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2014年5月10日 (土)

家にいたイリオモテヤマネコ

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「家にいたイリオモテヤマネコ」
たくさんのふしぎ6月号
戸川久美・文
横内襄・絵
福音館書店 本体667円
著者は小説家戸川幸夫さんの娘です。この絵本はどちらかというと生物学上の「イリオモテヤマネコ」の生態の絵本というより著者からみた戸川幸夫の伝記、イリオモテヤマネコをしばらく家で飼育したこと、それ故の、驚き悲しかったこと嬉しかったことが書かれています。戸川幸夫は日本中を取材しながら、動物文学を書き続けてきました。1964年頃沖縄県の西表島を取材に訪れました。どうも西西表島に野生のネコがいるという話を聞いて、自分で確かめたくなり西表島にいきます。作家になる前に新聞記者をしていたので、調査・取材などが徹底しています。その後オス・メスが捕えられ、東京まで送られてきます。そして816日間後上野の国立科学博物館へ運ばれるまで作者の家で飼うことになります。野生の肉食動物は生きている小さなものを食べます。生きたヒヨコが餌、そのショックやなかなか懐かないペットにならないこと、西表島の自然のこと、観光化されて交通事故の犠牲になり絶滅の危機になっていることなどが書かれています。<戸川幸夫が野生動物にこだわって小説を書いてきたのは野生の世界を見てそこを守りたかった>折り込みふしぎ新聞よりーこのことはイリオモテヤマネコだけの問題ではありません。自然と人間の共生の難しさがあります。そして、著者は<私たち一人一人ができることをやっていかなければ>と言っています。眼光鋭い野生のネコ、「イリオモテヤマネコ」が私たちをみつめて何かいいたそう、というのは人間の側の思い込みかもしれませんが。「イリオモテヤマネコ」は生きられる命を精一杯生きています。


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