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2015年4月23日 (木)

海からのおたより2015年4月 

      「世界の遺跡から出土した貝」展

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千葉県立中央博物館で開催中の展覧会からいくつかおもしろい展示をご紹介したいと思います。

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 「貝の道」会場の真ん中のケースにゴホウラという沖縄で採れる貝で作った貝輪(ブレスレット)が8種類ほど展示されています。弥生時代、琉球列島から島伝いで南九州に陸揚げされ、さらに有明海や西九州の海を通って北部九州に運ばれました。北部九州で貝は加工されましたが、遺跡ごとに違った貝輪が(時代による流行のようなもの?)作られたようです。こちらの展示の貝は機械で穴をあけてもらったそうですが、電気ドリルのない時代に厚く硬い貝にどうやって細工したのでしょうか。「これだけの種類の貝輪を一度に見比べられることはまずない」(黒住先生曰く)とのことです。

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中国・殷墟の王妃のお墓から出土したタカラガイ。ものの本には「殷の時代にお金として使われていた」と必ずといっていいほど書かれていますが、実は巷には貨幣としてどうも流通していなかったようです。殷の遺跡の多くは盗掘されているそうですが「婦好墓」(王妃)の墓は無事で博物館になっています。そこでは副葬品としてキイロダカラのみが背中を割って糸でつながれた状態で多数見つかりました。高貴な人のみが持つ特別な貝だったことがわかりました。キイロダカラは南房総でもときどき見つかりますが、沖縄ではどこの海岸でも見つかるふつうの貝です。「宮古島から中国にキイロダカラが渡ったのではないか・・・」というのが柳田國男先生の「海上の道」の説です。しかし、琉球列島と大陸の交易の痕跡がないこと、貝の形が違っていることなどから今回の展示では柳田説は否定されています。キイロダカラが大量に生息する中国大陸の南(雲南省あたり)のものと推測されています。タカラガイは同じ種類でも産地によって少し形や大きさが違うので考古学上非常に参考になるのです。
そのほか「ナスカの地上絵」の上に撒かれていた貝のかけら(儀式につかったものか?)の現生標本(実物は持ち帰れないため)など興味深〜〜い標本が多数展示されています。世界中の貝が展示されており、内容も深いのですぐには理解できないかもしれません。わたしも3回見て、2回説明を聞いてようやくこれだけ書いている状態です。今回の展覧会は写真撮影できますのでぜひ興味を持たれましたら残しておかれることをおすすめします。

4月25日・26日には無料の講演会がひらかれます。考古学と貝類学が織りなす旅はいままでのイメージとは違った世界が広がることでしょう。会場でお待ちしています。
 
            どんぐりつうしん変集長  谷口優子

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