月日のたつのが早い

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今日は朝から強風が吹き荒れています。これから寒さも押し寄せてくるとか、新潟の知人に電話をしたら大変な雪でため息をついていました。大きな道路は車が通れる様に除雪してしまうようですし、すこし積もるくらいはうれしい気持ちになりますが、やれ3メートルだ、4メートルだというとため息がでます。なんといっても屋根の雪下ろしです。ほっておくと、ミシッ!ミシッ!と家が泣きます。戸が雪の重さで開かなくなります。雷が鳴って、昔は良く停電しました。ろうそくをつけて、コタツにもぐりこんで、灯が着くのをまちます。まぁ、今の様に電気製品もなかったので、もう自然にはできるだけさからわないで待つよりしかたがありません。雪国の人間は辛抱強いかもしれませんが、さからわずいうのは、やはりどうしても保守的になりがちです。「絆」などと、とってつけたように喚かなくとも、となり近所と助けあわなければ暮らしていけません。それが今度は我が身を縛る、まわりの意向をうかがいながら暮らしていくのが嫌でした。でもそれはちがう、まわりのせいでなく、自分に自信と勇気がないからだとずっと後になって気がつきました。
近所のロウバイがまっさかり、そして、その隣ではみかんがたわわになっています。いつも声をかける大好きな欅は裸になって、カラスの巣が丸見え、カラスの姿は見えないのは、どこかで風をよけているのでしょうか。
 1月があっという間にたってしまったので、2月はもって早く逃げていってしまうでしょう。読みたい本がたくさん積んであるので、2月は本をしっかり読むぞ!!と意気込んでみました。

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ひもが つくる かたち

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「ひもが つくる かたち」
ちいさなかがくのとも 3月号
かみやしん さく
福音館書店 本体390円


わぁ!おもしろい。ひもをこんなふうに絵本にするなんて。この絵本で取り上げられているひもは百円ショップで売っているものだそうです。ひもは身近な生活のなかに欠かす事のできないものですし、人が最初に使いはじめたものではないかと思います。(ロープは産業の発達と一緒だったかもしれませんが)この百円ショップで買ったなんの変哲もないひもに、言葉を与えるとまるで生きもののようになります。横にも上にも下にも、スルスルと伸びていく、形にもなる、裏表紙の猫のようすも笑ってしまいます。そして、何かと何かを結びつけることもできる。それはただ結びつけるだけでなく、文化が生まれるのです。
「ちいさなかがくのとも」は10周年になるとのこと、じつは、はじめ出版されたとき「かがくのとも」があるのに・・・と思ったものですが、なかなかおもしろいのでファンになりました。単なる知識でなくリズムのある言葉がついている、それは言葉もかがくかもしれないと気づかされます。

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月へ アポロ11号のはるかな旅

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「月へ アポロ11号のはるかな旅」
ブライアン・ブロッカ文/絵
日暮雅通・訳
偕成社 本体1500円


1969年7月20日 人類ははじめて月におりたちました。月は太陽とならんでとても身近な存在です。けれども不思議な存在です。月は人の生き死にとも関係があります。物語の世界では太陽が男性なら、月は女性とされます。出産と関係があるとされているからでしょうか。そういえば15日は中国ではお正月、満月だからとラジオで話していました。
この本は絵本の形式の科学絵本というかノンフィクションの分野なのですが、月の静かさを詩を読むように描かれています。月面着陸の経過や秘話がくわしく描かれていて、アポロ11号の宇宙の旅をゆっくり楽しんでください。

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みっつのねがい

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「みっつのねがい」
ピレット・ラウダ 再話・絵
まえざわあきえ 訳
福音館書店 本体1300円

