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2012年9月27日 (木)

 ふたばからのおたより -9月―

       「暮らし」を考える

私ごとだが、この21日から建て替えのための仮住まい暮らしが始まった。平面の間取り、最低限の荷だけ解いて、あるもので何とかするというシンプルな暮らしが、今本当に心地よい。
養護に関わる仕事をしていると「暮らし」をどう考えるか、という問題をいつも突きつけられる。まず、子どもたちにとって、「暮らし」そのものの場が、職員にとっては「労働」の場であるという事実。それから、どんどん施設が近代的でおしゃれに生まれ変わっていった変化。いや、それは、悪いことではない。子どもたちにずっと関わり、ガラスの割れたような暗い建物に押し込めて育ててこざるを得なかった職員たちの永年の夢でもあったから。でも、近代的システムの中で、何でもない「暮らし」の感触が見えにくくなったことは感じる。必要なものはいつも手近に用意されている。時間になれば、栄養価の計算された食事ができてくる。「おかえり」「おやすみ」の声かけ、窓の大きな天井の高いリビング、大きな画面のテレビ・・、そう、いいことなのだ。それは、いいことなのだ。
 家の建て替えで業者と打ち合わせをしていると、ちょっとでも便利な間取り、設備を提案される。そりゃそうだ、新しく作るのに、少し不便な方が、とは言えない。でも、「暮らし」は、ちょっと足りないくらいがちょうどいい、と思う。ちょっと足りない不便さに、少しずつ馴染んで、自分なりの工夫を生み出して「暮らし」を作っていくのが、私には心地よい。
 家には、そこに住んでいた者たちの様々な思いが詰め込まれ、思い出の品として押し入れ、物置、納屋、箪笥の上、引出、机の下、物陰・・、ぎゅうぎゅうに詰め込まれ溢れかえり、重たかった。本当に重たかった。人はこんなにも物に囲まれ、物に圧迫されて生活してきたのか、と今思う。トルストイではないが、人間にはどれだけの物が必要なのか、何度も考えながら、何ヵ月もかけて家を片付けてきた。やっと、生活が手のひらに戻ってきたように感じる今、もう少し今の暮らしを味わいながら、「暮らし」について考えてみたい。
 Photo_2

  写真は、もうすぐ取り壊される我が家です。     (の)


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