだコーヒーのことを思い出した。
 自立援助ホームで働いていると、それまでの人生では出会わなかった少年たちに、何人も出会った。M君は、ニヤーっと笑うのんびりした男の子で、当時18歳くらいだったろうか。給料日にお金を使い込んで帰ってきた。その頃のアルバイトは、みんな現金払いだった。職員に注意をされると、日頃のM君からは想像できない激しさで、唾を飛ばしながら喰ってかかってきた。
「あんたらはいいよ。大学行って、結婚して、家庭持って。俺たちに何があるんだよ。学校にも行けねえ。結婚だってできねえ。自分で稼いだ金でパチンコして何が悪い!」
そこまで言ってバツが悪くなったか「なあんちゃって・・・」とニヤリと笑ってごまかしたと思う。それがM君の表現だったから。そのうちM君もホームを出て、日雇い労働者になった。たまに、お金を借りに来て、たまに返しに来た。いつもニヤーっと笑ってた。どんなおっちゃんになったろうか。

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写真は、そのコーヒー店のマッチ。確かとってあったはずだと探したら出てきました。気にいった喫茶店のマッチ箱を大事に集めていた時代もありました。  (の)

2017年6月25日 (日)

あめのひ

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「あめのひ」
サム・アツシャー作・絵
吉上恭太 訳
徳間書店 本体1600円


今日は雨降り、早くやまないかなぁ!男の子が外に行きたくて窓の外をながめています。雨が降っていてもへいちゃら。どのくらい雨を食べられるか?水たまりは飛び込む為にあるんだよ!長靴はいてばしゃばしゃと歩くのもおもしろいよ。でも、おじいちゃんは!雨がやんだらだ”と手紙を書いている。やっと書き終わって”手紙をだしに。”あめやんだよ!”男の子の元気な声が本の中から聞こえてきそうです。水で体が濡れてもへいきなのは犬と子ども?ちなみに猫は体がぬれるのはきらいです。
 この絵本の物語は男の子の想像だろうか。現実に舟が出るほど雨が降ったら大変だ。おとなのおじいちゃんも楽しかったようだ。雨をめぐって幼いこどもとおじいちゃんは楽しい時を共有できた。おじいちゃんと子どもには同じ時間がながれている。rain千葉は今日も梅雨の空でした。
 

2017年6月24日 (土)

ふしぎな銀の木

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「ふしぎな銀の木」
スリランカの昔話
シビル・ウェッタシンハ 再話・絵
松岡亨子 市川雅子 訳
福音館書店 本体1400円


日本の昔話「ならなしとり」と少し似たお話です。3人の息子に王さまが難題をだします。このお話では王さまが見た不思議な夢のなかにでてきた「銀の木」を探して持ってきた者には王国を分け与えるというものです。日本の昔話では母親のために、やはり3人の息子が挑戦します。そして、途中の誘惑に勝ち沼の主?と戦って勝った末息子がならなしを持って帰る、上の兄さんたちを救ってめでたし!めでたし!になります。この物語で持ち帰るのは銀の木というだけでなく、三人の乙女、白の乙女と金の乙女と銀の乙女もいっしょに連れ帰って各々の王子と結婚、末の王子は次の王さまになって国は繁栄したというようなお話になっています。物語は少し長い、それは隠者に力をもらうことと蛇の大王を殺すだけでなく、娘の乙女たちもつぎつぎに殺すことによって次に進んで行けること、しかも救った兄たちの計略で牢に入れられ、乙女たちは塔に閉じ込められてしまいます。でも三人の乙女が王に進言し、末の王子は牢から出されるのですが、やはり王子は三人の乙女を剣で殺してしまいます。殺すことは呪いを解くことなのでしょう。そんな風にこのものがたりは魔法と不思議さがたくさんあります。隠者にもらうちいさなタネ、途中で拾う卵は王子の身を救い、帰り道で隠者にまた、バナナと水をもらい、その2つは兄の呪いを解きます。
 絵も日本の昔話絵本とはずいぶん違います。極彩色にちかく、線もはっきりしています。スリランカはいったことがないけれど、このようにエネルギーがほとばしるような絵があうのだとおもったり。ただ、お話はながいので絵本というより絵物語に近く、絵のないページ、逆に文のないページをいれることで構成されていますので、読み聞かせには工夫がいります。ゆっくり絵だけ見ていたくなるような本、描かれている人物の眼差しが印象的です。

