お仲間にどうぞ

  • ー元気になる集まりいろいろー
    <時々募集!自主講座のグループ もありますが、くわしくは会留府にお問い合わせ下さい、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     3月の予定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      *学ぼう語ろうの会 18日2:00〜 読書会「神の島のこどもたち」 中脇初枝著 母の友2月号を読む 誰でも自由に参加できます。お茶を飲みながら。参加費200円  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      *ボランティア講座 18日10:00〜   子どもたちに本を読むボランティアに参加している人 今年度最後の講座なのでお話でも絵本を読んでも、各自のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     *Y・Aの本を読む会 14日 7:00〜読書会「おはなししてこちゃん・藤野かほり作」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     *グループ放課後 7日(木)7:00〜 図書館司書 「読みきかせのきほん28〜40」東京こども図書館刊 司書の立場からこのリストの検討  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      *絵本の会 15日7:00〜今年刊行された各自のおすすめ絵本 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      *憲法カフェ また・また 25日7:00〜原発は今・講師未定(交渉中)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  *羊毛ちくちくの会 3月はお休み     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                                                                                                                 

 3月の営業とお休み

  •  3月のお休みと営業時間
    10(日)臨時・4・18・25の各月曜日 時々用事で空けることがあるかもしれませんが お休みではありません。 お電話メールで確認歓迎します *営業時間10:30〜6:00 日1:30〜6:00
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2019年3月24日 (日)

またはじめます。

けれどどうもスムースどころかはじまりません。
なれれば良いのかしら?

2019年3月12日 (火)

ふたばからのおたより -3月―

ーココログのブログは17日から大規模のメンテナンスがはじまります。「えるふ通信」も15日からしばらくお休みになりますので(の)さんの3月ブログ「ふたばからのおたより」はいつもより早く掲載になりました。「えるふ通信」はいつから再開になるかはメンテナンスが終わってみないとわかりません。
決まりしだいtwitterなどでお知らせいたします。ー
       
             社会に巣立つ日

 毎年のように3月は、児童養護施設から巣立ちゆく子ども達のことを書いてきたように思う。今年度就労自立していく子は1人だけ、2歳からずっと育ったこの施設から18歳で社会へと巣立って行く。
 卒園式当日、思い出の写真を映し出すDVD上映があり、共に育ってきた後輩たちからの言葉、職員からの言葉、そして本人からの答辞。どうしてお別れの時になると、こんな素直な言葉が並ぶのだろう。15年と数カ月、決して短い時間ではない。あどけなかった顔に、ぶつけようのない不満や反発の表情が上塗りされて、時に大人への頑固なシカト(無視)や投げやりな受け答え、その底の底で何かを求める思いもあり、だからなのか、いつも思う。共に育ってきた子ども達の結びつきの強さに大人はかなわない。
 どうして私は、こうした子ども達のそばから離れられなかったのかな、時々考える。
 小学校時代、クラスに何人か「学園の子」がいた。校区内の大きな児童養護施設から通う子たちだった。中に私の次に小さな女の子がいて、隣同士になることが多く、ぼそぼそとよく話をした。小学校卒業と同時に親もとに帰っていったが、中学生になった最初の夏、ふいにその子から手紙がきた。「家の近くでお祭りがあります。見に来ませんか?」 遊びに行くと、病気のお母さんが布団の中から手を伸ばして、缶のお豆をちり紙に包んで渡してくれた。それを持って私たちは、人ごみの中をかきわけるようにしてお神輿を見た。遠い記憶である。
 私自身は、経済的にも環境的にも特に苦労することなく育ってきたが、ものすごく心細いタイプの子どもだったように思う。夜なかなか眠れず「人は一人で生まれ一人で死んでいく」というしーんとした心細さに囚われて、でも誰にも言えないような子どもだった。高校2年の春、突然学校に行かなくなったことも、どうしても親と違う生き方がしたいとあがいたことも、それでも親を超えられないと悟ったことも、みっともないたくさんの日々も、私には必要な時間だったのだと思えるようになるまで、とても長い長い月日を要した。
 このブログの場をお借りして、児童養護の場で暮らす子ども達の現実を伝えようとしながら、いつも、どこか自分自身のまわりをウロウロするようなことばかり書いてきてしまった。でもやっぱり、私は、ふたばっ子たちが大好きだ。そして3月、覚悟を決めた後のすがすがしいまでの顔をまっすぐに上げ、手を振って巣立って行く彼らに、「頑張れ」とささやきたい。  
4_4
写真は、3月初めに訪れた山形の資料館で見た紅花染めの着物です。 (の)
                   

2019年3月11日 (月)

怪物があらわれた夜


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「怪物があらわれた夜」
『フランケンシュタイン』が生まれるまで
文 りん・フルトン
絵 フェリシタ・サラ
訳 さくまゆみこ
光村教育出版 本体1500円

