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2008年3月30日 (日)

つぐみ通りのトーベ

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「つぐみ通りのトーベ」
ビルイット・ロン作
佐伯愛子 訳
いちかわなつこ絵
徳間書店 本体1400円



 女の子が木にしがみついている表紙の絵、女の子はトーベという名前の小学校2年生です。元気な子どもなのですが、最近ちょっと浮かぬ顔をします。それは仲良しのエンマが他の子と仲良くしていて、トーベによそよそしいからです。エンマの誕生日プレゼントを買った帰り、木に登っておりられなくなったこねこを見ました。その時はトーベも同じようなことになるなど思っても見ませんでした。誕生日のパーティーに行く日、いろんなことがあって遅れそうになり、パパが車で送ってくれました。車に乗っていたので、道が良く解らなくなり、着いたエンマの家ではみんなとてもおしゃれなようすをして来ているので、トーベはすっかり気が重くなってしまいます。しかもミスをしてスカートを汚してしまいみんなに笑われたので、とうとう途中なのに抜け出して、黙ったまま一人で家に帰る事にします。歩いているうちにトーベは帰り道がわからなくなってしまい、木に登って高い所から探そうと思い、木に登ったまではよかったもののこんどは降りられなくなってしまいました。さんざんな日でしたが良い事もありました。男の子と友だちになれた?、エンマのほんとうの気持ちは決してトーベを嫌っているわけでもないことを知ります。なんといつてもトーベは消防車に乗ったのです。これってすごいことです。トーベはエンマや同級生とまた仲良くなり、新しい友だちもでき、ペットも持ちました。
限られた場以外にも新しく行動をひろげていくこの年齢の子どもたちの気持ちが良く描かれています。それに、スウェーデンのお話なので、トーベの両親が家事を分担して働く様子など、おとなからみてもなかなか興味深い場面がある物語です。たくさんのさし絵がはいっていて、ひとりでも楽しく読むことができます。


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2008年3月29日 (土)

フイツシュ

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「フイツシュ」
L・S・マシューズ作
三辺律子 訳
ずずき出版 本体1600円



私の両親はある国の村で救援活動をしている。この国は酷い暑さ、雨が降らないので水がたらない。それだけでなく内戦が激しくなって私たちも危険になってきた。
 そんなある日水たまりといって良いほどの小さな池で魚を一ぴきだけみつけた。この国の戦闘が激化してきたので、私たちはここをのがれて、安全な所に行くことにした。私はこの魚を連れいてきたいと思ったが、むろん両親は反対、でも執拗な私の頼みでとうとう魚をつれて、国境を越え、安全な所へ脱出することにした。ロバを連れたガイドに導かれて出発する。魚ははじめペットボトルにいれられたが、やがて使いふるしのお皿に入れられ運ばれるが、水も無くなりかけていく。険しい山道を通るのに、足を滑らし谷底に落ちそうになったり、積んだ荷物もろともロバを失いそうになったり、部族の捕虜になったり、目の前で人が殺される。もちろん必死に守った魚は一滴も水がなくなり、いまにも死んでしまいそう。最後の手段は魚を口にいれて運ぶことだった。最悪なのは部族に捕えられた時、けれどガイドの口添えで命は助かり、やっと難民キャンプにたどりつくことができた。魚は生きていた。警備兵に渡して川にはなしてもらう事にした。
 この物語は一人の少女が困難な道を、死と隣り合わせのなかで希望を持ち続けて自由になるまでの物語だ。自分を信じる事、そして、はじめて他の人を許せた時にほんとうに自由になる、この少女といっしょに旅をしたあなたが、この不思議な物語のなかにみつけるものはなんだろうか。

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2008年3月28日 (金)

ゴッホの本

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「にいさん」
いせひでこ
偕成社 本体1500円




 ゴッホと弟テオの関係は有名である。南フランスで片耳を切り落とし、近くの人びとから恐れられ、無理解のうえに精神病院にいれられてからも、弟テオは兄の良き理解者だった。理解者というより、兄ゴッホの命は弟のテオによってささえられていたのだ。ゴッホは37年間のなかで700通もの手紙を弟に送っているという。この絵本ではその弟テオの兄への賛美と共感にみちた物語が描かれている。それはこの絵本の作者である画家いせひでこの想いにしかならない。ゴッホの、たとえば「ひまわり」はいせひでこから見た「ひまわり」であるから、ゴッホの燃えるような色彩でなく、テオをとおしたいせひでこの、濃い青と黄色で描かれた「ひまわり」だ。
 一方偶然だろうか、ゴーストになったゴッホが日本にきて、広重や北斎を訪ねるなかでの夢を描いた物語がでた。

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「時の扉をくぐり」
甲田天・作
大田大八・絵
BL出版 本体1400円



 主人公佐吉は絵師広重のもとで見習いをしている。見習いといっても、ていのいい奉公人だ。でも、そんなことに広重は頓着していない。ただ絵のことばかりで頭がいっぱいだった。そこへ現れたのは赤毛で瞳が深い青の男ゴッホの幽霊だった。生き続けると弟の迷惑になるので自殺したゴッホ、けれど、その弟テオも半年もたたないうちに精神を病み死んでしまう。向こうの世界で弟に会い、一生懸命に祈って日本に行ってあの浮世絵を見てみたいとの切実の願いでここに来たという。出島にいたことのある又三の通訳で、広重は長野の小布施にいる北斎の元にゴッホをつれていくことにする。佐吉は荷物持ちだが一緒について行く事になった。3人が北斎に会うまでの旅のようす、いろいろな人と出会うだけでなく、ゴッホは広重の絵の秘密を、広重は北斎に対しての屈折した思いのなかで、ゴッホの自分とは全然違う表現の仕方を学びながら、そして、佐吉と又三は旅をするうちに自分の生きていく意味を考えていく。
 日本の浮世絵が印象派の画家に大きな影響をあたえていたことが、こんな本になって読む人のなかで一層の想像力がかりたてられる2冊である。

