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2012年11月 5日 (月)

ディヴィッド・アーモンド講演

ディヴィッド・アーモンドが来日する、その講演会の案内をもらって、しばらく迷っていた。ともかく体調があまりよくないので仕事が滞ってしまい、月曜日の定休日だけれどとても休んでいられない状態だった。なるべく外国の作家や画家の講演は行くことにしていたけれど、ひとりでなにもかもしなければならなくなってから、時間の余裕がなくなった。ぐずぐずしていたけれどこんなことではダメと午前中の読書会の時間を少し変更してもらって駆けつけた。やはり行って良かった。
Jpg
「肩胛骨は翼のなごり」
ディヴィット・アーモンド
山田順子・訳
東京創元社
 

この本の初版は2000年、長い間確執のあった母を亡くしてほどなく、父も病を得て仕事と気持ちのなかで折り合いのつけるのが精一杯の時読んだ本の一冊だった。今でもそうだけれど、ただ本を読む事でなんとなく気持ちが落ち着く事がある。母が難病で苦しんでいる時はひたすら推理小説を読んだ。”ともかく本が好きなんですね”といわれることがあるけれど、それともちょっと違う。だからあまり解り易く書かれている本より、どちらかというとあまりわけのわからない本の方が良いことが多い。
 少年の一家が古い家を買う。そこでは老人が動けなくなって死に一週間たって発見されたという。その家の庭にガレージと称する物置小屋があり、少年は入ってはならないといわれてはいたが、入り込んで箱の隙間にひとりの男がいるのを見つける。痩せおとろいてクスリ中毒のような男、少年はそこに少しの食糧やアスピリンを運ぶ。一方少年の家に誕生したあかちゃんは病気、しかも生きていけるかわからない、しだいに家族はなにかの魔にとりつかれたように崩壊寸前になっていく。隣家の少女ミナと知り合ったのはそんななかだった。ふたりでその男と係わりをもち不思議な体験をすることになる。そして、あかちゃんの手術、そのことを母親はこんなふうに少年にいう。かって、わたしたちはみんな翼をもっていたかもしれない。そして、いつかうちのあかちゃんも翼をもてるかもしれない””ときどきかあさんは、あの子はまだ天国を離れきれなくて、この世にちゃんとおりたっていないのだとおもう”(P40-41)
 ディヴィット・アーモンドは言う。本というものが大好きだ、ストーリーや詩は世界の中で私たちをつなげてくれる、と。イマジネーションのすばらしさ、それは使えば使うほどふえるとも言う。また、イラストレーションとの関係の発言もあった。そして、手で書く、「創作ノート」があって、実物を見せてくれた。
 コーデネート役の金原瑞人さんの手さばきもみごとに、とても良い時間をもつことができた。昨夜あらためてアーモンドの本を読みながら、彼の詩に近い物語とはじめて読んだ時のことを思い出した。だから本は私にとっては<喜び>につながるひとつなのだ。時々読み返してみる。何度も著者の声を聞く事ができる。(今日は実際に話を聞く事ができた。)

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