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空気、その存在

くうきは どこに?

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「くうきはどこに?」
フランクリンM・ブランリーさく
ジョン オブライエンえ
おおにしたけお りゅうさわあや やく
福音館書店 本体1300円


 空気はどこにあるのでしょう。見えないし、かたちもないしどうもわかりませんが、私たちは空気なしでは暮らしていかれません。なんとなくわかるのは風の力です。風はふいたり、においがしたり、空気があるのを知らせてくれます。私にはちがった気づきがあります。私は喘息があるので、発作がおきたとき、空気がなくなったようにおもいます。空気が大切なことがとても良くわかります。昔、木曽の御嶽山へ登ったとき、空気が薄くなったのを感じて、あわてて下山したことがありました。前の晩から体調が悪いのに出かけたまでは良いけれど、登るにつれて頭が痛くなり、手がしびれたようになり、その時はとても空気が薄くなったのを感じました。
 この絵本はとてもやさしく、愉快に空気のことを教えてくれます。空気がみえるようにする実験もあります。かんたんな道具でできるので、家でもすることができます。
 このシリーズも7冊目になりました。どれも身の回りの科学をやさしく描いています。不思議なことはたくさんあるけれど、この本が単に不思議を解明するのでなく、不思議を気づかせてくれる、世界が不思議に満ちているのはとてもすてきなことです。


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魔術師のたいこ

百年に一度、魔法のたいこがかなでる不思議な物語

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「魔術師のたいこ」
レーナ・ラウラヤイネン著
荒牧和子/訳
春風社 本体1500円



 なんとなくおなかの調子が悪くて、午後にはでかけるはずが、思い切ってそのまま家での仕事に切り替え一日過ごしました。仕事に一区切りついて、前に読んだこの本をまた、開いて過ごしました。お天気も良くないし、こんな時は静かな物語を読むのがいちばんです。
 歩き回っているうちにサーメ人が作った小屋のなかに行きあって、火のそばにタイコがありました。この小屋は昔、魔術師のツォラオアイビが住んでいて、タイコは魔法のタイコです。百年に一度だけ運良くタイコをみつけた人にツォラオアイビが残していった物語を聞かせてくれます。その物語12編がこの本のなかに入っています。魔法の笛を吹く少年とタビネズミのはなし、東西南北の風が自分の居所を決めるはなし、自分の結婚相手を自分で決めた賢い娘のはなしなど、どのおはなしのなかにも賢い若者や娘と、それを手助けする動物や自然の精がでてきます。いつのまにかどこかへいってしまう若者もいますが、そのあとには風の音や笛の音、オーロラが空を輝かせます。
 もう1冊の「カレワラ物語 キルスティ・マキネン著 荒牧和子訳」も同じく装丁、挿絵がこの不思議な魔法の世界をよく描いています。

 
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「ゆきとトナカイのうた」
ボディル・ハグブリンク作/絵
山内清子訳
ポプラ社 (品切れ)
この舞台のラップランドの世界の少女を描いたきれいな絵本も思い出しました。手に入らないのが残念です。

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ビーバー族のしるし

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「ビーバー族のしるし」
エリザベス・ジョージ・スピア
こだまともこ=訳
あすなろ書房 本体1500円



 1768年ひとつの家族が新しい土地をめざして相談していました。マットたち一家はメイン地方に土地を買い、最初の白人として移住しようとしていました。そして、まず父親とマットが移って、夏になったらいったん父親だけが戻り、母親と妹のセアラと生まれたばかりの赤ん坊をつれてくる、その間マットがトウモロコシの世話をするという計画でした。時計とライフル銃、小麦粉などの食料などをおいて父親は出かけていきます。マットの孤独な過酷な毎日がはじまります。おまけにならず者に銃をもっていかれてしまい、しかもクマが入り込んで食料も無くしてしまいます。そして、ミツバチをみつけてハチミツをとろうとしたマットはハチにさされ、あやうく命を落としそうになります。
 マットの命を救ったのは、この土地に住んでいる先住民のインディアン(文中のまま)のビーバー族の少年エイティアンとサクニスという老人、長老でした。サクニスはエイティアンが狩りをして獲物をもってくるから、替わりにエイティアンに読み方を教えるように取り決めをしたいと言いだします。エイティアンは初め嫌がるのですが、やがて二人の間には友情がうまれてきます。
 物語にはエイティアンとその部族ビーバー族の暮らしが丹念に書かれています。けれど、この本を自然のなかで生きていくビーバー族の知恵と読むだけではつまらない、かといってたんなる男の子の自立の物語として読むのも、どこかちがうように思いました。この物語には各々個性的な人がでてきます。なんといっても、まず白人のマットとビーバー族の少年エイティアン、マットは厳しい自然のなかで生きていくことをエイティアンを通じて学んでいきますが、自分たちの暮らしがエイティアンたちにどういう意味があるのかに疑問をもち、考えようとします。エイティアンは早く一人前の若者に、おとなになりたいとひたすらそれを願っています。
一方、マットの父親は開拓民として成功したいとひたすら思っています。したがって自然は征服するものです。自分の土地を持ち、家族を守り、豊かになりたいと欲しています。サクニスは住処を白人に追われ、部族をひきいる長老として、このままでは白人にだまされるだけだということを感じています。そして、孫のエイティアンが文字を読めるようになることを希望します。自分たちの生活を守るのに必要なもの、文字を読めるようになることの意味を部族の誰よりも感じています。
 いま、わたしたちはすでに自然を征服すること、多民族や他の文化を同化させていくことの考え方が、決して未来を生まないことに気がつきだしています。戦争がそうです。でも、それならどう共生していったらよいのかということがわからない状況です。サクニスの生き方は共生の考え方なのです。
 この物語のなかに、マットとサクニスのなかに希望をみたいとおもいます。その後のアメリカの歴史などにマットやサクニスをかならずしもはっきり見つけることはできませんが、マットの子どもやサクニスの子孫は生きているのだと私は思います。物語はたんなる自然や古きものや霊への協賛だけでなく、マットやエィティアンが読者に続いていることを語っています。
 私はちょうど「ジャック・ロンドン/著 火を熾す」「鎌田遵/著 ネイティブ・アメリカン」を読んだあとで、関心のある人にあわせて読まれることをぜひおすすめします。