表紙はなにやら不気味な絵、女の人の表情はなにかをおそれているような、背後では男の影、そしてカミナリのような空。いやだなぁ。じつをいうと私は恐がりの子どもだったらしく、時々両親にからかわれた。いまでもホラー小説は嫌いだ。それでいて夜道を歩くのはそんなに怖いとはおもわないが、人ごみ、雑踏はなにやら恐ろしくて嫌いだ。この女の人は何を怖がっているのだろうか?今から200年前のスイスのレマン湖の畔の別荘ではイギリスの有名な詩人バイロン卿やその友人たちが集っていました。そのなかにメアリーがいました。何日も雨でとじこめられていた人たちはこわい物語を読みあっていました。そして、バイロン卿の発案で自分たちもそれぞれ怪談を書くことにしました。もちろんメアリーも参加します。メアリーは作家になりたかつたのです。メアリーの亡くなった母親は生前民主主義や女性の権利について書いていました。メアリーは母親の言葉の正しさを示したいとおもっていました。夜メアリーは夢をみました。恐ろしくもありましたがメアリーを励ましました。こうしてできたお話が「フランケンシュタイン」です。
 この物語を私たちは正しく読んでいません。実をいうと正しくとかそんなことでもなく、一方的にアメリカの暴れ回る不気味な怪物としか理解していません。メアリーが書いたお話は研究のあまりに制御の効かない危険なものを発明してしまう科学者の物語です。ーあとがきからー私が好きな「ゴジラ」も
今私たちのすべてを滅ぼしてしまおうとする原発も同じものかもしれません。
 絵は充分に怖いので、子どもによってはちょっと刺激が強すぎるかもしれません。と、いうことは人間の責任を考え始めるヤングアダルトにぜひ読んで欲しいとおもいます。充分に怖がりながら・・・。


2019年3月10日 (日)

こんとん

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「こんとん」
夢枕 獏 文
松本大洋 絵
偕成社 本体1600円

気になるコンビの絵本だったのだけれど、配本が先になり店にあとになってしまい、あわてて手配したら品切れとのこと、やと入ってきた。はじめちらっと見た時は良くわからなかったのだけれどこの本は中国神話に通じていることを知った。この話は荘子にでてくる。昔、北海の帝は儵(しゅく)といい、北海の帝は忽(こつ)、中央の帝は渾沌(こんとん)だった。儵と忽は渾沌の領地で時々会い、渾沌はあつくもてなした。儵と忽はその好意に答えるべくどんな人にも7つの穴があって聞いたり見たり食べたりできるのに渾沌にはない。それでひとつずつ7つの穴をあけてやろうとしたが、7日目には死んでしまったという。渾沌は形がない為に怪物の様にされてしまった。
 本文「じぶんの目でみる きく かぐ じぶんの 口で かたる それは なんだか とてつもなく たいへんな ことだったんだろうね。」
 古典をこんなふうに現代の絵本に表現、何度も読み返しながらいろいろのことをおもった。渾沌としている世界を私も旅する、渾沌といっしょに。


2019年3月 9日 (土)

明日のこと


        お知らせ

 明日3月10日(日)急用ができまして、会留府はお休みになります。
 11日(月)は定休日なので、連休になります。
 12日からのご来店をお待ちいたします。

2019年3月 8日 (金)

そらからきたこいし

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「そらからきたこいし」
しおたにまみこ
偕成社 本体1400円

鉛筆、木炭でしょうか墨一色で細部に描かれた絵、画風も本の世界でいくとちょっとシュール、文もSFぽくて独特な物語です。ある夜の話、ハナが外をみていると、空から光が降ってきました。それが庭に落ちたようなので拾ってみるとそれは石だった。けれど不思議なことに石なのに手の中で浮かぶ。ビンのなかにいれると、そのまま浮かんでいます。こんなことってあるのかしら?ママに聞いてみても石は浮かばないという返事。ハナが気をつけてみるとあちこちに浮かぶ石が見つかり拾ってきてビンにいれておきました。ある日取り出して石をちかずけると、ぴたっ!とくっついて大きな石になったけれど、一面だけがあいてたりないよです。探して見つけた一個をくっつけると形になった石は空を飛ぼうとするので、思わずハナはとびついてそのままいっしょに空に登っていきました。
 石だけが青く透明に光っています。ハナの手を離れて空に登っていった青い石、もうあの夜のように光が夜空からハナの手に届くことはないけれど、ハナが空を見上げるといつも輝いた青い光が見えます。

2019年3月 7日 (木)

どこいくの

       どこいくの

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「どこいくの」
こどものとも年少版 4月号
やぎゅう まちこ さく
福音館書店 本体407円

新年度月刊誌トップはわらべうた絵本です。ちょっとおでかけです。ねこにあいました。”どこいくの”ってきいたら、ねこは”ちょっとそこまで ぶらぶらと””ごいっしょはどうですか””どうぞ、おすきにどうぞ”しばらくぶらぶらと歩いて行くとかえるに会いました。2ひきのかえるも”ぶらぶらと”との返事。もちろんいっしょにでかけます。こんな調子でもぐらもうさぎも、みんなでぶらぶらと歩いていきます。もちろんもぐらといっしょの時は地面の下のトンネルだからちょっとぶらぶらというわけにはいかない。でもみんなで暗い中ぶらぶらと地上に。最後にはプリンをどうぞ。”いただきま〜す”いいなぁ!ぶらぶら歩くなんて、もうしばらくない。いつも目的をめざして遅れない様にせっせと歩く毎日。そうだブツブツ言っていないでやまぼうしに会いにぶらぶらと歩いていこう。


2019年3月 4日 (月)

むこう岸

     むこう岸に渡る

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「むこう岸」
安田夏菜
講談社 本体1400円

ー生活保護法第一章 総則 第一条 「この法律は日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」ー
ー生活保護法 第一章 第二条「すべての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」ー
 貧困のなかにすこしでも希望をもちたいけれどどうにもならない樹希と、豊かな階層で育ち両親の期待におしつぶされそうになってしまった和真、貧しいという不条理に立ち向っていこうとするふたりの中学生を中心に必死に生きていこうとする人びとを描いている。
 日本の児童文学のなかではめずらしいく社会とのかかわりがうわすべりでなくしっかり書かれている。
いまの私たちが考えなければならないこと、「貧しさ」とは。経済的にも心の「貧しさ」にも未来を委ねてはならない。決してあきらめてはならない。