2017年6月22日 (木)

つちづくり にわづくり

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「つちづくり にわづくり」
「ゆきのうえ ゆきのした」
ケイト・メスナー文
クリストファー・サイラス・ニール絵
小梨直 訳
福音館書店 本体1600円


この2冊の本はほとんどが同じような構成で描かれています。最初に出版された「ゆきのうえ ゆきのした」では表題どおり雪におおわれた地面の上と地面の下での生き物の生の営み、今度の絵本は春からはじまって1年間の地面の様子、それは地面の上でおばあちゃんといっしょに畑作りをする、それと同じように地面の下ではいろいろの生き物が、とくに小さな生き物たちが植物が育つように土づくりをしているようすが描かれています。その小さな生き物たちの働きがあってこそ、人間は食べ物を(作物)を育てて、その恩恵に浴することができるということが、すてきなイラストで描かれています。
 この絵本は5月に出版されているのですが、ちょうど私のPCは壊れていてブログはお休みしていたころでした。いま、日本はこの生き物たちの土作りだけでなく梅雨という水の恩恵を受けているところです。梅雨は湿っぽくてなかなか動きにくい、時には凶暴になる困ったものですが、土づくり庭づくり、畑作りには欠かせない自然の恵みです。自然は時には牙をむきますが、人はその自然の一部、生き物と共生していかなければ生きていかれない、そんなことをおとなと子どもたちが話あえると良いとあらためて思います。


2017年6月21日 (水)

子どもの心の育て方

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「子どもの心の育て方」
佐々木正美
河出書房新社 本体1300円


店をはじめて40年からたつと子どもをとりまく環境はひどくかわったと思う。いつ頃から変わったのか私のなかでは、はっきりと線引きできない。子どもの本を売る仕事をしているのだけれど、店を始めた頃はまず親たち、それもほとんどは母親だった。父親はプレゼント本が動く頃(クリスマスなど)など来店されることはあっても、普通は車を運転して店の前で車にのったまま待っていることが多かった。だから本選びはほとんど母親、後は教師や図書館に務めている人、保育士などだった。今は若い父親が土曜日などにカンガルー抱っこをして店に入ってくる。父親の場合はほとんどが自分で見てちょっと読んで選ぶ。母親は本選びというより実際に育児に繋がることの相談受けることが多い。母親以上に相談を受けるのはじじ、ばば世代、孫の面倒を見ている人がとても多い。千葉の場合ともかく子どもが1歳になるのをまって働きだす若い母親が多くなった。
 この本は「こどもへのまなざし」福音館書店刊があたらしい育児書として多くの人、特に母親に読まれたのだけれど、また、あたらしい装丁で出版された。まえよりずっとこぶりで読みやすい。前とくらべると呼びかけるような形式と文体であらためて新鮮に読み返した。私はこの本を自分が子育てをしてときとあまりにもちがってしまってとまどっている祖父母世代、それと若い親にすすめたい。
ー「なんでもひとりでできるようになること」が自立ではありません。他人との調和のなかで主体性を発揮して暮らしていくことが本当の自立です。ー
ー子どもは、親の社会性を見て、自ら社会性を身につけます。家庭が孤立せず「社会化」することはとても大切です。ーなどの記述は子育てだけでなく自分育てにも学ぶことが多い本だからだ。

ホウホウフクロウ

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「ホウホウフクロウ」
井上洋介 作
福音館書店 本体1700円


今日待っていた本が入ってきた。お客さまにファンがいて、”楽しみだね”と言っていた。想像以上に大型(37×27センチ)しかも画面いっぱいに描かれた生き物たち。「ふくろう」「せみ」「みみずく」「とんぼ」との作者の対話。作者でもあり子どもでもあり、わたしでもあり、あなたでもある。1ページにいっぱいに墨で描かれている絵。片面には言葉=呼び交すことば。下に記されている年は描いた年?
 今年はとくに最近あまり良いニュースがなかった。生きていることさえ無力感におそわれる。ゆっくりめくりながらみていくと、そんな思いを吹き飛ばすように生き物たちがうたう。”みんな いいこえで うたうよ あしたはまちどうしい きっとよあけはくるんだから”

