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2008年12月 4日 (木)

海からのおたより-2008年12月ーその3

 貝紫のはなしー その3
200812



海女のお守り


2008_213



 イボニシ


2008_217



アカニシ

日本では吉野ヶ里遺跡から貝紫で染めた繊維が出土しましたが冠位十二階で定められたのは植物の紫で貝紫ではありませんでした。貝紫は以後表立ったところでは使われていません。伊勢の海女にはおもしろいことに貝紫が伝わっています。海女はいまでも頭にかぶる手ぬぐいにセーマン、ドーマンという印を貝紫で描いておまじないにしているそうです。セーマンとは平安時代の陰陽師の阿部清明とそのライバル芦屋道満の印であり、それぞれもとのところに戻る(一筆書きなので“無事帰る”)、たくさんの目で守っている、という意味が込められているということです。
アッキガイ科の貝はカキなどの貝を食べる肉食の貝です。パープル腺の成分は相手をマヒさせ、また卵に注入することによって敵から守るためだといわれています。この写真のつぶつぶしたものがイボニシの卵ですが一部紫外線があたったところが紫色に変わっています。イボニシは千葉ポートパークという身近なところにもいます。遠くフェニキア、マヤ文明、そして吉野ヶ里とさまざまな高貴な身分の方が見につけてきた貝紫。かつてこの紫にふれただけで命を失った方もいたそうですが材料になった貝は案外身近な貝です。わたしたちはすべての色を自由に使える幸せな時代に生きています。深い深い紫のおはなしでした。

どんぐりつうしん変集長 谷口優子

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コメント

貝紫の3部作、とても勉強になりました。国や時代を超えて、貝で染める高貴な紫は尊ばれてきたんですね~。
千葉に住んでいるころは、今のように貝に興味がなかったので、ポートパーク周辺を歩いていてもチェックしたことはありませんでした。
もし、これからまた千葉に住んだとしたら、いろいろな発見ができるかもしれないなぁ、なんて考えてしまいます。

毎回コメントありがとうございました。

歴史の縦糸に様々な人やできごとが絡んでいるのだと貝紫を見て感じました。
残念なこともありました。メキシコの貝紫はバブルのころ日本人が買いあさったようです。もう少し貝の知識のある人がいたら日本に大量に輸出されるアッキガイ科のチリアワビ(ロコガイ)の利用ができたのではなかったかと思います。

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