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2016年8月25日 (木)

ふたばからのおたより -8月―

      

             生命のバトン

 前にも書いたことがあるが、私は高校生の頃1年半ほど学校に行かなかった。その結果、高校2年生を2度やった。
 そんな2年生のある夏の朝、母に揺り起こされた。今日は母方の祖母の一周忌なのだという。1年前に祖母は亡くなったのだけど、家を離れていた私には、不安定になるといけないと思い知らせなかった。今まで隠していたのは悪いけど、今日の法事には参加してほしい、そんな話だった。ぼーっと聞いて、言われるままに服を着替え、参列した。
 祖母のところには小さい頃よく連れて行ってもらったが、一緒に遊んだり話したりする人ではなかったし、決して打ち解けた間柄とは言えなかった。まして大きくなるにつれ遊びに行く回数も少なくなり、しだいに疎遠になっていった。だから、亡くなったと知らされても悲しいとか、隠されていてショックだったとかいう気持ちも、正直いってあまりなかった。その時に着た服のゴワゴワとした肌触りと、その後、久しぶりに会った従姉たちと生まれて初めてボーリングをしたことを覚えている。
 それなのに、何故なのだろう。しばらくたったある日、ふいに、本当にふいに降ってくるように、祖母と私とはクルリと順番が入れ替わったのではないかしら、と直感した。「死」のすぐそばにいたと感受性が伝えてくる私と、クルリと順番を入れ替えて祖母は亡くなったのではないかしら。矛盾した考えだろうが、それでも私は自然に、その直感を受け入れていた。遠かったはずの祖母の存在を、亡くなって初めて身近な生身の人生として感じた。祖母から生命のバトンを受け取った気がした。不思議だな、と思う。人は思いもよらぬ形で、次の人に人生を渡すことができる。
 学校に戻ろう、静かに私は思った。
 もうはるか昔の暑い暑い夏の昼下がりだった。

P1010094
写真は、この夏の最後の?収穫かな。庭の小さな畑で作る野菜も、土が疲れてきたのか、おもしろいほどとれた1年目に比べ、寂しくなってきました。もっと手をかけなきゃなあと思いつつ、過ぎていく毎日です。             (の)


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