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2014年5月28日 (水)

 ふたばからのおたより  ―5月―

      

             運動会の季節

 いつ頃からか、運動会は春というのが定番になってきた。近隣の小学校からも毎週のように賑やかなマーチや歓声が聞こえてくる。
うちの子どもたちの時代から、もう春の運動会だったな、と思い出す。そう、上の子の初めての運動会が近づいたある朝、子どもが起きてこない。おなかが痛いとべそをかいている。熱はなし、共稼ぎ夫婦でそう簡単に仕事は休めない。それに長男は、保育園時代から嫌いなプールがある朝は、おなかが痛くなったりしていたので、とにかく送り出して泣きながら登校する後姿を見送った。
原因がわかったのは、しばらくたってから。その日は運動会の総練習の日だったという。長男は、ある競技の先頭で歩くことになっていて、音楽に合わせての歩き出しのタイミングが自分で掴めなかったらしい。朝学校に行ってからも「頭が痛い」と保健室に行ったりして、流れる音楽と踏み出す一歩の重圧が彼の中で抱えきれないほど大きくなって、でも何とか総練習にも参加でき、「それでいいんだよ。」と先生から言われてほっとする様子をクラス便りで初めて知った。ひどい親だ。
子どもは、意外に大切なことは親に言わない。自分自身を振り返っても、そうだったと思う。とても大切なことを呑みこんで呑みこんで、体の不調として出してしまったりする。長男の登校前の腹痛は、このことでケロリと終わったわけでなく、夏にかけて繰り返されるようになった。結局私はこの子の初めての夏休みに合わせて1か月半、頭を下げて仕事を完全に休ませてもらうことになる。
「子どもを育てる」なんておこがましいと思いながら、一人の人間として育っていく過程で大きな影響を与える存在だったことは事実なわけで、楽しさだけでなく、きつさや苦さだけでなく、その両方があったからこそ、もう丸ごと愛おしい時間だったとしか言いようがない時を過ごさせてもらってきた。自分の子どもだとか、社会の子どもだとかいうことを超え、命そのものが持つ震えるようないじらしさに、時おり心動かされてきた。それが、たからものだった。
今の若い人たちに伝えられるだろうか。伝わるだろうか。迷いながら書いている。
P1010053
写真は、父が丹精込めて育てていたサツキ(ツツジでなく、サツキだと思います)、父が死んでからほとんど咲かなかったのに、建て替えて2年目、陽があたるようになった今年は、こんなに咲きました。          (の)                      


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12月の営業とお休み

  • 12月のお休みは28日までありません。
    *お休み 28日午後から1月4日まで *営業時間 10:30〜6:00 日曜日は1:30〜6:00

お仲間にどうぞ

  • 冬のおはなし会
    赤ちゃんからお年寄りまで、絵本を読んだりお話を聞いたり、さあ!はじまり・・・はじまり
  • 12月の定例会
    すべての集まりの定例会はお休みです
  • ー元気になる集まりいろいろー1月の予定
    *よいこ連盟(保育士・なろうとする人)12日(金)7:00〜                   *Y・Aの会 読書会(どなたでも)11日7:00〜 「とりあげる本 わたしを離さないで」     *学ぼう語ろう〜15日1:30〜「母の友1月号を読む(どなたでも) *絵本の会  19日7:00〜(誰でも)             *グループ放課後 読書会(公共図書館司書・その他)17日(水)7:00〜             *ボランティア講座 非公開 22日(月)10:00〜         *憲法カフェ30日(火)「沖縄は今」 28日(火)7:00〜(事前参加申し込み受付)        *羊毛チクチクの会 未定(事前参加申し込み受付)                                                                                                                         

できることから

これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山