« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

ひとりたりない

Htbookcoverimage_3


「ひとりたりない」
今村葦子・作
堀川理万子・絵
理論社 本体1300円




 琴乃の家のたりないひとりは志乃おねえちゃん、もうすぐ夏休みが終わりという日でした。中一のおねえちゃん、私は五年生で弟の周斗は二年生、三人でアイスクリームを買いに行くところでした。周斗はサッカーが大好きで、その日もサッカーボールをバウンドさせていました。どうしたのかボールが横に跳ね、それを追いかけて車道に飛び出しそうになった周斗をおねえちゃんがつかみました。でも、つかみそこねておねえちゃんが前のめりに車道へ、そして車のブレーキの音、おねえちゃんは車の下に。その時から私の家は一人たりなくなったのです。たりなくなったどころか、なにもかもが狂ってしまいました。自慢の娘がいなくなった両親はお酒におぼれ、弟は話をしなくなり、おもらしをするようになり、いつも指を吸いながらかげにかくれてじっとしています。琴乃の家族はプッンと糸が切れたように、みんながばらばらになり、どうなっていくのかわかりません。とうとう苦しくておばあちゃん、おかあさんのおかあさんにS・O・Sの電話をしました。”おばあちゃんたすけて!”
 とても重たい物語です。作者はこの決してありえないとはいえないことに、この家族はどうむきあっていったかを語っています。S・O・Sでやってきたおばあちゃんは、たとえ誰も食べなくとも決まった時間に食事の支度をしました。それ以外にも、いつものどおりに規則正しく生活をしていくこと、とくに自分のせいだと苦しんでいる幼い周斗をそのままに受け入れます。歌をうたったり、本を読んでやったり、自分流にまっすぐに。
 すこしずつ、もとの生活に戻っていきます。そしておばあちゃんの病気で、周斗は自分を必要としている家族がいることに気がつきます。ただ、かといってこの物語は「家族で不幸を乗り越えていきました。おしまい!」というふうになっていません。「時間が解決してくれる」というような結論にもなっていません。やっぱり「ひとりたりないのです」それで良いのではないかと、経験のあるおとなの私は思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こぶたのむぎわらぼうし

Htbookcoverimage


「こぶたのむぎわらぼうし」
森山京・作
佐野洋子・絵
小峰書店 本体1400円




 ぶたのおかあさんがこぶたたちにむぎわらぼうしを編んでくれました。同じではまちがえるといけないので、しるしを付けた方がいいと言いました。みんなは考えましたが、いちばんおちびさんのこぶたはなかなか決まりません。やっとねこのおばあさんのお手伝いをしてうすももいろのリボンをもらいますが、それを見たおかあさんのお気に入りになりそうなので、おかあさんにあげることにして、またこぶたは探しにいきます。きょうだいこぶたもみんなそれぞれ見つけて帰ってきました。みんなにからかわれて、空の青い色と答えてはみたものの、どこにあるでしょうか?
 7匹のこぶたなので、いろは虹のいろになりますね。特別どきどきするようなお話ではない、日常的なことを物語にしていますが、こぶたの気持ちがそれとなく書かれています。それになんといっても挿絵がとてもいい。甘ったるいこぶたたちの表情でなく、目の細い、鼻の大きな、はち切れそうな頰、健康なこぶたたち、元気なかあさんぶたが我と忘れて踊る場面はとても楽しいです。こぶたはねえさん、にいさんにいじめられてからかわれても、ぐちゅぐちゅといいません。空色のしるしは見つかった?もちろんですよ!
 1・2年生の子どもたちがひとり読みのできる本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ネコのホームズ

Htbookcoverimage


「ネコのホームズ」
南部和也・作
YUJI・絵
理論社 本体1200円




今年は早くの夏休みの入りになりました。いつものことですが、7月後半から8月は絵本より読物、科学の本について聞かれます。読書力がない、国語の成績が悪い、夏休みに読ませたい本などの質問が多いのもこの時期です。まえほど作文のための課題図書についての質問はなくなったのは、良いか悪いかは別として、千葉では夏休み前に感想文を提出してしまうためと思われます。でも、学力向上のためにの読書という呪縛はなかなかなくなりません。
 この本は「ネコのタクシー」(福音館書店)で子どもたちの人気が高い作者の新刊、ここでのネコは探偵、つまりホームズという名前のネコの探偵の話です。ホームズはイギリスのヘイスティングスにある動物病院、モーガン先生に飼われていたネコでした。けれど、モーガン先生はホームズに家の所有権と病院の営業権を残して死んでしまいました。残されたホームズはこの病院をひきついでくれる人を求む!と広告をだします。そこに来たのはちょっと気が弱いのですが、若い獣医師ダニーです。ホームズとダニーと住み込みのやさしい家政婦サットンさん、役者はこれでそろい、ネコのホームズの探偵の物語ははじまります。
 物語は3話はいっています。もとのシャーロックホームズの小説のように、どの話もちょっとイギリスの話らしく、理屈っぽく推理小説らしい、(探偵小説なのでこれ以上紹介しませんが!)でも、ネコが主人公なのでユーモアもたっぷりです。”このネコかわいくないね”といったおとながいましたが、なんといってもホームズはパイプをくわえたネコの名探偵、このおかしな探偵コンビはふしぎな事件をみごと解決します。
 3年生位からにおすすめです。124ページとあまり厚くないのも暑い夏の読書にはうれしい?!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

