募金にご協力ください。

  • 募金にご協力ください
    いつもアジアの子どもたちに絵本を贈る運動に会留府も参加している団体。公益社団法人シャンティ国際ボランティア会へ。http://www.sva.or.jp *郵便振替口座 00170-8-397994 口座名 SVA緊急救援募金 東日本大震災募金」と記入 (青い用紙が郵便局にあります)一口1000円から  みんなの小さな気持ちを!!

キボウのカケラ

クリック募金

« しずかに!・・・ | トップページ | 天使のえんぴつ »

2008年5月17日 (土)

お話で「なめとこ山のくま」

   ストーリーテリングの魅力〜『なめとこ山のくま』
                      
 好きなおはなしだが、なぜ好きか、その理由がわからないものがあります。かこさとしの『どろぼうがっこう』(偕成社)もそうです。絵本でも、おはなしでもやります。(宮沢賢治の『狼森と笊森、盗森』と関係ある、と聞いたことはあります)
 宮沢賢治の『なめとこ山のくま』もそうです。おはなしの表現の、参考になるかと、なぜ好きなのか考えてみました。作品は6つの話(段落)からなっています。第2の話と第5・6の(ひと続きの)話は、冬のシーンです。私は雪国育ちなので、寒いのは嫌いですが、凍った世界はとても魅力的です。冬のシーンがあるから、おはなしでやるのです。くまが口をきいても気にしません。賢治独特の表現も魅力です。でもそれだけでもないようです。賢治の童話を「法華童話」とも言うそうです。この作品は、殺生がテーマなのでしょう。猟師の現実や、考え方はもっと違うものでしょう。それを透き通った、くまと小十郎の世界に昇華するために、第3話で、くまの皮を町に売りに行く、小十郎の説明をしています。
 第1話の構文は複雑です。なめとこ山の描写を3回たたみかけています。「なめとこ山は大きな山だ。と次の文」「なめとこ山は一年のうちたいていの日は、と淵沢川」「中山街道から大空滝までの描写」と、映画のカメラを後ろへ引いていくように、同じ山を3回描写しています。それに、くまの文を付け、小十郎を付け、「くまは小十郎をすきなのだ」と付け、犬を付け、小十郎のむすこ夫婦の死を説明するというように、先の文が、次の説明に自動的につながるような構文になっています。
 このように、小十郎の状況証拠を積み重ねるような、描写を見ると(どういう形で発表されたか分かりませんが)はたして完成稿なのか疑問が出ます。私は岩波版の童話集Åッ『風の又三郎』所収で覚えました。
Photo
 (岩波少年文庫「銀河鉄道の夜」)
天沢退二郎さんに聞いたら、この岩波版の底本はわからないそうです。ただこの未整理(?)の『なめとこ山』は逆に魅力的なので、他本との異同を調べる気はありません。たとえば、母くまを「おっかさん」とよんだ次には「おかあさま」と出てきます。どちらかに統一して、はなしたこともありますが、しっくりきません。賢治でも統一に至らなかったのでしょう。
 第5話の、糸を紡ぐばあさまと、うまやもそうです。第3話で「布にするようなものはなんにもできなかったのだ」と断ってますし、「まるで少しの畑」なら農耕馬はいりません。ただ、この短い第5話は、6話で小十郎が死んで残された者を、暗示する大事な部分です。聞き手は、瑣末な事は気にしないでしょう。
 このように意余って未整理な文章、あれもこれもと入れて、未完成な作品、そのあふれるものが、『なめとこ山』の魅力なのです。私も端から端まで好きなわけではありません。聞いてほしい部分があるから、おはなしでやるのです。話すときに、いらない所はさらりと流します。おはなしではそれが出来るのです。昔話だって、話し手によってまちまち、矛盾だらけの文章です。でもそれを越えた所に昔話の楽しさがあるのです。
 というわけで『なめとこ山』は、おはなしに向く作品です。覚えられなければ、声に出して読んであげて下さい。
  (高橋峰夫)

« しずかに!・・・ | トップページ | 天使のえんぴつ »

コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110398/41237161

この記事へのトラックバック一覧です: お話で「なめとこ山のくま」:

« しずかに!・・・ | トップページ | 天使のえんぴつ »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

8月の営業とお休み

  • 8月のお休み
    ご希望の時は前日までご連絡ください。お休みのときでもご希望の時間に合わせることができます      *8月は不定期です/お休み・13日(日)・14日(月)・ 15(火)19(土)/30(水)31(木)は棚卸し    *5日(土)6日(日)20(日)26(土)27(日)は1:00〜6:00         *28日(月)29日(火)は10:30〜6:00                   *その他は夏時間1:00〜7:00               

お仲間にどうぞ

  • ー元気になる集まりいろいろー
       8月・9月の予定          *グループ学ぼう・話そう 定例会第1月曜日9月は未定           *ボランティア講座 定例会9月25日(月)10:00〜             *憲法カフェ臨時8月29日(火)ミニ講演会マイナンバーと個人情報(図書利用カードをめぐって)講師白石孝さん 誰でも・予約制          *グループ放課後(公共図書員・関係のある人) 定例会9月20日(水)7:00〜読書会              *YAの本を読む会+のんき〜ず学校図書館司書  定例会9月14日(木)7:00〜読書会          *よいこ連盟・絵本の会(保育士たち)定例会9月8日(金)7:00〜    *絵本の会9月15日(金)7:00〜おとなの絵本の魅力            *羊毛ちくちくの会8月17日(木)10:30〜制作                                                                                                           

これからの会

  • 子どもと本これからの会
    読書は知識や楽しみも含めて心の栄養を与えてくれます。そして考える力になります。 被災地の子どもたちに本を届けたい、身の回りの子どもたちの環境を考えていこうという、二本の柱をたててボランティア活動をすることで出発しました。 いろいろの方たちの希望と力を持ち寄って、すばやく、やわらかく、活動を続けていきたいと思います。参加される方は参加登録してください。 世話人 坂上・宮田・大山   

できることから

無料ブログはココログ