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2016年3月24日 (木)

ふたばからのおたより -3月―

              絵本のある暮らし

 今年卒園して就職する子どもの一人が飛鳥山の方の寮に入ると聞いて、都電荒川線のことを懐かしく思い出した。東京を走る唯一の路面電車で、今も「ちんちん電車」っていうのかな。
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 一時期早稲田に住んでいたこともあり、個人的には何度も乗ったことはあったが、上の子を連れて行ったのは2、3歳の頃。夜布団の中で「はしれちんちんでんしゃ」という絵本を何度か読んでいるうちに、むしょうに乗りたくなって、「こんど、この電車、乗りに行こうか?」「いくー、いくー」と当然なり、図書館から借りたその絵本をバッグに入れ、2日に分けて端から端まで乗ってみた。
 早稲田大学の学食でラーメン、1杯190円也、腹ごしらえする。面影橋、学習院下・・、都電は時おり家の軒下をなめるように走る。鬼子母神、神社の境内でのんびり。狛犬を見たせいか、子どもは犬になりきって広い境内を這い回る。そこから、大塚駅前へ。電車は広い通りを大きくカーブ。庚申塚を通って飛鳥山、桜の時期は薄桃色花びらがはらはら散っていくのが車窓からも見えて、本当にきれいだ。王子駅前を通りしばらく行くと荒川遊園という駅、降りてみると、小さな区立の遊園地があった。メリーゴーランドや汽車ポッポに20円、40円で乗れる。帰らないと泣き喚く子と、小さな汽車ポッポに3回も乗った。そこから先、あたりの風景は何となく寂しくなる。宮の前という駅では、本当に大きな鳥居の真ん前を通過、絵本の風景そのままの鳥居だ。町屋の駅前を通りすぎるあたり、絵本では夕暮れの光景、絵と重なってシーンとした寂しさが心を満たす。荒川七丁目、荒川二丁目、荒川区役所前、そしてとうとう三ノ輪橋、終点に到着する。何もない。「着いたあ」とだけ思って、すぐ早稲田行きに乗りかえた。
 こんな昔のことを細かく覚えているのは、以前、物好きに作っていた家族通信に「春の都電めぐり」と題して、その時の記事を載せているからだ。飛鳥山と聞いて懐かしくなり、古い通信を引っぱり出してしまった。
 「はしれちんちんでんしゃ」だけでなく、「はこねやまのとざんでんしゃ」でもシベリア鉄道やスエズ運河でも、子どもと一緒に絵本を覗きながら、ただただ乗りたくなり、行ってみたくなり、行けたものもあり、あこがれだけだったものもあり、そんな絵本のある暮らしは、本当に楽しかったと、今、思う。
写真は、その時の鬼子母神での光景。                (の)

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