2019年3月 2日 (土)

ふようどのふゆこちゃん おやまはだいじ


     ふようどのふゆこちゃんー春だよ

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「ふようどのふゆこちゃん」
 おやまはだいじ
飯野和好・作
理論社 本体1400円

ふようどのふよこちゃんはお山で生まれました。”春だよ!ふゆこちゃん。”ふゆこちゃんはう〜んと背伸びします。ふゆこちゃんは里山のぞうきばやしで生まれて暮らしています。冬の間はふかふかの落ち葉から出来た腐葉土のなかで眠っていました。今日はおじいちゃんといっしょにお山にでかけてきました。おじいちゃんのお友だちに会いにきました。春になったのに里山の様子がちょっと変だから。おともだちは山の泉にすんでいるおおさんしょううおです。ふたりはなにか相談します。
 ちょっとたれ目のふゆこちゃんは土の良いにおいがします。不思議なことにふゆこちゃんをかわいいという人となんだか汚らしいという人がいるのですが、私はとてもかわいくて大好きです。ちょっと子どもの頃父と畑の土をいじったことをおもいだします。そして、この絵本のように祖父にくっついて魚釣りにいったこともおもいだします。畑といっても家庭菜園程度、魚釣りといっても鮒釣り程度なのですが無口な祖父とのんびりとしていると嫌な学校に行かなくて良くて(その頃私は不登校ぎみでした)その日は良い1日でした。
 この絵本の作者は埼玉県の秩父の農家の出身。ふるさとの思いからふゆこちゃんが生まれたとのことです。2冊目の作品です。


2019年2月25日 (月)

沖縄のこと

 今日は「語ろう〜学ぼうの会」の2月定例会です。この会は出席者が少ないのですが、細々と続いています。もう少し会に出席する人が多ければ、小さな講演会もできるかなとは思っていたのですが、あまり無理はしないでと当面は読書会が多い、テーマは福音館書店からでている「母の友」から取り上げることに決めてもいます。

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今月は中脇初枝著「神に守られた島」を取り上げていました。けれど昨日の沖縄の県民投票のことがほとんど話の中心でした。この本の感想はブログでとりあげたことがあります。やはり戦時下の満州での子どもたち(3人を軸にして)を描いている「世界の果ての子どもたち」を読んだ時、高校生や大学生に読んでほいしいと思ったけれど、この本もYAに読んで欲しいとおもいました。それは登場人物が子どもたちだからもおおきな理由のひとつです。
 一口に沖縄といってもこの本の舞台は沖永良部島、このこと自体私はどれほどのことが理解できていただろうか。日本=本土、沖縄本土、そしてそのまわりのちいさな島々、戦時中の島に生きた人びととこどもたち、私はもちろんのこと私の廻りの人たちは、沖縄戦のことを少しは、(少しはなのだ)しっている積もりなのだけれど、やっぱり意識のなかでは人ごとなのだと思う。それも受け継がれていないものだから、だんだんと経験した人が死んでいくいま、なんだか遠いことのようにしか思えないことになってしまった。原発もすっかりうすれて、忘却の彼方のようになってしまった。
 昨夜示されたノー、私たちにつきつけられたノー、政府のみならず、あなたが、そう!あなたはなにをするのですか!と私たちは問われているのだ。
 来月の定例会にこの続編の「神の島の子どもたち」を続けて読むことにした。1952年の沖永良部島のことです。

2019年2月24日 (日)

ふたばからのおたより -2月―

       
              合格発表の朝

 2月は高校入試の季節、月末には県立高校後期入学試験がある。今年は5人もの中学3年生がいて、前期の試験が終わっての数日間は絶望とかすかな期待に引っ張られてのもみくちゃ日々、どの子も緊張で引きつった顔をして、発表の朝を迎えた。
特別な事情がない限り、施設の子ども達は、県立高校一本の受験である。もし万一、進学する高校がなければ、就職の道も考えねばならならず、そうなると住み慣れた施設で暮らし続けることも難しくなる。多分、まわりの子ども達より一足早く、「自立」ということを突きつけられる。「ああ、もっとちゃんと勉強しておけば良かった・・・」この時期になって、どの子も口にする言葉だ。
子どもに依るのだが、施設にやってくる子、里親家庭で暮らす子ども達は概して勉強が苦手な子が多い。繰り上がり繰り下がりの計算で躓く。文章を読む意欲がない。だから何を聞かれているかわからない。ドリルの直しが山のようにたまり、宿題を終えるのに本当に泣きの涙である。どうせ、わからないと、最初からあきらめ感が漂っている。
どんどん遅れて、何をやっているかわからない教室で、じっと過ごす9年間はきついだろうな、と思う。昔、高校の頃、1年半くらい学校に行かなかった時期がある。それなりの受験校だったから、復学した2度目の高校2年生の時、特に理科の教科、物理や化学が全くわからなかった。ちんぷんかんぷんの授業、何をやっているのかさえわからない。当てられたらどうしようとじいっと座っている苦痛を、初めてその時味わった。「お客さん」って、こういうことか・・・。
子どもたちに基礎学力をつけようという試みは、さまざまな施設で行われ始めている。どうしたら、小さな自信の芽が子ども達の中に育つかな。「わかった」「ああ、そうか」という発見の体験をしてもらえるかな。独自の学習教室を施設の中で開いていたりしている。(協力者、大歓迎です!!)そして、私自身のことを言えば、今目の前にいる施設で暮らす小さな子ども達にこそ、お話の世界の楽しさを伝えられないかな。次はどうなるのか、ドキドキする豊かさ、基礎学力のもっと底にある好奇心のようなものに何か働きかけられないかな・・・、そんなことをこの頃思う。
後期受験に向かう子どもたちへ。力いっぱい頑張っておいで。合格を祈っている。