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2008年3月27日 (木)

りんごの木

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「りんごのえほん」
ヨレル・K・ネースルンドさく
クリスティーナ・ディーグマンえ
たけいのりこ やく
偕成社 本体1200円



 木に咲く春の花、梅、こぶし、桜、杏、まだまだたくさんありますが、目立たない白に近いうすモモ色の花はりんごの花です。夫の故郷の長野では庭にりんごの木がありました。(ちなみに山を越えた私が幼い時に過ごした新潟にはりんごの木はありません。)とてもめだたない花が咲きます。むしろ秋になってりんごがなると花が咲いたように木々は華やかになります。
 この絵本はスウェーデンの絵本なのですが、家の庭にりんごの木があり、もちろん売っているそうですが、一般的には庭のりんごをもいで食べるのだそうです。冬、小さな人、木の精がねむっています。雪の中を鳥たちも落ちているりんごを食べていたりおしゃべりしていたり(この冬のわたしの家のバードテーブルのりんごにはヒヨドリがいちばん来ました。)、春になってりんごの花が咲きます。木の枝にのって小さい人がりんごの花で造ったかんむりをかぶっておしゃれをしています。やがてりんごがたくさんなって、みんなでおいしそう!この絵本はりんごの木の一年を描いています。小さな人も鳥たちも動物たちも虫たちも、みんなりんごが大好きです。
 見返しにはたくさんのさまざまなりんごの木が描かれていて、りんごのお菓子の作り方もついている美しい楽しい絵本です。

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2008年3月26日 (水)

きょうは良い日

 昨日N高校の図書室を見せてもらいに行ってきた。もう春休みで部活の子どもたちが何人かいたり、卒業した子どもたちがきたり、年度末なので先生たちも忙しそうななかを、ほんとに久しぶりに高校の図書室でしばしの良い時間を持つ事が出来た。いつもは新刊ばかりみているので、古い本がたくさんある図書室。なつかしい本、見た事のない本、どっしりと存在感のある本に出会って、とても嬉しかった。
 春の風に吹かれて気分はとても良かった。でも、実は体調は悪くて風邪気味で鬱状態だったのだけれど、この絵本のように帰りはすっかりとてもいいひだった。

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「とてもいいひ」
ケビン・ヘンクス さく
いしいむつみ やく
BL出版 本体1300円


なんだかきようはいやなことばかり、ことりは羽が抜け落ち、こいぬは繋がれた紐がからんでう動けないし、こぎつねはおかあさんとはぐれて、と、いうようなことばかり。でもその後、今度は良いことばかり、もちろんごぎつねはおかあさんと会えたし、紐はほどけてこいぬは自由になったし、ことりのはねは女の子の髪を飾り、なによりも女の子がこういったの。“とてもいいひ”ってね。ヘンクスの絵本は文も絵も単純な繰り返しのなかに、うれしい気持ちがたくさんつまっていて、いつも気持ちがおおらかになる。
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 仕事はいっぱい残っていたけれど、早めに家に帰ってココログがメンテナンスだったことを良い事にして、思い切ってねてしまった。
今朝、千葉高校の桜を見ながらわたしも«きようはとても良い日»!と一日がはじまった。

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2008年3月25日 (火)

木の実のけんか

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「木の実のけんか」
岩城範枝 文
片山健  絵
福音館書店 本体1300円



 昨日の暖かさと今日の雨で桜が咲き始めました。卒業式には間に合わなくて入学式には早すぎて、ちょっぴり気の毒な今年のお天気です。ほかの季節にはあまりそのように思わないのですが、桜の季節には桜の本を子どもたちといっしょに読みたいとおもいます。
 ちょうど出版されたこの絵本は狂言といっしょになった本の2册目です。狂言の「菓争 このみあらそい」を下敷きにしてあって古典の和歌(古歌)を知っているかの争いとのことですが、この本では桜の樹の下での場所取りというか縄張りというか、おれこそは!という争いです。文を読んだだけではちょっとわかりにくく、そこを片山健の絵がわかりやすく、愉快に、そして、華やかに描いています。
でも、もともと言葉=狂言なのでリズムのおもしろさ、そして、和歌を読むところもあるので、声にだして読んだほうが絵が動いてとても良いのです。最後の場面のなにごともなかったような桜の樹の静けさのようすが良くわかります。わかるというか、ここでしばし、心が落ちついて良い気分になります。
 桜の花は華やかですが、樹は静かです。
 昔、朝早くに川の土手に植えられていた桜の樹々の下を散歩したのを、毎年この季節になると思い出します。

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2008年3月23日 (日)

なわとびしましょーフュージョン

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「なわとびしまょ」
長谷川義史
学習研究社 本体1200円




