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2007年9月 2日 (日)

夕凪の街 桜の国

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「夕凪の街 桜の国」
こうの史代
双葉社 本体800円




 映画「夕凪の街 桜の国」をみた。原作は第9回の手塚治虫文化賞新生賞、そして、第8回の文化庁メダィア芸術賞を受けた漫画ということは知られてれている。賞をとったのもさることながら書き手が1968年広島生まれということ、「原爆」をあつかっていることに興味をひかれて読んだ。広島に生まれたけれど、被爆者でもなく、被爆二世でもない、戦争そのものも知らない若いひと、しかも、学生時代は何度か平和資料館や原爆の記録映像で倒れたという感受性の持ち主、そして、表現方法は漫画ということで、発表された時にすぐに手にしてみた。作者があとがきで書いているように、私自身も原爆は「遠い過去の悲劇」でもあり「昔話」であり「よその国の事情」というふうにおもっていた。知らない、知ろうとしない、怖いという理由で、でもなんとなく思う後ろめたさ、とくに、8月になりマスコミなどでとりあげられると、複雑な気持ちでいた。
 このはなしは一人の人だけでなく被爆して生き残ってしまった皆実をめぐっての一家、そして、現代につながっている皆実の姪にあたる七波をめぐっての人々の物語である。落とされたという原爆、自分が生き残ってしまった、妹やたくさんの人を誰一人として助けることもできなかった罪悪感にさいなまれて、白血病で死んで行く皆実。50回忌にあたるいま、その姉の知り合いに会いに広島に行くことを知らなくて、父親の後をつけ、広島をたずねまわる七波、この二つの時代のつながりと重みはやはり本のほうがわりにくいが、読者に考える余裕をあたえてくれる。映画のほうがこの一家をめぐってのたくさんの人たちの関係が判りやすい分、いくぶん平坦になってしまっているが、良く出来た作品と思う。
 漫画にしろ、映画にしろもっとこういう本があって読まれたり見たりしても良い。中学校などで積極的に子どもたちと読んで(それには漫画は最良)話し合っても良いのではないかとおもう。17点の参考資料と原爆が投下された時の地図と解説がついているのもとてもうれしい。

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