2017年6月17日 (土)

つきよ

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「つきよ」
長新太
教育画劇 本体1300円


月の明るい夜です。でも満月ではありません。山並みの一本道をたぬきが歩いています。もちろん山の住処へ帰るところです。”ぽちゃん”という音がしたのでおおいそぎでこまで行ってみました。たぬきはびっくりするものを見ました。月が山をすべって降りてきて、池に浮かんでいます。そして、月は舟になりました。それから橋になったり島になったり、ザリガニが渡って行きます。泳いでいたり、いいえ、どうみたってお風呂に入っているように気持ちよさそうです。たぬきはそんな月を一人?でじっと見ていました。後誰もいません。風が吹いているだけです。いつのまにか月は空にいます。どれくらいの時間がたったでしょうか。たぬきが一人で見たことなのでだ〜れも知りません。あなたも見たい?スマホでかざしたってわかりません。だってこれはたったひとりで見たというたぬきの話ですから。
 作者の絵本としてはとても静かな絵本、青色と月の色で描かれている絵本です。前回紹介した「よるのおと」のように、夜の静けさの中であなたの耳に聞こえるのは歌っている小さな月の声だけかもしれません。

2017年6月14日 (水)

よるのおと

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「よるのおと」
たむらしげる
偕成社 本体1400円



池の側に一軒の家があります。おじいさんが本を読んでいます。もうすっかり夕闇がおりて、蛍がとんでいます。ちょうど今のような夜のこと、おじいさんは犬と一緒に一人で住んでいるようです。車が一台、池、でも大きな池?魚は鯉でしょうか?ハスの上にはカエルがいて、少し遠くからシカの姿が見えます。家のそばには大きな木が1本、やはり遠くに木々がそして、山も見えます。表紙を開くと一面にそれだけが描かれていますが、描き方が細かく描かれているわけでなく、むしろすっきりと形だけがはっきりと見えます。この絵本の主人公は「音」なのでそれも「夜の音」なので、それ以上ごちゃごちゃ描かれていてはつまらないからです。
男の子の足音が聞こえます。懐中電灯の光の中に夜の虫が”りりりり りりりり りー””ああ、やっとついたよ。おじいちゃんのいえ”男の子がつぶやきます。遠くから汽車の音”ポーツ”さっきのシカが水を飲んでいます。おじいちゃんの家には犬だけではありませんでした。猫が屋根裏からでてきます。おじいちゃんは自転車にも乗るみたい、大きな木にはフクロウがいて、でも虫の音だけが聞こえます。月の光が池に映って、汽車の光も木の間を照らし、なんといっても空にはたくさんの星、もちろん蛍もとんでいます。そして、青色のとてもきれいな色がでていて黄色の光が夜の静けさの中で描かれています。
 男の子がおじいちゃんの家につくまでのわずかな時間に池にも木々にも翔んでいる蛍にもドラマがあるのですが、虫の音と蛙の音、池の音、汽車の音で綴られています。そっと耳を澄ましてみましょう。一冊の絵本のなかに小さな宇宙がひろがっています。それは大きな宇宙につながっている。そして、あなたの宇宙にもつながっているのです。

2017年6月12日 (月)

川のぼうけん

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「川のぼうけん」
エリザベス・ローズ文
ジェラルド・ローズ絵
ふしみみさを 訳
岩波書店 本体1400円


遠くの高い山に雨が降りました。雨は岩場にしみこんでやがてちいさな流れになりました。川の誕生です。でもまだ川とはいえません。その小さな流れはみんなに言います。”ぼくは大きな川になりたいんだ”まわりのものたちはそんな小さなちょろちょろした流れを気にもとめません。でも、小さな流れは”ぼくは大きな川になりたいのだ”といいながら下っていきました。魚や鳥や岸辺の草木にも川は宣言しながら流れていきます。海はまだまだ遠い、そしてちょっと一休みしたつもりだったのに小さな川は消え入りそうになってしまいました。”もう、これでおしまいかな”海まで行く元気はありません。このまま消えてしまうのでしょうか。
 水に関係がある本というとどちらかというと透明感にあふれた絵や写真で見ることが多いのですが、この絵本の絵は木版のような描き方がされているので、もっと自然に近く、土臭く、いろいろと姿を変えて海にいく様子が感じられます。山で生まれた水は澄んでチョロチョロと音をたてているかもしれませんが、川になって街を横切る時、海の近くの川、生き物が住んでいる川、みんな違います。川の一生は人の一生と同じようにも思います。