海からのおたより2009年7月その2

  
最近の千葉ポートパーク・エゾカサネカンザシその後
 〜(写真はクリックするとようすが良くわかります。)〜
2009


 今年の春、護岸にびっしりとついていたエゾカサネカンザシ(海からのおたより2009年3月)ですが、23日に観察したところ、ほぼ死滅していました。ゴカイの真っ白な石灰質の管が黒く変色してヘドロがついていました。先月あたりからエゾカサネカンザシの上にびっしりと二枚貝のムラサキイガイが着き、その上を肉食の巻貝のイボニシが襲っているという光景にかわっています。

2009_012
2009_011
2009_017




 あんなに大量についていたエゾカサネカンザシはどうして死んでしまったのでしょう。原因はよくわかりません。案外寿命が短いいきものなのかもしれません。ムラサキイガイはムール貝・カラスガイと呼ばれているヨーロッパ原産の貝です。一時より数が減りましたが今度は大発生しました。ゴカイの管の上という不安定な場所にいるので一部貝の塊が崩れてしまっています。イボニシは10年ほど前まで船底にフジツボなどの付着物を除去するために使用されていた有機スズの化合物(内分泌かく乱物質・環境ホルモンの影響によるとみられるインポセックス)で激減していました。しかし使用が禁止になってから、特にここ数年は急に増えています。卵がたくさん生みつけられていたのです。この貝がこれからますますふえるのではないかと思います。(写真は左から「エゾカサネカンザシ09.7.23」「エゾカサネカンザシとムラサキイガイ」「イボニシ・黄色いつぶつぶは卵」)
 人工の小さな干潟ですが短い間にも環境はとても大きく変化する場所です。
 赤潮が出ていたのに水遊びをする親子がいてちょっと気の毒になりました。

     どんぐりつうしん変集長 谷口優子

| | コメント (0) | トラックバック (0)

夏がきた

Dscf1129
 一週間位前からセミの鳴き声を聞くようになりました。蝶は春の訪れなら、セミは夏の到来です。今朝6時頃水やりをしていたら、やっと羽化が終わったばかりのセミがバタバタとさわぎました。ジョウロの水が葉の陰にいたセミに降り注いだようです。あわてて捕まえてみると、すでに体は羽化が終わっていましたがまだ飛ぶことができません。このまま土の上に置けばアリのえじき、木の葉の上に置いたら、下に落ちてバタバタするだけでした。1時間ほど家のテーブルの上に置いておいたところ、体の色も変わってきたので、外に連れて出たら飛んでいきました。ミンミンゼミです。よかった!これからセミの鳴き声はうるさいくらいにぎやかになりますが、一方羽化しそびれたセミを時々見ます。時にはアリがひっぱっていたり、これも自然の摂理です。鳥も朝、夕、鳴いたり餌を取ったりと活発に動きまわります。今朝はもうひとつの夏のたより、わが家のスズムシの初鳴きを聞きました。去年は記録によると8月5日が初鳴きでした。いよいよ夏が本格的になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

じしゃくのふしぎ

207983


「じしゃくのふしぎ」
フランクリンM.ブランリーさく
トゥルーケリーえ
かなもりじゅんじろう やく
福音館書店 本体1300円


 じしゃくはものがあまりなかった私の子どもの時も、比較的手頃な遊び道具でした。小さなじしゃくで砂の中からくっついた砂鉄を紙のうえに集めて、下から磁石で動かして遊ぶ、理科の実験というより遊びにちかかったと思います。残念ながらそのことから何を学習したかあまりおぼえていません。
 この本ははりを使って、はりをこすりつけじしゃくにしてしまうことから、地球そのものがじしゃくということ、コンパスのN、そして電気がながれるとじしゃくの力がうまれること、地球には深い所に電気がながれているためと、地球の生成までの不思議なことが描かれています。ただ、このようなことも、ほんとはまだあまりよくわかっていないとのことですが。(この本はわからないことは、わかっていないとしっかり書かれています)そして、宇宙旅行や人工衛星などと、その不思議探検はつながっいきます。
 わかりやすいくユーモラスなイラストをたくさんつかったシリーズの一冊、おとなもいっしょに読んでみると楽しい一冊です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