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家族でコンサート

 いまじじ、ばばになっている人たちの年代では考えられないことでした。小さな子どもをつれてコンサートにいくなんて。しばらく前からお芝居を観に行くのに保育つきということがでてきました。でもほとんどが東京の公演です。会場に着くまですら大変、子どもが大きくなるまで我慢でした。
 ある日、店に若いおかあさんがやってきて、家族で来てもらえるようなコンサートをひらくとの話、しかもクラシック、正直へぇ!と思いました。いろいろ話を聞いているうちに協力したくなりました。自分たちの手で家族で楽しめるコンサートを開きたい、彼女は特別のきおいもなく、けれど熱心に計画を話してくれました。その時のコンサートには絵本も読んだりするというので、私の所へ来店されたとのことでした。絵本にはいろいろの可能性があります。子どももおとなもみんなで楽しめます。

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 これは前のコンサートのようすです。
 今年もあかちゃんと子ども、家族みんなでたのしめる「ぷぅ・あ・ぷぅ コンサートvol6」があります。「演奏は弦楽四重奏団drop&けいたろう」3月8日(日)千葉市生涯学習センターホール、くわしくはぷぅ・あ・ぷぅ☆CLUB
 最近の若いお父さんは子どもたちといっしょに自分も店に入って来て絵本をみたり、時には自分の子どもの頃の話をしながら選んでいく方が多くなりました。(ちょっと年配のお父さんは自分は外の車のなかなどで待っていることが多いのです)。私はそんな家族が増えると良いと思います。特に日本のお父さんは変わって欲しいとおもいます。
 春もすぐそこ、家族で春を探しにでかけましょう。

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柳広司の「山月記」

Book

「虎と月」
柳広司・著
理論社 本体1400円



 教科書でおなじみの「山月記」作者は一体どう料理するのか興味津々でした。本をみると表紙のイラストをはじめ、ますますなんだろう!とおもいました。一口でいうとおもしろかった。もとの「山月記」の雰囲気はほとんど感じられません。挿絵もさることながら、文体も軽い、ユーモアがあり、恋というちょっとした遊びもあり、作品からはとても戦争という人間性を破壊つくした時代のなかで、自我の確立をもとめ、中国の古い伝説や古典をもとに作品を書いた中島敦の影響は感じられませんでした。
 虎になった父に会いにいく少年(14歳)が見たもの感じたこと、そして、最後には父がなぜ虎になったかを知ることになる、その謎のなかにみえる人々の営みを作者は現代的な手法でかるく、けれどしっかり語っています。そして、古典の世界がいま生きている私たちのなかにもたちあらわれてくる、”なぜ父は虎になったのか?虎になったと伝えられたのか?現代の読者は少年になって旅をします。
 作者のあとがきにあるとおり、作品がつぎの作品をうむ、そうやってひろがっていく物語のおもしろさを感じました。

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いきいきとしている子どもたち

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「盗まれた宝石」
ベイカー少年探偵団
アンソニー・リード
池央耿・訳
評論社 本体900円



