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2014年9月30日 (火)

かえるの竹取ものがたり

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「かえるの竹取ものがたり」
俵万智 文
斎藤隆夫・絵
福音館書店 本体1800円


古典文学のなかでもこの物語は少し不思議なところがあるのは以前からいわれていた。この絵本の編集者Tさんから”次は竹取です”と聞いていて、一体どんな絵本がでるのだろうかと楽しみにしていた。主人公のかぐや姫はもちろんのことみんな蛙、やはり「平家物語」で蛙が主人公で出版されていておもしろかったので、また、いったいどんな絵本になるのかと期待していた。刊行の取次ぎ入りを待って見に行ったところ、ほんとに驚いてしまった。一口でいうと現代の絵巻といったら良いのだろうか。絵巻に通ずるめくっていくことで物語がながれていく、次々と展開される画面はともかく細密に描かれている。とっても送りを待っていられなくて、大きい絵本を抱えて帰って来て店のスタッフと見た。誰もみごととしか言いようがない様子、絵巻より画面が大きくて、下の方に俵さんの柔らかい文が書かれている。時にはことば遊びのよう言葉があって、子どもも一緒に楽しんでみる事ができる。かぐや姫は画家の斎藤さんがメルマガなどに書いているように、かなり強かなお姫様だ。でも、この絵本のなかのかぐや姫は楚々としていている。いや、いろいろな状況のなかで違っているその表情がまたおもしろく、活き活きとしている。かわいい、それだけでない。結婚を申し込んでくる高貴な人たちに難題をだすところなどは、やはりなかなか策略家、時にはそれがうまくいかなくて結婚することになるかと思う不安がちの表情、なにか言いたげな表情、画家の解釈がすんなりと伝わってくる。そして、背景の様子の描き込みは、どうしてこんなふうに描けるのかとおもってしまった。細密に描かれた建物、衣装、海や山、御簾を透かして見えるかぐや姫、月から迎えにくる使者を迎え打つ兵士たちが屋根にびっちりと描かれている場面は、ざわめきや音が聞こえる。最後は富士山のいわれが描かれている。
 今年の最高の傑作だとおもう。ぜひ、手に取って子どもからおとなまでひろく読んでほしい。とりあえず新刊のおしらせ。また、あとでゆっくり読んで感想を書きたいと思う。

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