宇宙に秘められた謎

Htbookcoverimage


「宇宙に秘められた謎」
ホーキング博士のスペース・アドベンチャー2
作 ルーシー&スティーヴン・ホーキング
訳 さくまゆみこ
岩崎書店 本体1900円



 昨日のお天気とうってかわって、今日は晴れた日になりました。自然は人に都合良くはいきません。
でも、すこしだけ自然は宇宙の神秘をみせてくれました。
 ホーキング博士、親子の宇宙の本の2巻目です。一巻目が主にブラックホールのことだったし、最後の挿絵から2巻目は彗星、宇宙と星の話ではないかと思っていましたが、2巻目は宇宙と生命のはなしでした。見返しは「1984年2月7日有人軌道ユニットをつけて地球をみおろす宇宙飛行士」の写真です。1巻目の主人公ジョージとアニー、そしてあたらしくコンピューターに関しての天才少年エメックが仲間にはいります。
 天才科学者のエリックはフロリダの国際宇宙機関に行くことになりました。アニーと別れるのはつらいけれどしかたありません。エリックは記念の望遠鏡とジョージの質問に答える「宇宙を知るためのガイド」を置いて行きます。ところが、アニーはいろいろと策略を練ってジョージをイギリスからフロリダに招くことを考え、おばあちゃんの協力で成功します。そして、エリックに預けられたエメックと知り合います。はじめはいがみあっていたものの、3人は知恵を出し合い協力しあわなければならないことになります。国際宇宙機関では地球以外に生物がいるか、まず一番その可能性が高い火星を探査するロボットホーマーが火星に降り立つことを見守っていました。火星着陸に成功しますが、なぜかおかしなことがおこります。故障?それを直せるのはコスモスしかないことに3人は気がつきます。コスモスはこわれていて、なんとか再起動できたもののまた、動かなくなってしまいます。でも、コンピュータープログラムに天才的なエメックの力でコスモスは動いて、ジョージとアニーが乗り込んで宇宙に飛び出して行きます。「宇宙を知るガイド」を読みながら。惑星、恒星や衛星、生物はいるのでしょうか、どんな生物でしようか、壮大な宇宙の秘密にせまります。
 1巻目と同じように冒険科学小説なのですが、科学コラムでこの巻にでてくる宇宙旅行、有人飛行、ロボットの働きなど、宇宙の成り立ちや生命のことが書かれていて、その間にたくさんの写真(鮮明できれい)や図版が入っています。とてもわかり易く訳されまとめられているので、科学コラムだけ読んでいてもおもしろく、また単なる冒険小説として読んでもおもしろい物語になっています。
 昨日の日食をはじめ、8月26日の天文の七夕の日の銀河、8月の見ることのできる流星群など、夜空を見上げての楽しみが夏休みにはたくさんあります。学校での学習とちがった本を読んだり、観察したりができる夏休みです。
 ホーキング博士は入院したとか、少し前新聞にでていましたがどうされたでしょうか。3巻目も期待してしまいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ちょっぴり見た日食

Dscf1117_4
Dscf1120_4
Dscf1122





 朝から雨です。屋外の観察はあきらめながら、科学館のなかのプラネタリウムでみれるかしらと風邪ひきをがんばって1時間程前に出かけたのに、もはやいっぱいでした。エントランスの大画面の中継で見ることにしました。説明があったのですが、ホールに共鳴してマイクの状態が悪く、気の毒なくらい一生懸命に子どもたちに説明されていましたが、何を言われているのか、私の場所からはほとんどわかりません。外の雨はどうやらあがったものの雲がたれこめています。しかも中継地点の奄美大島も空の状態はあまり良くないようでコロナやリングはみることができませんでした。12時半には終わりですが、残念ながら仕事があるので11時20分くらい、裏口から外に出たら人がだいぶ集まって空をみあげています。風が強いので雲がすごいスピードで動いていて、なんと時々雲の切れ目から太陽がかおをだします。それを見ている人たちでした。もちろん私もしばし、太陽がみえるとそれ!とデジカメで、でもやみくもに雲の動きにあわせて撮ったので、うまくいかず、これが精一杯でした。これは欠けていくのではなく、復元していくほうです。細い月のような太陽はとてもきれいでした。
 私は乗り物酔いがひどいので、あまり遠くへはいかれません。次に日本でみることができるのは?!歳、たぶんほとんど難しいので、今日の状態でも運が良かったと思っています。やっぱり自然は神秘に満ち満ちています。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

虹をみた

Dscf1112
Dscf1111

昨日の夕暮れのことです。どうも風邪をひいたらしく体がだるいままに一日なんとか店で仕事をしました。やっと、6時の閉店そこそこに帰宅しました。店を出た頃は雨とはいえないほどの空模様、あいかわらず湿気を含んだ強い風が吹いています。なんとなくフラフラと千葉高校の側の坂道を歩いているといつの間にか夕焼けがとてもきれいで、夕焼け空をみながら坂の途中で一休み、なんとなく反対側の空をみたら、大きな虹が空にかかっていました。左側は夕焼け、右側は虹と、坂の途中でポカンと立ち止まってながめました。夕焼けは時々見ますが、虹を見るのはとても久しぶりです。時々、私を追い越して歩いて行く人が、なんのことかと空を見上げて、一緒に虹を見ていきます。10分位でしょうか、だんだん薄くなっていきます。虹はどうしても全部見ることができません。だからお話のように消えるまで宝物が埋まっているという根元に行くことはできません。消えるまでに願いごとを三回となえるとかなえられるというお話もありますが、それを思い出したのは残念ながらずっと後のことでした。
 
Dscf1114
しばらく歩いて行くにしたがって太陽は低く沈んでいきます。太陽の位置が低い程赤くみえるので、空は夕焼けで燃えるよう、やがて暗闇がおとずれます。
 夜空は風が強かったためなのか、雲の切れ目から時々星がきれいにみえました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

