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2011年12月28日 (水)

海からのおたよりー2011年12月

  東京ミネラルショー

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 毎年12月に池袋で3日間にわたって「東京ミネラルショー」という鉱物や化石などの大規模な展示即売会があります。長い間、ミネラルショーをはじめデパートなどで貝の展示即売会をされてきた「SELL HOUSE」さんが最後の出店ということで行ってきました。
 東京ミネラルショーは国内外の石のバイヤーが多数出展していました。宝石の原石や裸石が所狭しと並んでいて圧倒されました。その中で異彩を放つのが「SHELL HOUSE」という貝ばかりを売っているお店です。おなじみのいつも笑顔の店主がいました。このお店はこどもがお小遣いで買えるような貝から数十万円もするような超マニアが満足するような貝まで扱っています。千葉県立中央博物館の二宮コレクションにもこのお店で買った高価な貝をいくつもありました。現在では貝はインターネットでいつでも買えますが、貝のコレクションブームだった40年ほど前はデパートでの展示即売会が貝を手に入れる数少ないチャンスでした。ガラスケースに並ぶ外国の美しくめずらしい貝は祖父はじめ当時の風流な人たちに非常に人気がありました。わたしもこどものころからのおつきあいがあり、ずいぶん買ったものです。今回で逢えなくなるのかと思うと非常にさびしい思いがしました。
 店主の村上さんは子どもが買った安い貝にもひとつひとつ名前をつけてくれ、貝を心から愛している方です。なにか記念になる貝がほしかったので奮発して長い間欲しかった「シャンクガイ」を買うことにしました。すると村上さんが奥から「こんなのもあるよ」とみごとなシャンクガイを出してきてくれました。「スリランカで買ったとき300ドルしたんだ」わたしは目が回りそうでした。こんなりっぱな貝を私が持っていていいのかな、と思いながら安くしてくれたので迷わず買いました。シャンクガイはチベットでは「聖なる貝」として祀られます。現地では宝石や珊瑚で飾ってラッパに加工されることが多く、日本で山伏が吹くホラガイのルーツだともいわれています。
 重いシャンクガイを持ちながら、「貝の移動展示即売」という時代が終わったことを実感しました。あれこれと迷うことなくネットで貝の写真だけ見て買う、そんな味気ない時代になってしまいました。近年はたしかに貝は非常に安くなり、買いやすくなりました。貝の産地も、人気のある貝も、集め方も変わってきています。でも、即売会で見てわくわくしたり、つぎはなにを買おうかなと思ったり、そういうときめきがなくなるのは残念です。
ちいさな男の子がおとうさんにホネガイを買ってもらっていました。彼が“貝の世界”に興味を持ってくれたらいいな、と密かに思いました。
  どんぐりつうしん変集長  谷口優子


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自然」カテゴリの記事

コメント

私は、身近な海で拾うことだけをやってきた人間なので、貝を交換したり、買ったりというコレクターの世界とは縁がない人間です。
それでも、編集長の記事を読んでいると、こうして手に取っていろいろな貝に触れることで貝に帯棲め興味を広げてくれる子がいることを実感します。
こうした展示会がなくなってしまうのは、残念ですね。
ホネガイの彼、貝に興味を持ってくれるといいですね。

海から遠いところに住んでいたので「拾う貝」と「買う貝」があることを幼いうちから知っていました。
「拾う楽しさ」に夢中になりながらもあこがれの貝を目にするとほしくなるのがコレクター魂というものなんでしょうか。(笑)

水族館や博物館で”貝の展示”はとても少ないですね。「かはく」でもミュージアムショップに標本はごくわずかしか置いてありません。おみそ汁の具としてもあまり人気がないようですし、こどもが貝に親しむ機会がどんどん減っているのが残念です。

お店のおじさんが「こっちのほうがいいよ」、と大きな貝にとりかえてあげていたのが印象的でした。幼心にもなにか感じた、と思いたいです。

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