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2016年5月13日 (金)

すばこ

Photo
「すばこ」
キム・ファン文
イ・スンウォン絵
ほるぷ出版 本体1500円


春になっていま、自然界では巣作りと子育てに大忙しです。小さな生き物はほとんど自然界のものを使って、たとえば木の枝や葉、羽根や糸、土、それに自分の唾液等を使って固めたりまるめたりいろいろとがんばって巣をつくります。たとえばツバメは良い例です。自然界から取り入れて作るのは鳥ばかりではありませんが私は前に針金のハンガーをひっぱって道を歩いて?いるカラスを見た時がありました。この本は人間が巣づくりに手伝ったというより人間が巣をつくっていろいろのところに置いたり掛けたりして、最初に鳥の子育てをお手伝いした人のお話です。ドイツのチューリンゲン地方に暮らしていたベルレプシュ男爵がその人です。男爵は13ヘクタールの森と40ヘクタールにもなる果樹園をもっていました。そこに3000個の巣箱をつくりました。その偉業が広く知られるようになったのは1905年ハマキムシの幼虫が大発生、けれど男爵の森だけは巣箱で育った鳥たちがハマキムシを食べてくれて被害にあわなかったからです。
 この絵本は「すばこ」のいろいろが描かれています。コラージュもつかわれて描かれていてとても美しい絵本です。男爵の伝記も巣箱のことも森のことも丹念に描かれています。いろいろな形の巣箱が並んでいます。いろいろな鳥が巣箱をつかっています。それに、巣箱を使うのは鳥だけでなく小さな生き物もつかいます。ペンギンの使う巣箱も描かれています。ただ、残念な事に開発という名前のもとに森はどんどんなくなっています。最後のページでは子どもたちがいろいろな巣箱を掛けています。その森には気持ちの良い風が吹いているのが感じられます。

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