 このシリーズも5巻目になりました。ダイアモンドがはめ込まれている有名なティアラが盗まれました。容疑をかけられたのは召し使いの少女ポリーです。ウィギンスを中心におなじみのベイカー少年探偵団が活躍して事件は解決しました。もちろんホームズも変装して、あわやというときに登場します。
この種類の本はこれ以上かけません。犯人が簡単にわかってしまうとおもしろさが半減しますから。
 ただ、この物語が犯人探しと単なる謎解きだけでなく(実際推理小説としては犯人が解り易い)この少年団の子どもたちはとても魅力的にかかれています。私が昔小学生だった頃のこと、それ以後本好きになった物語がありました。そのなかの1冊にケストナーの「エーミールと探偵たち」があります。その物語のなかの子どもたちが活き活きと活躍するのにすっかり憧れてしまいました。この本のシリーズの魅力も同じです。まず、おとなから自由(でも、尊敬する、たよりにできるおとな、この場合はホームズたちがいます。)各々個性的で、その個性を活かして貧しいなかでも元気に生きています。悪いおとなもでてきますが事件の背景や時代の背景がきちんと書かれていて、そのことが物語に厚みをもたせています。金持ちの有名な名家の内実や煙突掃除の子ども(体の小さい子どもがこの仕事をさせられることが多かった、そしてそのあげく結核で死ぬ子ども=孤児が多かった)の様子、あとがきにあるようにこの物語にでてくるハットン・ガーデンとその中央にあるブリーディング・ハート・ヤードとそこでの事件なども興味深いことも書かれています。作者はそれらの背景をを上手にミックスして、そこに子どもたちを活躍させています。
 

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アキンボとクロコダイル

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「アキンボとクロコダイル」
アレクサンダー・マコール・スミス/作
もりうちすみこ/訳
広野多珂子/絵



 アキンボのはなしも3冊目です。アキンボのお父さんは動物保護区のパトロール隊長です。この物語はアキンボとクロコダイルのおはなしです。アキンボのところへ動物学者のジョンが来ます。ジョンはクロコダイルの孵化の研究をしていて、クロコダイルの巣を見つけ、生まれた赤ん坊に標識をつけ、大きくなるまでの行動範囲や生態を研究しています。調査チームにアキンボも入れてもらうことができでかけます。クロコダイルの巣もみつけました。けれどある調査日にジョンはクロコダイルにおそわれ大けがをしてしまいます。このままにできません。クロコダイルがいる川を渡って助けを呼びに行かないと、ジョンの命はお終いになってしまいます。勇気をふるってアキンボは助けを求めにお父さんたちの所へいきます。凶暴なクロコダイルとアキンボの戦いです。
 ワニはすきですか?大きくて怖いけれど、赤ん坊はかわいい?!どんなふうに危険にむかっていくのか、勇敢なアキンボがとても魅力的です。
 この出版社の本は教科書体の活字が使ってあったり、地味ですがとても読み易くできています。この本も活字も大きく3年生位の冒険と生き物が好きな子どもへぜひおすめです。挿絵を描いている画家はかわいい絵本が多いのですが、ワニなどが的確に描かれているこの本の挿絵は、この物語の世界をうまく描いています。


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海からのおたより-2009年2月

  お花畑は花ざかり

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 花のたよりに誘われて南房総市千倉の白間津(しらまづ)のお花畑に行ってきました。房総半島の南端は昼間の気温が高く(朝はけっこう冷え込みます)ポピー、ストック、金魚草、キンセンカなどの花の栽培が盛んです。ことしは暖冬なのでいつもの年よりも花の生育がいいそうです。畑の中には屋号のついた小屋があってそれぞれの小屋でお花摘みができます。小屋はこの季節だけ営業していてたいてい家族でやっています。現在ではほとんどの花はビニールハウスで栽培されていて路地物は観光用に少し植えてあるだけです。ことしも行きつけのところで花を北国に住む義母に送りました。「もし、お花が凍っていたら自然解凍してね。それでもダメだったら電話してちょうだい。あったかくなったらまた送ってあげるから」。小屋のおじちゃん、おばちゃんとの素朴なやりとりはとてもたのしいものです。うららかな春の風、土のにおい・・・・ここで売っているのは「花」だけではありません。海が見えるお花畑は早春の南房総のいちばん好きな風景です。

 どんぐりつうしん変集長 谷口優子

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女の智恵

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「えすがたにょうぼう」
鳥取の昔話
稲田和子 再話
畠中光享 画
ごどものとも3月号 
福音館書店 本体390円


