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2009年6月13日 (土)

昔話の寓意〜『山の上の火』を現代に読む〜2


   (2)『アディ・ニハアスの英雄』を読む

 エチオピアの昔話は知恵の宝庫です。同じ本に『アディ・ニハアスの英雄』という話があります。アディ・ニハアス村から12人の男が、町へ粉をひいてもらいに行きます。1袋づつ粉をかついでの帰り道、なかのひとりが、みんなをよびとめて人数を確認します。ところが自分を数えなかったので、11人しかいません。そこで大騒ぎになって数え直しますが、みんな自分を数えなかったので、ひとり足りません。みんな嘆き悲しんで帰りながら、いなくなった男の噂をします。噂は道々大げさになり、村に着いた時には、ヒョウと戦って死んだ事になります。そこで村中大騒ぎになりますが、小さな女の子が「ここに粉の袋は12あるよ。だから12人いるはずよ」といいます。そこで英雄が帰って来たと、にぎやかなお祭りが、始まりました。
 最近、地球温暖化が騒がれています。炭酸ガス排出量の削減が必要だ、クリーン・エネルギーを使えと言われますが、賛否両論です。温暖化の原因が賛否両論、クリーン・エネルギーで排出量削減できるのかが、賛否両論です。「あしたのエコでは間に合わない」のですから、もう手遅れなのです。脅しにもなりません。科学・技術論争でなく、政治・外交論争になっています。論争に巻き込まれたら逃げ出せません。でもこれだけ焦って煽られると、賛否どっちでもよくて、目的は別にあるのではと、邪推したくなります。つまりアメリカの世界戦略です。
 アメリカの優位な技術は、IT技術、金融技術、エネルギー技術です。先のふたつは、もうバブルがはじけました。あとはニュークリーン・エネルギー政策で、バブルを作るしかありません。太陽光発電、風力発電、核燃料(ニュークリア・ヒューエル)発電の技術は、先進国が独占してます。つまり化石燃料は(じかに)使っちゃいけない。先進国の発電装置を買えという事です。装置を作る為の石油や石炭を輸出してでも、買えという事です。アフリカ諸国が反発するのは当然です。
 日本では、里山を大事にしようと言います。山林や風土を活用し、ムダなエネルギーを使わない様にしようと言います。それは、そこにあるものを使おう、という事です。でもアフリカ諸国が、自国にある石油や石炭を使うのは規制しよう、というのです。    
 私の見方が正しいのかどうかは分かりません。でも論争の渦中で分からなければ、論争の外から袋を数えたら、12あるかも知れません。                      
                 (高橋峰夫)

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