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2006年9月 2日 (土)

海からのおたよりー夏休み番外編2

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お宝ーガラスの浮き玉




 函館市の大森浜にはほとんど貝は落ちていませんでした。いくつかみつけた貝は地味な貝ばかりです。こどもたちはわたしのところに貝をよこすだけで興味はいまひとつわかないようでした。それでも歩きなれない北の浜はそれなりにおもしろく、打ち上げられた長い昆布を拾ったりしていました。
突然、長男のうれしそうな声がしました。見れば大きなガラスの浮き球が打ち上げられています。「浮き球」は漁で使う「浮き」です。いまはプラスチック製や発泡スチロール製のものがほとんどになってしまってガラス製のものは使われなくなっています。どこをどれだけ旅してきた浮き球でしょうか?北のフジツボがびっしり着いています。漂着物のコレクターの間では「ビン玉」とも呼ばれている“お宝”です。(漂着物学会のメーリングメンバーになっていると時々報告がきたりします。)北海道の観光スポットになっている小樽の北一硝子も明治時代からニシン漁のための浮き球を作っていました。漂着物はその土柄をなによりも物語ります。この浜では以前にイカ釣り漁船の漁り火(いさりび)のライトを(なんと電球1つで4kw!)見つけたこともありました。漁業といっても千葉あたりとはだいぶ違います。
ひととおり浜を歩いて帰ろうか、というときになってどうしても長男が「浮き球」を持って帰る、といってゆずりません。たしかに“お宝”ですがなんとも大きすぎます。なにしろ直径30センチの大物です。それでも「どうしても」、というのでさすがに千葉まで抱えて帰るわけにもいかず、宅配便で送ることになりました。
かくて我が家のベランダには大きな浮き球がころがり、2メートルもある昆布がまるで北国の漁師の家の軒先であるかのようにぶらさがっています。
 
 
    どんぐりつうしん変集長   谷口優子

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