このお話は広く良く聞くお話です。グリム童話やイギリスのお話のなかにも似たお話があります。ただ私はそれらのお話を活字で読むか、いわゆる語りで聞く事が多く、絵本になっているのはあまり見た事がありません。それとエストニアという国もあまり知りません。
 けんかばかりしている夫婦のところへ現れた男が、3つ願いをかなえてやるといいます。そこはけんかばかりしている夫婦のこと、うまく願いごとをいうようにはものごとが運ばれません。へとへとになり朝、料理がまずくおくさんはついソーセージ、それも大きなソーセージが欲しいと言ってしまいます。ドン!特大のソーセージがあらわれます。願いをこんなことに使ってと怒っただんなさんは、おもわずおくさんの”鼻にくっつけばいい!”と、言ってしまいます。当然ソーセージはおくさんの鼻にくっついてしまいます。これでふたつ願ってしまったことになります。それでも二人は言い合ってけんかです。おくさんは悲嘆にくれて首をふると、だんなさんはソーセージでなぎ倒されてしまいます。おもわず”こんなソーセージはなくなればよい!”というとめでたくソーセージは消えます。
 いままでお話で聞いたり読んだりしたのは、すこし教訓臭かったのですが、ともかくこの絵本はストーリーもおかしく、コミカルな絵はただ読者を楽しませてくれます。絵がとても現代的なので、おもわず絵本をめくりながら、自分の事をいわれているように思ったおとなもいることでしょう。


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たまごってふしぎ

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「たまごってふしぎ」
アリス&マーティン・プロベンセン/作
こみやゆう/訳
講談社 本体1600円

女の子が本を片手に真剣な顔をして、鳥の巣を覗き込んでいます。なにがあるのでしょう。鳥の巣のなかには小さなたまごがふたっつあります。この絵本は簡単な科学の絵本と言っても良いとおもいます。
小さなたまごから大きなたまごまで、子どもたちが真剣な表情でいろいろなたまごを見ています。科学の範囲になりますが、科学絵本というより物語絵本にちかいです。セピア色の紙を使って、自然のなかのちょっと土臭い表現で描かれています。子どもたちの好奇心いっぱいの表情が楽しいです。
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この作者の「かえでがおか農場の一年」(ほるぷ出版)は私の好きな絵本の一冊です。アメリカの農場の一年の様子が描かれています。農場なのですが、紙は白く、きちっと農場の動物やせわをする人たちの様子がコマ割りをつかいながら描かれています。動物のノミなんかも描かれていてユーモアのある楽しい絵本です。ずいぶんと絵のタッチがちがう、いろいろな手法をつかって描いています。
「栄光の大飛行」(BL出版)の主人公はいかめしく威厳の有る表情をした飛行機乗りの話です。


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ふたばからのおたより -1月―

          
       言葉で伝えること
 
 相談に関わる仕事をしていると、言葉で何が伝えられるだろう、と、心底思い悩む場面に何度もぶつかる。ただ話を聞いているだけの時はいい。向き合って座る人に、あるいは受話器の向こうの相手に、こちらから何かを伝えなければならない時、それがとても伝えにくい内容で、でもどうしても伝えなければならない、ときっぱりと感じた時、何の準備もできない。ただ真っ白になって相手と向き合う。全身全霊をこめて、言葉をさがす。
 人を力で動かすことは絶対にできないのだけれど、でも、もし言葉の力で動かそうとしているのだったら、それはそれで驕りではないだろうか。そんな自問自答を繰り返す。
 去年の暮れ、かなり疲れ切っていた時、ちょっと嬉しいことがあった。
 知人から、ふいに言われた。「中学生の息子がね、おたよりの(の)さんの文章が好きだって。『あんな文章の書ける大人になりたいなあ』って言うのよ。」
 言葉って不思議だ。会ったこともない中学生の彼の言葉が、今の私を支えていたりする。
  
p.s.写真は、ショートステイの部屋の前に植えたヒヤシンス。いつ咲くかな?

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シノダ!キツネたちの宮へ

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「シノダ!キツネたちの宮へ」
富安陽子 
大庭賢哉・絵
偕成社 本体1300円