 今月号の「こどものとも」を見て、久しぶりに日本画の美人姿にちょっと息をのみました。物語は鳥取の昔話ですが、日本のあちこちに伝わっている話です。女房に恋いこがれている、貧しいけれどやさしい男が幸せになるという話は、実をいうとあまりおもしろく思ったお話ではありませんでした。
子どもがこのお話をどう聞くかはよくわかりません。と、いうのはこの話は大人向けのものではないかと思っていました。今回この絵本をみて、あらためてその思いを強くしました。
 そのおおきな理由は女房の絵です。表紙の絵はすごい美人、いまはあまり見ることがかなわなくなった日本美人です。楚々としているけど、人妻らしい色があります。それにこのまなざし、意志の強さが感じられます。ところが殿様の女房になって、前の夫の樵がきたことを知ってはじめて笑います。殿様はそれがうれしくて(単純です)自分もまねをして喜ばそうと思います。この女房の表情はその殿様の愚かさを知り、策略を思いついたとき、おもわず”しめた!”と笑いがこぼれたという表情に私は思いました。最後の女房の顔も、自分の考えどおりにことがはこんでほっとし、喜び、安心している表情です。
 女の現実の人生は男によって決められてしまう、けれど自分の能力、力を知っている女は男をあやつる術を知っている、同性としてその強かさは充分わかるのだけれど、やっぱりこの”女の智恵”は、ムムムムム・・・というところです。(もっとも庶民の生活は権力者によって決められてしまう、そこでは男も女もありませんが)私は表紙の女房の画が好きです。こういう強さがあまりあからさまになると、品がなくなる。実際庶民の女たちは、美人でもおおらかな素朴な女になっていくのです。日本の各地にその女房たちが、男を支え子どもを育ててきたのだと、この絵本の大人読みです。

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鉄道地図は楽しい

     
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 私は鉄道の路線図が大好きです。目的地を調べる場合でも、目的なく眺める場合でも、つい見とれてしまいます。ところで路線図は、駅名をもれなく入れるためにデフォルメしてありますね。
 ところが正縮尺の路線鉄道地図があります。新潮社のムック『日本鉄道旅行地図帳』13巻で、日本を12ブロックに分けて今9巻まで出てます。13巻目は朝鮮満州になるそうです。正しい形の路線地図だけでなく、廃線鉄道地図も載ってますし、鉄道の予定線・未成線・構想線・夢想線まで載ってます。駅名一覧の資料編には、開廃の年月日から営業キロ・実キロまで載ってます。 貴重な資料で、鉄道オタクの編集者の企画だそうです。私も、自分の知っている地方の地図を眺めているだけで、楽しくなります。
 私は福島県の阿武隈高地に育ち、福島市内の高校へ通いました。国鉄川俣線に乗り、東北本線の松川駅(松川事件の松川です)で、乗り換です。川俣線は2駅しかないのに、鉄橋ありトンネルありで、高2までは蒸気機関車でした。高3でディーゼル車になり、次は電化だと期待したら、卒業後、国鉄第1次合理化で廃線になりました。2駅しかないのが不思議だったのですが(羽二重の積出し駅でした)この本を見ると、常磐線の浪江駅まで延ばす予定だったのが分かります。川俣駅にはもうひとつ福島交通掛田線が入っていて、東北本線の伊達駅まで出れました。一度は乗ってみたかったのですが、在学中機会がなく、これも廃線になりました。この本を見ると残念な気持ちと共に懐かしくなります。
 今は千葉市にすんで、千葉都市モノレールで通勤しています。この本には、モノレール路線図の正しい形や、廃線の鉄道連隊軍用線も載ってます。それに(5巻の東京ブロックの構想線図を見ると)モノレールは環状線の予定で、今は半分開業だと分かります。でもこれ以上は、財政に負担を掛けすぎます。
 と言うように、自分の知っている所だけでも楽しめます。今ならバックナンバーが大抵の書店の、旅行雑誌コーナーにありますので、手に取って見てください。        
    (高橋峰夫)

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天のおくりもの

Tenno


「天のおくりもの」
グスターボ・マルティン=ガルソ・文
エレナ・オドリオゾーラ・絵
宇野和美・訳
光村教育図書 本体1500円



 あるところに人間のお母さんとひつじのお母さんがいました。どちらにもうっかりというより、ありえない不思議なことがおこってしまいます。各々のあかちゃんが手を離れてどっかへ行ってしまったのです。そして、なぜか人間のお母さんのところへはひつじのあかちゃんが、ひつじのお母さんのところへ人間のあかちゃんが、お母さんたちはそのあかちゃんを抱き上げて、つれて帰り育てます。けれど、ある時出会うことができて、あかちゃんはまたもとのお母さんのところへ戻ることができました。もちろん、自分の子どもはかわいいのですが、時々前に暮らしたあかちゃんのことを思い出して、すこしだけ淋しくおもうのです。きっとあかちゃんはそのことを憶えていないでしょうね。この絵本ではお母さんの心が描かれていますが、あかちゃんのその後は描かれていません。
そして、最後に「あかちゃんは天からのおくりもの」と書かれています。先日ダウン症の息子を殺してしまって、生き残ってしまったお父さんの裁判がありました。「子どもが生まれて来たことも意味があって、お父さんが生き残ったのも意味がある」というようなことを裁判官が言ったと記事になっていました。(正確でなくてすみませんが)そう、子どもは天からの授かりものとおもいます。
 この画家はインテリアデザインを学んで広告関連の会社で仕事をしていたとのこと、画面の処理の仕方や構図がデザイナーのやり方、絵がとても洗練されていています。


