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2014年6月25日 (水)

ふたばからのおたより -6月―

       
              物語を紡ぐこと

 今日はこれから近隣の保育所で、月1回のおはなし会。年中組の子どもたちに「こすずめのぼうけん」を語る。最後の場面、「それから、こすずめは、おかあさんのあたたかいつばさの下で眠りました」と言って、物語は終わる。そのほっとした終わり方がとてもいいのだけど、それでも語りながら、心の奥の方がチクリと痛む。
 ホームドラマの一場面に、ふと寂しさを感じてしまう子どもがいる。ごく、わずかだけど。折りたたんで奥底にしまい込んだ、ずっと昔の家族が幸せだった時間を心の基地にして生きている子どももいる。年齢に関係なく、人間の孤独とは、とてつもなく深いものだと思う。
 少し前から、日本の児童養護施設にも「ライフストーリーワーク」というプログラムが取り入れられるようになってきた。私は勉強をしたわけでないので詳しいことはわからないが、アメリカやイギリスで行われてきたプログラムで、児童福祉の保護のもとにある子どもたちが、信頼できる大人に手助けを受けながら、絵や言葉、写真や出来事を追って、自身の生い立ちを「ライフストーリーブック」に作り上げていく作業だという。途切れ途切れの記録や中断された思い出しか持たない子どもたちも多い。生まれたばかりの僕、初めて歩いた私を知る大人が近くにいない。誰かに支えられ、自分の物語を紡いでいく作業を通して、生まれてきたこと、今ここで生きていることを肯定的にとらえ直す目的があると聞く。
 けれど、こうしたプログラムを通さなくても、以前関わっていた施設出身の青年たちや、その後出会ってきた子どもたちは、自分の物語を聞いてもらいたくて聞いてもらいたくて仕方なかったように感じる。決して楽しかったことばかりではなかったはずなのに、「あのさ、おれさあ・・」と話しかけてくる顔は妙にあどけなく、私はそんな彼らの小さい頃の話を聞くのがとても好きだった。何でもない台所で、部屋の片隅で、ふいに始まるそれぞれの物語は、「むかしむかし、あるところに・・」と語り継がれてきた物語に似て、日常と永遠の間を揺らいでいたように思う。
 物語の持つ不思議さには、とても触れきれないが、でも私は、どこかで、生きていくことは物語を紡ぐこと、そんな風に感じてしまう時がある。
P1010005_21
写真は、何日か前の早朝見に行った千葉公園の大賀ハス。朝6時過ぎなのに写真機を持った人々でごった返していました。          (の)


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