シノダ!シリーズも6冊目になりました。ママがきつね、パパは人間で、生まれた子どもたちユイ、タクミ、モエ、3人は半分はママの血筋で不思議な能力があります。この6巻目は主に風のことばを聞く事のできるユイが中心になっています。信田一家はドライブにでかけたまでは良かったのですが、なぜか一方通行の山道に迷い込み、たどり着いたのは祝の宮というところでした。そして、祝の宮では婚礼が行われようとしています。もちろんキツネの婚礼です。そこは人間が来てはいけないところ、みつかったらたぶん殺されてしまうでしょう。ママはきつねですから問題ないとして、また、三人の子どもたちは半分キツネの血をひいているのでどうにかなるとしても、パパは完全に人間です。引き返してにげようにも結界がはりめぐらされてそこからでることができません。おりしもいつも迷惑ばかりかけている夜叉丸おじさんがでてくるし、ママの妹で、ばけ術はすごいのにおしゃれで、これもまた困り者のスーちゃん、そして、ママとパパの結婚に大反対で、子どもたちと会おうとしないイツキおばあちゃん、そのほかママの家族が勢揃いします。もちろん子どもたちの大好きな鬼丸おじいちゃんもあらわれます。なんとか婚礼も最後になってきたと思ったのに、とうとう皆はキツネたちに見つかって裁判を受ける事になります。
 以前、作者の富安さんは”私は嘘つきの血をひいていて・・・”というような話をされたことがありますが、この物語の背景、祝の宮の建物の構造や、婚礼の祝いになされるいろいろなしきたりなど、富安さんはもしかしたら、このママのようにキツネかしらと思うくらいリアルな描写が続きます。シノダ!のシリーズは高学年から中学生、そしておとなに良く読まれ、続編がでるのを待っています。一種の冒険物語なのですが、子どもたちは自分で進んで悪?に立ち向かっていったり、行動をおこしません。そのかわりといったらいいのかもしれませんが、窮地に落ち込んだ子どもたちをおとながしっかり手助けしたり、かばったりしてくれます。子どもたちはかならずおとなに助けられて、ハッピーエンドになります。ある意味では日本的な物語です。そして、日本の伝統的な事がたくさんでてきます。読みやすいのですが、読み手を選ぶ物語といえます。私はたっぷりと「キツネの秘密」を味わう事ができましたが、もしかしたらキツネの妖術にばかされたのでしようか!でも、おもしろかったです。


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クロックワークスリー

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「クロックワークスリー」
マコーリー公園の秘密と三つの宝物
マシュー・カービー作
石崎洋司・訳
平澤朋子・絵
講談社 本体2200円

19世紀末のアメリカ東部、この街にはオペラハウスや大聖堂があるかと思うと、ピーマンがいるような野生の森があります。裕福な一握りの金持ちがいるかと思うと、毎日の食糧を手にいれるのが困難な人たちがいます。そんな街を舞台に三人の子どもたちの冒険と活躍の物語というと、それだけでおもしろそうです。三人の子どものひとり、イタリアから人買いにつれてこられたジュゼッペは、波止場で難破した船から流れ出した荷物を見つけ、包みを開けてみます。出て来たのはみごとな緑色のバイオリンでした。ジュゼッベは街角でバイオリンをひいてわずかばかりのお金をもらう大道芸人でした。すぐに、このバイオリンの魅力を知ったジュゼッペは人の来ない墓地のあるお墓の裏に隠し持ちます。見つかれば親方にとりあげられます。また、同宿の者たちの嫌がらせにあいます。イタリアの家族のもとに帰りたいと思っているジュゼッベはお金を貯めなければなりません。緑色のバイオリンは奇跡のバイオリンでした。とても上手に弾く事ができるのです。同じく難破した船からなにか役にたつものがないかと波止場に来ていた少年フレデリックは時計職人の見習いです。試験をうけて独り立ちの時計職人になりたいと思って試験の製作にとりかかっています。そして、ブリキの板を見つけます。それだけでなく、その人形を動かすのにハンナが黙って博物館から持って来たゴーレムのかけらが役にたつ事に気がつきその材料を盗んでしまいます。フレデリックは養育院に(そこはひどいところだった)自分をおいていった母親に会いたいと願っています。もう一人のハンナは父親の命をすくうため、気の弱い母親や幼い妹たちを養うため雇われているホテルの不思議なお客ポメロイ夫人の宝石を盗んでしまいます。ところでハンナがメードをしているホテルには宝物がかくされているとか。三人は誰もがお金を必要としていました。宝物を探して三人の冒険がはじまります。
 この物語はディケンズの小説のように、底辺に生きている人たちの願いと哀しみを丁寧に描いています。三人の子どもたちだけでなく、脇役になるおとなたちが、どの人も(悪人すら)みんな大変個性的、それだけでなく、人生の苦しみも哀しみも充分に知っている、それがこの物語を奥行きの深いものにしています。もうひとつ印象的なのは、緑のバイオリン、機械仕掛けのからくり人形、フレドリックの母親の歌声、それらの音楽、音がこの物語の背景にずっと流れている様に感じます。
 単なる冒険物語でなく、とても密度の濃い小説です。平澤朋子の絵もぴったりです。