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しかめっつらあかちゃん

Sikamettura


「しかめっつらあかちゃん」
ケイト・ペティ文
ジョージー・バーケット絵
ほるぷ出版 本体1400円



 ほっぺたは真っ赤、ぐりぐり目玉であなたをにらんでいるあかちゃん、どうしたのでしょう。ママもパパもおじいちゃんもおばあちゃんもペットまであかちゃんを笑わせようとしますが、しかめっつらのあかちゃんは機嫌良くなりません。しかもみんな笑わせようとくふうをしますがだめです。どうしたのでしょうか?でも最後におにいちゃん登場、そうしたら・・・。裏表紙のあかちゃんのとってもうれしそうな顔、ぐりぐり目玉はなくなっています。画面いっぱいの表情は迫力があります。一体おにいちゃんはなにをしてあかちゃんを笑わせるのに成功したのでしょうか。それは絵本を読んでのお楽しみ!

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かりんちゃんと十五人のおひなさま

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「かりんちゃんと十五人のおひなさま」
なかがわちひろ
偕成社 本体1200円



 近年2月ちかくなると、すっかりバレンタインデーにおかぶをとられたようにチョコレートの話題があふれています。不況なんてどこ吹く風、万単位のチョコレートがあるとか、残念ながら私はおめにかかったことがありません。お菓子屋さんの陰謀だなどといってはいけませんよ。流行る理由があるのでしょう。まず、食べ物、贈ったり贈り返したり、現代人は人のつながりに飢えているから。それにひとりでも絵になるから。自分に買う人も多くなっているとのことです。チョコレートは男も女も子どももおとなも年寄りにも幅広く楽しみにすることができます。だから、近年すっかりお株をとられた「ひなまつり」、友だちをよんだり、よばれたりはめんどくさくても、チョコは買って来てもいいし、その気になれば親しい人で、家族で手作りしてもいいからと言っていた人がいました。
 このお話の主人公かりんのおひな様は犬のおひなさまです。欲しいと言っていたら、前からいわれていたようにひいおばあちゃんはホームに入ることになって、それはそれはりっぱなおひなさまが届きました。しかも、そのおひなさまは由緒ある家のおひなさまのようで、どうも張り合っている家のおひなさまが近くにあるようです。かりんの友だち3人もまきこんで、おひなさま同士が争うことになってしまいます。
 作者は女の子の世界を描くのがとても上手です。女の子同士の独特の日常の世界を、少し不思議な世界に広げて、ほんわりとした奥行きのある物語にします。言葉遊びがあったり、なぞなぞがあったり、この物語からはおひな様のお囃子の音まで聞こえてきそうです。ただ、男の子は読みませんし、小学校高学年になりちょっとおませさんの女の子は離れてしまい、読み手が限定されてしまいます。
 作者は絵も描くし、翻訳もする人なので、物語の世界はとてもバランスがとれていて、おとなにも楽しめる本になっています。

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つららがぽーっとん

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「つららがぽーっとん」
小野寺悦子ぶん
藤枝つう え
福音館書店 本体800円


 子どもが聞いています。”春はどこまできていますか”つららが答えます。ねこといっしょに外をみていて、その時はそばにヒヤシンス、外は雪だらけ。すこしたって子どもがまた、”春は近いですか”と聞きます。やっぱりつららが答えています。ヒヤシンスは花が咲きました。でも、外はまだ寒くて氷っています。春が近くなるたびにつららの答えはちがってきます。そして、とうとう春がきました。
 私は幼いとき雪国で育ったので、冬の間軒先につららがさがる風景を良く知っています。知っているどころか、つららを割って氷がわりに飲み物につかったり、(おとなになってからは友だちとオンザロック?にしたり)雪とおなじくらいの冬のおなじみでした。雪国の春は最高です。まちどうしく思っていることでもありますが。春がきてうれしいのは風の匂いです。陽はまだちょっと冷たくてもキラキラ輝いて、風にのって木の芽や花の蕾や土の匂い、春の匂いがします。東京へでてきて一番いやだったのはほこりっぽい春の風、いまでもなじめません。しかも、年々梅が咲いたと思うとあっというまに桜が咲いて、あわただしく春は過ぎて行ってしまいます。
 つららは見ることができないので、”春は近いですか”とだれに聞きましょうか?

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ニコラスどこにいってたの?