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写真は、おはなし会で通っている保育所の先生がいつもお礼で出して下さる、ある日のおやつ。この2年間見てきた子ども達とももうすぐお別れ。なかなか聞いてもらえず苦労しただけに、何だか感慨深いです。あと2回で卒園ですね。 (の)


2019年2月22日 (金)

ごろごろ にゃーん

       物語をつくろう
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「ごろごろ にゃーん」
長 新太 作・画
福音館書店 本体900円

 こちら猫町テレビ局です。猫町のにゃーんたちが初めて飛行機に乗るところです。入学のお祝いに「空とぶさかな号」に乗って自分たちだけで旅をすることになりました。そのようすを猫町テレビ局がみなさまに中継いたします。
 みんなが海の飛行場に集まってきました。ゴムボートから「空とぶさかな号」へ。今日は晴れ渡った気持ちの良い日、にゃーんたちはにゃーんにゃーんと鳴いています。飛行機はごろごろ。
 発射!
 途中釣り上げた魚を食べながらごろごろ にゃーんと飛んでいきます。
 大きなクジラが現れました。あっ、迫ってきます。飲み込まれてしまいそう。でも飛行機はごろごろ にゃーんにゃーんと飛んでいきます。嵐をこえて。UFOや長い長い蛇、高い建物ばかりの街の上、凶暴なイヌ軍団からも身をかわし、ごろごろ にゃーんと飛行機は飛んでいきます。あれ?「空とぶさかな号」のしっぽのはじにかみ付いてきたイヌがいました。でも大丈夫でした。イヌは鳥に助けられました。ごろごろ にゃーんにゃーんと飛行機は飛び続けます。
 ジェット機に追い抜かれてしまいましたが、お日さまに励まされ、捕まえようとのびてきた大きな手からも逃れ、ごろごろ にゃーんにゃーんと飛行機は飛び続けてきました。
 見えてきました。「空とぶさかな号」です。にゃーんたちは全員元気で海の飛行場に到着。
 ごろごろ にゃーんただいまー。
 ごろごろ にゃーんおかえりー。
 作者の絵本には見る人が物語をつくることができるような遊びがしっかり描かれてあります。それが子どもたちの大人気の秘密です。
(2月22日毎日新聞 千葉版掲載です)


2019年2月20日 (水)

子犬たちのあした

         子犬たちのあした

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「子犬たちのあした」
ロンドン大空襲
ミーガン・リスク作
尾高薫 訳
徳間書店 本体1600円

第二次世界大戦のさなか、ロンドンでは空襲が続きます。12歳のエイミーは翌朝出征する兄のジャックの飼い犬ミスティの面倒を見ることを約束します。というのもミスティはジヤックの誕生日にきた犬ですが、エイミーにとっても大事な犬です。なによりも大好きな兄のいない間は面倒をみると約束したのです。ところがその夜空襲があり、おびえたミスティは家を飛び出して行方不明になってしまいます。それにミスティは妊娠していました。迷子になって逃げ込んだ地下鉄の駅の奥で子犬を2匹うみます。
 この物語はその2ひきの子犬の成長と、その成長に手を貸した人を縦糸にミスティを探すうちに空襲のなか動物を保護する団体ナルバックの人たちと知り合い、人びとを助ける救助犬の育成に手を貸す様になるという希望をもつ、エイミーの思いを横糸に進んでいきます。そして、このことだけでなく、子犬を自分の子どもの様に育てた猫や、地下鉄の駅に隠れて暮らしていた少年、兵士でいた時に沢山の死のまえに、自分がなにもできなかったという思いから戦争神経症にかかってしまい、廃人のように暮らしていた青年ダニエルが立ち直っていこうとする、希望の光がみえてくることで物語は終わります。ロンドンの戦時下の様子がとても細かく描写されていて、思わず自分がそのなかで生きているような気持ちになってしまいます。猫と犬、野良犬、ゴミをあさってともかく生き残っていこうとするエネルギー、過酷な状況のなかで、他の人たちを心配して、手をさしのべる人たちなど、たくさんの人たちの手が差し伸べられていきます。
 動物好きな子どもたちにも(ちょっと字が小さいけれど)すすめたい本です。

2019年2月18日 (月)

「いたいっ!」がうんだ大発明

   「いたいっ!」がうんだ大発明
  ばんそうこうたんじょうものがたり

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「いたいっ!」がうんだ大発明
バリー・ウイッテンシュタイン文
クリス・スー絵
こだまともこ 訳
光村教育出版 本体1400円

アメリカ生まれの絵本です。バンドエイドの発明物語など、思ってもみない絵本の切り口です。若い夫婦、ただ妻はぶきっちょで料理をすれば指をけがしてばかりいます。それで心優しい夫は妻のために怪我の手当にバンドエイドを発明します。それは夫の仕事先の社長にも指示され、会社として発明にとりくみます。でもなかなかうれません。それで売り方を考えます。それは子どもを使っての広告、そして、それはみごと母親達の支持を受けて大成功。まさにアメリカンドリームの絵本です。
原文はどうなっているのかちょっとわからないのですが、日本語訳=文がとてもおもしろく、おしまい・・・・おっと!と話をつないでいきます。イラストレーターの画家もアニメーションの背景画家として活躍とのこと、全体的にコミカルな楽しい絵本になっています。


2019年2月17日 (日)

アルフィーとせかいのむこうがわ

        アルフィーとせかいのむこうがわ

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「アルフィーとせかいのむこうがわ」
チャールズ・キーピング作
ふしみ みさを訳
ロクリン社 本体1600円

1971年らくだ出版の新訳改版とのこと、いまから48年前、私がこの本をはじめてみたのは店をはじめて間もない頃だったから40年位前のこと、選書をしていて見つけた絵本だった。大判の絵本だった。手元にないので比べようもないけれど、もっと色の薄い絵本だったように憶えている。あぁ、こんな絵本があるのかとおもった。
 行ったことことはないけれど、ティムズ川の匂いと霧がたちこめたロンドン、ホームズが乗った馬車の音がガラガラと聞こえてきそうな絵にひかれた。それまで私は子どもの絵本は明るくて、にぎやかな子どもたちの声が聞こえてくるような絵で描かれた本が絵本とおもっていた。「せかいのむこうがわ」霧のなかの幻想的な絵のなかに子どもが一人たたずんでいる。「せかいのむこうがわ」にすてきなことがあると思っているアルフィー、たしかにまばゆいばかりの光に満ちている街、あらゆるところにあかりが瞬き、輝いている街、でもそれは決してせかいの向こう側ではないことを知るのには、もう少しの年月がかかると思う。つかのまの幸せな子ども時代を魔法のようにキーピングはみせてくれた。新訳にそって、久しぶりにゆっくり絵本を見る。


2019年2月12日 (火)

野生のロボット

         野生のロボット
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 「野生のロボット」
ピーター・ブラウン作・絵
前沢明枝 訳
福音館書店 本体1900円

岩の上に立っているロボット、新しいSF小説だろうかと手に取ってみる。アメリカの子どもたちに大人気な本とのこと、そのわりには装丁も挿絵もアニメ調でなく、私には好ましく思った。ただ、厚い本文299ページ、手に取って見るとずっしりと重い。(子どもたちは持ってあるけない本は荷物になるので嫌がる。電車や朝読にはあまりふさわしくない)
 あらしのあとに、無人島の海岸に船から流れ着いた箱が壊れていた。箱のなかにはロボット。ラッコは興味のままにさわったりいじったりした。一匹のラッコがロボットの頭の後ろについていたボタンに偶然に触った。少したつとブーンという音がして、ロボットが目をあけた。
 ロボットのロズはまわりの野生動物から学び、動物たちもロズを受け入れていく。そして、お互いを必要なものと思うが壊れたロボットを集めにきたものがやってくる。その軍団との戦い。けれどこれはこれからの島の動物たちの行く末の前哨戦でしかなかった。
 ロボットといういわば人工的なものと、島の生き物や自然とは、はたして共生していくことができるのだろうか。この重いテーマが決して暗く、悲観的なものではなく、かといって未来はバラ色というような最後にはなっていないのは、ロボットのロズが現在と未来を繋ぐものとして描かれているからだと思う。
 厚い割合に一章がとても短い。一つの章は2ページ半たらず、文はゆったりと組まれていて、冒険がたっぷりとあり、小学校3、4生位からの子どもたちにぜひすすめたい。

2019年2月10日 (日)

ミニ講演・トークの会へどうぞ

             2つの講演会・トークの会のお知らせ

    絵本の会・ーにゃんにゃんの日にー
            2月15日(金)7時から ゲスト好学社勢〆さんと福音館書店松村さんを
            囲んで。2月22日はニャンニャンの日、ネコ好きの人あつまれ!
            店ではネコの絵本を集めました。お買い上げの方はくじ引きができます。

    ボランティア講座ーブックトークとは?ー
            2月18日(月)10:00〜12:00 講師高桑弥須子さん
            子どもたちと本を結ぶ方法のひとつにブックトークがあります。
            自分で本を選び、読むようになるためどうやって手伝ったら良いか
            学校図書館司書としての実践のなかからのお話です。

    
   

2019年2月 8日 (金)

おどろいたりす

         おどろいたりす

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「おどろいたりす」
イーラ写真
マーガレット・ワイズ・ブラウン文
戸澤柊 訳
文遊社 本体1800円

久しぶりにイーラの写真に出会いました。「三ひきのこぐま」や「ねむいねむいちいさなライオン」などでファンになったイーラの写真、たんなる動物の写真絵本でなく、物語性のある写真絵本、それは文を書いているマーガレット・ワイズ・ブラウンにおうことも大きくあるけれど、動物たち、この絵本の場合のリスとネコの躍動感いっぱいの写真は、それだけで物語があります。りすが世の中を見たくなって旅にでます。いろいろの動物たちに出会って、やがて帰りたくなります。「まあ・・・!とりすはささやいて ぼくのねこみかけなかった・」この言葉の繰り返しが次の出会いを暗示します。
 イーラは1911年オーストリアのウィーンにユダヤ系ハンガリー人の両親のもとに生まれました。はじめはパリで彫刻の勉強をしています。ハンガリーは都市文化の豊かな都市です。写真家のアシスタントをしていましたがやがて動物専門の写真家になります。1941年戦火を逃れてニューヨークへ移住して1955年に亡くなっています。(これらのくわしいことはこの絵本の前作「どうぶつたちはしっている」にくわしい折り込みがありそこに書かれています。)イーラは写真を撮る時動物たちといっしょに暮らしたとのことです。躍動感あふれた動作、輝く目、写真絵本の傑作です。

2019年2月 4日 (月)

第一回はねこのイベント

        2がつ22日はニャンニャンの日

 ネコファンは会留府のお客様にもたくさんいらっしゃします。会留府でははじめての試みですが、ちょっとお楽しみイベントとして、第1回ニャンニャンフェアをします。絵本が中心です。8日から22日まで「あなたのすきなネコ」に関した本を展示します。その期間にお買い上げの方にはくじ引きでプレゼントがあります。
また、2月15日(金)7時から出版社のかたの参加でニャンニャントークがあります。参加定員は15名
(定員になり次第締め切り)会留府へ直接お申し込みください。
  
      ねこのオーランド限定復刊と新刊

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 (限定復刊・大型絵本)

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  (新刊 従来の半分の大きさです)


2019年2月 1日 (金)

    キツネのはじめてのふゆ

       
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「キツネのはじめてのふゆ」
マリオン・デーン・パウアー作
リチャード・ジョーンズ絵
横山和江 訳
すずき出版 本体1500円

昨夜待望の雨が降りました。それは暫くして雪にかわりました。ひらひらと花びらのような雪が降って、うっすらと積もりました。
 森でも雪がキツネの鼻先にひらひらと舞います。それを見ながら若いキツネは考えます。冬がきたら何をしたらよいのだろうか。けむしに聞きます。カメも、コウモリもリスも、暖かいところに引っ越しする鳥たち、眠るのだと教えてくれるクマ、どの答えもキツネには気に入りません。風がささやきます。”じっとしていてね”
 キツネが見つけたもの、自分と同じキツネです。そして、冬になったら何をするのか教えてくれます。雪がひらひらと踊っています。キツネも冬になったら雪のように踊るのです。さあ、いっしょに踊ろう。
落ちついた色、コラージュのような手法で春を迎える若いキツネの喜びがゆっくりと伝わってきます。
 

2019年1月31日 (木)

つらら

      つららーみずと さむさと ちきゅうの ちからー

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「つらら」
みずと さむさと ちきゅうの ちから
文  伊地知英信
写真 細島雅代
ポプラ社 本体

表紙から本全部1冊「つらら」の写真です。2016年から2018年にかけて、全国7カ所のいろいろの「つらら」の写真が載っています。P18からの「つららずかん」によると一口に「つらら」といっても大小からいろいろの名前の「つらら」があります。私は寒い所で子どもの時住んでいたので雪と同様「つらら」は良く見られるものでした。今は千葉に住んでいて雪が降ったことこそありますが、そういえば「つらら」は見ていないなぁと気がつきました。
「つらら」は見る・遊ぶものでもありますが、ちょっぴり食べたものだった。おとなになって、窓を開け目の前に垂れ下がっている「つらら」をとってオンザロック!屋根のゴミなども氷のなかに閉じ込められているのできたないものなのでしょうが、透き通った「つらら」はきたないどころが友情を確認するものでした。その頃家でとった「つらら」は軒のない今の家の構造ではできないはずです。
 この本にはそんなあなたのために家庭の冷蔵庫でつくる方法が載っていますので、つくってみることができます。
水と寒さと地球の引力でできる「つらら」これからの2月はいちばん寒い「つらら」の活躍する時です。


2019年1月30日 (水)

ふたばからのおたより -1月―

      
          子ども達からの声

 先日の日曜日、昨年に引き続いて「卒園生の体験談を聞く会」を開催、地域の方々や後援会、園の子ども達が通う小学校の先生、幼稚園の保護者の方等たくさんの方々に来ていただいた。今年も4人の卒園生たちが快く引き受けて、社会に出て感じたことや学園にいた頃の生活、これからの夢などについて実に率直に語ってくれた。
 私が一番強く印象に残ったのは、最後に会場から出た質問、社会に出て大変な思いをした時に、いったい何が支えになるのかという問いが投げかけられた時、2人は仲間に相談するとか、学園に来て聞いてもらうと言ったのだが、別の2人は静かに同じ答えを口にしたこと。自分はそれまでも本当につらい思いをしたことがあり、でもその時を何とか何とか乗り越えて生きてくることができた、そんな自分自身を支えにして今は頑張っている、そう2人は語った。その一人は今看護師さん、これから世界に出ていって国際看護師になることが夢だといい、もう一人は、あたたかい家庭を持ちたいな、と言った。
 学園で暮らしていた頃には言葉にできなかったさまざまな思いが、時を経て、社会で生きることを身をもって知る中で、やがて熟しぽつりぽつりと言葉として紡がれていく。その言葉をどう受け止めていいか、私は少し戸惑う。でも、とても重たい。
 目黒区、千葉県野田市と虐待死のニュースが続いた。今はホームで暮らす一人の少女がテレビのニュースを見てひとこと言ったという。「この子も、もし何とかして生き延びさえしてくれれば、私みたいに別の人生が拓けたかもしれないのに・・・」 生き延びさえしてくれれば・・・、という表現に悔しさがにじむ。
 その悔しさを、私はどう受け止めたらいいのだろ。

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写真は、1月29日~2月4日までのそごうデパート地下通路(半面)での里親制度啓発パネル展示。お近くを通りかかった時には、ぜひ覗いてみてください。  
                            (の)

2019年1月27日 (日)

ゴッホの星空

        ゴッホの星空
       フィンセントはねむれない

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「ゴッホの星空」
フィンセントはねむれない
バーブ・ローゼンストック文
メアリー・グランプレ絵
なかがわちひろ 訳
ほるぷ出版 本体1700円

オランダ ズンデルト村、一人の少年が星を見上げて眠れない夜をむかえています。少年の名前はフィンセント・ファン・ゴッホ、いまこそゴッホは20世紀の美術界などに大きな影響を与えた画家ですが、絵を描いていたのは10年ほどの短い間でした。そして、絵を描いているゴッホはまわりが全然見えなくなり、廻りの人たちから理解されない存在でした。
この本はそのゴッホの作品「星月夜 The Starry Night 1889年」を中心にゴッホの生涯を描いた伝記絵本です。ゴッホは唯一の理解者だった弟テオに「夜は 昼よりも 色あざやかで いきいきしているように おもえる」と手紙をだしています。少年ゴッホは星空を見上げねむれません。ぶつけるような強烈な色彩をつかって表現、夜空の下を歩き回って夜空の星をつかもうとします。ゴッホの激しい夜空の星の絵は見るものの心を揺さぶります。絵だけでなく、なかがわちひろさんの訳がそのゴッホの息吹を充分に伝えています。

2019年1月22日 (火)

まめとすみとわら

              幼い子どもも楽しめる民話


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「まめとすみとわら」
せなけいこ ぶん・え
廣済堂あかつき 本体1100円

昔話は長いお話もめずらしくはありません。それは本来子どものものというより、おとなの楽しみだったことが察せられます。でも、特に幼い子どもに昔話を語りたいと思う方にはなかなか良いものが探しあぐねてしまうことがあります。それに現代は暮しのなかのいろいろなものが使われなって身近になく、語りだけで楽しんでもらうのは難しくなっています。たとえばよく知られているこのお話「まめとすみとわら」短いし楽しいのでお話をする人も多い。でも、今の子どもには「すみ」も「わら」もまるっきり知りません。このお話はいわれを語る話の一つなのです。(マメにはなぜ黒い筋があるか)春などにはソラマメをみせると良くわかります。
 作者の本には「ねないこだれだ」など幼い子どもが大好きな絵本があります。怖い怖いと言いながらもワイワイと喜ぶ絵本のひとつです。この絵本のなかに女の子が破裂した豆のお腹を縫っている場面があります。この女の子はなぜか瀬名さん自身の様に思われます。ちょっとした時間に子どもを抱っこして読む、おとなにとって至福のひとときです。

2019年1月20日 (日)

ぼくはフクロウ

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「ぼくはフクロウ」
作フィリップ・バンティング
訳木坂涼
BL出版 本体1700円

でん!とフクロウが1羽。ぼくはふくろうです。なかなかかわいいフクロウですね。”イカスダロウ””ボクはタカイダロウ”ぼくはヒクイダロウ””しごとガンバロウ”・・・いろいろのフクロウがでてきます。言葉は韻を踏んでいて、その言葉に似合うフクロウが描かれています。なかなかおしゃれなおもしろい絵本です。子どもはこういう言葉遊びが得意、幼い子どももすぐ憶えて言葉遊びを楽しむことができます。
 ところでこの絵本のなかには何羽のフクロウがいるでしょう!


2019年1月16日 (水)

願いごとの樹

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「願いごとの樹」
キャサリン・アップルゲイト
尾高薫 訳
偕成社 本体1500円

この物語の主人公は216歳のレッドオークのレッドです。現代のアメリカ、この街では年に一度、この木に願い事を結びます。レッドは良いことも悪いことも美しい季節のなかでカラスのボンゴや街の人たちとおしゃべりをしたり、良い聞き手になって過ごしてきました。「願いごとの日」は5月1日、たくさんの人が願いごとを木に結びつけます。ある日この木陰に建っている小さな家にイスラム系の家族が引っ越してきます。この家の少女サマールは10歳位、隣の小さい緑の家には同じ年頃の少年スティーブンが住んでいます。サマールが願いごとの樹に結んだ中に書かれていたのは「友だちがほしい」と言う言葉でした。それをみて、レッドは掟をやぶり人間に話しかけます。
 ある日のことです。知らない少年がレッドの側に来て樹に<去レ>と彫っていきます。街は不穏な空気が流れ、また、レッドを伐る計画が持ち上がります。そして、サマールの両親は引っ越しを考えます。レッドはサマールにこの樹の側に住み始めたメイプの話をします。いよいよレッドは伐られることになり伐採業者がきます。ところがレッドのなかから現れたのは、レッドに抱かれて育ったたくさんの動物たちでした。(192,193Pいっぱいに描かれたせいぞろいの動物たちのの絵は圧巻です)この家の大家フランチェスカはなにがおころうとしているかがわかりました。
 サマールの一家は引っ越さないけれど、けしてスティーブの一家はサマールの家族と仲良くなったわけではありません。けれど人種差別に揺れた街の人たちも落ちついてきました。なにもかもパッピーエンドにはなりえない、けれども街もレッドにもまた、穏やかな日常がもどってきました。
物語のなかにたくさんの動物がでてきます。なかでもカラスのボンゴとのおしゃべりはユーモアに溢れていて、生きものが好きな人たちも充分に楽しめる物語になっています。


2019年1月14日 (月)

ジュリアが糸をつむいだ日

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「ジュリアが糸をつむいだ日」
リンダ・スー・パーク作
ないとうふみこ訳
いちかわなつこ絵
徳間書店刊 本体1600円

