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2008年12月 1日 (月)

海からのおたより-2008年12月

 貝紫のはなし

11月25日文化女子大学秋期特別公開講座「貝紫の神秘―海の天然染料をめぐる壮大なロマン―」で堀尾真紀子先生のお話を聞いてきました。
 紫は古代フェニキアの時代から非常に高貴な色でした。旧約聖書やギリシャ神話にも記述が見られ、ローマ時代にはシーザーが見にまとい、クレオパトラの船が帆を紫に染めたという話が残っています。染色がご専門の先生のお話だったので貝屋のわたしとしてはとても興味がありました。

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 中でもメキシコ・オアハカ州に残る貝紫のおはなしがすてきなので紹介します。先生が貝で染めた織物が見事だったのでゆずってほしい、といったところ「これはどうしてもゆずれない」と断られたそうです。
 ドン・ルイス村というインディオの末裔ミステカ族の男たちは農閑期の10〜4月に海に向かいます。数人のグループでキャンプをし、荒い波が打ち寄せる岩場でいとしい彼女のつむいだ糸を命がけで染めるのです。彼らは貝を採る前に祈ります。ヒメサラレイシというちいさな貝を岩からはがし、ふっと貝の口に息を吹きかけます。すると貝はカルピスウォーターのような白い体液を出すのですかさず糸にこすりつけます。糸はみるみるうちに紫色に染まっていきます。「神様ありがとう」といって染色に使った貝は海に戻します。それをくりかえして1束の糸を染めるのに1000個もの貝が使われるそうです。満月の夜、月にさらして仕上げをします。そして数ヶ月かかって染めた糸を手に彼女にプロポーズするそうです。求婚された女性はその糸で30センチほどの幅の織物を織り花嫁衣裳のスカートにします。
とてもロマンチックなおはなしです。近年リゾート開発がすすんで海岸の岩場が減りヒメザラレイシガイも少なくなってしまったので村人だけが採れる許可制になってしまったそうです。
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 紫の部分は貝紫、あざやかな赤は合成染料、地味な赤はコチニールと�いうウチワサボテンにつくカイガラムシで染めた織物だそうです。貝紫にはサソリよけの効果もあるとのことでした。
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どんぐりつうしん変集長 谷口優子

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自然」カテゴリの記事

コメント

貝紫のおはなし、とても素敵な話ですね。落ち着いたいい色合いの紫の陰に秘められていた素晴らしい話、心がホンワカと温かくなります。こんなあたたかい心を持った村人達には、きっとサソリも害をなすことを辞めたということかも知れませんね。

命がけで染めてもらった糸ですから一生の宝物ですよね。サソリの模様が織り込んであるものもあるようです。
糸の束はまだ染色の途中のものだそうです。ひそかににおいを嗅いでみたら臭かったですよ。

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