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2012年6月28日 (木)

ふたばからのおたより -6月―

     
隣る人(トナルヒト)

6月はじめ、東中野ポレポレ座で「隣る人」という映画を見た。埼玉にある、ある児童養護施設で刀川(たちかわ)和也監督が8年にわたり半分共に暮らすような形でビデオ撮影したものをまとめた映画である。
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 映画「隣る人」刀川和也監督/パンフレットより

児童養護施設は、様々な理由で親と暮らすことのできない子どもたちの暮らしの場、舞台となった施設は、よくある職員の交代制の勤務ではなく、1人の保育士が5人の子どもたちと暮らし、他の職員はそれをサポートする体制、それぞれの家は担当の保育士の名字をつけた「○○家」と呼ばれ、そんな家が集まって施設になっている。「隣る人」とは、この施設の創設者の造語で、子どもの存在をまるごと受けとめる人という意味だそうだ。小さい子どもたちは、保育士と布団を並べて寝る。学校から帰り、ただ何ということなく、保育士の周りをチョロチョロして過ごす。実の親がいる子どもも多い。何とか子どもとの関係を取り戻そうと一生懸命なお母さんがいる。一生懸命になればなるほど、子どもとの心はすれ違っていく。その経過を見守ってきた保育士の方の言葉がいい。
 「子どもと毎日暮らしているとね、こんなにたくさんの嫌な面を見せられる。嫌な時間がある。でも、ほんの一瞬キラキラした面も見ることができる。その一瞬で、たくさんの嫌な面、嫌だった時間が消えてしまうの・・。たまにしか会わないお母さんはつらいよね。ほんの少しの短い時間の中で、いいところを見せなきゃ、見せなきゃと頑張らないといけない。そうして、すれ違っていく。」
 「ぶっ殺すぞ」と口癖のように言う女の子が誕生ケーキを前にして見せる、はにかんだ表情。年上の子に殴りかかってニヤニヤしているような腕白な幼児が、担当の保育士が隣りのお布団にやってくるのをじっと待ち続けている。そんな、あたり前の時間が淡々と流れていく。
 監督は、「血縁」でない繋がりを見つめたくて作った映画だという。「血縁」で繋がった家族にも、「血縁」で繋がらない子どもたちを育てる施設の職員の人たちにも、今の日本の子どもたちのこと、親子のことを考えている人たちにも是非見てもらいたいなあ、と思った。東中野ポレポレ座では、この29日金曜日まで。その後、近隣だと横浜等でも上映されていくとのこと。


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12月の営業とお休み

  • 12月のお休みは28日までありません。
    *お休み 28日午後から1月4日まで *営業時間 10:30〜6:00 日曜日は1:30〜6:00

お仲間にどうぞ

  • 冬のおはなし会
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  • 12月の定例会
    すべての集まりの定例会はお休みです
  • ー元気になる集まりいろいろー1月の予定
    *よいこ連盟(保育士・なろうとする人)12日(金)7:00〜                   *Y・Aの会 読書会(どなたでも)11日7:00〜 「とりあげる本 わたしを離さないで」     *学ぼう語ろう〜15日1:30〜「母の友1月号を読む(どなたでも) *絵本の会  19日7:00〜(誰でも)             *グループ放課後 読書会(公共図書館司書・その他)17日(水)7:00〜             *ボランティア講座 非公開 22日(月)10:00〜         *憲法カフェ30日(火)「沖縄は今」 28日(火)7:00〜(事前参加申し込み受付)        *羊毛チクチクの会 未定(事前参加申し込み受付)                                                                                                                         

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