化石から見えるもの

Htbookcoverimage


「0.1ミリのタイムマシン」
地球の過去と未来が化石から見えてくる
須藤斎
くもん出版 本体1400円




 わたしが初めて化石にふれたのは小学生で学校の遠足で出かけた先でした。山道を歩いていて、先生が崖になったところの地層の説明をされました。土のなかから掘り出した石っころの破片から、ここは昔は海だったとの話に、そんなことがわかるなんてと不思議に思いました。
 この本に登場するのは植物プンクトンであるケイソウの化石、その化石から地球の謎を知る話です。ケイソウは海や川にあり、その土や砂にもくっついていて、木や草とおなじように二酸化炭素を吸って、酸素を出す、大きさは約1㎜から0.01㎜より小さい、光合成をするために光を必要としますが、どこにでもいる働きものとのことです。絵を描くことが大好きな少年は生きた化石の「シーラカンス」をテレビでみて化石に興味をもちます。そして、化石という昔のいきものである古生物の研究から、ケイソウをとおしての地球の歴史を調べていきます。その調べ方が順序よく描かれています。まず観察、ともかく観察をして調べる。それを分類する。そして、それを他の人にもわかるように記録をし発表する。どのようにして、どんな道具を使って、どうやって記載したかの道筋がとてもわかり易く描かれています。絵描きになりたかったといわれるだけあって、本のなかのイラストもほとんどが作者の自筆、写真より手書きのほうが、よりわかりやすいとの言葉はうなずけます。(絵本でも写真と手書きでは全然別のものといえます。写真は時間を瞬時に切り取ります。一方立体的な表現は手書きの方がすぐれているとおもいます。)
 そして、ケイソウのなかまのひとつ、著者の言葉では「お休みケイソウ」の化石が世界で初めて分類され、地球の歴史を調べるために北極海に行ったことが後半に書かれています。一緒に暮らした世界の研究者たちとの交流も書かれていて、勇気をもっていろいろな人と話し合うことの大切さと楽しさにもふれています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

とびらをあければ魔法の時間

Htbookcoverimage


「とびらをあければ魔法の時間」
朽木祥 作
高橋和枝 絵
ポプラ社 本体1000円




 水曜日はバイオリンのレッスンの日です。いま、わたしはメヌエットでつっかえています。練習もしているのに、どうしてもうまくいきません。おかあさんはもちろんのこと、犬のトトにさえ嫌がられています。”どうしたのですか!もう嫌になりましたよ。”といわれているようです。今日もレッスンに行く途中、どうしても気がすすまなくて、つい途中の小さな駅「鳥の井駅」におりていまいました。どこともなく歩いていくと雨が降り始めたので、雨宿り、「すずめいろ堂」という看板にひかれ、中にはいってしまいました。誰もいません。ともかく床から天井まで本がつまっています。陶器の犬がおいてあり、そばに、やはり陶器のスズメがちいさなメッセージカードをくわえていています。<どんな本をお探しですか>と書かれているので一冊の本を手に取って開けると、白いハトがとびだしてきました。次の本では黒ウサギ、ラクダまででてきます。どうなっているのでしょう。魔法の家で魔法の時間のはじまりです。
 おとなでいえばスランプというのでしょうか。おとなは子どもはいつも元気と思っているので、そんな落ち込み方はあまり理解できません。つい、なまけているとか、努力がたりないとか、あげくのはてには”そんなに嫌ならやめなさい”なんていってしまいます。そうではない、そのスランプを脱するためにはちょっと魔法が必要なのです。
 作者はとても言葉のつかい方が上手です。感情にもたれかからない、そして、日常に使わないけれど心に響く言葉を意味をこめてつかっています。<すずめいろどきが、そろそろ、しゅうりょうします。また、きてください><☆のように、いそがず>(これはゲーテの言葉と注があります。)そして、その言葉が絵に描かれるように書き込まれています。魔法の言葉です。
 <すずめいろどきが、もはや、しゅうりょうしてしまいました>こんど来たときはすずめ堂の本のなかからいったいなにがとびだしてくるでしょう。わたしはまた、レッスンに行こうと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

7月のお盆

Dscf1108



関東も梅雨が明けたとのことです。暑いだけでなく今年は強風でどこもここもジャリジャリです。いつもの年だと梅雨明けにはかなりのまとまった雨が降って、ともすると雷まで大騒ぎ、そしてかぁ~と太陽が照りつけるのですが今年はぐったりです。
 朝7時頃庭の植物に水やりをと裏にいってみると、ローズマリーの茂みのなかにトンボが羽を休めていました。そばにいっても逃げません。風と暑さに弱っているようです。しかも、羽化したばかりなのでしょうか、体のいろも薄いような気がします。でもしばらくしていってみたらいないし、下にでもと探して見ましたがいないのは、飛び立つことができたのでしょう。家の側に学校のプールがあります。いま、学校のプールはトンボが育つ所です。プール掃除でつかまえたヤゴを教室で飼うクラスも多いとか、トンボだけでなく学校は大きな樹々や緑が多いので、ある意味では都会のオアシスの役目を果たします。でも、防犯上なかなか自由に散歩したり遊んだりできないのは残念です。
 夜、店からの帰りチラホラと提灯を持った人たちが歩いて行きます。店の近くにはお寺が多いので、お参りにいく人たちです。私は8月にお盆というところで育ったので、最初7月の迎え盆に出会った時には、何かとちょっと驚きました。
 空は強風でゴミが飛んでしまったのでしょうか、☆がでていました。冬の空とちがって、☆はチカチカとまたたいてはいません。暖かくゆっくり輝いていました。月もきれいです。
 明日も暑いとか、外気と室内の気温の差に体のバランスを上手にとりたいものです。ほんとうは先祖を迎えて穏やかな祈りの日を迎えたい、そしてその間をぬって、先祖と一緒に、お祭りで元気な祈りの日をおくりたいものです。夏のはじまりです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

