« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »

2016年12月29日 (木)

ふたばからのおたより ―12月―

     

             深夜の映画

 お餅つきを手伝いに来てくれた卒園生が、ポソッと言った。この頃はあまり、年末だ、新年だっていう気がしないんだよね・・・。介護職について3年、正月休みなんて特にないよ、とニコニコしながら付け足した。介護の仕事にしろ、養護の仕事にしろ、どんな時も変わりない毎日が続いていく。特に、クリスマス会だ餅つきだ、お正月だと大きな行事が続くこの時期は、もう早く過ぎてくれと、つい思ってしまう。
 以前勤めていた自立援助ホームでも年末年始は本当に忙しかった。在籍している子どもたちだけでなく、巣立って行った多くの青年たちの帰ってくる実家でもあったため、『お正月の家』の準備に夜中まで動き回った。大晦日の深夜、アパートへの帰り道、暗闇に光る自動販売機を見て「ああ、お前もまだ働いているんだなあ」としみじみと親近感を抱くくらい、すり減っていた。
 子どもの頃の正月やクリスマスは、もっと特別な日だったと思う。楽しみというより、新しい時間が始まるというシーンとした空気がとてもとても好きだった。
 正月の思い出の一つに、夜中遅くまで起きて、テレビ映画を見ていたことがある。大みそかの夜、昔はよく明け方近くまで古い映画をやっていた。『天井桟敷の人々』『空中ブランコ』『にんじん』・・・、ディヴィヴィエもフェリーニもジャン=ルイ・バローも正月の明け方に知った。秘めたロマンチストだった父と娘と、話もせず、ただテレビの画面をじいっと見続け、それぞれの胸に感じるものを抱えて、遅く布団に潜り込んだ。
そんな正月から、あまりに遠ざかってしまったな、と今思う。
 今年も一年、何とか無事に終えることができそうだ。耕して種を蒔くようにして始めた仕事も、少しずつだが動き始めている。こうして一年過ごせたことに、本当に感謝している。動き始めた仕事に誠実であれ、と思うほど、来年もまた忙しくなるかもしれないな、という予感もある。
 それでも、心の芯に小さなしんとした種を抱えていたいと思う。どんなに忙しくても心の小さな種は守り続けたいと思う。そして、来年は、もっと映画を見ようっと!!
P1010123_2
写真は、うちの庭のゆず。去年は一つも実をつけなかったのに、今年は小さな実がいっぱいです。年越しそばの隠し味と正月のなますにも使う予定です。   (の)


2016年12月25日 (日)

展覧会のおすすめー赤羽末吉・中国とモンゴルの大地

ー クリスマスが終わりあいかわらず忙しいけれど、ちょっと静かな時間ができると思っている人へー
12月は楽しい行事も多いけれどなにかせわしなく、休みの日を充分につかうことができないままの人も多いと思います。それと忘年会とやら、にぎやかなのは良いけれど身体も気持ちも目一杯の日が多い、ちょっと静かに一息をつきませんか。
ー赤羽末吉・中国とモンゴルの大地ー展覧会のおすすめ。

ちひろ美術館・東京〜12月28日.1月2日〜1月15日
Photo
「スーホの白い馬」
 モンゴル民話
大塚勇三再話 赤羽末吉 絵
福音館書店刊

教科書にも載っていて良く知られている作品です。馬頭琴という楽器の由来、広大なモンゴルの大地で生活している人たちと馬とのかけがえのない心のつながりが、読む人の心をうちます。
Photo_2
「ほしになったりゅうのきば」
 中国民話
君島久子再話 赤羽末吉 絵
福音館書店刊
夜空にまつわる天の川の物語です。壮大な中国民話です。

2016年12月24日 (土)

ゆっくりおでかけ

Photo
「ゆっくりおでかけ」
五味太郎
童心社 本体1000円


表紙に丸いラベル、副題のように書いてあるのは<こんな子いるいる!>そうなんだよなぁ!
ペンギンの子がおでかけ、すべったりころんだりしないように慎重に。でも飛び越えなければいけないときは勇気をだしてぴょ〜ん!ところがなぜか最後にこけてしまう。子どもにかぎらずおとなでもなぜかこんな人がいます。運が悪いのかな。かんじんのときにこけてしまうのです。ん?あなたはどっちだって。
 五味太郎の本はどちらかとおとなも笑いながら考えてしまう絵本が多いです。一見子ども向きでかわいいとおもうけれど、時々、え!これ私のことじゃん!とおもいます。<ゆっくりおでかけ>でなく<いそいでおでかけ>とも考えて見よう。