2017年6月11日 (日)

これが好きなのよ

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「これが好きなのよ」
長新太マンガ集
長新太
亜紀書房 本体2800円


この本はお客様に教えていただいた。長新太のファンとしてはあやうく出版されているのを見逃すところだった。読みたい本をどうやって探すか?私自身の仕事に関係がある児童書に関してはなるべくアンテナを高くたてておく。また、出版社の人と知り合いになると、新刊のご案内を送ってもらうようにお願いする。
 でも、個人の本はどうやって探すというと、私の場合はほとんどが新聞、後ちょっとラジオ(テレビはない)からが多い。でも忙しかったりするとあまり新聞を丹念に読まなかったりして、つい見逃してしまうことも多い。あっ!本屋へよって見つける人も多いかもしれないが、現在の本屋はなかなか探せないとお客様の話もうなずける。通勤に歩くだけの私はほとんどない。図書館はどうなのだろうか?
 その話はまたにして、ともかくファンとしては早速買って読んでみた。長新太さんには2度会ったことがある。会ったというか、小さな講演会で話を聞いた。ちょっと長い顔、ちょっと長い鼻(失礼!)長新太さんの本に出てくる人にそっくりな?人がいた。それもとても真面目な顔、作品を語るというようなことだったのだけれど、ニコリともしないで話す人、かえってそのことがおもしろくますますファンになった。トンカチおじさん、怪人ジャガイモ男、ヘンテコおじさん、怪人タマネギ男、どろにんげん、ありとあらゆるヘンテコ人間がでてくる。糸井重里が帯に「きげんのいい時間をすごしたいなら。」と書いているけれど、どうですか、おすすめです!

2017年6月10日 (土)

ひとしずくの水ーあめ

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「ひとしずくの水」
A DROP OF WATER
ウォルター・ウィック
林田康一 訳
あすなろ書房 本体2000円


 近年は寒暖の差が激しい気候のようにおもいます。梅雨に入っても梅雨の感じが昔とちがって雨はしとしとと降らない、時には豪雨のように激しく降ります。子どもたちに本を読みに行っている人たちはこの季節「あめ」や「カサ」の絵本を読む人が多く、そんな本を探しにくる人が多くなりました。雨が主人公のお話の本では擬人化された水のつぶが雨になって、また空にかえっていくような物語になっています。その本で有名なのは「しずくのぼうけん」テルリコフスカ作・ブテンコ絵がリズムのある文と絵は楽しいのですが、しずく=水の冒険になっているので文がすこしながく感じます。最近刊行されたオルセン作「あめ」もバラバラとボトボトと名付けられたしずくの冒険のようなかたちををとった科学の本になっていますが、やはり物語が長くなってしまいます。それは科学的なことを文学的に書こうとするので少し無理がでるのかもしれません。
 この「ひとしずくの水」は文学的要素はありません。科学の写真絵本です。水の最初の単位から「水」を多角的に取り上げている、「水蒸気」からはじまって「雲」「雨」「雪」「虹」、「ひとしずくの水」の成り立ちを写真で描いています。写真はとても芸術的です。驚きと科学が結びついて好奇心がわいてきます。(ちなみに作者にはミッケなどの絵本があり子どもたちに人気があります。)梅雨もこんなふうにみたら楽しく思えるにちがいありません。小学校高学年からおとなまで。

2017年6月 7日 (水)

たんけんクラブ シークレットスリー

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「たんけんクラブ シークレットスリー」
ミルドレッド・マイリック/ぶん
アーノルド・ローベル/え
小宮由/やく
大日本図書 本体1400