講演会のお知らせー広瀬恒子さんのお話ー

  講演会「読書ボランティアー私たちが大切にしたいこと」
講師 広瀬恒子さん(親子読書地域文庫連絡会代表」

Htbookcoverimage


「読書ボランティアー活動ガイドー」
広瀬恒子 著
一声社 本体1500円




日時 9月11日(金)10時〜11時45分
会場 千葉市民会館3F 特別会議室2
参加費 300円(前売りのみ、当日券はありません)
定員 100名
主催 千葉県内文庫連絡会交流会
<参加団体> かけはしの会(市原市)・佐倉地域文庫連絡会
たんぽぽ文庫(東金市)・千葉市文庫連絡協議会
習志野市文庫連絡会・船橋市地域文庫連絡会
松戸子どもの本ネットワーク
お申し込み・お問い合わせ 043-285-0633十倉 
043-276-8637平山 (千葉市文庫連絡協議会)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

不思議な博物館ークグノタカラバコ

9784035283805


「クグノタカラバコ」
いとうひろし
偕成社 本体1000円




 
 あるところにクグという人がいました。「クグノタカラバコ」というのはこのクグという人が造った博物館のことです。博物館といったって、どんな博物館なのでしょう。じつは集めてあるのは、どこにでもあるかもしれない、もしかしたら、どこにもないかもしれない小さな子どもが集めるようなものがあるタカラバコのような博物館なのです。おにいさん以外、はじめはみんなはなんとつまらないといいますが、クグのはなしを聞いているうちに、それらはとてもすてきな宝物に思えてきます。どこにありますか?うぅーん!探してもなかなか出会えません。何かの拍子に迷子になったりして行き会ったりするのだそうです。
 わたしも道に迷い込んで、行きあたったところに建っている家に「ミュージアム オブ クグ」と描かれていたのです。扉をあけて入ってみると「水鉄砲」「食パン」「小さなビンにはいった虫」・・・
不思議なものがならんでいました。ながめていると老人がでてきて話をしてくれました。その3つの話がこの本にはいっています。
 作者のはなしはいつも絵と共にふんわりした内容のものが多いです。時間がゆっくりながれているから、そんな感じがするのでしょう。あまり宝と認められていないもの、でもある時その子どもにとって、それが一日がすべてであったように、欠くことのできなかったもの、それが宝物なのです。第一話の「水鉄砲」、このお話はそんな水鉄砲が凶暴なワニを退治したお話です。読んでいるうちに、キャアキャアいって水鉄砲を飛ばしている幼い子どもを思います。どんな怖い物も退治できるように思っていた幼い頃を思い出します。
 幼年童話のつくりになっていますが、中学生あたりにもおすすめします。作者の本はとても哲学的です。ゆっくりと読んでみませんか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

月夜のおおさわぎ

Htbookcoverimage


「月夜のおおさわぎ」
きゅーはくの絵本9 埴輪
制作・画工舍
フレーベル館 本体1000円




 きゅーはく、九州国立博物館はこれまでも絵画、祭り、絵巻、建築物などをとおして、歴史、民俗、文化などを絵本にして、子どもたちにもわかりやすく情報を発信してきました。それは、単なる案内や冊子化しているだけでなく、物語性の強い内容になっているために、知識の学習をこえて読んでもおもしろいものになっています。
 この9巻目は馬の埴輪を中心にした物語、今から1500年前くらいの日本の各地に築かれた古墳の話です。土のなかから見つかった馬の埴輪、満月の夜みんなであるところに向かいます。王さまの眠るお墓、新しい王を迎えてのお祭りです。その物語を写真と動画の技術を使って絵本にしています。
 最後のページには「古墳のおまつり」といろいろの埴輪の解説がのっていて、また、埴輪を見たい人のための案内が載っています。夏休みにおでかけの人も近くの博物館に寄ってみてください。それにしても、埴輪の表情、とてもいろいろあって、見る人にさまざなことを語りかけています。
 私は千葉から一番近い「東京国立博物館」にきっと行ってみようと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

海からのおたより2009年7月

海ほおずきのおはなし
 浅草寺のほおずき市にいってきた長男が「海ほおずきを売っていたよ」というので翌日出かけてきました。
2009_007
2009_009
2009_010



