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2016年2月29日 (月)

出版流通の話ー会留府の意地

 2月は誰が言い出したのか知らないけれど語呂合わせもあって「にげる」といわれている月だ。暮れからお正月、お金を使った後なのであまり物が売れない。本屋の世界も8月と2月は不景気な月といわれている。じつをいうと8月は夏休みがあるので店があいている日は少ないけれど、子どもの本の世界ではそんなに本が売れないということはない。(9月のほうがまだ暑いのとお金をつかったあとなので売れない。)12月1月とお金をつかったあと、そしてなにかとものいりな3月がひかえている。2月は寒くてあまり人が動かない、おまけに入試もある。人は動かないけれどなんとなく落ちつかない月だ。今日は県立高校の後期の入試だった。3月4日に発表、11日は公立の中学校のほとんどが卒業式、そういえば11日は東北の震災、原発の事故から5年がたったのだ。災害復興のほうは少しずつ動いているけどまだまだ先は遠い。福島は遠いどころか先が全然見えないのに政権は再稼働をすすめている。なんということだ!
 出版の不景気、2月には取次ぎで中堅の太洋社が自主廃業になった。自主廃業というのは裁判所が入って強制的に整理をするのでなく、なんとか自力で整理することで、太洋社は社屋等資産を売って、本屋から売掛金を回収して出版社などの負債を支払うというものだ。不景気のなか資産の処分はなかなか難しい、それと一番売掛金=負債のあったFという書店は倒産してしまった。
 ところで取次ぎっていったいなんだろうか。私も出版界に仕事をするようになるまで、まして本屋をするまで取次ぎのことはなにも知らなかった。本は単純に作り手と買い手の読者がいてその渡す働きを本屋がするくらいにしか思っていなかった。ほとんどの一般市民はそのくらいしか知らない、取次ぎ=本の問屋なわけだけれど、本は一冊一冊が一人一人に渡る事もありうるから、本も多様であってほしいし、読み手も多様であってほしい。トイレットペーパーと違う個別という意味合いがある。現代普通には初版4000もすれば良いという。そして、出版社から本を集める人、そして本屋に運ぶ人が必要だ。それだけではないその売れた本の代金を回収して出版社に渡す銀行のような必要性もある。市場がむかしのように限定されていればそれは簡単だけれど、世界中に世界中のいろいろな人が生きているので、必要とする人もひどく個別的だ。その市場がますます巨大になってくると中間に位置する取次ぎの力が強大になってくる。しかも日本は本の値段は出版社がつけて、取次ぎも本屋も自分で勝手につけてはいけない法律がある。
 ますます巨大になってきた市場、本の世界もたくさんつくってたくさん売る。出版した本の代金を先付けの手形でもらう出版社はともするとそれで次の本を出す。それが売れているのかどうなのか?本屋にすればたくさん売らないと売りたい本が思ったように入って来ないものだから、無理をして取り寄せて、返品できるという制度をつかう、いま出版された本の半分は返品という。そのロス?(岩波書店のように返品が出来ないうえに掛け(原価?)が高いところもある。だから本の中味でなく経済的なことから岩波の本はあまり置きたくない。
 あぁ、こんなことを書いていると本屋という商売はわりがあわないし不安になってやめたくなり、いま日本では一日に一店の本屋が消えていっているという。
 会留府は?いつまで続くか正直わからない。40年たくさんの人が応援してくださってなんとかやってきたけれど、これからどうなのだか?ただこうなったらやれるだけ続けていきたいし、続ける以上つらいこともあるけど楽しくやりたい。子どもたちに”あのおばさんなんだか楽しそうだね”と言われたい。それは私の単なる意地かもしれないけれど。

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