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2014年11月27日 (木)

ふたばからのおたより -11月―

       
          
            ぴりぴりぽー

 この奇妙な名前は、東京のある児童養護施設の機関誌名、ずっと昔わざわざ取材に訪れたことがある。取材と言っても、ほんの内輪のものだったが・・・。
 「ぴりぴりぽー」とは、戦後の創立当時、協力者だった牧師さんから習った歌だという。当時銀座あたりの進駐軍の人たちがよく食べたジャガイモを、その厚くむいた皮を子どもたちに食べさせるためにもらい受け、ゆでる湯気の中で牧師さんが歌ってくれた。
  ピリピリポーと汽車は出る   我等の汽車は何処を出る
  嘘やけんかや いじわるの   汚れた街を 今いづる
 昭和30年、40年代になって新しい職員が増えるにつれ、新しい教育新しい考えが広がって、でもこの施設が誕生した頃のこと、巣立っていった子たちのこの「家」への思いをもっと知ってもらいたい、そう思い創刊した機関誌に「ぴりぴりぽー」という名前をつけた。当時は卒園した子どもたちに送るだけで、あとは職員や子どもたちが読んでいたという。「広報部員を子どもたちに募ってね、誰もやり手がないと思うでしょ? ところが見学記を書かせるからと、新宿高層ビルだ、浅草だ横浜中華街だと連れていくから、希望者が殺到して大変だったのよ。」とはベテランの職員の方が話してくださった。もう20年以上も昔に取材した話だ。それなのに、今の養護の現場にも何か大切なことを思い出させてくれる気がして、ふいに古い冊子を引っぱり出したりした。
 施設職員の専門性が叫ばれるようになって、では、子どもの普通の暮らしを支える専門性って何だろうね、いやだいたい、普通って、今の時代の普通っていったい何だろうね。そんな話を現場でし出すと止まらない。止まらないし、結論も出ないから、もう話さない。話さないけど、でも本当は一番話したい。そこに、職員の「今」がある。
 「ぴりぴりぽー」の施設は、子どもたちが骨のある魚をきれいに食べることでも有名だった。そうして誇りをもって卒園して社会に出ていった。だからか、テレビドラマのモデルになった。そのドラマを見て職員を志してきたという人が、今も周りにいるから不思議だ。「ぴりぴりぽー」は、目に見えないところで細く細く引き継がれている。

P1010081jpg_2

 写真は、元職場の機関誌。この号に「ぴりぴりぽー」の取材記事を載せました。日々の暮らしや職員のつぶやき、退寮生へのインタビューなどを書いて、クリスマスの時期にはクッキーやパウンドケーキも添え、巣立った子どもたち等に配って歩いたものでした。      
                           (の)


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