9784751525180

「ニコラスどこにいってたの?」
レオ・レオーニ
谷川俊太郎 訳
あすなろ書房 1500円



 大型なレオ・レオーニらしい絵本が出版されました。原書は1987年の出版になっているので、亡くなる12年ほど前の作品になります。(1999年に亡くなっています。)
 お話はねずみのニコラスたちが甘いのいちごを見つけようとしますが全然ありません。きっと鳥たちがみんな食べてしまったのだと怒ります。ニコラスは鳥にまだ見つけられていない、甘くておいしいのいちごを探しになかまたちに内緒ででかけます。ちょっと見通しの良い所を歩いていると大きな鳥にさらわれてしまいますが、やっと逃れて落ちた所が3羽のひなどりがいる鳥の巣のなかでした。かあさんどりは虫を食べないニコラスのためにのいちごを探してくれました。そうこうするうちに小鳥たちは大きくなって飛び立って行きます。ニコラスも巣を出ますが着いた所には仲間のねずみたちがいました。ニコラスの話に仲間たちは興奮して鳥をやつけようといいます。
 「スイミー」などのようにこの絵本も教訓的に読んでしまってはつまらないとおもいます。物語も大切ですが、レオニーの絵を楽しんでください。とりやねずみの小さな目、くろ目の付け方ひとつでとても表情が豊かに変わります。レオーニ独特のコラージュの手法を使った絵本ですが、これくらい大判だと白色の部分の効果で、ニコラスや他のものたちがいきてきます。鮮やかできれいです。

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ふたごの兄弟の物語

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「ふたごの兄弟の物語上・下」
岩波少年文庫
トンケ・ドラフト作
西村由美訳
岩波書店 本体各720円


 ああ、おもしろかった!久しぶりに楽しい本を読みました。1ヶ月も前から側に置きながら、仕事がつっかえて読むことが出来なかったのですが、想像していたとおりとっても楽しく読みました。
 章のはじめにこのお話を生み出したもとになった昔話や古典の言葉が引用されています。最初はアンでルセンの「雪の女王」です。昔、バナビ国という美しい都があって、貧しい靴屋の夫婦が住んでいました。ある日2匹の子犬が来てえさをねだります。おかみさんが飼ってやろうといいます。はじめは靴屋は大反対でしたが、根はやさしい人なので飼うことにします。ところが次にはネコ、ハト、みんな2匹ずつです。やがて、靴屋に生まれた子どもも二人、双子の男の子でした。そっくりで両親しかどちらがどちらか見分けられません。二人は元気な若者に成長します。お兄さんのラウレンゾーは美しいものを作る貴金属細工師になり、弟のジャコモは冒険を求めて旅をします。二人はそっくりなことを利用して、智恵をだしあいさまざまな冒険をくぐりぬけ、仕事をみつけ、恋をして幸せに暮らしたそうです。時には牢屋にいれられたり、殺されそうになったり、ハラハラとした冒険の話や謎解きもあって、冒険推理小説を読んでいるようです。古典や昔話風な作品なので、背景も構成も古いように思われるかもしれませんが、なんといっても二人が活き活きと書かれていて、とても50年近く前の作品にはおもわれません。魅力的な挿絵も作者が描いています。以前に出版されている「王への手紙」やその続編「白い盾の少年騎士」も好評でしたが、それよりは読み易く楽しい作品です。
 作者は少女時代3年間日本軍収容所で暮らし、この作品はそのときに発想されたもので、作者最初の本、そのことなどは訳者があとがきにくわしく書いています。
 寒い冬をおもわず忘れさせてくれる楽しい本です。

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女の子のあこがれ物語

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「リンゴの丘のベッツイー」
ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー作
多賀京子・訳
佐竹美保・絵
徳間書店 本体1600円



 赤ちゃんの時に両親が死んでしまい、街に住む大おばさんに育てられた女の子ベッツィー、大おばさんが病気になったために、違う親戚に預けられます。ベッツィーは9歳になっていましたが、食も細く神経質な子どもになっていました。ベッツィーが暮らすことになったバーモンド州の農場はりんごとカエデ糖、そして、鉱石(大理石など)がでる豊かな自然たっぷりの美しいところです。人々が暖かく見守るなかで、ベッツィーはしてもらうだけでなく、自分から行動することもおぼえ、健康になっていきます。
 1917年に出版された本で、アメリカの農場物語というと「ローラー・インガルス著の大草原シリーズ」を思い浮かべる人もあるかもしれませんが、開拓をしているわけではないので、それほど自然が厳しくありません。どちらかというと、むしろ「赤毛のアン」に近いかもしれません。でも、それとも少しちがいます。「赤毛のアン」よりはベッツィーは幼く、はじめは街に過保護に育てられていたこども、農場にはおじさん、おばさんが二人、その人たちは普通の素朴な人たちです。
 読んでいてべッツィーに小学校高学年位の女の子は憧れるかもしれません。両親はいないけれど、面倒を見てくれる親切な親戚がいます。貧乏の経験がありません。きれいな自然がたっぷりあって(けっして汚くない)イヌやネコのかわいい動物がいて、それも自分のものにできる、いじわるな子どもたちがいなくて、おとなは皆良い人で、ベッツィーの世話をちゃんとしてくれる(一人だけちょっとベッツィーを預かりたくない人がいますが)明るく安心して読める、ちょっと涙がでそうな物語だからです。
 都会で暮らしている今の子どもたちはどんなふうに読むのでしょうか。聞いてみたい、むしろ児童文学の分野でない方が良いように思いました。元気のないあなたにぜひおすすめです。


