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2013年4月25日 (木)

ふたばからのおたより -4月―

          柿の葉のてんぷら

Photo
 1か月前のブログで、我が家の役に立たない柿の木の写真を載せた。10年にたった1個だけ実をならせた痩せっぽちの柿の木である。
 用があって立ち寄った会留府で、阿部さん曰く「知ってると思うけど、柿の葉には栄養がいっぱいで、柔らかい若葉をてんぷらにするとおいしいし・・・。」 いえいえ、そんなこと知るはずもない私は、好奇心から早速作ってみた。2日後の我が家の夕食、シシャモのフライの横に柿の葉のてんぷらが盛られた。「何のてんぷらか、当てたら一万円!」自信満々に私は言う。「タラの芽じゃないし・・、癖ない味だね。」と90になった母も好奇心だけは強い。実をつけない柿の木を目の敵にしていた旦那にわかるはずもなく、3人の静かな食卓に驚きの声があがる。来年の友人たちとの花見には、是非このてんぷらを作ってほしい、と母。おかげで柿の木、命拾いをして、何か堂々と葉を茂らせている。
 何日か前の新聞に劇作家の平田オリザさんの意見が載っていた。何故復興が進まないのか。地縁血縁が強すぎる地域社会の排他的意識と新しい利益共同体の合理的な冷たさと、そんな二極でなく『その中間に、文化によって結びつく、もう一つの共同体を想起することは夢物語だろうか』とオリザさんは述べる。
 社会福祉の現場、特に養護の現場にいると、同じことを痛感する。『情』の狭い熱さと欧米からの新しい発想の間を右往左往している私自身が歯がゆくてたまらない。でももしかしたら、この二極を繋げるヒントは、日常に降り積もる「何でもないこと」の文化にあるのかもしれない、と、ふと思った。そう、柿の葉のてんぷらのように。へえ、と驚き、恐る恐る食べて、また驚き、話し笑い、来年に思いを繋げる、そんな日常のささやかな文化が、柔らかな若葉のようなしなやかな文化が、いつか何かに繋がっていく。そう信じたいと思った。柿の葉に感謝である。
でもね、これだけ褒めたのだから、今年の秋にはぜひ甘い実も食べてみたいものだとも思っている。
                                  (の)


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