インドのむかしばなし絵本
「にげろ!にげろ?」
インドのむかしばなし
ジャン・ソーンヒル再話・絵
青山南 訳
光村教育図書 本体1500円
この絵本のお話はインドのジャータカ物語から再話されています。ジャータカ物語ではお釈迦様が動物の姿になっていろいろの徳を説いています。
ある日一ぴきの気の小さい心配症のノウサギがマンゴーが落ちた音に驚いて、世界が壊れ始めたと思い、パニックになって走ります。別のノウサギも聞いて確かめずに走ります。うわさは広がり確かめもせず、1000匹もののウサギが走り、イノシシが走り、ヌマジカが走り、ベンガルトラ、インドサイと何千匹の動物たちがパニック状態です。でも、インドライオンが大きな声で吠えたので、みんなブレーキをかけて止まりました。ライオンに”誰が言ったのか?”と聞かれ、最初のウサギの震えた小さな声、ライオンはこのウサギを背中に乗せて確かめにいきました。真相がわかってみんな解散、帰路につきました。
良くある話です。特に社会が不安定な時は流言飛語が飛び交い、それがまた、不安をかき立て不幸なことをうむことは、歴史上たくさんあり、現に今でもあります。ネット社会は特に大きな問題をうみます。それに、それを悪く利用する者もいます。ライオンのように冷静になれるのは誰でしようか。
たくさん描き込まれた動物たちの動き、それに各々の動物たちのパニック状態になったときの表情、ライオンに聞きただされて答えられずに困った動物たちの動作、ライオンの威厳のある落ちついた表情など、良く描かれています。作者はカナダ人なのですが、インドの雰囲気も良くでています。
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