今日はとても暖かい、光の輝いていた春の一日でした。こんな日は「なわとび」を跳んでみるのもいいかもしれません。今、一番のっている長谷川義史の絵本です。男の子がひとり、口をあけて、飛んでいます。でも、縄跳びでもこれは、一人縄跳びではありません。表紙の折り返しの所に子ども、握った縄は裏表紙の子どもが持っています。そして、表と裏の見返しには縄跳びの歌が載っています。“おおなみ〜 こなみ〜”さあ、つなをまわしますよ!子どもの頃の縄跳び、ゴム跳びを思い出しました。とってもじょうずな同級生がいました。いま、どうしているかしら。
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「フュージョン」
濱野京子
講談社 本体1300円



この本を読むまで「ダブルダッチ」という言葉を知りませんでした。その「ダブルダッチ」に音楽の要素を取り入れたのを「フュージョン」といいます。
主人公朋花は偶然家から少し離れた公園で、同級生と隣のクラスの3人が縄跳びをしているのに出くわします。その縄跳びが「ダブルダッチ」と呼ばれるもので、きっちりと優等生の美咲、茶髪にしていてヤンキーな玲奈、そして、おとなしくていつも玲奈のパシリをしているような玖美、到底友だちになるようなことはないと思っていたメンバーでした。誘われるというより、挑発されて勢いで跳んでみた朋花はすっかり虜になってしまいます。朋花の母親は高校の教師をしていて、子どもたちに要求度の高いいわば教育ママ、秀才の兄はその重圧から飛び立とうとして家出をします。朋花だけに写真だけのメールを時々送ってきます。いつもきちんとしている優等生の美咲が服装や髪型をかえて、いわゆる問題児の玲奈といっしょに、気持ちを揃えて「ダブルダッチ」で汗をかいて練習しているなんて、朋花には思っても見ないことでした。高校の文化祭で「ダブルダッチ」を見て4人はコンテストにでることにしますが、教師の誤解から、校則に厳しい学校と対立してコンテストにでられなくなります。朋花から事情を聞いた親友の彩乃の提案できちんと自分たちの主張と実力を学校に認めさせるためにあることを密かに計画して実行します。
 この物語は一応いま流行の運動物語かもしれません。そして、縄跳び=ダブルタッチは気持ちを揃えないと跳ぶ事ができない、個人プレーの競技ではないのですが、だからといって根性物や道徳的な物語ではありません。
 友だち、親とのかかわりと考え方、だれもが青春期に何度か親や世間と対立しながら成長していきます。そのなかで自分らしく、自立していくとはどういうことなのかを考えていきます。
 音楽が大事な背景になっていて、文体はスピード感があり、開放感が感じられます。

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2008年3月20日 (木)

映画「歓喜の歌」

立川志の輔を見直す〜映画『歓喜の歌』
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 落語が映画になるとは思いませんでした。創作落語で活躍する立川志の輔、彼の『ダブル・ブッキング』が、映画『歓喜の歌』になりました。                    
 ママさんコーラス2グループが、某市民ホールでの発表会を申し込みます。半年前の受付、希望日は大晦日、ところが市民ホールの主任が、大晦日同時刻で2グループ入れてしまいます。それに気付いたのは、暮れも押しせまった頃、チケット購入者に早く来い、遅く来いと言えるわけがないのは、両者も同じ。時刻が譲れないなら、唯一の手段は、合同発表会。そこに至るまでのドタバタ喜劇、そして最後は大成功・大感動の発表会。
 主役は主任です。これがいかにも公民館などに、いそうなタイプ。やなヤツ(民間会社にも、私達のまわりにもいますが)。落語だと、志の輔ひとりの顔を見続けているので、よけい感情移入して憎らしく見えます。とても映画の主役にはならないと思っていました。ところが映画だと、意外と愛嬌が出てきます。ひとり芸と群衆劇の違いでしょうか。
 映画では、ママさんひとりひとりの日常生活が、ていねいに描かれています。サークルにはサークルの苦労があります。でも、大変な練習もそれなりに楽しいし、人前でやると緊張しても、観客の反応は嬉しいものです。コーラスも、おはなし会も同じですね。もっと言えば、演劇でもコーラスでも、観客にまわるよりも、演じるほうが面白いのです。
 あの落語を2時間の映画にして、破綻しません。かえって厚みが出ます。と言うことは、落語の骨格がよほどしっかりしているのです。落語でのアクの強さ説教くささが、映画では俳優それぞれのコクになっています。落語のオチでは、主任の無神経さを遺憾なく発揮していますが、映画では、腹立たしさをなだめられます。
 それにしても、映画のママさんコーラスの、歌のうまいこと(もっとも、ママさんなのかプロなのかはわかりませんが)。 題名の歌をはじめ、みんなの知っている歌がたくさん歌われます。その中のひとつ、『竹田の子守歌』は名曲です。ただ、悲しい『守り子歌』を、病気の子に歌ってやるのは、そぐわない気はしました。 (高橋峰夫)

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2008年3月19日 (水)

絵本「せんねん まんねん」

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 午前中まだ雨は降ってきません。いつものように千葉高校の中を歩いて来ると、みごとに咲いている桜の樹がありました。その桜に添って梅があって、つい何日か前は梅の花を見ていたのですが、まだまだと思っていた桜の花が満開になったのには驚きました。千葉高校は中学校ができるので、門を造って、私たちは通れなくなります。私の好きな大きな樹があり、鳥もたくさん来るので、これからは見られなくなると思うととても残念です。
 今週は千葉市立小学校では卒業式がありました。お天気に恵まれて良かった・・・(花粉症の人はたいへんですが。)外国の学校は夏に区切りがあるところが多いようですが、私はやはり春、梅や桜や若葉の季節が良いとおもいます。

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「せんねん まんねん」
詩 まどみちお
絵 柚木沙弥郎
理論社 本体1500円




«いつかのっぽのヤシの木になるために»ではじまるまどさんの詩、じべたに落ちたヤシの実はいろいろのものたちを経てヤシの木になるためにくりかえされて、長い時がたちます。«まだ人がやって来なかったころの»はなしとまどさんはうたいます。そして、柚木さんがとってもいい絵を描いています。
時がゆっくりと暖かくながれています。まどさんは1909年生まれ、きっとたくさんのことを見たり、聞いたりしてきたことでしょう。
«せんねん まんねん»ですね。


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2008年3月17日 (月)

図書館いろいろ

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 昨日(16日)の毎日新聞朝刊に学校図書館のことが載っていました。ひとくちに公立小学校・中学校の学校図書館といっても資料費から設備、そして、司書と格差があるという記事でした。もちろん学校の規模などによって蔵書数等が違うのは当然かもしれません。けれど、日本の子どもたちはどこに住んでいようと同じ教育を受ける権利があります。蔵書ひとつとっても、基本的な蔵書は必要です。今はクラスや子どもたちの数が考慮されて予算が組まれます。毎日の記事では蔵書数そのことだけでなく、図書館の働きが自治体によってかなりの格差があるとされています。つまり予算だけでなく、指導する司書がいるか、いないかなどが差があると書かれています。詳しい調査は4月に文部科学省の発表があるとのことで、見守りたいとおもいます。私は自治体が公共図書館にどれだけ力をいれているかも知りたいと思いますが、そこで働いている人たちがどんな状態なのかは、これからの図書館のありかたも含めて大変関心があります。それは仕事がらみということもありますが、文化を伝えていくことがとても大切で、それは図書館の大きな働きのひとつだと思っています。『本』というものはそれだけで存在するものでもありますが、『本』になるには読む人を抜きにして考えられません。
 13日、「千葉市図書館を考える会」の図書館見学に参加してきました。「横芝・光町立図書館」と「富里市立図書館」です。図書館の歴史は「横芝・光」が15年、「富里」は5年ほど、住民数は「横芝・光」が28000人ほど、「富里」はおおざっぱにいってその倍、50000人ほどです。「横芝・光」の主要産業は農業、「富里」はスイカが有名ですが、成田空港がすぐとなりなので、空港に関した職業人も多い状態です。ふたつはとても対象的な図書館でした。「横芝・光」は建物も司書の方の手作りのような、木と土の匂いがプンプンしていました。決して近代化されていないというのでなく、(ここの司書の毎日ブログは情報発信元としてもみごとです)たとえば、児童室には本が本屋のように平積みされていたり、あふれんばかりに並べられています。できるだけ出しておく、閉架書庫にいれないように、そのほうが楽しみが多いからとのお話です。一方「富里」は日本で最初に図書館流通センターとタイアップしてタグを使用した公立図書館です。建物もメタリックで総ガラスばり、エレベーターも素透視です。児童室の本はとてもきれいに並んでいます。母子連れが一緒にボックスのなかでビデオを見ていたのが気になりました。案内ビデオを見せていただいて、タグのついた本で自動貸出機をつかってみました。(初体験でした)
 ただ想像していた通り、タグなどの方法は在庫管理はなんといっても便利と思いますが、維持管理にとてもお金がかかることです。
 途中芝山埴輪博物館でお弁当を食べました。頭上にはひっきりなしに飛行機がとびます。すごい音です。梅が見事に咲いていましたが、梅の香りが音で切り開かれてしまいます。蜂が花の中にもぐりこんで、せっせと働いていました。
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「横芝・光」の司書の方と案内してくださった館長さんがお話された図書館人としての希望と情熱を家に帰っても思い出し、元気のでた一日でした。
 公立図書館は市民、住民のものでなくてはいけません。学校図書館も子どもたちのものでなくてはいけません。その時はじめて、市民の図書館、子どもたちの図書館になるのだと思います。本は人を育てます。

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2008年3月15日 (土)

シャーロック・ホームズ外伝

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<カラス同盟>事件簿
シャーロック・ホームズ外伝
アレックス・シモンズ/ビル・マッケイ
片岡しのぶ・訳
あすなろ書房 本体1300円




この本もまた、「シャーロック・ホームズ外伝」と書かれているようにホームズのシリーズのなかの「ベーカー街不正規隊」として活躍する少年たちをもとにして、物語がすすんでいる。この本もまた、というのは、このブログ1月14日に紹介した「ベーカー少年探偵団」と同じ部分を背景にした物語だからだ。
 ロンドンの貧民街に住む私設隊員がホームズのために情報集めをする。特別の待遇を受けるわけではないのに、少年たちはホームズの力になることに誇りをもっている。また、どちらの作品もホームズが困難におちいる(捕まって殺されそうにな)のを少年たちが助けるのだが、相手の悪党が政権転覆と女王暗殺を企てることをめぐっての事件なので、歴史の裏面事件を読んでいるようなおもしろさがある。そういえば、シャーロック・ホームズには関係ないのだが、やはりこのブログ2月27日に紹介した、エイキン作の「ダイドーと父ちゃん」の物語の背景も、ヴィクトリア女王暗殺を企てる一味に加担する父親に、巻き込まれてしまう子どもたちが、事件を阻止するために活躍する物語だった。霧の中、石畳を走る馬車、ガス灯、貧しく、孤児も含めて大人と同じように働き、生活している貧民街の子どもたち。主人公のウィギンズ少年は親友ティムが殺されてしまい、<カラス同盟>をつくり敵討ちをしようとして事件にまきこまれ、はからずしも殺されそうになっていたホームズの命を救うことになる。子どもたちが一人一人の特性を発揮してのいきいきとした集団の動きはとても魅力的だ。

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2008年3月13日 (木)

この絵本が好き!2008年版

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「この絵本が好き!」2008年版
別冊太陽編集部=編
平凡社 本体1000円




 毎年本当にたくさんの絵本が出版されます。それを一堂にみることはなかなかできません。実際意識して自分のなかに蓄えていかないと、次々に出版される絵本を手にとって見る機会もなくなってしまうほど、今はテンポも早く目の前をどんどんと通り過ぎていきます。そんな中でこの本は私にとって自分の仕事をチェックするために最良のガイド・ブックになります。3月にだされるのも嬉しいです。絵本は別に子どもだけのものではありませんが、子ども抜きには語れませんし、子どもという読者ぬきには語れません。このガイド・ブックはたくさんの人のアンケート(今回は106名)が掲載されていて、これからの選書にとても役にたちます。
 2008年版の特集は「石井桃子の作品世界」と30年を迎える「ちひろ美術館の歩み」で、この記事も日本の絵本界というか、児童文学の世界の一端がわかり、文化を次の世代に継承していく意味を感じました。
 この本の原稿依頼が来るのはいつも暮れの忙しい時ですが、こうやって本になって選書を通して、いろいろの人たちの感じ方、考え方を知る事ができ、最後についている2007年に出版された「絵本リスト」も含めて、意義のある企画だとあらためて思います。

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2008年3月12日 (水)

新刊「衣世梨の魔法帳」

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「衣世梨の魔法帳」
たんじょう日のびっくりプレゼント
那須正幹・作
山西ゲンイチ・絵
ポプラ社 本体840円




衣世梨のシリーズ6冊目です。この物語は衣世梨の10歳の誕生日におこった不思議な話、ちょっと季節外れですが、8月、夏休みの話です。衣世梨は4年生、今年は誕生会はしないでおこうかと迷うところから、話ははじまります。誕生日は9月9日、スーパーで働いているお母さんは仕事を休む?それはまずい!と考えるくらい衣世梨も大きくなったということです。呼ぶ友だちのことなど、なんとなくめんどくさいと思っていましたが、やっぱりすることになりました。そして、両親や友だちと話をしているうちに、幼い頃の思い出が浮かんできました。たとえば、幼稚園、行きたくない事があったことなど、前に住んでいたところのことなど、思いついて幼稚園や住んでいたアパートに行ってみることにしました。花丸と一緒に。いつの間にか衣世梨は幼くなっています。そして、誕生日、びっくりプレゼントをもらいました。そのびっくりプレゼントとは・・・衣世梨はタイムスリップしていろいろのことを知ります。大きくなりたかった衣世梨、すててしまってすっかり忘れていたぬいぐるみのイービーちゃんのこと。
 このシリーズは、とくに今回のように、ドキドキするような事件があったり、その謎解きがあったりするわけではない物語は、ゆっくりと考えながら読みたい。そして、その観点で考えると、表紙の絵もふくめて、衣世梨が幼すぎ、かわいすぎます。
 ともかく、なにはともあれ、衣世梨は10歳になりました。”そうか、あたしたちって、もう十年も生きてきたんだ”と意味の深い事をいっています。

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2008年3月11日 (火)

算法少女

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「算法少女」
遠藤寛子
筑摩書房(筑摩学芸文庫)
本体900円



一月に一回児童書を読んでいる小さなグループがあります。そのグループの母体は地域文庫です。だから読書会に集まる方たちは主婦の人たちです。文庫の活動やら、学校への読書に関してのボランティアをしていたり、なかには図書館を考える市民運動をしている人もいます。お茶を飲みながら、テーマの本を読んだ感想をいいあったり、現実の子どもたちのこと(読書に関する事や学校図書館のこと)を話し合ったりする、とてもゆるやかな会です。個人的に読書活動に役立てる人もいるかもしれませんが、読書会としての結論はありません。
 今日は「算法少女」を読みあいました。これを選んだのは私で、昔、前の版で読んだ事があって、久ぶりに復刊され、あまり類書がないのが取り上げた理由です。
 時は江戸時代、算数好きの少女の物語です。算数といっても和算です。父親から算法を教わっていたので観音様に奉納された算額にまちがいがあることを指摘します。とはいえ、少女あきはそれでいばっているわけでもなく、頭は良いけれど素直な心のやさしい少女です。でも、それからあきは算法の流派争いと、それにつらなるお家騒動にまきこまれそうになります。その頃の江戸の様子や子どもたちやとりまく寺子屋など、たくさんの庶民の生活も含めて、いきいきと描かれています。
 感想はとても好評でした。それだけに学芸文庫で復刊されたのは、ある面では残念でした。本の内容と学芸文庫という体裁は中途半端、オビには歴史小説と書かれていますが、ノンフィクションとしてとてもおもしろく、もう少し各々のことについて描き込まれていれば、確かにおもみのある歴史小説になったと言う意見がでました。
 いま、私たちはなんのために勉強するのかわからなくなっている、勉強する事が生活、生きていくこととなかなか繋がりません。字の読み書きができること、計算ができこと、仲間を(友だち)つくることの意味など、原点にかえってみる必要があると思います。
 今日は市立中学校の卒業式でした。暖かく穏やかな一日でした。
 

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2008年3月10日 (月)

里山の一日「春の日」

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「里山の一日 春の日」
今森光彦
アリス館 本体1400円




 このシリーズ、これで四季すべてがそろいました。なんとなく季節は春からはじまるものと思い込んでいましたが、活動的な「夏」からはじまり、出発の「春」が最後なのも意味があるのだろうか思っています。
 昨夜の雨は朝10時頃にあがりました。たっぷりの雨で樹々も霞がかかったような感じです。まだ、新芽はでないので、木の芽は緋色かかった茶色です。樹々の幹のなかには、もう樹液が流れているにちがいありません。幹に耳をつけてみるとサラサラとそんな音が聞こえます。凛と咲き始めた梅の花はまあるくなりました。めじろが夢中になって顔をつっこんでいます。あと、少しすれば桜が咲いて、空までが華やかになります。律儀な配達夫のことを詩ったのは茨木のり子さんですが、そろそろ眼をさます彼らは、これからおおいそがしになります。

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ところで、この本カバーの色も素敵なのですが、カバーの下の絵を知っていますか。カバーを取ってみると思わず感歎の声があがります。

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2008年3月 9日 (日)

海からのおたより-2008年3月


    シナハマグリの真珠
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ひなまつりといえば蛤のお吸い物です。旧暦の3月3日ごろは1年で最も潮が引くので磯遊びとひなまつりは深いつながりがあります。ハマグリは右、左同じ貝でないと二枚の貝がぴったりと合わないので夫婦和合の象徴になっています。女の子の幸せを祈る気持ちがこめられています。二枚貝はアサリでもシジミでもほかの貝とは合わないのですが蛤はやはり昔からごちそうだったのでしょう。今年は店頭にいろいろな蛤がならびました。大きい「地はまぐり」とよばれる九十九里浜や鹿島灘でとれたチョウセンハマグリ(1つで500〜600円くらいします)、千葉産の*ハマグリ、中国から輸入したシナハマグリ。「蛤」といっても実はいろいろな種類があるのです。我が家は手ごろなシナハマグリを買ってきました。
食べていると「がりっ」としました。砂かしら?と見てみるとなんとシナハマグリの真珠でした。形はいびつですが表面はつるつるしています。色は蛤の内側と同じ乳白色です。貝のからだに入った異物をつつみこんでからだを守るために真珠はつくられます。
ふつう真珠貝とよばれるアコヤガイだけでなくどんな貝でも真珠ができる可能性があるようですが自然にできることは極まれです。ちょっとうれしいひなまつりになりました。
 
*千葉県の天然のハマグリは絶滅してしまいました。九州で稚貝を採って台湾で育てた
ハマグリを千葉漁連で人工的に放流したものが最近市場に出るようになりました。
 
         どんぐりつうしん変集長  谷口優子

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2008年3月 8日 (土)

むかしばなし「いたずらぎつね」

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 1のまきを以前紹介したが、2のまきがでた。
よみたい ききたいむかしばなし
 2のまき「いたずらぎつね」
 1のまき「ねこのおんがえし」
中川李枝子 文
山脇百合子 絵
のら書店 本体各1300円

1のまきと同じように12編はいっている。タイトルどうりに幼い子どもが自分で読んでも良いようにもなっている。それはなによりも親しみやすい絵に負う事が多い。また、読んでもらうのに良いのは、やはり聞きやすく、イメージが浮かびやすい作者の言葉におう事が多い。それは声をだして読んでみると良くわかる。今の子どもたちがイメージしやすい言葉、昔話の特徴である繰り返しの言葉、ところどころに入っている歌のような言葉(そういえばこの二人の共著である「ぐりとぐら」のなかで歌われるうたのルーツはこういうところにあるのかもしれない。)おもわずうたってみたくなる。例えば「きつねとかわうそ」はこんなふうに"さかな 一ぴき おっぽに かかった おれのもの”"もう一ぴき おっぽにかかった おれのもの”そして、"さかな どっさり おっぽにかかった おれのもの”でもきつねはかわうそをだましたために、かわうそにしてやられてしまう。"くっつくな こらっ あっちいけ さかな このおっぽは おれのもの”こんな調子で唱えごとのように歌がはいっている。「たにしときつね」にいたつては"口のとんがり”とか"けつのとんがり”とかおもわず笑ってしまうくらいおかしい。
 12編目のおはなし「マミチガネのぼうけん」というお話は私ははじめて読んだけれど、ファンタジー物語のようにちょっと不思議なお話だ。マミチガネは最後には生家の名声と栄誉をすてて「わたしは、ふたりの父親をやしなうことはできない。父上は養子をもらってください。わたしは、いのちをすくってくれた、妻の家ではたらきます。P136」とさっぱりとおよめさんの家に行ってしまう。
今日も店で新一年生に良い本は?と聞かれた。今の時期子どもはある意味ではずいぶん緊張しているので、こんな本を読んであげてくださいと、この本を薦めた。テレビを消して、ゆっくりとね!

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2008年3月 6日 (木)

いまから「家を出る日のために」

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 今日は県立高校の一般入試の合否の発表がありました。いつも歩いて抜ける千葉高校の正門から右手の掲示板の前にもたくさんの人がいました。左手にある梅の花も咲き始めました。この梅は大きな実がなります。入試には桜がつかわれますが、今は梅の花の季節です。悲喜こもごも、ほとんどのこどもたちが私立を受けているので、どこにも行く所がないということはない時代ですが、なんらかの理由で不本意の場合は、入ってからもやめてしまうことが少なからずあるとのことです。
 一応義務教育が終わったので、これを機会に自立して行く計画をたてたらと思います。現代の子どもはなかなか親から離れない、親も離さない、パラサイトという言葉もあります。とくに、地方出身者は物理的にも高校を卒業した時点で家から離れることを強制されます。ただ、私の住んでいる千葉は通勤、通学ができる範囲が広いので、家から出ないまま、就職してそのままいる人も多いのです。経済的な理由が一番、家賃が高いので、つい親もそれを望んでしまいます。子どもは少々親がうるさくても、わずかな時間我慢すれば良いと、なんでもしてくれる親、特に母親から離れようとしないようです。

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「家を出る日のために」
辰巳渚・著
理論社 本体1200円


 著者はひとりで生きるということはどういう事なのかを書いています。”日々の暮らしを主体的に暮らすことが、人間にとって不可欠なこと”といいます。自分を主体的に暮らすということに著者は次のことをいっています。1、自分で決めること。2、自分の言葉で語ること。3、自分のことは自分ですること。4、自分の力で食べていくこと。身体を動かし、使って具体的に生きていくことの大切さを若い人たちに語っています。
 でも、決してこの本は道徳の本ではありません。著者の経験から思っている事がわかりやすく具体的に、「家出テスト」!付きで書かれています。この「家出テスト」の項目を高校生活3年間で身に付けてみませんか。つまり家出の準備です。自分らしくあるために。高校生になるということは、自立した生活を送っていくための準備なのです。

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2008年3月 5日 (水)

「きのこ」がやってきた

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 これはなんだと思いますか?そう、「しいたけ」の写真です。
 先週の金曜日、頼んでおいた「しいたけ」の栽培木が届きました。生協のカタログに載っていたので、こういういたずら?が大好きな私はすぐ予約をしました。来た時はちょっとデコボコ(シイタケの菌が植え付けられている状態)でしたが、みるまにムクムクともうこんなに大きくなりました。収穫は後少しのようです。実際の栽培は菌を植え付けるところからはじまる、いえ、原木の管理からはじまるので、とてもこんなお手軽にはいきません。しょせん遊びですが、こんな遊びもおもしろいとはおもいませんか!

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 「きのこ」の本といえば「見つけて楽しむ きのこワンダーランド」という本があります。(大作晃一著 山と渓谷社 森の休日4 本体1600円)この本は図鑑というより「きのこ」について全部というような本です。このシリーズはつい最近「鳥」「街路樹」もでて、山と渓谷社はとても写真がきれいで店では人気があります。
 「きのこ」といえばなんとなく秋が似合います。森の木漏れ日のなかにひっそりと佇んでいたり、月の光の中を踊っていたり、そんなイメージにぴったりの本があります。

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「きのこ 森の妖精」
藤沢 寿・写真
谷川俊太郎・詩 構成
新潮社 本体1400円

世界のなぞなぞ、宮澤賢治、ファーブル昆虫記、遠野物語、俳句、短歌、そして、谷川俊太郎の詩や文と小さな言葉が「きのこ」の写真に添えられています。
 童話の世界ではどちらかというときのこの精はたくさんで登場、元気でにぎやかです。いろいろな面があって「きのこ」はとても不思議でおもしろい、もちろん、私は食べるのも大好きです。

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2008年3月 4日 (火)

とっておきの「科学の本」2冊

        とっておきの「科学の本」2冊
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 2年前の夏、本屋で、きれいなしゃれた表紙の本を見つけました。吉村仁の『素数ゼミの謎』(文芸春秋)です。そして07年夏もう1冊見つけました。『多賀城焼けた瓦の謎』です。同じ出版社。 同じく、表紙・絵は石森愛彦、装幀は野中深雪で、夏休み向けの、さわやかな表紙です。この2冊には、ほかにも共通性があります。ルビ入り。書名にもルビが入ってます。子供にも読める、わかりやすい内容です。私は2冊しか見てませんが、シリーズ化すれば、ユニークな児童書になると思います。せっかくですから、2冊まとめて紹介します。
 遊び心でしょうが、この謎シリーズ、特に『素数ゼミの謎』は、推理小説ふうです。「大学の数学ゼミで起きた殺人事件の本」と思って手に取りました。ところが中身は小説より奇なり。帯に「子どもから大人まで楽しめる科学読みもの」とある、進化の歴史の壮大な物語。それがハードカバー、カラー挿絵入り、126ページの(判型は四六判と言うのでしょうか)コンパクトな本に入っているのです。
 要するに「素数ゼミ」というのは蝉のことです。一般に「周期ゼミ」と呼ばれる北米の蝉で、13年か17年にいっぺん大発生します。「素数ゼミ」は著者の命名のようです。この蝉の3つの謎「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大発生するのか?」「なぜ13年と17年なのか?」を解き明かすのに「素数」が必要なのです。この本は、著者の論文『氷河期における周期ゼミの進化的起源』を一般向けに書き下ろしたもので、半分数学の本で半分生物学の本です。生物学が、数字で理路整然と説明できるなんて、まさに推理小説です。「数理生態学」がこんなに面白い学問だとは知りませんでした。
 さてもう1冊は、氷河期ほどではありませんが、千二百年はさかのぼります。帯には「小学生から大人まで考古学と歴史学を感動しながら学ぶ本」とあります。このもう1冊の本『多賀城焼けた瓦の謎』は、前とは著者が違いますが、肝心の著者名がありません。監修名・工藤雅樹はあるのに。
 結局この2冊に共通するのは、画家の石森愛彦です。緻密でデザイン性に富んだ絵です。「かがくのとも」にも挿絵を書いているようです。この人の表紙なら子どもも手に取るでしょう。
 さて著者名ですが、奥付には文・文芸春秋とあります。そして著者の代わりに、画家のあとがきがあります。それによると著者は、編集者の下山進で、娘の萌子さんの夏休みの自由研究がきっかけだそうです。編集者は、本の全体の設計者であり、出来のよしあしは編集者の力量にかかっています。編集者の自由な発想と感性からうまれた2冊が子どもに贈られ、今後が楽しみです。内容の面白さは保証しますので、卒業、入学の贈り物にいかがでしょうか。                        (高橋峰夫)
『多賀城焼けた瓦の謎』はこのブログ07年10月22日に紹介しています。 