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そらとぶパンがま

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「そらとぶパンがま」
あきっぽいまじょとなかまたち
ぶん・え うえつじとしこ
大日本図書 本体1400円



 魔女がでてくる絵本ですから当然かもしれませんが、どこか外国が舞台になっているような絵本です。絵にひかれて読んでみました。「あきっぽいまじょとなかまたち」と副題があるのはシリーズ化されるのでしょうか?主人公の魔女は住んでいる所にあきてしまったとの、はなしの出だしなので「あきっぽいまじょ」の名前にしたのでしょうか?おはなしは引っ越しをした所に次々に動物が訪ねてきたので、一緒に楽しく暮らしているうちにおいしいパンが食べたくなり、小麦粉から育て、パン釜を造り、おいしいパンをつくります。(魔女はあきっぽくありません。タネから蒔いて小麦を育ててパンをやくのですから)そして、コンクールにでるけれど、パン釜が家へ帰るので、あわてて一緒に帰って来てしまいます。コンクールに優勝したかどうかかわかりません。でも村の人たちは魔女を待っていた・・・というお話で、やはりこのタイトルはなんだか良く解りません。自分でその後のこの魔女のお話をつくってしまおうかしら?子どもにつくってもらったらおもしろいかもしれません。
 絵はとっても不思議な雰囲気があります。こまかく描かれているので、一緒についてきたなかよしのふくろうはちゃっかりしていて、あんまり働いていないのを見つけたり、パン釜が空を飛ぶ時は足が出てきたり、動物たちの表情もおもしろく読むことができました。
 作者はプロフィールによると過疎の村で農作業をしながら絵を描いているそうです。次作を楽しみにしたいとおもいます。


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おはなしのもうふ

 立春とはいえ、まだまだ寒い日が続きます。毛布が必要です。この絵本に登場する毛布はとてもカラフル、なんといっても「おはなしのもうふ」なのでそれは当然ですね。

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「おはなしのもうふ」
フェリーダ・ウルフ
ハリエット・メイ・サヴィッツ
エレナ・オドリオ・ゾーラ
光村教育図書 本体1500円



 なぜか村の人たちにくつした、マフラー、てぶくろ、ショール・・・と次々に毛糸で編んだ暖かいプレゼントが届けられます。誰からのプレゼントでしょうか?
この絵本を読んでもらっている子どもたちはわかりますね。子どもたちは「おはなしのもうふ」のうえにいるのですから。そして、ついに贈り主がわかります。誰だかそれは?!
 「おはなしのもうふ」はとてもあざやかです。おもわず笑ってしまう、ユーモアいっばいの絵本です。おばあさんも子どもたちの表情も楽しそうです。

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春はすぐそこに

 今日は立春、私にとってはちょっと忘れることのない日です。3日は母の命日、5日は父の誕生日です。今日は明日の「えるふ通信」の発行の準備をしていました。朝から一時陽がさしたものの、ほとんど一日はっきりしないお天気でした。
 昨日は天徳寺に今年はじめて行ってきました。(1月に足をくじいてしまって、あまり調子が良くなくて行くことができませんでした。)

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 天徳寺の檀家の方たちの墓地のお地蔵様のまわりはまだ寒そうでした。梅の木は白梅なのでこれからです。そのかわりたくさんの日本水仙が咲きほこっていました。どれ位の数でしょうか?水仙は広い樹木葬のところにもあちこちにかたまってあふれんばかりに咲いています。わがやの「やまぼうし」はまだねむっています。少し離れた所のMさんの「ミツマタ」は7分咲きくらい、そして見つけました、「菫」です。少し暖かな斜面につつましやかに咲いていました。春の使者です。もう少しすると桜の季節になり、「うぐいす」が鳴きます。ここではとってもたくさんの鳥たちの声を聞くことができます。
ご住職のところに12月に生まれた、赤ちゃんの柔らかい顔を見て帰ってきました。


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かわいい動物たち

 近年写真絵本が多くだされるようになりました。技術的に鮮明に撮れるようになったのと、ペットブーム、私の嫌いな言葉でいうと”いやされる!”ということでしょうか。まあ、ストレスいっぱいのおとなが、かわいい?写真をみてほのぼのするのも悪いことではないが、そんな写真ばかり子どもの絵本としてみると、なんかちがう”生きている動物はもっとおもしろいよ!”といいたくなってしまいます。