2016年12月22日 (木)

わくせいキャベジ動物図鑑

Photo
「わくせいギャベジ動物図鑑」
作・絵 tupera tupera
アリス館 本体1500円


はるか彼方に「キャベジ」という小さなわくせいがあり、そこは地球からは831光年も離れています。あまりに遠くなので地球人は誰も行った事がありませんが、tupera tupera という人がいろいろと調べた結果こんなものたちがいると思われそれらの絵を描きました。「キャベジ」という惑星は黄緑色をしていて山や海や森があり地球に良く似ているとおもわれます。半径は982km、質量は地球の0.00831倍。
 そこに住んでいる動物、たとえば「リンゴリラ」はメキャベツの森に住んでいて体長は1.3〜1.9m 体重は80〜210kg つやのある赤い体と大きな胸が特徴、力は強いけれどやさしい(p12より)そんなように最大の動物「ナスクジラ」「バナキリン」とか「キウイフクロウ」とか28種類の生ものたちの図鑑です。
 野菜や果物たちと動物たちの特徴を上手につかって描かれていて、しばらくながめていてもあきない。そして、知ったのは図鑑は想像して作り上げられるものだということです。まだ発見されてない動物もたくさんあるとおもうのであなたも調べて新しい発見をしたら楽しい!千葉市は明日から冬休み、お餅も食べる事だし新しい発見を描いてみてください。

2016年12月21日 (水)

十二支のおもちつき

Photo
「十二支のおもちつき」
すとうあさえ・さく
早川純子・え
童心社 本体1200円

今日は冬至です。でもお天気が悪くなるので今の所暖かな夜です。そして、冬至というよりクリスマスたけなわ?街かどではイルミネーションが輝いていて、ひところよりはずっと地味にはなったのだけれど、華やかな時です。そろそろ年末のことを聞かれるようになりました。ちょっと仕事の段取りが悪かったのか、外の団体向けの仕事がやっと終わり、ただ学校の納品が一部残ってしまい、月をまたいで来年になってしまうことになりました。明日からクリスマスの最後のお買い物に見える方が多いと思います。もうひとふんばりです。
 ところでこんなに新年が近いのに、これも毎年のことながら新年やお正月の絵本が少ない、そのなかでこの本は十二支に関係した新しい絵本です。お話は昔話風、貧乏なおじいさん、おばあさんが小さな貧しい動物を助けます。この絵本ではねずみ。おもちを食べさせてもらったねずみが仲間をつれてきて、たくさんのお餅をつく、自分たちは神さまにお餅をもっていく、残ったたくさんのお餅を村人たちにくばって食べるというお話。ねずみに連れられてきた動物たちは十二支です。
 絵がとても活力があります。みんながもっている力をだして餅つきぺったんこ!ちなみに来年の干支のにわとりは声が良いので声を張り上げぺったんこ!というふうに。不思議なことにうすはどんどんおおきくなってお餅はふえていきます。たくさん食べて十二支たちは龍にのって帰って行きます。
「おじいさん。あたらしい年は、きっと良い年になりますね」そうです、なって欲しいです。おなかをすかせたり、悲しい思いをする子どもがすこしでもいなくなりますように!
 会留府は28日午前中まで、新年は6日からになります。

2016年12月20日 (火)

でんでんでんしゃ

Photo
「でんでんでんしゃ」
谷川俊太郎 ぶん
スズキコージ え
交通新聞社 本体1300円

雨の日はあちこちから聞こえてくる<ぴたてんぴととん ぴとぴた ぴるん>ぼくはでんでんでんしゃを探しにでかけた。むくむく大きくなったかたつむりでんしゃ!出発!エネルギーのある画家の絵、でんでんでんしゃは進む、どんどん進む。絵がさきか、文がさきか、言葉にのってでんでんでんしゃは走る、電車にのって言葉がはしる。でんでんでんしゃ、どこへいく!