おれの名前はビリー、ともだちのマークがとまりにきて海辺で遊ぶことにしました。砂浜をみるといろいろなものがあって、ビリーは砂浜に捨てられていたみどりいろのビンをみつけます。ビンの中には手紙が入っていて、そこにはへんてこな字が書かれていました。マークは見事に謎解きをします。むこうの島から投げ込まれたもののようで、それによると手紙を書いたのはトムという子どもらしい。ビリーとマークはもちろん返事をだそうと、それも暗号で書かれた手紙を汐にのせて返信します。そして、ふたりで「たんけんクラブ」をつくりました。もちろんクラブへ誘う暗号の手紙です。ビンはちゃんと届くでしょうか。
 幼い子どもたちの冒険物語、冒険というより探険と行ったほうが良いか、ドキドキ感もありクイズをつくったり、(暗号を考えるなんてすごい!)ただ感情だけの物語でなく、具体的に書かれた友情物語として読むことができます。ところで昔、子どもだった人は良くこんなことをして遊びました。今はどうなのかしら?
 この本は「こころのほんばこ」というシリーズでだされているものです。「こころのほんばこ」というのはあんまり好きでないけれど、どれも読みやすく、挿絵も良いし、ちょっと楽しみなシリーズです。


2017年6月 6日 (火)

でかけてみよう

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「たなのうえ ひこうじょう」
こどものとも年中向き7月号
さく 中村至男
福音館書店 本体389円


いましも本棚の上から飛行機が一機飛び立とうとしています。搭乗者は機長と助手。飛びました。眺め良し!時々あぶないこともあったけれどフライトは無事おわりました。着陸地は時計の上!シンプルな絵、なにもかも身近なもの、でもこの機長と助手には飛んだ世界は広い!
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「やじるし」
平田利之
あかね書房 本体1200円


いってきまぁーす、どこにいこうかな?女の子が歩いて行くと<やじるし>があり、”こっちだよ”ついていくとうみ、うみはないはずなのにへんだなぁ。いつのまにかやじるしが船になって”のっちゃた!”海には魚が泳いでる”あれ、鳥になった、かご落としてしまった、逆さまになって・・・そんなように次々と現れるもの、やじるしはいろいろな物になって空をとぶこともありました。
 もちろん女の子は最後は”ただいま”と帰ってきました。特別のテーマがない、つぎつぎとやじるしがでて、話はすすんでちょっとした冒険です。シンプルで不思議なおもしろい世界を展開してくれます。


2017年6月 2日 (金)

絵本江戸のまち

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「絵本 江戸のまち」
太田大輔
講談社 本体1600円


江戸のまちのようす、庶民のくらしが見開き12ページにわたって描かれています。案内人は東京に1000年も前から住んでいる<妖怪小僧>です。江戸は400年位前徳川家康がつくったまちです。金のしゃちほこがのった天守閣はつくられてから50年くらいで大火事で焼けてしまいますが、まず「隅田川と両国橋」「火事のこと」「日本橋と魚河岸」「長屋のお正月」「江戸の大通り」「品川宿と御殿山」「高輪の月見」「江戸湊と弁財船」「堀のまち」「雪景色」「浅草の芸人」「両国の花火」と描かれているページでは人びとの生活であふれかえっています。どのページにも紹介してくれる妖怪小僧も隠れていたり、妖怪小僧の仲間のものたちもあっちこっちにいて、それを追いながら絵解きができるようになっている楽しさがいっぱいです。川と海のまち江戸、川を挟んで家が建ち並び庶民の暮らしと娯楽、小さな屋台の物売り、季節の折々のなかに人が行き交い、歩いて、歌って、踊って、船がいき交っているなかに子どもたちが泳いでいたり、絵からたちのぼってくるまちの活力は、あふれかえった人びとと特に子どもたちの様子からみられます。その背景には病気や飢饉で死んでいったひとたち子どもたちもたくさんにいたにちがいないのですが。
 ともかく細かく描かれているのでできたら昼間明るいところでみてください。私は夜みたのでちょっと頭がくらくら?しました。

2017年6月 1日 (木)

みずのつぶがあつまると

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「みずのつぶがあつまると」
ーかがくのとも7月号ー
太田大輔さく・え
福音館書店 本体389円


まずちいさな水のつぶ、雨がそうです。雨にもいろいろあります。ちょうど日本では梅雨になりますが、その雨は「こぬか雨」、糠といっても子どもたちはよくわからないかも。糠漬けも?糠漬けといえば東京では夏にするのにはじめは驚きました。糠漬けは良くかき混ぜて空気をいれないと酸っぱくなったり、ひどい話は虫がわきます。私が育ったところでは夏は糠漬けをしません。塩漬けです。たとえば「ナス漬け」大好きです。糠は粉のように細かい粒です。梅雨の雨は丁度そんな雨、濡れると体に悪いと祖母にしかられました。普通の雨はもっと雨粒が大きい、豪雨のときの雨は頭から水をかぶったような状態です。