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2008年3月 3日 (月)

どこからみるの

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「まえむき よこむき うしろむき」
えとぶん いのうえようすけ
福音館書店 本体800円




 じつをいうとこの絵本を最初見たとき(1988年こどものとも年中版ででました)私自身に向って書かれているように思ってドッキリしました。と、いうのは、子どもだとおもってもみない見方をしますが、おとなになるにしたがって、知識は増えるのですが頭が固くなって、いつのまにか一面しか見なくなってしまいます。物事は違った面からみるととても不思議なことがあります。とくに政治、考えられない事が毎日おきています。まえむき・よこむき・うしろむき・うえからも・したからも・ななめからも(角度を変えて)みなければわからない事が多くなりました。子どもの時は素直に前からみて喜んだり、悲しがったり、怒ったりと、ちょっときょろきょろ見渡せばおもしろいことがいっぱいでした。
 と、反省したものでしたが、ハード版になってまた読み直してみると、ちょっと励まされているように思いました。まえむき・よこむき・うしろむき、いろいろみると人生なかなかすてたものではないのです。裏表紙の男の子の姿からちょっと見えている猫のしっぽ、ほら!元気に動いていますよ。


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2008年3月 2日 (日)

新版「ちいさなねこ」

 「こどものとも傑作集」のなかで「おおきなかぶ」とならんで比較的幼い子どもたちにも人気がある動物の絵本です。赤ちゃん絵本でなく、もう少し行動範囲がひろくなり、なんにでも好奇心、興味深々の幼い子どもそのものを描いている絵本です。
 わが家には猫が多い時で10ぴきちかくいたことがあります。(犬も3びきいましたが)。ほとんどが捨て猫なのでけっこう大きくなってから仲間入りをしたのもいますが、赤ちゃんのうちに捨てられ、目もあかないうちなので哺乳瓶で育てた事もあります。猫はかなり用心深い動物です。新しい所に猫連れで引っ越した時は2日ばかり外にでない、その間は家の中をのぞいて歩いて調べ、やがて外に出ていきますが犬のように飛び出したりはしません。窓から塀の上に、下に降りないで塀の上をいったりきたり、そろそろと様子を見ています。あれは猫道を探していて、まず、他に猫がいないか調べているようです。
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「ちいさなねこ」
石井桃子 さく
横内襄 え
福音館書店 本体800円

 表紙のこねこはまんまるの目をひらいて読者をしっかり見つめます。”ぼくの冒険をきていよ”といっているようです。こねこなので好奇心にかられて家を飛び出します。子どもの手から逃れてみたものの、車にひかれそうになったり、犬に追いかけられたり、でも、大丈夫お母さん猫がしっかりくわえて家に帰りおっぱいをもらって、裏表紙は満足したこねこの後ろ姿が描かれています。お母さんねこの迫力、犬に向っているお母さん猫のしっぽは怒りでチリチリと立っています。こねこをくわえているお母さん猫のおっぱいをやっている時の穏やかな表情、この絵本の猫はほんとに猫らしい、耳、鼻、足のつめまで、甘ったるい猫の絵が多いのでこういう本にあうと私は嬉しくなります。
 ところでこの絵本は新版になりました。不覚?ながらそれを知らないでいて、12月に見た時に驚いてしまいました。とても色がきれいになりました。しかもなんと前扉と家の中からこねこが外に行く場面が変わっているのです。(前の場面では猫が2匹いるようにおもえます。)そういえば、福音館書店ではいま「こどものとも傑作集」の版を変えています。印刷が良くなって色はもちろんのこと、筆遣いまでリアルになっています。もしかしたら、お客さまに古い版のまま売ったかもしれない、専門店としては恥ずかしく思います。
 こねこの鼓動と柔らかな感触が伝わってきそうです。手書きの良さをしっかり子どもたちに感じてもらえそうです。


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2008年3月 1日 (土)

春はすぐそこ

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 3月が好きです。まだ風は冷たいけれど、光は明るくなってきました。鳥たちの鳴き声も春の声です。12月〜2月にかけて次々と家族を見送ったので、なおさらいつも、いつも3月が待ちどうしくおもわれます。
 天徳寺の古梅は満開でした。どれ位古いのですかとご住職にお聞きしましたが良くわからないとのお返事でした。家の近所の白梅は通りかかると良い匂いがします。あぁ、春の匂いだと嬉しくなります。天徳寺のこの梅は古木なので花は満開でもあまり匂いません。でも樹木葬の樹々が植えられている一面には所々たんぽぽが陽に黄金色に輝いています。穏やかな春の始まりでした。何度か大きく深呼吸をしてきました。


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