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わたしの山の精霊ものがたり

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「わたしの山の精霊ものがたり」
オトフリート・プロイスラー/作
ヘルベルト・ホルツイング/絵
吉田孝夫/訳
さ・え・ら書房 本体1700円

この「わたしの〜」のわたしは作者プロイスラーのことです。日本の子どもたちはなんといっても「大どろぼうホッツェンプロッツシリーズ」(全3册・偕成社刊)が大好きです。男の子が主人公、そして、ちょっとまぬけなドロボウ、字組もゆったりとして読み易く3年生位の子どもたちから人気があります。そのほか、YA向きには「クラバート」があります。クラバートの背景は一転暗く、自立がからんでいるとしてもただそれだけではないものを感じていました。それは今からもうだいぶ昔のことですがプロイスラーが日本に来て、私は話を聞きに行きました。3日にわたったシンポジウムで話を聞きました。そして、そのとき「クラバート」の背景が強制収容所だったことを知りました。あとがきなどにも書かれているようにプロイスラーは今のチェコ、大山脈リーゼンゲビルゲのふもとにあるボヘミアの生まれです。けれど、第二次大戦後、ボヘミアからドイツ人は追放され、プロイスラーは南ドイツに移り住みます。しかも、第二次世界大戦時にプロイスラーはドイツ軍の兵士として従軍し、やがて、ロシア軍の捕虜になり、5年間のつらい収容所生活を送ります。やっと解放されて故国に向かったプロイスラーはポヘミアから追放され、故国に住む事ができなくなったのです。この山の精リューベツアールはこの故国の山に住むいたずら好きの山の神さまです。「はじめの12のお話」はリューベツアールをからかったり、侮辱したりした愚かな人たちがリューベツアールから手痛いしっぺがえしをされるお話です。次の話はリューベツアールにれいをつくし、助けを願うとちゃんと手助けをしてくれるお話です。悪どい親方は懲らしめられます。ボヘミアはガラス工芸で有名なところですが、そんなきれいなお話もはいっています。そして、さいごはプロイスラーのことです。
ヨーロッパの深い森の精のお話、口ざわりの良いお話がはこびるなかで、久しぶりにしっかりと生活に根付いた民話を読みました。
 ちなみに私が会ったプロイスラーは「さむがりやのサンタ」(福音館書店刊)のサンタさんを少し大きくした感じの、元気なやさしいおじさんで凧のお話を語ってくださいました。(残念ながらドイツ語は全然わからない)でも、空に凧が自由に泳ぐ様子はなぜかわかりました。

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ぶらぶらどうぶつえん

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「ぶらぶらどうぶつえん」
井上洋介 さく
小峰書店 本体1400円


作者の絵は”なんだか怖い”といったおとながいましたが、たしかにほんわかムードが好きな人は怖くおもうのかもしれません。色をたくさんつかわないペン画はナンセンスユーモアいっぱいの絵本にふさわしく、子どもたちには人気があります。<えほんのなかをぶらぶらあるこう>というオビがかかっているけれど、絵本のなかだけでなく、実際この絵本のなかの子どもたちのように、動物園のなかをブラブラと歩けたらいいなぁ!動物たちもブラブラしていることだし、暖かくなったら動物園へ行ってみよう。あまり人のいない時がいいなぁ!ぶらぶと動物たちと話をしながらがいいなぁ!しまのシャツ着てしまうまに会いにいこう!

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山口マオ展覧会

 山口マオ展覧会

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「わに わに」ですっかり人気者になった山口マオさんの展覧会がひらかれています。
この絵本がこどものとも年少版ででたとき、あら!とおもいました。マオさんといったらあの独特のマオねこですっかり知られていました。”小さい子にこの絵本”といわれましたが、子どもたちは大好きです。ワニはあまり怖い生き物ではないようです。(カバもそうです。実際はなかなかですよね。)そして、このシリーズの本はなんと若いお父さんにも人気があります。とくに最初にでたお風呂、店でみていると手にしたお父さんの顔はゆるんで、お風呂に入っているような調子、その時は子どもに”早く決めなさい”と言いません。
 最近「こどものとも」ででた「あむ」がいいですね。存在感のある黒い犬、でもちょっぴり気が小さいやさしい犬みたいです。原画展は29日(日)まで千葉市民ギャラリー・いなげ


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しつもんおしゃべりさん/あいうえおみせ

   ことば・ことば
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「あいうえおみせ」
安野光雅 さく/え
福音館書店 本体800円


いらっしゃい!いらっしゃい!おみせがいっぱいならんでいるよ。上の段には「あいうえお」下の段には「いろはにほへと」みんなが良く知っているお店もあれば、何を売っているのか知らないお店もあります。それにお店の店主もちょっと会った事のない人もいます。たとえば、「ほうきや」の店主は魔女、ほうきに乗っておでかけです。お店では何が売っているか、最後のページには見開きいっぱいにならんでいて、全部あてられたらすごいですよ。

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「しつもんおしゃべりさん」
おはなし30 ねえ、よんで!
さいとうしのぶ・さく
リーブル 本体1500円


この作者のシリーズも6冊目、やはり右ページにはおはなし、左ページには絵がページいっぱいに描かれています。そのお話は新聞連載だったので30日、つまり毎日1ページ読んでも良いようになっています。短いお話なのでひとりでも読めますが、誰かといっしょに読んだ方が楽しいと思います。この本の1ページ目、こんな調子です。「ちょうかん」ーおはようございます!から朝刊の自己紹介?ーねえ、ねえ、しつもんってしってる?そして最後に「きょうのあさごはんなあに?」こんな調子です。こんなことを楽しみながら読んだら、言葉が豊かになると思います。そして、今はないものでも、絵を見ながらイメージをひろげていくことができます。寒い毎日絵本を楽しく読みましょう。 


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ひみつ

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「ひみつ」
福田隆浩
講談社 本体1300円


この著者の本「夏の記者」で気になっていたので、この本が出た時も読もうと思いながらも、そのまま積んでしまっていました。主題がいわゆる<いじめ>だったからです。<いじめ>に関してはみんな仲良くしましょう式の本が多いので、どうかな?と思って、なんとなく手がでませでした。ただ、気になっていたのは、やはり3.11以後福島の子どもたちが転校先でいじめにあったという話と、たとえば、原発のことや放射能のことをいうと、いじめとはいわなくとも、なんとなく共同体からはずされるという話を聞いたからです。都会は人とのつながりが薄い、でも地方では濃いかわりにみんなが同じでなければ暮らしていくのがつらい、閉鎖的な日本社会、このことはずっと前からいわれています。
この物語の主人公明里はひとクラスしかない小規模校から、父親がリストラにあって大きな学校へ転校します。しかもこれは後からわかるのですが、いまは仲良しになってはいますが、前の学校で転校してきた香奈をいじめていたことがあります。夏休み、手続きに訪れて学校のなかを見ていると、図書室で知らない子に突然声をかけられ、しかもぶしつけで失礼な言い方だったので、腹をたてて図書室をあとにします。けれど、二学期になってはじめて登校すると、その子が事故で意識をなくして入院していることをしります。クラス学校全体でお見舞いに千羽鶴を折る、全員善意のかたまりです。明里は疑問をもって落ちたという崖にいってみると、それは事故ではなく自殺でないかと思います。(ここらの描写はちょっと急ぎすぎて唐突か?)
著者はどの作品でも、まっしぐらに疑問にぶつかっていく子どもたちを描いています。やがていじめの実態をあばいていく、そうせざるのは明里がいじめる立場であったことがしだいにあきらかにされていきます。なぜ、いじめがあったのか、子どもたちの集団の心理が読む者を納得させる、たんなる犯人さがしと反省の物語になっていません。担任の教師、自分の力に絶望して塾の先生になってしまった若い教師、子どもたちみんなに、隠してうやむやにせず事実をしっかり認識させた校長、そして、リストラされたのでなく、もっと人間的な生き方をしようと自分からやめたという父親の話と、そっと娘の背中をおす配慮、子どもたちは5年生ですが、ひろく問いかけることの多い物語になっています。

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