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2006年11月 3日 (金)

宮崎駿のアニメを読む

      宮崎アニメの原点−『未来少年コナン』−
                                        高橋峰夫
 (3回にわけて、3日間連載します。)
(1)初の本格演出作品
  宮崎駿のアニメを、順を追って紹介してみたい、という気は前からありました。ただ、どこから始めるか。宮崎駿が原案・脚本の、『パンダコパンダ』は、画期的でしたが、監督は高畑勲です。 宮崎駿の出世作は、やはり NHKの『未来少年コナン』でしょう。78年製作で、全26話放映されました。宮崎駿・高畑勲・早川啓二の3人が共同で演出してますが、最初から最後まで関わったのは宮崎駿です。日本アニメーション(株)の制作ですので、ジブリ・コレクションには入ってません。 DVDはバンダイから全7巻出ています。
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(2)複雑な展開を見る(序盤・中盤・終盤をごく簡略に)
  08年7月、超磁力兵器によって地球は、ほぼ壊滅。その20年後からこのアニメは始まります。のこされ島に、たった2人生き残ったコナンとおじいさんは、砂浜に漂着した少女ラナと出会います。 ラナの説明だと、生き残った人達は、ハイハーバー島で、農村生活を営んでいますが、もう一方の生き残り、インダストリア島の支配者達は、科学文明に固執し「太陽エネルギー」での世界支配を企てています。でも、兵器にもなる「太陽エネルギー」技術者は、ラナのおじいさんラオ博士だけです。ラオ博士は逃亡中です。ラナはラオ博士を捕える手づるとして、インダストリアへ送られる途中で、ダイス船長のバラクーダ号から逃げ出したのです。
 しかしラナは、のこされ島まで追って来たモンスリーに捕まります。モンスリーは女ながら、インダストリアの政治局次長なのです。コナンはラナを追う為、バラクーダ号に潜り込みます。途中で友達になった、ジムシーも交えての救出劇が、アニメ序盤の見所になります。大冒険の末、ラナを救出し、変装していたラオ博士とも再会します。
 ここから中盤に入り、ラオ博士は、大津波で海没するインダストリアに自ら赴き、警告しますが、逆に捕まってしまいます。 一方、コナンとジムシーとラナは、一時的に仲間になったダイス船長の船で、ハイハーバーに着きますが、船は島民に沈められます。 こうしてコナンや船員達の、島での生活が始まりますが、ハイハーバーも理想郷ではありませんでした。宮崎駿は、島での楽しい生活をたっぷり描きます。その後は一転して、島民と厄介者オーロの対立、モンスリーの攻撃、オーロやダイス船長の寝返りと、逆転、また逆転です(事態を収拾するのは、島を襲った大津波なのですが) ここから終盤に入り、ハイハーバーは津波から立ち直ります。コナン・ラナ・ジムシーは、モンスリーと取引し、ダイス船長も入れた5人で、ラオ博士救出に、インダストリアへ潜入します。しかしインダストリア支配者の、レプカ政治局長は、モンスリーを裏切者扱いします。ラナと再会後、ラオ博士は、大津波前に住民を避難させる為に、「太陽エネルギー」を復活させます。しかし、レプカは住民を見捨て、空中要塞ギガントに「太陽エネルギー」を注入します。ここに至って、住民はようやく圧制に抗して立ち上がり、政治局を倒して、自力でハイハーバーへ脱出します。しかしその時は、レプカがギガントで飛び立った後でした。レプカを追いかけ、空中でギガントに乗り移ったコナン・ジムシー・ダイス船長は、最後の決戦に挑みます。ここの、大空でのアクションは、宮崎駿の独擅場です。そういえば『スターウオーズ』の日本公開が、同じ78年。あの映画は、空中シーンのスピード感が売り物でしたが、コナンの空中シーンは、むしろ浮遊感が持ち味です。
 『コナン』では世界の壊滅は08年7月。つまり、最終戦争は、制作時の30年後に設定されています。30年以内に核戦争の起こる可能性はありえます。あと2年、世界の危うさは、今も同じです。(明日につづく)

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