2016年12月17日 (土)

こどものなかま

Photo
「こどものなかま」
レイン・スミス/作
青山南/訳
BL出版 本体1600円


ぼくは気がついたらヤギといた。ヤギは少し大きくなると山に登る。でも、ぼくには登れない。歩けるぼくはペンギンに出会う。ベンギンは水の中で遊ぶ。水の中、深く潜ってみる。少しの間ユラユラ揺れていると
クラゲが寄ってきた。もう潜っていられないぼくをクジラが助けてくれた。くじらは仲間と汐を吹いてぼくを歓迎してくれたのだけれど汐に吹き上げられてカラスに見つかってしまった。おっと!カラスがくわえていたのに落っことした。カラスは仲間たちと飛んでいってしまった。あぁ、ぼくは飛べないのだ。岩の上に置いてきぼり。落ちた所は草の上、ゾウが群れで歩いて行く。ぼくは一緒になって行進したり、歌をうたってたり、でもだんだん大きくなるに連れてぼくはみんなとちょっと違う。二つの足で立ってみたり、カメのようにゆっくり歩いても、ぼくはかわらない。みんな仲間を見つけて行くけれどぼくは一人。広い夜空も、広い海でもぼくはたったひとり。ぼくの仲間はどこにいるのだろうか!ぼくは何の仲間なのだろうか。
 抑えた色の絵のなかで子どもたちが嬉しそうに元気に遊ぶ。静かな思索的な絵本だけれど、ユーモアもあり、この絵本読むなかで誘発される心の響きが良く描かれている。”君は私たちの仲間なのだよ。”人間、人ともいう。そこがきみの居場所だ!

2016年12月12日 (月)

シラユキさんとあみあみモンスター

Photo
「シラユキさんとあみあみモンスター」
作/アンネリー・ファン・ハーリンゲン
訳/野坂悦子
BL出版 本体1400円


ヤギのシラユキさんは編み物が大好き。いつもヤギのくつ下を編んでいますが、今日はちがう物を編んでみようかなぁと思いました。みぎにひとめ、ひだりにひとめ、ひと目編んだらまたひとめ、というふうに・・・できたのは子やぎ、あぁ!うれしいと思っているところへ羊のおばさんがきて悪口をいいます。すっかり混乱したシラユキさんは勢いにのってどんどん編んだところが、とんでもないものを編んでしまいました。それにそのオオカミは羊のおばさんをガブリ!シラユキさんは逃げながら考えました。でも、それは間違いのもとでした。シラユキさんは絶体絶命です。
 はぎれの良い口調とユーモアいっぱいのお話、インパクトのある絵、なんといってもモンスターのすごいこと。でもシラユキさん頭いい!だじょうぶ、めでたしめでたし。でもねシラユキさんまた、毛糸でなに編んでるの?!プラディスラヴア世界絵本原画展で金牌をもらった絵本です。うれしいことにこの展覧会は来年は千葉にくるとのこと、原画をみるのが楽しみです。

2016年12月10日 (土)

雪の女王

Photo
「雪の女王」
原作 アンデルセン
絵 ヤナ・セドワ
再話 アンシア・ベル
訳 成沢栄里子
BL出版 本体2000円


アンでルセンは難しい。それは宮澤賢治の作品を読んだ時と同じように子どもの私は思いました。特にアンでルセンは外国の作品だけにイメージがとりにくかったのかもしれません。イメージといえば私が子どもだった頃は想像もできない程遠くの国が舞台です。寒いとはいえどこか包み隠す雪の暖かさとちがってキンキンの氷の世界、どちらも死の世界につながっている。でも日本の土壌の北の国では雪が溶けたら小川は音をたてて流れます。ちいさな音ですが。氷のとけた川は一挙に大きな流れになります。
 この「雪の女王」の画家が描く氷の世界は遠い北の物語です。少女ゲルダの少年を思うおもい、揺らぐ事のない雪の女王の描き方、画家はモスクワ生まれです。青を基調とした絵はとても幻想的です。日本の今の子どもたちにアンデルセンは少し難しいとおもいます。その理由はなんでもすぐに見えるものの世界になれすぎていて見えないものを思い描く感性の世界が貧しくなっているのではないかと思うからです。理屈はもうやめましょう。1ページずつゆっくのめくりながら静かに読んでみましょう。

2016年12月 9日 (金)

