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2015年8月21日 (金)

ノック ノック みらいをひらくドア

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「ノック ノック」みらいをひらくドア
文ダニエル・ビーティー
絵ブライアン・コリアー
訳さくまゆみこ
光村教育図書 本体1400円


主人公の男の子は何歳くらいだろうか?「学校へ行く」という場面がでてくるのだけれど、日本でいうと多分小学校の低学年、10歳以前のように思う。身体的に幼い子どもが親を必要とする年齢、まだ親を手本にして大きくなろうとする年齢、この少年はその時に側に父親がいなかった、それからずっとー・・・。あとがきによると作者自身のことから書かれているようだ。作者ビーティーの父親は3歳の時投獄されそれから帰ってこなかったと記されている。父親が朝起こしにくる合図が「ノック ノック」だ。日本流にいうと”朝だぞ!か”おきなさい!だろうか。そして、髯をそるということ、机に置かれたぼうし、そういえばエズラ・キーツの作品にピーターが父親のようになりたい、帽子をかぶつて口笛を吹くということが主題になっていた絵本があったっけ。けれどそのあこがれの少年の父親はいない、(ビーティーのように投獄による)それだけでなく死も離婚も、幼い時の喪失感は拭いさることのできないものだとおもう。男の子のパパからの手紙(もしかしたらほんとうにパパからの手紙ではないのかもしれない)には、髯のそり方や学ぶ事、そして、訪れるであろうノックノックを必要とする家族がまっていること、”さあ、ノックするのはおまえ”と書かれている。
 絵がすばらしい。水彩にコラージュで象徴的に描かれている。影のように場面を横切っていく象、屋根のうえから見える影のような人々、紙飛行機、風船、青い空、象徴的ないろいろの物が描き込まれて、すべて重要な意味をもっている。重ね描かれた空にそびえている塔には風船が飛び出しているピアノと直立な男の人、そのピアノを支えている人(私には女の人にみえる)。作者はこの絵本は希望の絵本といっている。

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