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2010年4月 7日 (水)

詩の楽しみ

             詩の楽しみ

 まず、誰でも知ってる詩をひとつ。

       ぞうさん      まど・みちを

 ぞうさん
 ぞうさん
 おはなが ながいのね
  そうよ
  かあさんも ながいのよ

 ぞうさん
 ぞうさん
 だあれが すきなの
  あのね
  かあさんが すきなのよ

 さて、ぞうさんに「お鼻が長いのね」と言ってるのは、■ほめている、■悪口を言ってる、のどちらでしょう。両方解釈できますが、まど・みちを自身は■です。阪田寛夫の『まどさん』(新潮社・絶版)に本人の談話が載っています。
「私のはもっと積極的で、ゾウがそれを「わるくち」と受けとるのが当然、という考えです。もし世界にゾウがたったひとりでいて、お前は片輪だと言われたらしょげたでしょう。でも、一番好きなかあさんも長いのよと誇りを持って言えるのは、ゾウがゾウとして生かされてることが、すばらしいと思ってるから」(23p)

 こんどは、べつな人の詩をひとつ。

 しまうまの Q & A 
            萩尾望都『スフィンクス』
            フラワーコミックス(小学館)

 「おかあちゃん
 どうしてぼく
 しましまなの?」

 「だって
 しまうまだもの」

 「しまうまって
 なんで
 しましまなの?」

 「ちがうのよ
 ぼうや
 しましまだから
 しまうまなのよ
 わかった?」

 「うーん?
 わかんない」

 「わたしたちが
 インパラみたいに
 茶色だったら
 ロバと見分けが
 つかないじゃないの」

 「ぼくねえチータみたい
 ドットだったらよっかった」

 「そんな子はうちの子じゃ
 ありません」

 「チータの子になる」

 「あっちは肉食よ」

 「食べてみる」

 「食べられるのは
 おまえだから おやめ」 

 さあ、しまうまのかあちゃんは、ゾウのかあさんと、だいぶ違うようですね。そう思いませんか?まずシマシマの理屈を言ってますが、理屈になってません。「どうしてシマシマか」→「シマウマだから」→「シマウマはなんでシマシマか」→「シマシマだからシマウマ」。それでぼうやがわからないと「茶色だったら困る」との実利的な説明でごまかしてます。ぼうやが、チータのほうがいいと言うと、「そんな子はうちの子じゃありません」。よくある反応ですね。
 母親の期待にそえない子は、いらない訳です。それで子供が反抗したり、自立心を見せると「世の中はそんなに甘くない」と冷水をあびせる。どこかのお母さんにいませんか?
 一見、かわいらしい詩に見えても一筋縄ではいかないものですね。
                
                (高橋峰夫)

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