チャペック童話「郵便屋さんの話」
「郵便屋さんの話」
作=カレル・チャペック
訳=関沢明子
画=藤本将
フェリシモ出版 本体1333円
私はこのお話の作者カレル・チャペックの作品も兄のヨセフ・チャペックの作品もひと頃良く読んだ。いまでも、「園芸家12ヶ月」は時々パラパラと読むことがある。うむ、うむ!と。

この作品は児童書としては岩波少年文庫にはいっている「長い長いお医者さんの話」が有名で、そのなかに「郵便屋さんの話」がある。私がはじめて読んだのはいつなのか良く覚えていない。訳は中野好夫、そして、挿絵は兄のヨセフ・チャペックだ。
中野好夫訳とくらべると、やはり現代訳になっていて読みやすい。宛先の不明な迷子の手紙を郵便局に住んでいる妖精たちに読んでもらう。郵便配達の心やさしいコルババさんが一生懸命さがしてあるくその愛の手紙、無事に届いてめでたし、めでたし。その中の切手もはらず、宛名も書かないくせに返事がこないという悲しみの運転手にいう言葉”中野訳・バカだよ、アホウだよ、トンマだよ、ヌケサクだよ、オタンチンだよ、ほんとに、アッババババァだ。””関沢訳・ばかでまぬけであほなやつ、へたくそ、ぶきよう、うすのろで、どじでへまで、ぼんくらで、うっかりものの、わすれんぼだな。”また、妖精たちがトランプをするように手紙をもってどんな手紙か内容を読まずにあててしまうところなど、中野訳はていねいな文になっているのと比較すると、関沢訳はいくぶんテンポがはやい。ただ、そのゆったりとしたユーモアが絵で描かれているように思う。つまり、読むお話から絵本形式のお話になっている。
ヨセフの挿絵はとても素朴でほのぼのとした絵だ。藤本画は挿絵というより紙の色から絵の占める割合から挿絵とはいえない。画風はこのお話に良くあっていると思う。(はじめ日本人が描いたと思わなかった)
画本「郵便屋さんの話」というのがふさわしいのではないだろうか。
それにしても、こんなユーモアのあふれた楽しいお話をいつも、幾度も読む事のできる幸せをたいせつにしたい。
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