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ブログ5月9日「しずく」ーちいさなかがくのとも6月号ー(越智典子ぶん・野口満一月え)で紹介したように雨や水が葉や草からこぼれ落ちます。丸い小さな水玉、そういえば「しずく」といいませんが涙も。これは朝寝坊の私は心して早起きしないと見ることができません。水はだんだん大きく集まってついに川や海になります。地球は水の天体、だから私たちは生きていかれるのですね。
 ここ近年海にいっていませんが、今年は行ってみたい。なんとか乗り物に酔わなければ沖縄の海に行ってみたいと思っています。


ドームがたり

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「ドームがたり」
アーサー・ビナード作
スズキコージ 画
玉川大学出版部 本体1600円


 <どうも、はじめまして。ぼくのなまえは「ドーム」。あいにきてくれて、ありがとう。>という書き出しからこの絵本はじまります。「ドーム」と聞いて「広島の原爆ドーム」思い浮かべる人も、もしかしたら少なくなっているかもしれません。この紹介文を書いている私でも広島に原爆がおとされたことはあまりよく知らないのです。でも親世代があの戦争のことが記憶にあるので、なんとなく見聞きしたり、学校でも学んだことがあります。けれどその親世代は今はもう高齢になっていたり亡くなってきています。そして、その親世代は思い出したくもなかったことだからでしょうか、生活していくのに精一杯だったからでしょうか、語ることもなく亡くなってしまうことも決して少なくはないと思います。知らない、知らされていない、その場合知りたい、考えたいと思った場合やはり本が一番です。できれば私はそれらの本を選ぶ時に、背景の歴史が描かれている、それに未来につないでいく役割が描かれている本を選びます。これは私自身の性格によるものだとおもいますが、どうしても感情に溺れて本質がみえなくなる傾向があるのを避けたいと思っているからです。
 この絵本は原爆が落とされる前のドームとその後のドームの廻りのことが描かれています。そして、その原子が少し形や名前が変わってはいるけれど福島での事故のもとになっていること、ただそれも科学としてだけでなく、わたしたちの地球全体の問題であること、残念ながらそのことを考えないで、生活の豊かさだけを追求している人がいて、これも残念ながらその人たちに押し切られそうになっている現実があります。川の側に元気な広島をアピールするために建てられた建物=原爆ドームが最後にこういっています。<ぼくは生き物がそばにいるとうれしい。>
 スズキコージの絵はかなり具象的になっていて、力強くなによりも暗くなく明るい、人びとがドームを見上げている。自分のどこかにあの見えない原子というカケラがあってみんなの体に刺さるのではないかと心配しているドームを見上げている。だいじょうぶ、たとえカケラがあったとしても、もう二度と飛び散ることはないと約束しなければならない。鳥や猫がみんながしっかりと見つめている。


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12月の営業とお休み

  • 12月のお休みは28日までありません。
    *お休み 28日午後から1月4日まで *営業時間 10:30〜6:00 日曜日は1:30〜6:00

お仲間にどうぞ

  • 冬のおはなし会
    赤ちゃんからお年寄りまで、絵本を読んだりお話を聞いたり、さあ!はじまり・・・はじまり
  • 12月の定例会
    すべての集まりの定例会はお休みです
  • ー元気になる集まりいろいろー1月の予定
    *よいこ連盟(保育士・なろうとする人)12日(金)7:00〜                   *Y・Aの会 読書会(どなたでも)11日7:00〜 「とりあげる本 わたしを離さないで」     *学ぼう語ろう〜15日1:30〜「母の友1月号を読む(どなたでも) *絵本の会  19日7:00〜(誰でも)             *グループ放課後 読書会(公共図書館司書・その他)17日(水)7:00〜             *ボランティア講座 非公開 22日(月)10:00〜         *憲法カフェ30日(火)「沖縄は今」 28日(火)7:00〜(事前参加申し込み受付)        *羊毛チクチクの会 未定(事前参加申し込み受付)                                                                                                                         

できることから

これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山