 「海ほおずき」、なんてなつかしいのでしょう!こどもの頃夜店で赤や黄色に染められた海ほおずきが売られていました。祖母がじょうずだったのでおみやげに買って帰ったことがあります。海ほおずきは植物のほおずきのように口にふくんで鳴らします。グーグーというような地味な音でしたが、とても楽しそうに祖母は鳴らしていたのを憶えています。
2009_012
 海ほうずきは巻き貝の卵のうです。貝の種類によって卵の袋も違う形をしています。おもちゃとして売られているのはグンバイホオズキという「テングニシの卵のう」です。袋の真ん中に小さい穴をあけて中の卵は取り除かれます。鳴らすのにはちょっとしたコツがあるようでわたしにはうまく鳴らせません。
 ほうずき市で1軒だけ出ていたお店の方にどこで作られているのかたずねたところ、今はもう貝が採れないので作っていないそうです。海ほおずきもここにあるだけでおしまいだそうです。
 おもちゃがほとんどなかった時代、これであそんだ人は多かったと思います。以前は内湾の海にたくさんいたというテングニシですが、いまや千葉県レッドリスト最重要保護生物になっています。むかしからの庶民の素朴なあそびが消えようとしています。

      どんぐりつうしん変集長 谷口優子

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ほんちゃん

130_book


「ほんちゃん」
スギヤマカナヨ・さく
偕成社 本体1000円


 ほんちゃんは本のこどもです。というより本のたまごです。まだ、どんな本になるのか決まっていません。学校では”けんこうにきをつけよう””みだしなみをととのえよう”と習い、それからどんな本になったら良いかいろいろな本のはなしをききにでかけます。図書館、本屋、古本屋とでかけていって話を聞きました。
 この絵本は従来の読み手の子どもたちから本の大切さや、どんな本があるのかなどが描かれているのではなく、本の側から読書のことについて描かれています。見返しには「うっとりほんちゃん」からはじまって16のほんちゃんの内容、裏の見返しには16のほんちゃんの状況=表情が載っています。そして、”ぼくはかっこいい本になりたいんだ”といっているほんちゃん、その”かっこいい”ということは”きみに手に取って読まれること”!
 本を主人公にしたので、すこしわかりにくい点がありますが、真っ赤なほんちゃんが正面をむいて子どもたちに語りかけているユニークな読書の勧めになっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こんちゅうってなんだ?

207852


「こんちゅうってなんだ?」
アンロック ウェルさく
スティーブ ジェンキンスえ
あべけんいち やく
福音館書店 本体1300円

 この絵本はいつも読み慣れている昆虫の本とは少し違います。コラージュで描かれているので、少し絵画的と思われる、でもそのことではありません。この絵本は昆虫の名前などを知るというより、その知る手だての本だからです。つまり「昆虫分類学」の本です。
 普段あまり分類学は意識されていません。ほとんどが、たとえば捕まえてきた昆虫の名前を知るときは、それがそれぞれの違いから調べるというより、目次、見出し等から調べていくことがおおいからです。だから、年齢が低くなればなるほどおおまかに「チョウ」とか「カブトムシ」とか「テントウムシ」とかにくくられている本から調べます。だからできるだけリアルに写っている写真絵本のようなものが喜ばれます。これは虫だけでなく植物などや魚などでもおこります。実物を観察して、足が何本だとか、殻があるとかなどから名前を調べていくからではありません。つまり、実際を観察することをあまり重視しないからかもしれません。しかも、映像が発達しているので簡単に見てという傾向は強いようにおもいます。良く話題になることに、子どもたちは索引の引き方を知らないということがありますが、それも現代の生活に関係しているのでしょう。
 そのようなわけで、この絵本はユニークだけに少し難しいかもしれません。でも、科学に興味をもってもらうためには、良い入り口になると思います。
 なかに〜虫好きなおとうさんのための解説〜という折り込みがはいっていてなかなかおもしろいのですが、おかあさんだって虫好きな人はたくさんいますよ。夏休みで自然のなかに遊びにいくこともおおいので、かがくの扉をひらく本になるとおもいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

願いごとのえほん

9784751525234


「願いごとのえほん」
 幸せを呼ぶ世界のおまじない
ローズアン・ソング 文
エリサ・クレヴェン 絵
椎名かおる 訳
あすなろ書房 本体1600円

 人は幸せになりたいと願いを祈りにこめます。こういう行為は人にしかみられないものでしょう。信仰や風習にねざすものなので、もちろん世界各国で、またひとつの国のなかでも人の生活とつながりがあるので、いろいろなかたちがあります。
 この絵本は世界のなかで私たちの日本、そして中国、タイ、インド、ロシア、イラン、イスラエル、イタリア、アイルランド、アメリカ合衆国、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、オーストラリア、南アフリカ共和国という15カ国の願いごとの方法が紹介されています。その行事のなかの子どもたちの様子がカラフルに描かれています。
 今日は7月7日、日本のページでは七夕、願い事を短冊に書いて、笹竹につるしている子どもたちの様子が描かれています。今夜の千葉は風が強く、昼の蒸し暑さがふきとばされるようです。天の川は空が曇って見えません。でも、満月なので雲の切れ目からとてもきれいな月が見えます。星の世界の七夕は暦のことから実際は今夜ではありません。国立天文台では「伝統的七夕」という言葉をつかって、その日は2009年は8月26日(水)としています。夏休みも最後の頃、お天気さえ恵まれればきっと天の川をはさんで織り姫(こと座の一等星ベガ)と牽牛(わし座の一等星アルタイル)がよく見られます。
 毎日いろいろなニュースがはいってきますが、なんといってもみんなの願い事は、戦争のない平和な世界です。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

風の中のマリア

上質なNFF(ノンフィクション・ファンタジー?)