作者はイリノイ州で1960年生まれの韓国系のアメリカ人です。この物語の主人公のジュリアも韓国系アメリカ人です。パトリックという親友と<楽農クラブ>というサークルでカイコを飼って品評会に自由研究のひとつとして出品するまでのことが書かれています。ジュリアはとれた糸で刺繍をしたいと思っています。カイコを選んだのは母親が幼い時韓国でカイコを飼ったとのことから決めただけです。じつはジュリアはカイコなんて知らないし、気持ち悪いと思っていたのと、自分が韓国系であることに強い反発心をもっていました。それと親友のパトリックが飼育の過程をビデオに撮りたいということも理由のひとつです。パトリックは自分の家に幼い兄弟がたくさんいて、生活もあまり豊でない、それでほとんどジュリアの家にきて、宿題をしたり、本を読んだりしています。(キムチの嫌いなジュリア、大好きなパトリック)ジュリアにとっては大事な親友です。この物語はたんなる生きものを飼育する、それが良い評価を受けたことの記録物語ではありません。もちろんカイコの卵を手に入れて、大きくなり、ガになり、まゆから糸をとるという生物学な記録がしっかり書かれていますが、それが縦糸なら横糸に街でたった一人桑の木をもっているディクソンさんという老人が黒人で、ジュリアンの母親がなんとなく仲良くなるのを嫌がっている、ジュリア自身が韓国系ということでいじめられているのに、身近な親が人種差別主義者でないかと悩んだり、なんとディクソンさんはジュリアを中国人と思っていた)糸を採るためには繭を煮る、ということはその中のカイコは死んでしまう、生き続けるということはある意味では他の死のうえにあることを気づき悩みます。
作者はジュリアに最後にこんなことをいわせます。「知らないのに決めつける」それが差別意識や勘違いのもとだということ。
さわやかな青春物語になるのだけれど、たいせつなことがしっかり書かれていて、物語に厚みをあたえています。(「モギ ちいさな焼き物師 」も必読。図書館にあるだろうか?)

金の鳥

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「金の鳥」
ブルガリアのむかしばなし
八百板洋子 文
さかたきよこ 絵
BL出版 本体1600円

あるところに王様と3人の王子が住んでいました。王宮には金のりんごがなる木がありました。夜になると金のリンゴは食べごろになります。ところがそのリンゴが夜の間に何者かに食べられてしまうということがおきます。3人の王子が夜交代に番をすることにしましたが、上の2人の王子は眠ってしまい、3番目の王子だけが金の鳥が来てリンゴを食べるのを目撃します。捕まえようとしましたが1枚の羽根を残して飛んでいってしまいました。王様はその金の羽根を見て、3人の王子に捕まえてくるよう、捕まえてきたら王国を譲り渡すといいます。
 これにちかい昔話は各国にあります。日本にも「やまなしとり」などにおなじみです。雰囲気が違う、日本のお話は土臭く、音による自然描写が多いのですが外国のお話は難関をとおってご褒美をもらうという物語になっています。言葉や風習の違いからでしょうか王子の成長物語になっています。
 この絵本もブルガリアという、どちらかというと日本人にはなじみがうすい国のお話です。画家のさかたさんはシュール的な絵を描いています。赤毛、不思議な雰囲気を描きだしている自然描写です。それらが、読者を青い目の人びとの国ブルガリアという遠い国の物語へ誘います。

2019年1月12日 (土)

ウーペンせんとろうがんきょう

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ウーペンせんとろうがんきょう
こどものとも2月号
朱 彦潼さく
福音館書店本体389円

現代中国の絵本を見るのははじめてにちかいかもしれません。とはいえ作者は2010年に大学卒業後来日、アニメーションの制作を始めた新進の作家です。絵本ははじめてとのことです。ランランはウーペンせんにのって少し遠くのおじいちゃんの所に行くお話です。ウーペンせんというのは黒い帆のついた小さな船です。一人で漕いでいる人もあればランランのように船頭さんがいる場合もあるようです。おじいちゃんのメガネを買って船に乗ります。川では菱の実を採る人たちがいます。突然にわかの天気の変化でランランはだいじなおじいちゃんのメガネを川に落としてしまいました。おじいちゃんの家についたものの、ランランはメガネをおじいちゃんに渡せなくて悲しくて、悔しくて大泣きしてしまいます。夜中ねむれないランランが音がするので階段入り口に行ってみるとなんとなくした老眼鏡がおいてありました。だれが見つけて、届けてくれたのでしょう。
 作者はアニメーターなので、絵も遠近、そして流れがあってとてもおもしろくおもいました。内容的には菱の実、川から階段を昇る構図など、子どもの時の思い出が蘇ってきました。ランランの表情豊かな描写、大いに期待できる新人、1888年中国生まれとの若い息吹に他の映画やアニメーションを見てみたいとおもいました。

2019年1月11日 (金)

わたしのおじさんのロバ

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「わたしのおじさんのロバ」
トビー・リドル
村上春樹 訳
あすなろ書房 本体1400円

表紙でソファーでおじさんと並んですわっているのはおじさんのロバです。おじさんのロバを皆さんに紹介します。とはいっても年齢は不詳です。家の中で暮らしています。お気に入りの場所(いす)があって映画も見ます。朝ご飯はワラです。とてもお行儀が良い?のです。おじさんの気をひくこともしますが、ロバにおとらずおじさんもマイペースな人、私からみるとどっちもどっちです。じつをいうとこのロバのような人を私は知っています。でも残念ながらもうその人にはあえませんが。
 このいたずら好きのロバの表情と対照的なおじさんのたんたんとした存在、そして絵の中に描き込まれていることに訳者の解説がついていますが、見ている映画にチャップリン、ピアノの曲はサティーとか、ロバが食べている花はゴッホのひまわりだとか、その他・・・。
裏表紙のロバ、あわててどこにいくのでしょか?なんかいたずらを見つけられたあの人みたいです。

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