えるふサンタのお手伝い中

Dscf29172016


えるふサンタはクリスマスのお楽しみ会の準備中です。その作業でいま大忙しです。えるふサンタがどんな事をしているかというと、まず、店でプレゼントの相談にのっています。そろそろクリスマスプレゼントの本を求めに来店される方が多くなってきました。絵本がほとんどですが、プレゼントするのが自分の家族だけではなく、お友達にとおっしゃる方がおおくなり、大人向きの絵本もたくさん出版されるようになったのでクリスマス関連だけでなくいろいろの絵本から決めていただくことができます。この機会におとなやお年寄りの方達に絵本の楽しさがひろがると良いなぁとおもいます。
 店以外の大イベントは保育所の子どもたちに絵本を贈る事です。だいぶ昔の話、ある小学校の先生から子どもが通っている保育所に絵本を入れて欲しいと頼まれました。保育所の子どもの中には絵本を読んでもらうどころか家庭に1册の絵本もない環境の中にいる子どもの話がでました。クリスマスに子どもたちに絵本を贈りたい、代金は父母会が払う、選書も相談にのって欲しい、そしてできたら一冊ずつ包装してほしいとの話になりました。
 10月になると本の選書をして、画像つきの少し大きめのポスターをつくりそれを見て欲しい本を頼みます。父母会の担当の方はとりまとめて会留府に注文、入って来た絵本を一冊ずつ包み、お名前シールを貼って保育所のお楽しみ会に子どもたちに贈ります。もちろん包装紙は本屋の名前が入っていないもの、なぜならサンタが持って来てくれるからです。子どもは自分だけの本が欲しい。保育所にずっと行っていると毎年に本をもらって、学校へいくまでにはすくなくと6冊の本があることになります。もちろんそれを読んでもらえたらなおうれしいですが・・・
 そんなわけで、今えるふサンタは大忙し!包装するだけでも時間がかかるので半徹夜の日々が続いています。毎年のたいへんですが嬉しい時です。
 


2016年12月 6日 (火)

しもばしらしゃくしゃく

Photo
「しもばしらしゃくしゃく」
ちいさなかがくのとも1月号
ほりかわりまこ さく
福音館書店 本体389円

ゆうちゃんの吐く息は真っ白、おかあさんといぬのハチといっしょに公園をとおります。すっかり寒い、足下で不思議な音がします。しゃくしゃく しゃくしゃく。地面からしもばしらがたっています。このままだときれい、しもばしらはどんな風につくられるのでしょうか。

Photo_2
「しもばしら」
野坂勇作・さく
福音館書店 本体900円


この本は「しもばしらしゃくしゃく」のおにいさん版です。はーちゃんはおばあさんといっしょに畑にいきました。しもばしらは石をもちあげるくらい力持ち?家に帰ってはーちゃんはしもばしらを冷蔵庫で作ってみました。しもばしらは太陽がのぼるとくちゃくちゃの泥水になってしまいました。
 私は東京へ出て来てはじめてしもばしらをみました。雪が降る所ではしもばしらは見ることができません。朝早く起きて土のところを歩くと”しゃりしゃり”と私には聞こえました。

2016年12月 4日 (日)

おにとあんころもち

Photo
「おにとあんころもち」
西三河の昔話
こどものとも1月号
小澤俊夫・くのあいこ 再話
半田強  絵
福音館書店 本体389円


日本の昔話のおもしろい絵本になかなか出会うことが近年少なくなりました。昔話を祖父母などから聞く体験がない子どもたち、おそらく私の世代が最後かもしれません。この絵本も昔話のエネルギーが溢れるように描かれていて、特に鬼の表現に赤羽末吉さんの鬼以来久しぶりでドキドキしました。東北や新潟の方の昔話「さんまいのおふだ」のようなお話です。あんころもちは西日本らしい、鬼の描き方も凄いものです.
ただ、声に出して読むのにはなかなか難しい、つっかえつっかえになって言葉がするするとすすみません。
適当に自分の言葉におきかえって表現するのはなかなか難しいことにあらためて気がつきました。昔話が使われている土地で日常につかわれている表現の仕方、そして、方言。絵を損なわないように自分の言葉で置き換えていく方法を、きちんと学び直さねばならないではないのかと思いました。

2016年12月 3日 (土)

こいぬをつれたかりうど

Photo_2

「こいぬをつれたかりうど」
中国の昔話
こどものとも1月号
牧野夏子 再話
佐々木マキ 絵
福音館書店 本体389円


”わぁ!今月は佐々木マキの絵本だ”とファンは手に取って、これが中国の昔話と書かれているのでちょっと驚いています。どうみても佐々木マキの絵の世界と違うのではないか、やがて本を読んで、中国の昔話というのは再話だからとおもいます。子どもならず私も絵本を見るときまず絵を見ます。(絵本の言葉はその絵を動かしてお話のイメージをひろげる役割があります。)
 年をとった猟師とその一ぴきのイヌ、猟師は腕の良い猟師というものの鉄砲ひとつもっていません。縄といつもごま油でしっかりと手入れされている一ぴきのイヌです。それなのに獲物は上々大きな獣もとってきます。どうやって?トラ退治の要請を受けた猟師はいつものように縄をもってイヌをつれてでかけます。さて、どんな方法で虎狩りをしたか。最初から最後まで表情を変えない猟師と元気な好奇心いっぱい目玉をキョロキョロさせているイヌ、人間の世界でいうとイヌは子どもの表情そのものです。もちろんお話はメデタシメデタシ。こんなおおらかなお話をもっている中国の壮大さが感じます。

2016年12月 1日 (木)

今日は会留府のお誕生日です

Photo_3

Photo_4
この二冊の本はほとんど同じものです。イギリスの作家によるこの本は父親から二人の息子にあてた手紙集です。父親がサンタクロースになりかわっての手紙、息子たちはそれが父親からのものとわかっていたけれど親子してこのやりとりを充分楽しんでいました。この手紙の作者J・R・R・トールキンは大学の教師でもありました。その本「指輪物語」のとりこになった私が店に会留府という名前をつけました。会留府の字はあて字、ほんとうはホビットという名前をつけたかったのですが、もう使っていた人がいて、作中にでてくるエルフ族をつかいました。夫婦二人で会社をやめて、しかも知り合いのない千葉市に引越して来ていたので何をするかと考えたのが本屋でした。自宅の六畳の一室に書棚をおいて、チラシをまきながら本を売ろうとしていました。とてもそれでは営業なんていうものでもなく、店舗を探すことになり、JR稲毛駅の近くに建てていたプレハブのような10坪ばかりの店で会留府がはじまりました。その頃の千葉は子どもたちがあふれかえっていて、でも本屋も図書館も満足なものがなく、ただエネルギーだけはあったのです。やがて高度成長も限界がきて、私たちも地上げにあい引っ越しして、二転三転ののちいまのところに落ちつきました。その41年前にくらべて子どもが少なくなって、なにか得体の知れない方に社会がむかっているように思います。その思いは私が年とったことなのかもしれませんがなによりも福島の原発事故があるとおもいます。ホビットが自分の欲望と戦いながら指輪を捨てに行く、今の日本はその過程なのではないのか、はたして捨てられるのだろうか、それすら先がわからない時代になって来てしまいました。子どもたちは成長してその頃の子どもが子どもをつれてときどき来てくれます。その子どもたちに、多分原発を作る、使う誘惑はしっかり捨てきらないといけないと、言い続けたいとおもっています。
 トールキンが子どもに聞かせながらつくりあげた壮大な世界、私はいまでも疲れると無力な小さなホビットになってその世界を時々旅をします。トールキンがこの物語を書いたとき<原爆>がつくられました。持っていてはいけない指輪を権力となによりも自分の欲望に逆らいながら捨てにいく旅をしたホビットはおいしいものがすきで、小さな巣穴のような住まいで静かに時には村人たちとおまつりをしているような小人族です。旅の間こんなことではなかったと、村にいれば今頃はお茶の時間とぼやきながにそれでも憑かれたように旅をするわけですが、わたしも相棒をなくしたり病気になったり、どうなるのだろうかと思いながらなんとかここまできました。
 そろそろ自分のしまい時かもしれませんが与えられた命を最後までなんとかホビットらしく歩いていきたいと思います。
 今日は来店いただいた人と本の話をしながらそんなことをおもっていました。

« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

6月の営業とお休み

  • 6月のお休み
    *6月5日・12日・19日・26日の月曜日                    *6月4日・11日・18日・25日の日曜日は1:30〜6:00            *営業時間10:30〜6:00

お仲間にどうぞ

  • ー元気になる集まりいろいろー
    *グループ学ぼう・話そう 定例会第2月曜日12日(月)10:00〜話し合い  *ボランティア講座 定例会19日(月)10:00〜 テーマ「科学絵本を読む・非公開」              *憲法カフェ27日(火)3期・6月学習会「いま、福島は・報告と話し合い」誰でも・予約制             *グループ放課後(公共図書員・関係のある人) 定例会15日(木)7:00〜読書会・D・J・ハスケル著「ミクロの森」               *YAの本を読む会+のんき〜ず学校図書館司書  定例会8日(木)7:00〜読書会R・M・フイッツジェラルド著「スピニー通りの秘密の絵」   *よいこ連盟・絵本の会(保育士たち)定例会23日(金)7:00〜制作「絵本を読む」                *絵本の会16日(金)7:00〜方言で昔話を聞く・絵本で見る 語り手高橋峰夫さん                 *羊毛ちくちくの会22日(木)10:00〜制作                                                                                                           

これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山