Htbookcoverimage


「風の中のマリア」
百田尚樹・著
講談社 本体1500円



 人間以外の動物を主人公にした物語は、児童文学の定番です。ファンタジーから、リアルな描写の動物物語まで様々です。もちろん大人向けの動物文学は、シートンや戸川幸夫を持ち出すまでもなく、錚錚たるものです。でもスズメバチを主人公にした大人向けの物語は、初めてでしょう。それが百田尚樹の『風の中のマリア』です。しかも子供でも読めます。むしろ子供に読んで欲しくて書いたのでは、と思うのは前作が高校ボクシング小説の『ボックス!』(太田出版)だったからでしょうか。
 登場するのは、全て昆虫たちです。しかも擬人化してます。ファンタジーに近い。でも擬人化は、飛翔感覚や狩りの快感、狩られる恐怖を虫に語らせる為です。実際に虫が感じてるかは、分かりません。でも読んでいると、虫と一緒に、本当に飛んでるような気がします。映像的です。と思ったら、作者は放送作家出身でした。リアルな描写が、この小説の持ち味です。でもそれだけではない。生態描写もしっかりしてます。スズメバチの命は30日位です。このマリアの30日間の物語に、女王バチの春夏秋冬から遺伝子の説明まで入れてます。しかも虫たち自身に説明させています。ノンフィクションの手法です。『フリズル先生のマジックスクールバス』やテレビ番組に近い。
 ハチやアリの社会は複雑です。セイヨウミツバチの大量死が問題になってますが、日本独特の生態も描かれてます。ニホンミツバチは、セイヨウミツバチが蜜を盗みに来ても、抵抗の手段を持たないので、明治時代に滅ぶはずでした。ところがセイヨウミツバチは、オオスズメバチへの抵抗手段を持たないので、野生では繁殖出来ませんでした。ニホンミツバチはオオスズメバチへ抵抗出来ます。「蜂球」という摂氏2度の体温差を利用する抵抗手段です。この狐拳のような日本独特のバランスも描かれます。
 ハチの社会で、ハタラキバチが自分の妹たちを育てる無償の行為の説明には、ハミルトンの「血縁選択説」を紹介してます。自分の子供を育てるよりも、妹を育てる方が、自分と共通の遺伝子を残すには有利であるという説です。これを推し進めると、ドーキンスの「利己的遺伝子」になる訳です。
 というふうにこの本は、ノンフィクションでありファンタジーであり動物文学です。NFFというジャンルも有りかもしれません。 ここまでして描きたかったのは、生命の精緻への驚きでしょう。その為の描写であり、比喩なのです。虫がどう思ってるかは、誰にも分かりません。「血縁選択説」にしても「利己的遺伝子」にしても、遺伝子がそう思ってる訳ではありません。そう説明すれば、辻褄が合うだけです。人間も遺伝子で出来ており、遺伝子の仕組みの限界が、思考の限界のはずです。限られた思考方法の中で、どう説明するか、この本もひとつの試みでしょう。    
        (高橋峰夫)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

しょうぼうじどうしゃの絵本

Htbookcoverimage


「ありがとうしょうぼうじどうしゃ」
 文・内田麟太郎
 絵・西村繁男
 ひかりのくに 本体1280円




 子どもたちは乗り物の絵本が大好きです。最近では女の子も大好き、でも男の子は圧倒的に働く乗り物がだいすきです。消防自動車もその働く車の代表選手のひとつ、いろいろな絵本がでていますが、この絵本はいろいろと工夫されたお話と細かく描かれている絵がおもしろいです。
 この絵本で活躍するのは河童町消防局としょうぼうヘリコプター、あかバイも最初にでてきます。そして、消防士、(かっこいいです)それになんと河童たちも大活躍します。火事は山火事なので、人はあぶなくないところにいるので消防士以外の人たちはみているだけです。でも、山にはたくさんの生き物がいるので、河童はそのものたちを助けだします。文は短くキッパリと、絵は細かく場面も繋がりがあるように描かれています。最後のページ「たばこのなげすてはやめましょう」ーどんぐり山を愛する会。
 ところで、昔消防自動車の側にいったことがあります。まわりをきょろきょろ見回して、誰もいなかったのでちょっとさわってみました。ピカピカに輝いていて、陽があたって真っ赤でとってもきれいでした。おとななので、乗りたい気持ちはがまんしました。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