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「ねむい ねむい ちいさな ライオン」
マーガレット・ワイズ・ブラウン 文
イーラ 写真
ふしみみさお 訳
徳間書店 1400円


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「二ひきのこぐま」
イーラ作
松岡享子 訳
こぐま社 本体1700円


 どちらもイーラの写真です。活版印刷のこぐまの写真はこぐまがより野性的です。好奇心いっぱいの小さな動物たち、あったものになんでも興味をしめして嫌がられたり、しかられたり、そして泣きべそをかいたり、なんだかくたびれて眠くなってしまったり、幼いこどもそのものです。絵で描かれたイラストと別な、哺乳類らしい暖かみがイーラの写真からは感じられます。

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鬼は外、福は内

 K文庫の人たちとの読書会、風のない穏やかな一日でした。会場の入り口に大きなコブシの木があって蕾がずいぶんふくらんでいましたが、2月はまだ油断ができません。2月の雪は気温が低いので積もるとなかなかとけません。3月では土がそろそろ暖かくなってくるので、雪が積もっても雪解けは早いと子どもの頃聞かされました。湿度が低いので冬の空は高くきれいです。
 帰りに買い物に寄ったスーパーで、ひいらぎの枝と豆や落花生をみつけました。節分です。時々子どもたちに読む本のなかに、行事に関係のある本のことの相談をうけます。節分ではやはり鬼の本、ちょっと年配の方は「ないた赤鬼」のことを聞かれますが、残念ながらおとなが好きなほどこの本を子どもは好きではありません。わたしのお薦めはなんといっても次の絵本です。

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「かえるをのんだととさん」
ー日本の昔話ー
日野十成 再話
斎藤隆夫 絵
福音館書店 本体800円

 おなかが痛くなったととさんは和尚さんに相談します。虫退治に蛙を飲んではみたものの、おなかのなかでは今度は蛙がさわぎ、蛙たいじに蛇、雉、猟師、鬼、つぎつぎとすすんでいきます。最後の鬼はどう退治したらよいでしょうか。和尚さんの智恵は節分の豆、おしりの穴から鬼は逃げ出していきます。めでたし!めでたし!すっとぼけた和尚さんのしたこと、おかみさんのおおらかさ、庶民のエネルギーが感じられる昔話です。それに絵がとってもいいのです。斬新な絵でこのお話のおもしろさが充分に描かれています。
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「菜の子先生はどこへ行く」
富安陽子 作
YUJI 画
福音館書店 本体1500円


 この本はシリーズの3巻目、3学期のことなので雪女からはじまって卒業式までのお話がはいっています。なかに節分の話があります。節分では鬼とおにごっこ。作者は子どもたちの日常の世界にちょっとみえる不思議なことを楽しい話にしています。もっともその不思議な世界が見えるのは子どもの特権ですが。
 「鬼」といえば、気がつかないかもしれないけれど、誰でも自分の心の中に鬼が住んでいるのではないでしょうか?静かにしているとき、ときには暴れまわるとき、いったい「鬼」とは? 昔の人たちはどんなことを考えていたのでしょう。

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 「鬼がでた」
大西廣 文
梶山俊夫 え
福音館書店 本体1300円
たくさんのふしぎ傑作集


 鬼の百科です。小学校高学年の子どもたち向けの本なので、絵や写真もたくさん入っていて読みやすくなっています。もちろん、おとなにとっても良い入門書です。

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こども歌舞伎

 店のお話のメンバーの子どもが去年に続いて「こども歌舞伎」に出演するというので観に行ってきました。「絵本太功記」「三人吉三巴白浪」「白浪五人男」「歌舞伎舞踊 二人袴」と3時間あまりの熱演でした。観客は家族友だちが多く、小学生が多くてにぎやかでした。たまたま彼女が「二人袴」に出演したというだけではなく、最後の「二人袴」が話の内容もゆかいで、客席のこどもからも時々笑いがおこり、おもしろく大きな拍手で終わりました。「絵本太功記」は内容がちょっと難しい、今の子どもにはよくわからないのではないでしようか。歌舞伎はちょうどオペラのようだとおもいます。物語があり、音があり、踊りあり。しかも衣装など目も楽しませてくれます。背景などの道具もいいですね。春も秋も舞台にいっぱいです。人間っておもしろいというかすばらしい動物だとつくづく思います。

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 会場の青葉の森ホールは公園のなかにあるので、いまたくさんの梅の花が盛りです。スズカケの実が風に揺れています。梅は紅梅の方が早いのでいま盛り、白梅は五分咲きくらいです。胸いっぱいに梅の香りを吸って良い気分。この間足首を捻挫してまだあまり歩けないのですが、でもゆっくり人のいない古道を歩いていたら春をみつけました。


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