韓国の絵本が元気

Htbookcoverimage


「ふしぎなしろねずみ」
韓国のむかしばなし
チャン チョルムン文
ユン ミスク絵
かみやにじ訳
岩波書店 本体1500円


 魂が抜け出て宝物が埋まっているところへ行く、それを夢で教えられ宝物を得てお金持ちになる昔話は各国にあります。もちろん夢を素直に信じるやさしい人にその幸せは授かります。この韓国の昔話は老夫婦、おじいさんが居眠りをしているそばでおばあさんは縫い物をしています。するとおじいさんの鼻のあなからしろねずみが出て来て、おばあさんがあとをつけていくと、大きな水たまりでしろねずみは渡れなくて立ち止まってしまいます。おばあさんは物差しで橋をつくってしろねずみを渡してやります。でもしばらく行くとしろねずみは石垣の穴の中に入ったまま出てきません。しかたなく家へ帰ったおばあさんに、おじいさんは不思議な夢の話をします。
 全体に紺と茶、そのなかに白がとても効果的につかわれています。おじいさんとおばあさんが宝物を探し当てる見開き2ページから黄色と赤、緑が鮮やかにつかわれてお金持ちになった老夫婦の幸せが描かれています。それに、鼻のあなから顔をだしたねずみはとてもご愛嬌のかわいいしろねずみ、ねずみは神さまのお使いというのは、日本でも同じ考え方です。
 色彩の効果的な使い方だけでなく、おじいさんおばあさん、そしてねずみの動きと画面の流れ、構図の取り方等とてもうまくできています。韓国の絵本はとても元気、この絵本の作者は文、絵とも1960年代後半生まれで活躍が期待されます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

神去なあなあ日常

Htbookcoverimage


「神去なあなあ日常」
三浦しをん
徳間書店 本体1500円



 私は林業のことはまるっきりといってもいいほど知りません。この物語の主人公平野勇気も特別希望したわけでもなかったのですが、この神去村で働くことになります。高校を卒業してからも、取りあえずなんとなく生きていこうと思っていた勇気は学校と親の思惑のまま、神去村に来てしまいました。
 特にひどく逆らおうと思っていたわけでもないのですが、”まあまあ”この神去村でいうと”なあなあ”で、とまどい、ブツブツいい、とうとうとてもやってられないと思い逃げ出してしまおうとします。そんな横浜生まれ、育ちの現代の若者の一年の物語です。
 木を切る、植林、育てる、林業に代々たずさわってきた人たちと暮らしがとても豊かに書かれています。一本の木を切る、どうやって、どういうように切ったら木にも人にも良いか、それだけでなく神さまにも良いか、計り知れない自然の力と共存していく知恵と経験と言葉(なあなあはいろんな意味があります)、神隠しやオオヤマヅミさんの祭り、山火事などハラハラ、ドキドキとします。ちょっぴり恋がからみ、結婚、老人、古いしきたり、かなりエンターテイメント小説としてもおもしろく、ヤングアダルト向きの骨太な小説です。それは著者の綿密な資料の裏付けがあるからでしょう。
 そういえば、昔から国を支え、生活を支えてきた職業を舞台にした若い人向けの小説があまりみられません。この本を読んでいて、日本の基盤産業、そして物づくりのなかで働いている人たちの現代の物語がほとんどないに等しいのに気がつきました。個性豊かな人たちがいる、いたはずです。
 この小説がきっかけになって出版されると良いのにと望みます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

太陽はどこだ

 今日から7月、あっという間に1年の半分が終わってしまいました。休日のぐわいから夏休みがはやくなりました。まだ、梅雨のさかりですが、近くの学校のプールからはにぎやかな声が聞こえてきます。例年の行事で夏休みの最初の日18日には「夏のおはなし会」があります。夏は夜の7時から、お話を聞いた後は(やっぱりちょっと怖いお話をします)これもいつものようにジュースを飲みながら花火で遊びます。今年はみんなが持って遊べるでしょうか?花火といっても大きな音がするものや、高く上がるものはしないのですが、線香花火も怖くて持つことができない子どもがいたり、でも大きい人たちに交じって終わり頃はOKです。店の方に15日位までにお申し込みください。
 7月7日は七夕なので、時々本を聞かれますが残念ながらあまりおすすめする本がありません。行事に関係した本があまりないのは、本というより何かすることの方が多いからかもしれません。しかも新暦なので、なんとも感じがでません。沖縄の方は梅雨があけたようですが、日本列島ほとんどまだあけない、もしかしたら末期でひどい降りになったり、「夏のおはなし会」も花火ができるかハラハラします。ちなみに旧暦の七夕さまは8月26日とのこと、その頃だったら天の川も見ることができるでしょう。
 Logo
 今年はガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で空をみた1609年から400年たち、「世界天文年2009」としていろいろのイベントがあります。
 しかも、7月22日には「皆既日食」インド・ネパール・ブータン・中国・ミクロネシア・そして、日本の小笠原諸島では99%近くの日食がみられるそうですが、私はやはりいくことができないので、できるだけ近くで見たいと思っています。次は生きていそうもありませんから。世界天文年2009や千葉市では「さきどり!日食体験」や観察会を千葉市科学館で案内しています。

4834002004


「おれは歌だ おれはここを歩く」
 アメリカン・インディアンの詩
金関寿夫 訳
秋野亥左牟 絵
福音館書店



 太陽や月、空や星、風や土のことをうたう、この本は私の愛読書の一冊です。読んでいると光や風にのって、いろいろのものが私を訪れてきます。太陽が突然かくれたら、昔の人はどんなに驚いたことでしょう。理由を知ってあまり驚かなくなった現代人ですが、でもやっぱり不思議におもわれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »